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2012年12月25日

【藤井聡】アベノミクスの本質

FROM 藤井聡@京都大学

「アベノミクス」は、
安倍自民党総裁が主張しておられる、
積極的な「財政」「金融」「インフラ」についての
「政策パッケージ」のことです。

要するに、政府が、「ホントに必要」な「公共の事業」を、
たくさんお金を国民から借りながら、
しっかりやって行こう、
デフレ不況も終わる!
というものです。

。。。ただし、この「アベノミクス」に
「ミックス」されているのは、
経済の話、つまり、「カネの話」だけではありません。

で、例によって、アベノミクスをかの
「ミックスモダン焼き」になぞらえていうなら、
その「生地」が何でできてるのかというと、それは、
「保守思想」
と呼ばれるものです。

この「保守思想」ってのが一体何かというと。。。。。
「守るべきものを守りましょう!」
という、いたってシンプルなものです。

では守るべきものとは一体何かというと、当たり前ですが、
「オカネ」 (=金融資産)
なんかではありません。

あたり前ですが、オカネも大事ですが、
そのオカネで買うもの(あるいは、得るもの)こそが、
重要なのです

では、何を「守る」のかというと、
究極的には、一言でいっちゃいますと、
「国柄」
と呼ばれるものですね。

「国柄」っていうと何かというと、
その国の、たたずまい、とか、風土、とか、雰囲気、とか、文化、
とかというもので、
結局それは、歴史と伝統でつくりあげられるものです。

安倍総裁が昔出版された
「美しい国へ」
で書かれてるような「美しさ」と言い換えてもいいでしょうね。

ちなみに、その国柄、ってのは、
古けりゃ何でもえぇ、なんてことは断じてなく、
自分たちの生きている間に、
先人から引き継いだものを、
少しでも良くして、磨きをかけて後世に引き継ごうとする、
めっちゃ長い時間をかけて、何十世代、何百世代という代替わりの中で、
脈々と受け継ぎ、変化しながら、今に至ってきたものです。

ちなみに、そんなものを守ろうとする気持ちってのは、
「誇り」
と言い換えてもいいでしょうね。

つまり、国柄を守ろうっていう保守思想ってものは、
結局は、「誇り高く生きていくべし!」
なんていう精神の構え、みたいなものと
直結してるわけですね。

・・・・で、いわゆる「保守」なんてそんな「国柄」を守るためには、
いろーーーんなことをせなアカンわけですが、
とりわけ、平成24年12月現在(!)、とっりわけ重要なのが、
「経済不況の克服」

「復興と防災」
というものですね。

今、不況のせいで、日本中の多くの都市が疲弊しまくって、
守るべき地域のたたずまいも文化も伝統も失われようとしています

「衣食足りて礼節を知る」という言葉を思い起こさないといけないくらい、
今、地方都市の疲弊や、マジヤバな状況なわけです。

当たり前ですが、復興をしないで、
東日本大震災の被害を放置していることも、
結局は、東北の伝統、風土、文化を永遠に失わしめる愚挙です。

で、首都直下地震など今、「マジヤバ」な
巨大地震が我が国に襲い掛からんとしていますが、
そんなものを放置していては、
沿岸域の諸地域・都市のそれぞれの町のたたずまいのみならず、
東京という大都会の超近代的日本土も、
激しく傷ついて、最悪、なくなっちゃうことになります。

ってことで、不況脱却、復興、防災ってことをしなけりゃ、
もう、「守るべきものが守れない」ということになるわけです。

で。。。。そんなメチャ大事な大事業をやり遂げる(!)ためには、
やっぱ、たくさんオカネが必要で、
で、そのためにも、しっかりと自分たちが「カネを稼げる」ように、
経済成長を果たさないといけないわけです。

。。。。ということで、アベノミクスは、
ただ単に不景気を根絶します!ということだけを言っているのではなく、
「守るべきものを守る」
ためにこそ、提案されている、きわめて「保守的」な発想の上に成り立っている、
ものだ。。。。なんていうことができるんじゃないかと。。。思うわけであります。

