政治

2016年11月5日

【三橋貴明】超国家組織「TPP 規制整合性小委員会」

From 三橋貴明@ブログ

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【お願い】

いつもご愛顧を賜りまして誠にありがとうございます。

この度、三橋貴明公式サイトをリニューアルすることになり、
現在の「三橋貴明の『新』日本経済新聞」というタイトルも一新することになりました。

そこで、いつもご利用いただいているあなたに
そのタイトルを決めていただきたいと思っています。

ご協力お願い致します。

https://jp.surveymonkey.com/r/G7F2NKX
※期限は11/6(日)までです。

———————————————

 さて、TPPに関する衆院特別委員会が、
TPPについて賛成多数で可決しました。

『TPP承認案・関連法案、衆院特別委で可決
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS04H2M_U6A101C1000000/
 環太平洋経済連携協定(TPP)承認案と
関連法案を審議する衆院特別委員会は4日夕、
自民、公明、日本維新の会の各党の賛成多数で可決した。

与党は週明け8日の衆院本会議での可決と参院への送付をめざしている。
今国会の会期末は30日まで。与党は会期延長も視野に入れ、
承認案と関連法案をセットで今国会で成立させたい考えだ。(後略)』

 今後は、衆院本会議での可決、
参議院における審議とプロセスが進むわけですが、
アメリカ大統領選挙を11月8日に控え、
ヒラリー・クリントンもドナルド・トランプも、
反対の姿勢を見せています。

 トランプ候補は、そもそもNAFTAを含む
自由貿易協定そのものが、グローバル企業を利するだけであり、
アメリカの雇用を生まないということで反対。

トランプ氏が大統領になれば、TPPは批准されずにジ・エンドになるでしょう。

 クリントン候補は、8月11日に、
「選挙後も大統領になっても反対する」と明言していますが、
同じ民主党の候補だったバーニー・サンダース氏支持層の
取り込み目的の可能性があります。

とはいえ、クリントン候補が大統領に就任したとしても、
再交渉は免れないでしょう。

 それにも関わらず、なぜ、この時点でTPP批准を急ぐのか。

こんなものは「後出しジャンケン」にすればいいにも関わらず、
率先してTPPを批准する。意味が分かりません。

 それはともかく、TPPについて懸念している点を予め書いておきたいと思います。
 やはり、個人的に一番嫌なのは、昨日も取り上げた「規制整合性小委員会」です。
「規制整合性小委員会」は各国の規制改革組織、
日本からは(恐らく)規制改革推進会議の連中が委員として参加し、
各国の規制を緩和、撤廃する勧告を出していきます。

その際に、グローバル企業なども「意見」をいうことが可能です。

 日本の場合、一つ目の懸念として、規制改革推進会議が
「自分たちの目的」を達成するために、TPPの
「規制整合性小委員会」を活用してくるという問題があります。

 現在、規制改革推進会議は「生乳流通の自由化」
という規制改革を推進していっています。

本改革が「なぜ、問題なのか?」については、
過去のエントリー「生乳流通改革という
「規制緩和」がもたらすもの 」で書いたので、
ここでは繰り返しません。

 いずれにせよ、生乳の指定農協団体などの抵抗が激しく、
規制緩和がなかなか進まない状況で、
「誰か」が案件を「規制整合性小委員会」に「上申」し、
「TPPの規制整合性小委員会の結論です。生乳流通は自由化しなさい」
 という形、つまりは「規制整合性小委員会」を「外圧」として活用し、
国内の規制緩和に利用される可能性が極めて濃厚という点です。

まさに、国家を超える「超国家組織」が、
日本の国の形を変えていくことになります。

 二つ目の懸念は、やはり全農問題です。

 全農が株式会社かされたとしても、
当初は株式の譲渡制限という「規制」はつくでしょう。

というわけで、カーギルが「規制整合性小委員会」に上申し、
全農の株式譲渡制限という規制が撤廃(あるいは緩和)されたとします。

 その時点で、何しろTPPには「投資」において、
加盟国の企業や投資家を国内企業、
投資家と同等以上に優遇しなければならないという内国民待遇があります。

もはや、カーギルによる全農買収を食い止める手段はありません。

 国内の食料流通の根幹を「外資系企業」に握られた時点で、
日本国は食料主権を失い、同時に食料安全保障も崩壊という話になります。

すなわち、亡国の農協改革 で書いた「亡国」の成立です。

 怖いのは、現時点では上記の類のスキームが困難だったとしても、
TPP協定の27章「TPP委員会の設置」において、
「3年後から協定の見直し」が明記されているという点です。

