From 施 光恒(せ・てるひさ)@九州大学
こんにちは~(^_^)/(遅くなりますた…)
米国大統領選挙が近づいてきましたね。
現職のトランプ大統領が再選だと少し前まで思っていたのですが、トランプ大統領自身のコロナへの罹患などがあり、なかなか先行きが読めなくなってきました。
周知のとおり、米国の大手マスコミは押しなべて反トランプです。
トランプを支持しているもののそれを公言しない「隠れトランプ」の人々も多数いるようで、日々発表される世論調査の結果もさほど当てになりません。
欧米の知識人はだいたい反トランプのようですね。私の知人の米国人の大学教員も、トランプの批判ばかり口にします。
そうしたなか、著名なフランスの歴史人口学者エマニュエル・トッドは、今月号の『文藝春秋』(2020年11月号)に「それでも私はトランプ再選を望む」というタイトルの論説を寄せています。トッドは、自分はリベラル派(左派)であると昔から公言している人ですが、今回はトランプ再選のほうがいいと論じるのです。
トッドは、トランプ自身については「下品で馬鹿げた人物」であり、個人的に「許容できない」と言います。しかし、トランプをそう批判するだけで事足れりとしてしまっては、米国社会の現実を見誤ってしまうと指摘します。
トッドは、現在の米国は、景気は数年前と比べれば落ち着いているが、「政治・社会・イデオロギー面での分裂状態」はひどいと見ます。人種問題などをめぐって、「トランプ支持者とエスタブリッシュメント層の間で『内戦』と言っていいほどの激しい対立」が生じており、これを深刻視するのです。
そして、この分断を引き起こしている大きな原因は、米国のリベラルな高学歴エリート層(エスタブリッシュメント層)の身勝手さにあると捉えます。彼ら自身は、グローバル化のもたらす経済の荒波から守られているため「自由貿易」という理念に固執し、庶民層、貧困層の生活の苦しさを顧みないと批判します。
トッドは次のように書きます。
「高学歴エリートは、『人類』という抽象概念を愛しますが、同じ社会で『自由貿易』で苦しんでいる『低学歴の人々』には共感しないのです。彼らは『左派(リベラル)』であるはずなのに、『自分より低学歴の大衆や労働者を嫌う左派』という語義矛盾の存在になり果てています」。
トッドは、左派であるはずの民主党は、本来、庶民層・貧困層の人々を切り捨てるのではなく、彼らに共感を寄せ、彼らの生活を改善しうる経済政策を考えなければならないと述べます。
しかし、民主党は、利己的な高学歴エリート層に乗っ取られており、人種問題やLGBTなどイデオロギーばかりを論じて、「自由貿易」こそが格差を拡大し、社会を分断しているという経済の現実を見ようとしない。実質的には、民主党は、白人の庶民層や貧困層だけでなく、実際のところ、黒人の大半の人々(多くは貧困層)も阻害してしまっているというのです。
トッドの民主党批判は厳しく、次のようにも論じます。
(民主党は)「『経済』という真の問題から逃れるために、「黒人問題」を「道具」のように使っている。……言い換えれば、民主党は、「人種問題」ばかりに固執することで、本来、必要な「自己変革」をせずに済ませようとしているのです」。
トッドは、庶民層、貧困層の状態を改善し、米国社会の経済的・イデオロギー的分断を解消するには、高学歴エリート層や彼らが主な支持層の民主党の側に「意識変革」が必要であり、そのためにはトランプを再選させた方がいいと論じるわけです。
「米国にとって重要なのは、『歴史を前に進めること』。これは、米国だけでなく世界にとっても重要です。
そのための最良の方法はバイデンを当選させることではない。「自己変革」なき民主党の勝利は、「エリート主義vsポピュリズム」の克服に何ら貢献しないからです」
「……まず民主党の側に「意識変革」が必要です。そのためには、バイデン当選よりトランプ再選の方が望ましいと私は考えます」。
トッドの議論はひねくれた印象を与えますが、米国だけでなく、世界の自由民主主義諸国の現在の市場経済のあり方を改善するためにも、一種のショック療法としてトランプ再選のほうが望ましいと論じていると受け取ることができるでしょう。
私も、現在の市場経済のあり方を変えなければならないという点で大いにトッドに共感します。いうまでもないことですが、経済の意義とは、まさに「経世済民」であり、各国の普通の人々の暮らしをよりよくすることです。しかし、新自由主義に基づくグローバル化の進んだ現在の市場経済は、その目的が「経世済民」からかなりズレています。
日本の例に触れてみたいと思います。
日本の平均賃金(2019年、38617ドル)は統計によると、最近は、OECD諸国中24位とかなり下位になっています。イタリアよりも低く、G7のなかでは最下位です。アジアでは韓国(2019年、19位、42285ドル)よりも低くなっています。
https://data.oecd.org/earnwage/average-wages.htm#indicator-chart
さまざまな解釈はあるでしょうが、日本の賃金の国際的位置が以前と比べてかなり低下した理由の一つは、日本の「改革」(構造改革)の成果でしょう。
変な話ですが、日本の「国際競争力」なるものを高めるためには、雇用制度改革を断行し、非正規雇用を増やすなどし、賃金を下げたほうが「国際競争力」は上がるのです。企業の人件費を減らすことができますので。
ずいぶん皮肉な言い方ではありますが、現在の賃金水準は、1990年代後半あたりから日本が官民あげて取り組んできた一連の雇用制度改革の一大成果としてみることができるのではないでしょうか。
同様に、日本の最近の経済政策の評価の主な基準は株価です。株価の変動を見ながら最近の歴代政権は政治を行っていますし、マスコミも主に株価の推移で経済政策の良しあしを評価します。
