政治

2016年2月6日

【三橋貴明】TPPという主権喪失(後編)~主権喪失の危機

FROM 三橋貴明 http://keieikagakupub.com/38news/

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「日本が国債破綻しない24の理由 ~国の借金問題という<嘘>はなぜ生まれたか?」
http://www.keieikagakupub.com/sp/38DEBT/index_mag2.php

p.1 日本は「国の借金」でなぜ破綻しないのか?
p.13 ”国民1人当たり817万円の借金”を広める財務省の記者クラブ
p.20 日本国民は債務者ではない、「債権者」である
p.36 かつて、本格的なインフレーションが日本を襲った時代があった
p.42 “日本は公共投資のやり過ぎで国の借金が膨らんだ”は全くの嘘
p.55 グローバリストから財務省まで、消費税増税を訴える人々の思惑

http://www.keieikagakupub.com/sp/38DEBT/index_mag2.php

———————————————

ニュージーランドのオークランドで、各国代表がTPPの協定文に署名しました。

『TPP協定署名 焦点は国内手続き 日米は審議に暗雲も

http://mainichi.jp/articles/20160205/k00/00m/020/086000c

環太平洋パートナーシップ協定(TPP)参加12カ国は4日、ニュージーランドのオークランドで協定文に署名した。これにより、関税引き下げやルールの統一化などの合意内容が確定し、今後は発効に向けた各国の国内手続きが焦点となる。ただ、米国では大統領選が本格化して審議の難航が必至の情勢。日本も甘利明前TPP担当相の辞任により、今後の国会審議は波乱含みだ。』

毎日新聞は「日本も甘利明前TPP担当相の辞任により、今後の国会審議は波乱含み」などと書いていますが、そうではないでしょ。「中身」について議論し、揉めましょうよ。

最悪、批准された場合に、法的な「手当」を行う必要があります。そのためには、TPPの「中身」について議論する必要があります。人事(甘利大臣の辞任)は本質でも何でもありません。

というわけで、個人的に最も「危険」だと考えている「投資」について。特に、「投資」に関する「内国民待遇」が、協定文に入っているという現実を知って下さい。以下、ソースは「TPP政府対策本部 TPP協定(仮訳文)について」です。

http://www.cas.go.jp/jp/tpp/naiyou/tpp_text_kariyaku.html

「投資」では、最恵国待遇についても定められていますが、今回は内国民待遇に絞りますので、ご留意ください。

———
第九・四条 内国民待遇

 1 各締約国は、自国の領域内で行われる投資財産の設立、取得、拡張、経営、管理、運営及び売却その他の処分に関し、他の締約国の投資家に対し、同様の状況において自国の投資家に与える待遇よりも不利でない待遇を与える。
 2 各締約国は、投資財産の設立、取得、拡張、経営、管理、運営及び売却その他の処分に関し、対象投資財産に対し、同様の状況において自国の領域内にある自国の投資家の投資財産に与えるよりも不利でない待遇を与える。
 3 1及び2の規定に従って締約国が与える待遇は、地域政府に関し、当該締約国に属する当該地域政府が同様の状況において当該締約国の投資家及び投資財産に与える最も有利な待遇よりも不利でない待遇とする。

第九・十二条 適合しない措置
 1 第九・四条(内国民待遇)(略)の規定は、次のものについては、適用しない。
 (a) 締約国が維持するこれらの規定に適合しない現行の措置で合って、次に掲げるもの
  (i) 中央政府により維持され、附属書Iの自国の表に記載する措置
  (ii) 地域政府により維持され、附属書Iの自国の表に記載する措置
  (iii) 地方政府により維持される措置
 2 第九・四条(内国民待遇)(略)の規定は、締約国が附属書IIの自国に記載する分野、小分野又は活動に関して採用し、又は維持する措置については適用しない。
 4 いずれの締約国も、この協定が自国について効力を生じる日の後に、附属書IIの自国の表の対象となる措置を採用する場合には、他の締約国の投資家に対し、その国籍を理由として、当該措置が効力を生じた時点で存在する投資財産を売却その他の方法で処分することを要求してはならない

 5 第九・四条(内国民待遇)の規定は、次の規定によって課される義務の例外又は特別の取り扱いの対象となる措置については、適用しない。
  (i) 第十八・八条(内国民待遇)の規定
  (ii) 貿易関連知的所有権協定第三条の規定
———

条文や附属書が入り乱れており、分かりにくいと思いますが、附属書I(締約国別の定義):投資の留保事項、つまりはネガティブリストです。

I.附属書I 投資・サービスに関する留保(現在留保)(各国共通部分:注釈)【PDF:58KB】

http://www.cas.go.jp/jp/tpp/naiyou/pdf/text_kariyaku/160202_kariyaku_annex01-1.pdf