つまりは、枠組みが一度作られてしまうと、
「枠組みの権限を拡張する」形で、我が国は次々に
国家主権を喪失していくことになりかねないのです。

 といいますか、上記のプロセス(枠組みを作り、権限を拡大していく)は、
まさにEUの「進化」の歴史でもあります。

 十年後、あるいは数十年後の日本国民が、
「TPP離脱の国民投票」で国家が大混乱に陥ることがないよう、
わたくしは日本国の主権が奪われるTPPに反対を続けます。

—発行者より—

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★★★★★:毎日父さん様のレビュー

いつも日本人はお花畑が治らないなと思ってましたが、
世界とこんなにも違う人種なのかと改めて考えさせられました。

日本の常識は良いも悪くも世界の非常識なのだなとつくづく思いました。
こんな世界で日本人は存続していけるのかと疑問を持ちました。

月刊三橋最新号
「2016アメリカ大決戦〜グローバリズムと反グローバリズム、勝つのはどっちだ?」
http://www.keieikagakupub.com/sp/38DEBT/index_mag.php

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【三橋貴明】超国家組織「TPP 規制整合性小委員会」への5件のコメント

  1. robin より

    有形の資本主義以外にも無形の資本主義、教育や人間関係に投資するのも資本主義の両輪の片輪じゃないかな、育てる論理と増やす論理があって、両方人間の根源的支配欲を満たす正負の感情の現れか、資本の自己増殖、資本が資本を生むのが資本主義だけど長期的投資の間に人は成長しても短期的投機で人は成長出来ずに成長の土台を崩す、先代からの遺産を食い潰す、のでは。自己増殖するウイルス的性質は増えること、支配すること自体が目的で、次々と人体を使い捨てに、富を奪いつくして次なる成長の機会を奪うのか。増やすばかりで育てることをしないと次の機会はない、持続性がないのでは。人体は病原体とか病気と共存するけどある種の病気にかかって初めて生きるための目的が生じる、でも目的が存在し続けるためには過剰と抑制は交互に行はないとあのスマホみたいに回路の無限ループ?で自然発火、自己崩壊するのかも。資本主義は自然に生まれたものではないし、人工的に生まれたものである限り過剰な欲望を抑制する政府がないとバブル崩壊でハードランディングするし、逆に過剰な抑制から抜け出せないで延々デフレスパイラルに陥るのでは。多文化共生社会はグローバル格差社会で運と実力の社会だが、実際は最初の貯金と教育と教養がモノを言う社会だろう。広くて浅い国際社会で生きるより日本的?な狭くて深い社会で生きる術を追求するべきか。

