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2015年11月13日

【施 光恒】「上級国民」による政治?

From 施 光恒(せ・てるひさ)@九州大学

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【11月18日まで】期間限定プレゼンテーション
マスコミの言わない不都合な真実
http://keieikagakupub.com/lp/mitsuhashi/38NEWS_C5_100_mag_3m.php

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おっはようございま〜す(^_^)/

TPPについて政府は、どうも逃げの一手のようですね。
ここ数日、話題になっていますが、臨時国会、結局、開催しないようです。

臨時国会召集見送りへ、週内にも判断=政府・与党筋(ロイター、2015年11月12日)
http://jp.reuters.com/article/2015/11/12/extraordinary-diet-idJPKCN0T103320151112

リンク先のロイターの伝えるところによると、政府は、11月10日、11日の二日間に開催した衆参両院での「閉会中審査」で、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)などをめぐる議論は「出尽くした」と判断したとのことです。

臨時国会を開かないのは、2005年以来10年ぶりですので、とても稀なことです。上記のように、政府は、「議論は出尽くした」とか、あるいは「わざわざ臨時国会を召集までして議論するテーマがない」「安倍首相の外遊が多く、日程が合わない」なとど言っています。

これ、残念ながら国民軽視、民主主義軽視ですよね。
(-_-;)

TPPは、先月初めに「大筋合意」に至りましたが、合意内容や、TPPが国民生活に及ぼす影響など、不透明なことばかりです。また、自民党が、2012年12月の衆議院選挙のときに掲げていた公約は守られていないように見えますが、その検証の必要も大いにあるでしょう。

どう考えても、臨時国会を召集して、大筋合意の内容や国民生活への影響についてきちんと説明すべきです。

また、TPP問題に詳しい弁護士・岩月浩二氏が、最近、ご自身のブログで指摘していますが、政府は、合意された条文(「暫定案文」)をきちんと翻訳していません。日本語では大幅に短縮された「概要」が読めるだけです。

(岩月浩二氏のブログ『街の弁護士日記』の2015年11月8日付の記事「政府は日本語訳を開示せよ TPP「暫定案文」」)
http://moriyama-law.cocolog-nifty.com/machiben/2015/11/post-8876

「暫定案文」の全体は、2000頁以上あると言われていますが、日本語訳された「概要」は97頁しかありません。政府のHPには、「暫定案文」については、ニュージーランド政府のホームページに英語で全体が出ているからそちらを参照せよとリンクが貼ってあるだけです。

(内閣官房「TPP政府対策本部」のHP「TPP協定暫定案文等の公表について」)
http://www.cas.go.jp/jp/tpp/tppinfo.html#201511kyoutei_zanteiban

これもおかしいですよね。TPPについてきちんと国民に説明する気がないとしか思えません。

「暫定案文」全体を、正確かつ読みやすい日本語に翻訳し、公開するというのが、TPPをめぐる国民的議論を深める大前提ですが、政府は、それを怠っています。

先日発表された今年の「流行語大賞」の候補なかに、「上級国民」という言葉がありましたが、「これからの政治は、英語が達者な「上級国民」だけで決めるから、一般国民はだまっとけ」ということなのでしょうかね。
(+_+)

日本語訳ができていないということは、おそらく、おおかたの日本の国会議員も、自分の関心のある分野であっても、「暫定案文」にほとんど目をとおしておらず、理解もしていないでしょう。

また、岩月弁護士のブログでも指摘されていますが、TPPの正文は、英語とスペイン語とフランス語となるようです。日本語は、排除されます。これも大問題だと思います。

経済規模からみて、日本は、TPP域内で米国に次ぐ第二位の地位を占めています。なぜ、日本語が排除されてしまっているのでしょうか。政府は、「日本語も正文に含めるべきだ」という当然の交渉をしなかったのでしょうか。

控えめを美徳とする日本人には「日本語も正文言語に含めるべきだ」と主張することがはばかられるというのであれば(国際交渉でそういう遠慮は必要ないと思いますが)、せめて、EUのように、多言語主義を採用すべきだと主張し、TPP交渉参加国12カ国のすべての公用語をTPP域内の公用語として認め、全部の言葉で正文を作るべきだというぐらいの主張はできなかったものでしょうか。なんか情けないですね…。
(_・ω・`)シカーリシロオ…

TPPと言語の問題に関してさらに言えば、TPPの「政府調達」(公共事業の入札など)関連の案文では、やはり調達計画の公示は英語を用いるように努めるべきだと規定されています。

