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FROM 柴山桂太@滋賀大学准教授
今になって、TPPへの懐疑論がマスコミで取り上げられるようになりました。今から参加しても、これまでの会合で合意された内容を丸呑みしなければならないとか、アメリカの交渉力に太刀打ちするのは大変だとか、一度交渉に入ったら抜けるのが容易ではないとか、これらは反対派がずっと前から言い続けてきたことです。今になって急に取り上げて不安がられても「遅いよ」って話です。
TPPへの交渉参加が決まれば、今度はそれと関連した国内制度の改革を進める動きが強まるでしょう。産業競争力会議では、労働や雇用分野の規制緩和が話し合われているようです。解雇規制の緩和など、正社員のクビを切りやすくする改革が次に登場してくるでしょう。
既得権というと、世間では公務員や農業などに眼が向きがちですが、改革派が本当に手をつけたいのは民間企業のサラリーマンを支える分厚い労働法制です。
これまでも解雇規制の緩和は、改革派によって盛んに提言されてきましたが、その都度、強い反対で実現しませんでした。サラリーマンの生活が変わるわけですから、強い反対が起きるのは当然です。
だから改革派は、今回はTPPとセットにしています。いわばTPPというガイアツを利用して、自分たちの望む改革を推し進めようとしているわけです。
それにしても、産業競争力会議とは、いったい何なのでしょうか。少し前には、TPP参加を前提とした、農業改革が話し合われていました。しかしメンバーを見ても、農業分野の専門家はいないようです。なぜ、それで農業問題について方針を出せるのか、不思議でなりません。
また、大企業の社長だけを集めれば、解雇規制の緩和という話になるのは当然です。グローバル競争が激しくなるなかで、雇用の負担を重荷に感じる経営者は増える一方でしょう。しかし、彼らは経営者であって、労働や社会保障の専門家ではありません。
労働法制を変えるということは、年金や退職金などの福祉、長期雇用を前提とした日本の企業文化、企業別組合をベースとした日本的な労使関係、それらすべての制度が変わるということです。すでに定着した制度を変えるには、膨大な社会的コストが発生します。そういう大きな問題を、一部の経営者や経済学者の話し合いで勝手に決めていいのでしょうか。
改革派は、盛んに「日本は遅れている」と煽ってきます。TPPがまさにそうでした。そして後になって、不安材料が続々と出てきて、世論が大騒ぎになるのです。
農業や労働についても、さんざん改革が煽られた後で、悪材料が次々と出てくることになるでしょう。これ以上、化かされないようにするためにも、産業競争力会議が提言することは全部疑ってかかる、くらいの気持ちが必要なのではないでしょうか。
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【柴山桂太】解雇改革?への1件のコメント
2013年3月15日 10:42 PM
〜何よりまず一番大事な事は きらびやかなブランド 中身じゃなくて 目くらましのパワーでねじふせれば 誰もが皆飛びつく 話のタネに〜”Queen Of Hype”Blues('91) 近頃は、この歌詞が頭の中で市場原理主義と重なり過ぎて頭痛がします。思うになんかこんな雰囲気の社会がまだ続いてる気がして・・・大企業内で'CEO'等の語句を使用するようになったのもこの頃からだったかなぁ、言葉位だけでも独自の言葉を使わないほどに、米?嗜好化な気が・・・。 企業別組合も左翼に取り込まれたことで・・・・・何か形を変えないとだめなんですかね(と書いてる自分もお花畑でしたから言えないけど)。 以前の柴山様と中野様とのニコニコ動画出演、今も見ております。「まだ見とったんかぁ!!」 すみません、またも抽象なコメント、失礼しました。
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