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  2. 通りすがり より

    この記事とは関係ないのですが、ch桜の討論、拝見いたしました。グローバリズムを「無政府資本主義」と言い換えたのは、なかなかイケてると思いました。

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  3. 學天則 より

    チャンネル桜でのドイツと東京の比較考察お見事ですね。さすがやはり三橋さんは打てば響くwスバラシイw要するにグローバリゼーションで起きる問題は公共事業で道路や橋で異なる共同体を密にした後におきるガバナンスの問題と変わらない。問題は橋や道路でつながれた後の新たな共同体のルールへのアクセス手段なのです。ソフト、ハード面の格差が酷くなれば、アクセス手段が断たれ新たな共同体へのアクセスが出来ません。それは今、主権国家レベルで日本でも起きている。政府のルールがそこにアクセスできる連中によって彼らの都合のいいルールに書き換えられとる訳ですね。これは大阪市という政令市のガバナンスの問題でも起きてますね。藤井先生はしっかり気づいてますか?気付いているなら対処する戦略をとっとと練ってください。神=契約=文化=憲法=経営と先生の頭の中では繋がってますか?成功者程、洗練された文化=規範に引かれる物です。上記、解らなければしっかり歴史を組織経営の実務記録として学びなおしカデシュの戦い以来の戦史に学び、歴史の英雄の戦いを死ぬ者狂いで研究しつくし兵法、軍学に精通し、自ら兵を指揮できる自身がある将軍=主人なりましょう。そうしないと話にならない。今後はそういう時代でしょう。ではここからは約束通り、少しだけ契約に関して触れますね。纏まった時間が無いので、この様に断片的にたまに気が向いたら書く事にします。超国家組織が阻止できず、出来てしまうなら、その超国家組織の樹立に参加してルールを有利にするか?また、その超国家組織へのアクセスを確立しそのルールをどう書き換えていくか?それは主権国家でも同じで、なんでもある一定規模を超えた組織ではかわりません。主権国家の政府も超国家組織も貴方の事を丁寧に見てくれるパパでも、中小企業の家族経営の社長でもありません。アクセスして実力行使ししないと貴方の考えなどわかりませんし、伝わりもしません。実務的な当たり前の話でしょう。契約=ルールにアクセスせんといかんからそのルールが自ら書けて、チェックできる個人の確立と尊重が必要な話な訳です。契約書を書けるのは主人=自由な個人です、奴隷は契約書に少しでも奴隷として生きのびる為に中身もわからず盲目でサインするか、感情的に主人に逆らってのたれ死ぬしかない。前者がサヨク、後者がウヨク。中道のきちんとしたインテリジェントがあるなら主人は天皇陛下とそこに服した貴族や武士の様に常に契約書の内容をパパやママの様に帝国憲法の様に気を使って書いて下さるとはゆめゆめ思わん事です。通常はデフォルトで貴方を奴隷にする契約がそこにあると言う事ですし、それが当たり前でしょう。1+1=2と日本の学校で習う答えは契約書です。それを批判チェックできない明治からの教育という答えその物からチェックしてください。歴史におけるスコラ=学校はあの1+1=2である聖書=究極の神との契約書さえ批判しチェックしたのです。かの神は契約の神ですからね。そして頭の回る人なら、実践、実務として、そこの最前線を地方自治に求めるはずです。どこが戦場か三橋さんも藤井先生も早く気づいてくださる事を願ってます。日本人の何が問題なのかね?自由な子供たちの未来と世田谷テレビ開局記念に、ここに寄稿させて頂きます。ガハハハハのハ。思想=答えに従うのは社会契約論ですよw自分で考えられるだけの実務能力がないから奴隷は盲目に主人の答えにするがしかないのですね。主人が良い人とは限りません。念を押しますがデマゴーグのルール=契約に乗ってはいけません。犬が吼える様な根拠のない言動をゆるす契約に同意すると言論空間=会議が破壊されます。契約書の中身をチェックできないとね。嘘つきを主人にせん事ですw嘘つきを主人にしてしまう頭の弱い契約ができないチェック機能の無い小市民の大衆のようにね。でこうやって最低限の人間=主人が知る答え=契約書を書くと貴方方はさらに奴隷根性になると神様は私に注意されると言う事です。答えは馬鹿の壁です。通常は主人が奴隷の為に書く、奴隷に都合のいい答えなど有る訳ないでしょう。

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  4. たろう より

    ヒラリーが勝ってTPP締結となると安倍総理は日本の主権をユダ金に売り払った日本史上最悪の売国奴です。

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  5. たけちゃん より

    三橋先生 アメリカから見れば死に体のTPPに何故参加するのかわからないとの仰せですが、多分政治家として能力皆無な安倍晋三が歴史に名を残すにはアメリカの忠犬として働けば強大なアメリカの後ろ楯により栄華を誇る事が出来るからに違いありません。同じく無能バカ息子 小泉進次郎や大野敬太郎 親を小泉純一郎に殺された橋本岳までがCSISの犬として忠誠を誓っている事実を見てもコイツラがNWOとして終生 植民地日本州の支配をリード出来るからなのでしょう。私はコイツラ売国奴を三代先まで絶対に許しません!。

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