(内閣府HPにあるTPP協定の「全章概要」の第15章7条「調達計画の公示」(53頁)に、次の文章があります。「調達機関は、対象調達ごとに、附属書に掲げる適当な紙面又は電子的手段により調達計画の公示を行うこと、締約国は、調達計画の公示に英語を用いるよう努めること等を規定」。)

TPP発効後は、地方自治体が行うようなかなり小規模の公共事業の公示や入札手続きに伴う事務であっても、英語が使用できなければならなくなるのでしょう。日本の政府や自治体には、かなりの負担になるはずです。(業者に頼んで英訳してもらうことになるのでしょうが、財政負担は多額となるでしょう。米国をはじめとする英語圏諸国の業者がここで大いに儲けるんでしょうね)。

おそらく、入札後の事務手続きも、英語が使えないと文句を言われることになりますので、そこも英語化されていくのではないかと思います。やはり、日本でも、英語が次第に事実上の公用語となっていきそうです。

なぜ、ここでも政府は、やすやすと「調達計画の公示」は「英語を用いるよう努める」という条文を認めてしまったのでしょうか。英語国が一方的に有利になり、日本語を含む非英語圏は不利になります。せめて、「政府調達の文書は英語と同時に日本語でも作る」とかあるいは、それが利己的でいやだというのならば「TPP加盟諸国の公用語すべてで作成する」とすべきだったのではないでしょうか。

国際交渉の場では、国民のために主張すべきことを主張せず、国内では、国民に十分な情報を与えず、議論の場からは逃げ回る。そして国民に対しては、「グローバル化の時代だから、これからは外に打って出なければだめだ。英語がしゃべれなければ失格だ!」などとしたり顔で説教をする。

なんか最近の日本の指導者層は、非常に劣化しています…

また、暗い話になってしまいました。以前のようにもう少し明るいメルマガにしたいのですが、いけませんね。顔文字もショボーン (_・ω・`) 系が多くなってしまいます…

ながながと失礼しますた…

〈施 光恒からのお知らせ〉
●11月22日(日)に福岡のカフェで開催されるこじんまりとした勉強会の講師を務めます。
「グローバル化が損なう日本の活力――閉塞感はなぜ生じるのか?」というテーマで話します。
お近くの方はぜひ。
日時:11月22日(日)午前10時半〜12時
「第8回 学ぶカフェ」
場所:箱崎水族舘喫茶室(福岡市東区箱崎1-37-21)
http://www.hakosui.net/
JR鹿児島本線 箱崎駅 徒歩8分、または地下鉄箱崎線 箱崎宮前駅 徒歩7分
会費:1000円(学生500円)(飲食代別)
問い合わせ先:学ぶカフェ事務局
manabucafe@gmail.com

●岩月浩二弁護士も、私も執筆しています。
中野剛志編『TPP 黒い条約』(集英社新書)(^^)
http://www.amazon.co.jp/dp/4087206955

●民主政治における翻訳の大切さについては、施 光恒『英語化は愚民化――日本の国力が地に落ちる』(集英社新書)<(_ _)>
http://www.amazon.co.jp/dp/4087207951

—メルマガ発行者より

ドイツはいま、5つの難問に直面しているという。フォルクスワーゲンの排ガス不正問題、世界的なデフレ、ギリシャ問題、難民問題、ウクライナ問題。

ウクライナ問題はやや特殊な事柄ながら、他の4つの難問はほぼ根っこを同じくするという。それは「経済学」の間違いに由来するグローバリズムだ。ユーロがその最たるものだが、現在の経済学の主流派である新古典派経済学は、国境を越えて、人・モノ・お金の移動の自由化を強く要請している。

また、多くの経済学者たちは、各国の規制を撤廃することで経済は最適化され、発展していくと言う。しかし、ユーロ圏、EU諸国を見る限り、経済発展どころか、勝ち組であるはずのドイツが経済的な難問を抱える結果となっている。

いったい、なぜこんなことになっているのか。

「グローバリズムは現代の帝国主義だ」と主張する三橋貴明が、ドイツが難問を抱えることになった背景、経済学の間違い、そしてグローバリズムという名の「新帝国主義」について詳しく解説する。

『月刊三橋』最新号「ドイツのバカの壁〜経済学の嘘が「国家」を滅ぼす」
http://keieikagakupub.com/lp/mitsuhashi/38NEWS_C5_100_mag_3m.php
※11/18まで1万9,000円相当の月刊三橋5本セット(計7時間01分)が100円でもらえます。

