政治

2020年11月23日

【三橋貴明】国民を救うための自由裁量権

【今週のNewsピックアップ】

GDPの戻りが主要国最低だった日本
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12638498414.html

国民を救わない政府への怒りを
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12639079822.html

7-9月期の経済成長率が
発表になりました。

4-6月期の「戦後最悪」の
落ち込みから回復することは、
はじめから分かっていましたが、
「回復率」は主要国最低でした。

理由はもちろん、
財政政策が不足していたためです。

そして、不十分な財政政策の理由は、
緊縮財政。プライマリーバランス黒字化目標。

さらに、緊縮財政やPB目標といった
狂った政策の根底にあるのが、
「間違った貨幣観」というわけでございます。

【年度別プライマリーバランス
 「赤字」額の推移(兆円)】

もっとも、不十分な財政拡大とはいえ、
二度の補正予算により、2020年度の
PB赤字は70兆円近くに
膨らむことが確定しています。

リーマンショック期や
東日本大震災期の二倍以上です。

さらには、第三次補正予算が組まれれば、
さらにPB赤字は大きくなる。

つまりは、すでにしてPB黒字化目標
(特に、25年黒字化)は、
瓦解しているのです。

それにも関わらず、
政府はPB目標を正式には破棄せず
(骨太の方針2020から文言は消えましたが)、

麻生財務大臣は11月19日午前の
参院財政金融委員会で、

「プライマリーバランスを
 2025年までにやらならければならない。

 さらに、社会保障についても
 持続可能なものとしていく必要がある。

 (そのためには)歳出・歳入の
 両面について改革をやらねばならない」

と、語りました。

まさに、上級国民。
一般の国民の困窮など、
歯牙にもかけず、無意味というよりは
「有害」なPB黒い黒字化目標に固執する。

さらに、麻生財務大臣は
新型コロナウイルス感染症で
「不確実性」が強まっており、
「リスクマネージメント」が必要だと指摘し、
「財政の対応余力」を残しておく必要がある。

だからPB黒字化が必要と、
意味不明な説明をしています。

「不確実性」
「リスクマネジメント」
「財政の対応余力」
実に抽象的です。

特に「財政余力」とは何なのでしょう。

正しく財政余力を定義すると、
「低インフレ率」です。

インフレ率が低い限り、
政府は国債を発行し、
日銀は国債を買い入れればいい。

というか、実際にやっているわけです。

PB赤字が70兆円近くに
達しているにも関わらず、
インフレ率は▲0.4%(対前年比%)。

つまりは、財政余力が
有り余っているのが「現実の日本」なのです。

それにも関わらず、
麻生財務大臣を始め、
政治家は現実を見ない。

結果、国民が救われない。

となると、我々自身が
声を上げるしかありません。

皆様、是非とも「徒党と組み」
「地元の政治家」に圧力をかけて下さい。

インフレ率がマイナスに
落ち込んでいる以上、
日本政府は国民を救うための
「自由裁量権」を持っているのです。

◆【緊急更新】
 日本人の声をミッテ区と
 ミッテ区長に届け、少女像を撤去させよう!
 https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12633317296.html

◆「日本をダメにした財務省と
 経団連の欺瞞(小学館)」が刊行になりました。
 https://amzn.to/38q1LPW

◆「自民党の消滅(ベストセラーズ)」
 (書籍版)が刊行になりました。
 https://amzn.to/3dEIFqS

◆週刊実話 連載
 「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 
 第394回 30兆円規模の第三次補正予算を!

◆メルマガ 週刊三橋貴明 Vol600 
 国債金利とインフレ率(中編)
 http://www.mag2.com/m/P0007991.html

 なぜ、日本国債の金利は
 「マイナス」になったのか? 
 国債金利の決定プロセスから謎を解き明かします。

(参考)日本の二・五・十年物国債金利の推移(%)
 http://mtdata.jp/data_72.html#kokusaikinri

◆メディア出演

 三橋TV、続々公開中です。

 日米に格差拡大をもたらした
 トリクルダウンという「貨幣のプール論」
 [三橋TV第315回]  https://youtu.be/ueKGCsbYyKU

 大石久和先生登場!
 日本の「国土」が歴史や
 現代に何をもたらしたのか?
  [三橋TV第316回]
 https://youtu.be/vlzgWRRIvq4