I.附属書I 投資・サービスに関する留保(現在留保)(日本国の表)【PDF:261KB】 

http://www.cas.go.jp/jp/tpp/naiyou/pdf/text_kariyaku/160202_kariyaku_annex01-2.pdf

読めば分かりますが、留保事項とは各種の「規制」です。例えば情報通信業について、「NTTの外資規制」等の規制については、内国民待遇の対象とはしません。といったことが定められています。

放送事業と同じく、NTTは株主の三分の一を超える外国人株主は認められていません。当然といえば、当然ですが、この外資規制はTPP批准後も維持されます。

そういえば、「放送事業」や「NHK」に関する留保が見当たらなかったのですが、お時間がある方、調べてみてくださいませ。まさか、ないはずがないと思うのですが・・・。

附属書IIは、関税維持(とりあえず)に関する措置です。第十八・八条は、知的財産権に関する規定です。

さて、上記の通り、投資の内国民待遇は「ネガティブリスト」方式です。すなわち、「新たな投資分野」が生まれたとき、それがいかなる分野(安全保障の根幹であっても)であったとしても、内国民待遇が適用されます。

というわけで、TPP批准後に、全農(全国農業協同組合)が株式会社化され、その後、譲渡制限が緩和されたとき、
「カーギルによる全農買収を防ぐ術はない。外資規制を(TPP締約国に対しては)かけられない」
という話なのです。そして、カーギルに全農を買われたとき、我が国の食料安全保障は崩壊します。すなわち、国民の主権に基づき、食料安全保障を維持することができなくなり、「亡国」に至るのです。

さて、これでも、
「TPPは別に主権喪失ではない!」
と、TPP推進派は言い張るのでしょうか。無論、
「別に、主権とかなくなっても構わないし」
という価値観をお持ちなら、それはそれで構いませんので、議論をしましょうよ。

ことは国民の主権にかかわる話ですから、正しい情報に基づく議論を積み重ねる必要があるでしょ? 特に、国会議員の皆様に申し上げます。
 
正しい議論をするために、本情報を拡散して下さいませ。よろしくお願いいたします。

「さすがに投資の内国民待遇は洒落にならない」と思われた方は、↓このリンクをクリックを!

http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_sv.php

※いま月刊三橋に申し込めば、最新号「日本の逆襲〜少子高齢化で日本経済は大復活する!」に加えて
2/11に公開の「TPP大検証〜日本を貧困化させる新たなる不平等条約なのか?」も聞くことができます。

ーーー発行者よりーーー

「日本が国債破綻しない24の理由 ~国の借金問題という<嘘>はなぜ生まれたか?」
http://www.keieikagakupub.com/sp/38DEBT/index_mag2.php

『三橋さんは過激な発言をする人だと思っていましたが…』
 By 服部

“私は今年退職をして、世間から離れて行く様に感じていました。
そんな時、月刊三橋をインターネットで見つけ、三橋先生の
ご意見を聞くようになり、世の流れに戻る感じがしました。

月刊三橋を聞き始めて3か月になります。
最初は過激な発言をする人だなあと思って聞いていましたが、
今回の国債破綻しない24の理由を聞いて、
今まで何回も聞いていた内容が、私のように頭の悪い者でも
やっと理解出来るようになりました。有り難うございます。

これからの日本の為にも益々頑張って頂きたいと思います。”

服部さんが、国の借金問題について
理解できた秘密とは・・・▼▼
http://www.keieikagakupub.com/sp/38DEBT/index_mag2.php

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【三橋貴明】TPPという主権喪失(後編)~主権喪失の危機への1件のコメント

  1. 子芥子 より

    唐突な提案なのですが三橋先生たちのような著名人、知識人が中心となってクラウドファンドを基金とした保守左派政党を作れないものでしょうか。(ファンドへの出資の対価は、自分たち庶民の所得が上がる、幸せな家庭が築ける、若者が将来を描ける)「個人献金」なる賄賂と見紛う四文字熟語よりも「出資」という能動的行為が庶民にとって政界へのアプローチになると思います。選挙をやる度、入れる所がない=また自民の一人勝ち。しかし熱意と素養ある一庶民が出馬したいと思っても供託金さえ払えない。結局この国では金がないと民主主義国家なのに声が届かないのだと思います。人選も公募にして、庶民の「人」と「金」の部分を巻き込んで「自分たちが庶民が作る政治」という選挙戦を行えば関心も高くなり、投票所に行く人の数も増えこの亡国のデキレース選挙システムに風穴を開けられるのではないかと思った次第です。他力本願ですが是非ご検討の程よろしくお願いいたします。

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