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【施 光恒】「上級国民」による政治?への5件のコメント

  1. はっちゃん より

    めっちゃヤバイではないですか!大阪の11月22日のダブル選挙ばかりが気になっていましたが、気がついてみれば政府の方も相当ヤバイ事になってますね。TPP大筋合意があり、内閣改造があったのに臨時国会を開かない。TPPの合意内容を国民に知らせない。逃げているようにしか見えない。とにかく逃げの一手。本当にこんなに逃げてもいいんですか?これはどう見ても怪しいですね。ヤバイから逃げるとしか思えないですね。暫定案文日本語訳が異様に少ないことなんか、もはや確固たる悪意を感じますよ。今回のこの記事ホント、たくさんの人に読んでいただきたい。

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  2. 赤城 より

    日本語を国際社会から排除しようとしているようにも思えるほどに酷い扱いですね。アメリカなどにしてみれば日本語は難解で英語と全く違っていて邪魔なのでしょう。その上で今の日本政府は日本語を公用語からはずして英語にしようとしているかのように、アメリカの要望を自ら飲もうとしています。よっぽどアメリカの属州、植民地になりたいのでしょう。または、アメリカ様の奴隷として働くことが自分たちの権力と利益を最大限未来永劫保証してくれると信じていて、現在の権力安泰のためにもせっせと日本をアメリカに売り渡しているのでしょう。私はこれ以上実質的に異様な効率で売国している政権は見たことが無い。売国する能力が圧倒的だと思います。それで日本の愛国者や保守を自認する多くの日本人の支持をいまだに失わず維持し続けているのだからこれはものすごいことです。これほどまでに保守とは真逆のことを凄まじい勢いでやり続けているのにもかかわらず。敗戦後の日本の反日サヨク、つまり親シナ朝鮮勢力と反対のことを言っていればそれだけで保守勢力だと認めてしまうのでしょうか。日本って日本人ってなんなんでしょうね。何にも分からないのに愛国者ですが気づいたら国が無くなってましたということにならないよう考えてほしいです。

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  3. 稲美弥彦 より

    岩槻浩二さんのサイトをご覧になりました。TPPだけでなくTisa、AIIB、RCEP、TTIPも英語業者が儲かるように作られており、既にAIIBの参加国であるロシアは第二言語と称した英語授業が開かれたようです。AIIBは中国主導なのは嘘であり、実際は英語圏の連中が非英語圏の国を合法的な植民地支配にすることを目的にした銀行です。AIIBのサイトもTPPの成文に日本語を入れていないのと同様にAIIBの成文には中国語やロシア語は含まれていないと思われる。つまりTPPとAIIBで全世界の英語公用語化は開かれてしまう。AIIBの公式サイトを見れば解ります。

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  4. クンメル より

    ジョージ・ケナンは 「 アメリカ外交50年史 」 で次のように述べている。・・・私は、民主的政府をもっていると自任している国の大部分において、世論といわれているものがしばしば大衆の意見を全然代表せずに、政治家、評論家およびあらゆる種類の宣伝家など―――人気集めの能力によって生活し、もし沈黙を強要されたら、陸に上がった魚のように悶死してしまう人たち―――非常に騒がしい少数の連中の利益を代弁しているのではないかと思うのである。この種の人々は、軽率なまた盲目的愛国心をあおるようなスローガンに逃げ道を求める。というのは、それ以外のことを理解する能力をもたないからであり、これらのスローガンを掲げる方が短期的な利益を得るためにはより安全であるからであり、さらにまた、真理というものは複雑で、決して人を満足させず、ディレンマに充ちており、常に誤解され濫用されやすいものなので、観念の市場で競争するには往々にして不利な立場に立っているからである。・・・そこで、盲目的愛国主義者というものは、いついかなる場所を問わず、己が命ずる道を突進してゆくだけであり、安易な成果をつみとり、他日誰かの犠牲おいてその日限りの矮小な勝利を刈り取り、それをさえぎる者は誰であろうと大声で罵倒し、人類の進歩を待望しながら傍若無人の踊りをおどって、民主的制度の妥当性に大いなる疑惑の影を投げかけるのである。ジョージ・ケナンが言う 「 盲目的愛国主義者 」 は 安倍晋三 によく似ている。

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  5. ねこ より

    おっしゃる通りと思います!\( ~∇~)/日本語をちゃんとアピールするべきです。ところで公文書が英語になるって本当でしょうか?英語教育も、一時、文献が読めてもダメだ、コミュニケーション力うんぬん、と言われた気がしますが、これからまた、文献をキッチリカッチリ、読める能力が大事になるのですかね?そうしないと、足元すくわれますね?ザックリ主義オボカタさんじゃいけませんね!

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