FROM 東田剛
産経新聞の報道によれば、安倍首相はTPPについて2月以降に予定される日米首脳会談での正式表明を見送る意向であり、今年夏の参院選後への結論先送りもあり得るとのことです。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130113/plc13011301130000-n1.htm
また、NHKの報道によれば、自民党は、まずは政務調査会の各部会ごとに、議論したうえで、外交・経済連携調査会での検討に移るなど、結論を急がず、時間をかける方針だそうです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130114/k10014780091000.html
竹中平蔵氏が登用されたので、かなり不安になりましたが、自民党が時間をかけて検討してくれるというので、ちょっと安心しました。
「竹中平蔵のことは嫌いでも、自民党のことは嫌いにならないで下さい!」
とはいえ、まだまだ油断はできません。
例えば、この報道を契機に、TPP推進派の巻き返しが激しくなるでしょう。
また、仮にTPPが進まなくても、小泉政権時のように、経済財政諮問会議・産業競争力会議・規制改革会議を通じて、アメリカの要求する改革が実行に移され、結局、TPP参加と同じ結果になるかもしれません。
産経新聞の記事にあるように、参院選後まで交渉参加を先送りすれば、ルール作りに参加できなくなるので、TPP推進派はあきらめると期待する方もおられるかもしれませんが、甘いですな。
TPP推進派の「ルール作りに参加するため」という理由は、はじめから、TPP参加の方便に過ぎません。なにせ、もう二年以上も前から、「早期に交渉に参加して、ルール作りに参加すべきだ」と言い続けている連中ですから、参院選後であっても、屁理屈をこね続けて、TPP参加の旗を降ろそうとしないと思いますよ。
そう言えば、つい先日も、ある銀行系の研究所の研究員が、酒席の場で、そんな屁理屈をこねてからんできました。
本人の名誉のために名前は伏せることとして、とりあえず「利口ぶる馬鹿」と呼んでおきましょう。
この「利口ぶる馬鹿」によれば、TPPに参加して、日本に有利なルールを作ればよくて、ダメなら、交渉から抜ければいいのだそうです。
使い古された屁理屈ですなあ。
交渉とは、獲ったり、獲られたりの駆け引きです。しかし、TPP交渉は、日本にとって獲れるものなどほとんどないのに、獲られちゃいけないものはたくさんあります。
そんな状態で、どうやって交渉を有利に進めようというのでしょうか。
しかも、交渉途中の脱退は、交渉参加国、特にアメリカとの関係を著しく悪化させます。アメリカを恐れて言いなりになる必要はありませんが、下手こいて、いたずらに日米関係を悪化させるのはルーピーです。
ですから、日米関係を悪化させたくなければ途中脱退はできなくなりますが、退路が断たれた交渉を有利に進めるのはほぼ不可能です。
それで、「何でそんなに無理してまで、交渉に参加しなきゃいけないんでしたっけ?」と聞くと、この「利口ぶる馬鹿」は、「将来、TPPに参加せざるを得なくなり、不利なルールを押しつけられてしまうからだ」と訳知り顔で言うのです。
何で日本に不利なルールのTPPに参加しなくちゃいけないのか、さっぱり分かりませんが、もし、そうだとするなら、交渉でルールが有利にできなくて途中で抜けたところで、結局は、その不利なルールを押しつけられてしまうんじゃないんですか?
ということは、日本に有利なルールにする余地なんか、はじめから、なかったということじゃないですか。
こんな調子の「利口ぶる馬鹿」が、TPP推進派のクオリティなのです。
それだけでも、日本が交渉に参加して有利なルールを作ることなどできないという証明には十分ですな。
PS
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【東田剛】TPP推進派の頭の中身への1件のコメント
2013年1月17日 11:11 AM
「利口ぶるバカ」・・・・本当に多いですな。TPPの本質を理解し得ないヒトが多過ぎる。何かとてつもないメリットを享受できると思っている、勘違い野郎と何となくそう思っている多くの普通の方々、日米安保がないと日本は死ぬ〜と思って何が何でもTPPだって思っているアメリカ・ブラボー野郎、シカゴ・ボーイズに毒された大バカ経済学者ども、とにかく儲けたいグローバル企業(金、金、金の亡者) あぁ、いやだ。日本国民の主権を、関税自主権を、 文化と伝統を、収奪農法ではない耕作民族としての誇りを、みんなで取り戻したい!!!
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