 紛争と災害の人類史 
 日本の家のドアは、
 なぜ「外開き」なのか?
  [三橋TV第317回]
 https://youtu.be/7hvDdfRDAYw

 特別コンテンツ、配信。

 【大阪都構想否決!大総括会Part2】
 竹中平蔵、吉村知事、松井市長…
 都構想の裏でうごめくグローバリストたち
 https://youtu.be/zIbuxMc3Yt8

 【大阪都構想否決!大総括会Part3】
 3回目の住民投票はある?ない?
 https://youtu.be/qgTLowoXBtQ

 アメリカ企業による日本支配?
 遺伝子組み換え作物しか食べられなくなる日
 (三橋貴明)
 https://youtu.be/kvddQ-i95ew

 11月18日(水) 
 チャンネル桜「Front Japan 桜」に
 出演しました。

 【Front Japan 桜】
 『公衆免疫』を強靱化する /
 RCEP署名からわかる日本の成長否定論
 [桜R2/11/18] 
 https://youtu.be/YEci6LhFT4I

 【ch桜・別館】
 藤井&三橋の、ペットライフ[R2/11/18]  https://youtu.be/qFGtYposGGQ

 【RE:明るい経済教室 #14】
 統計マジック~日銀と内閣府ですら
 統一されていない「デフレギャップ」の話
 [R2/11/17]  https://youtu.be/2-DHc5ULOmk

◆三橋経済塾

 11月21日(土) 
 三橋経済塾第九期第十一回対面講義が
 開催されました。
 https://members9.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?page_id=75

 ゲスト講師は九州大学大学院
 比較社会文化研究院教授 
 施光恒先生でした。

 インターネット受講の皆様は、
 しばらくお待ちください。

 ※ご入塾は以下から。
 https://members9.mitsuhashi-keizaijuku.jp/

◆チャンネルAJER 
 今週の更新はありません。

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【三橋貴明】国民を救うための自由裁量権への3件のコメント

  1. 大和魂 より

    そうであるならば、わたくしの地元に野田と名乗る財務省あがりの老害が存在しており、同郷の坂本と名乗る大臣を子分として引き連れ回しながら行動する輩にも、丸山代議士が受けた卑劣の議員辞職勧告決議をしなければならないわけですよね。

    ならば麻生太郎やら片山さつきやら玉木雄一郎など財務省関係者の議員は全員、同じ目に合わせて、他人の痛みを味あわせるべきですよね。

    それから先は、財務省に巣食う御用学者やらエコノミストやら、それらと連結した行動を起こすオールドメディアの関係者やら外国資本の代理人的な立場の藤巻健史やら池上彰やらホリエモンなんかの寝ぼけた言説にも、これからは、きちんと厳しく追及して責任を取らせるべきです。

    そう考えると、これからますます愚直で国民のために忌憚ない行動を為される藤井先生の存在が、ますます重要になるわけですから楽しみに全力で協力したいと考えているところです。

    ちなみにですが、前原誠司やら小池百合子やら維新などの関係者やら池田信夫やら石井孝明なんかは論じるまでもなく問答無用のゴミ掃除の一択でしょう!!!

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  2. 利根川 より

    三橋TV第319回 320回より

    <イギリス王立防衛安全保障研究所アレシオ・パタラーノ教授による中国軍の分析>

    2020年7月5日から状況は大きく変わった(この日、中国の船が日本の領海に侵入し39時間23分も活動をしていた)

    これまでは日本の領海や接続水域に侵入して「ここは中国の領土だ」と「主張」しているだけであったが、7月5日以降は「すでに中国の領海である」としてパトロールを行っている

    2018年、中国海警局(中国の海上警察みたいなもの)が共産党の「中央軍事委員会」傘下の人民武装警察の指揮下に統合、増強されている。

    これによって日本と中国の海上戦力の差は

    ・海上保安庁の総トン数:約15万トン

    ・中国海警局の総トン数:約50万トン

    3倍以上となった。(因みに、この50万トンの中には海軍の船と同じ76mm砲と同じものを装備した船も存在している)

    さらに、今現在、中国では海警局に外国船舶への武器使用を許可する法案の草案が出されている

    これが通った場合、日本の船への武器使用が可能になる

    尖閣諸島の問題をなあなあにしたまま中国と付き合っていけるフェーズは10年も前にすでに終わっていたとみるべき

    <2020年5月 アメリカ戦略研究CSBA トシ・ヨシハラ(元アメリカ海軍大学教授)>

    DRAGON AGAINST THE SUNより抜粋(2020 5月)