これが、文字通り、単なる「カネ」の話にしか過ぎない
マネタリストたちの「金融政策」一本での不況対策
とは、まるっきし違ってるとこなんですね。

。。。っていうか何十兆円、何百兆円っていうでっかいカネを使うんだったら、
そのカネで何をするのか、っていう明確な「価値基準」が必要なわけで、
その価値基準を導き出す、明確な「思想」が必要になる、
っていうことなわけですね。

ってことで、財政政策と金融政策の違いってのは、
畢竟、「思想の有無」ともめっちゃ関係してるんですね。

特に「思想」を持たない人々が、政府の仕事して主張できるのは、
とりたてて価値基準なんてものが必要とされない「金融政策」だけで、
明確な価値基準が必要とされる財政政策や公共事業には、
彼らは絶対に賛同しない。。。。という恐ろしい「構造」が存在してるんですね。

なんと言っても、思想がなけりゃ、価値基準も持てないわけで、
結局は、事業内容を「決断」していかなければならない公共事業なんて、
彼らの精神の構造からいって、できっこない、という次第であります(笑)。

・・・ということで、安倍新政権には、
ぜひとも、守るべきものを守る!ために必要な「公共の事業」を
がっつりと積極的にお願いしたいと思います!

PS
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【藤井聡】アベノミクスの本質への5件のコメント

  1. 栗田 昂 より

    阿部首相のデフレ脱却からの大幅な公共投資や金融緩和策は、当面の(短期的な)経済復興政策としては効果的と思われますが、日本の財政が大幅な借金を抱えていて、さらにこれを積み増しすることで、財政破たんが早まる恐れがあるのではという意見があります。この点に関して、大丈夫だとの理由を教えて下さい。

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  2. 熊鷹 より

    先の記事とあわせ、アベノミクスについて分かりやすい解説、勉強になります。素人ながらの考えですが、「公共の事業」の大規模な展開をするにして、現状ではインフレ・復興再建に全てそそがれると思います。当然、下請けの企業を含め多くの人が関わると思いますが、公共事業に関わる = 国のある程度の意向がかけれるのではという点から、ある事を強制する事はできないのでしょうか?例えば、下請けの会社にしても、事務所の日用品や文房具、普段着る作業着など、それは日本製ですか?中国製ではないですか?食事は何を食べていますか?輸入品の原材料が多くをしめる簡単な食事ですませていませんか?つまり、公共事業に関わる人達に、積極的に日本製品を使ってもらい、かつ理想をいえば現地の中小企業で調達できるものは、それを使ってもらう。食事も、現地の飲食店を活用してもらい、飲食店側にも、国内産(現地産も含め)の野菜などを使ってもらうよう協力を求める。勿論、米はどんどん食べてもらう。ごまかしかもしれませんが、少なからず中小企業の層の方にも、少し売り上げが良くなったかなという認識をさせる事ができないでしょうか。中小企業の下からのパワーが上がれば、公共企業の上からのパワーとあわさり大きな相乗効果がえられるのではないでしょうか。公共事業の人の面の、有効活用性は考えれば、まだまだ、ありそうな気がします。(既に実践されていますよな話でしたら申し訳ありません)

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  3. 坪井義範 より

    初めまして今の日本人の感覚では[保守]の持つ本当の意味を理解するのは、なかなか難しいかもしれませんね。「保守?なんか危ない人?」扱いされる事もあり、なかなか表では出しにくい状況です。それでも、少しづつでも周りの人に地道に理解を求めてみようと思っています。そして、これからも、次の世代もずっと、自分の望む心のある日本であるようにと願っています。しかし今回の集議院選挙は、エネルギー問題優先で、震災復興をマニフィストに上げている党が少なかったですね。それが現状と思うと少し悲しい選挙でありました;。

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  4. 早川 哲 より

    判り易く御説明いただき有難うございます。今後とも諸事ご教授のほどよろしくお願いします。

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  5. 真田清秋 より

    いつもありがとうございます。「震災を食って養う、日の下の心忘れず 我も尽くさん」                                  真田清秋拝

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