    日本と中国の尖閣諸島をめぐる軍事バランスについて

    「過去十年間で、中国海軍は、艦隊の規模、総トン数、火力などで海上自衛隊を凌駕」

    「今日の中国の海軍力は十年前とは比較にならない。中国海軍に対する従来の楽観的観測はもはや維持不可能」

    ※楽観的な観測の例:「数は多いし予算も多いかもしれないが、技術や性能は日本が上。日本は精鋭部隊で訓練してるからダイジョウブ」
     十年前はそういった部分もあったかもしれないが、「今日の中国の海軍力は十年前とは比較にならない」

    ・日本の防衛費:1990年~2018年まで$50,000以下の水準で横ばい

    ・中国の軍事費:2001年付近に日本の国防費を超え、現在は$250、000以上の水準

    安倍政権で安全保障を強化したかのように報道されていたこともあったが、実際には防衛予算はほとんど横ばいだった(中国が軍事費を大きく伸ばしているその時に!)

    ジェームズ・ホームズ(アメリカ海軍大学教授)による論文(ロックファイト)より抜粋

    ジェームズ「2012年の段階では、日本は苦戦はしても何とか尖閣をまもれるだろう。だが、アメリカの助けが無ければ無理だ」

    2012年からさらに8年以上がたったが、その間、日本は国防費をほとんど上げず、逆に中国はあれからさらに軍事費を増やしている(日本の防衛費は中国の軍事費の1/5くらいしかない、それほど戦力に差が出ている)

    なぜ防衛費をアップしなかったのか、それは「財政再建」を急ぐために緊縮増税をやっていたから。当然、防衛費だって伸ばせない

    <マシュー・バロウズ(元・米国家情報分析・報告部部長)>

    「もし中国と衝突しても、アメリカが自動的に日本の味方をしてくれると、日本の指導者たちは誤解しているようだが、現実にはアメリカは自国の利益と中国の利益の間に折り合いをつけ、紛争は回避しようとする可能性が高い」

    『シフト:2035年、米国最高情報機関が予測する驚愕の未来(2015年)より』

    中国が強化しているのは日本の海保にあたる海警局。人民武装警察の傘下の組織だが、軍隊なのかと言われるとグレー

    海警局や武装漁民といった軍隊ではない存在に尖閣諸島を占拠された場合、それが武力攻撃に当たるのかどうかは微妙な判定が必要になる

    日米安保は”武力攻撃があった場合に”発動するものなので、これはアメリカが軍を動かさない口実になる

    その場合、他の一般的な独立国家のように、「日本も自分の国を自分たちで守る」という事をやらねばならなくなるわけだが、海保と海警局では戦力(総トン数)に3倍もの差がついているという。
    今から心を入れ替えて、緊縮増税をやめて防衛力を強化したとしても、残念ながら間に合わないものとおもわれる

    第一次大戦でドイツはボロボロに負けたが、それからたった20年後には第二次大戦を仕掛けていた。安全保障の世界では10年という時間は長いものではない

    ナチスドイツが軍事費をどんどん伸ばしていた時、イギリスやフランスが何をしていたのかと言うと軍事費をアップすることではなくて「財政再建」だった

    これにより、ドイツの軍事力がイギリスやフランスを大きく超えたことで、戦争になった

    なぜ戦争になったのかというと「奪えそうな感じになったから」

    軍事バランスが崩れると戦争になるし、それによって経済も吹っ飛んでしまう

    緊縮が戦争を招くのだ

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      1. 利根川 より

        中野剛志さんの回でした。貴重なお話ありがとうございました。
        で、中野さんや三橋さん、佐藤健志さんなどは10年以上まえからこうなることを予測してて、すでにして手遅れであるにもかかわらず、ずっと言論活動を続けてきたわけですね。

        メンタル硬えな

        豆腐メンタルな私はすでに自分探しの旅に出発したい気分になってきましたよ
        まあ、デフレでコロナで保証(粗利保障なし)なしですから、出かけようにもどうにもなりませんが
        移動するにも金がかかるのが現代社会、何を買うわけでもないのに移動するだけで財布が軽くなるというね…
        せめて緊縮を辞めて、そういったことを気にしなくてよくなるくらい景気をよくしてもらいたいものです
        ところで、ガチャピンに比べてムックの存在感が薄い感じがするのは何故なのか

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