また、日本政府は1990年代後半から企業統治改革(「コーポレート・ガバナンス改革」)に取り組んできました。昨年も、改正会社法を成立させ、社外取締役の義務化などを行ってきました。企業統治改革の基本的な狙いは、株主利益の増進・確保です。
しかし、日本国民で株式を保有している人は、統計の取り方にもよりますが、せいぜい1割程度です。株主利益が守られるようになった反面、従業員給与は抑制され、下請け企業にしわ寄せも来ています。株価を基準に経済政策を行っても、あるいは企業統治改革に取り組んでも、普通の国民の利益にはあまりなっていないのです。
このように、政府が何年も力を入れてきた構造改革路線は、普通の国民の生活を豊かにするという「経世済民」の理想とは、かなりかけ離れているのです。日本でも、市場経済の方向性がおかしくなっていると言わざるを得ません。
挙句の果てに、日本国民が貧しくなり経済が回りにくくなった分は、「観光立国」「インバウンド」の掛け声のもと、外国人を連れてきて彼らに金をつかわせればいいや、というのが現在の政府の方針ですし。
日本では、日本人が我慢強いからなのか、マスコミがあまりこうした「改革」路線の不当さを認識できていないからなのか、欧米のように「エリート主義vsポピュリズム」という対立はあまり生じていません。しかし、日本の政治や経済も、かなりおかしな方向に進んできてしまいました。
このように、新自由主義に基づくグローバル化路線のため、各国の政治や経済のあり方は「経世済民」の理念から大きく外れ、各国の大部分の人々にとって明るい未来を感じさせるものになっていません。
そのことを認識し、影響力のある米国大統領選挙でトランプ再選をあえて願い、自由民主主義諸国の現在の市場経済のあり方に反省を迫りたいというエマニュエル・トッドの議論には、大いに共感します。米国大統領選が、世界の政治や経済の流れが変わるきっかけとなることを願います。
〈施 光恒からのお知らせ〉
11月7日(土曜日)に、大学の事業の一環なのですが、福岡の朝日カルチャーセンターで講義をします。「グローバル化と先進各国の格差社会化」というテーマです。
続き物の講義の一回分ですが、私の回だけの受講も可能です。私は会場から対面で話しますが、Zoomで遠隔受講もできるそうです。
よろしければ、ご参加ください。
https://www.asahiculture.jp/course/fukuoka/6e060f22-919d-97a2-5aa1-5f2bcbc68d51
【施 光恒】トランプ再選を望むトッドの議論に共感への6件のコメント
2020年10月24日 9:52 PM
トッドの発言は誰が見ても単なるグローバリストの戦略によるリップサービスですね。なぜなら彼は表面的な立ち位置でしか論じておらず、それはトランプ政権についての総括もしていなければ、米国社会の歴代の政権も含めた歴史についても論証できないからです。残念ながら私も米国の影響下にある日本の首相と同じく誰が米国大統領になろうが絶望感しかありません。しかし安倍政権から露骨にもITによるAIを駆使した情報障害やら情報操作して統制している奴等は、日本とわたくしの大事な仲間を汚し貶めた奴と見なして誰であろうが絶対に許さない!!
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2020年10月24日 10:09 PM
〇「工場や輸送網などの生産施設の規模を2倍にしたとき、生産量は何倍になると思う?」
□「2倍でしょ。生産規模が2倍なら生産量も2倍」
〇「残念、生産規模を2倍にすると生産量は2.5倍になったり3倍になったりする」
□「なんでだよ、2倍じゃねーのかよ」
〇「生産規模をn倍にすると生産量はn倍以上になる、これを『収穫逓増の法則』という」
〇「実際、生産規模を大規模にすればするほど生産量はそれ以上に増加していく。同じ工場で一度により大量に生産できるようになると製品1個あたりのコストは安くなる」
〇「規模がより大きいプラントほどコスト上の優位に立つことになる。だから第二次産業革命以降、世界の名だたる企業は大規模化(=資本集約的産業にシフト)をしてきたんだよ」
□「大量消費社会反対!」
〇「大量生産できるようになったからこそ、消毒薬やメンポ(マスク)などの医療用品も『必要な時に必要な人の元に届く』ようになったんだよ」
ただ、この収穫逓増現象を利用したビジネスモデルにも弱点はあって、『生産規模の大規模化は固定費用が巨額』であるため、中間業者から消費者に至るまでの流れが少しでも『滞る』とコストが激増してしまうというところ。
このコロナ禍で、政府による支援が十分に行われない中、休業を要請されて「固定費用」に悩まされた方も多くいらっしゃることと思います。
現代の「物作り」は高度な「分業」によって支えられていますが、この分業は単に作業を分割して行うという単純なものではない。
”それぞれの人が別々の作業をしながらも一つの目的に向かって判断や力を統一していかないと『滞って』コストが激増する”
なので、分業が進めば進むほど作業を協働させる集団行動が求められるようになってくる。
先進的な「資本集約的産業」にシフトした社会では共同生産のための結合と統一が不可欠なのです。
>>
トッドは、現在の米国は、景気は数年前と比べれば落ち着いているが、「政治・社会・イデオロギー面での分裂状態」はひどいと見ます。人種問題などをめぐって、「トランプ支持者とエスタブリッシュメント層の間で『内戦』と言っていいほどの激しい対立」が生じており、これを深刻視するのです。
>>
現代の先進的な産業では高度な協働が必要不可欠ということですが、果たしてこのような状況で今後も協働など維持していけるものなのでしょうか。維持できなくなった時、それは資本集約的産業の終わりを意味するのだと思います(つまりは、途上国化)
日本も他人事ではなくて、ここ20年、「自己責任論」が幅を利かせるようになってきました。
このコロナ禍でさえ
安藤裕議員「コロナ対策として、すぐにでも100%粗利保障をすべきです」(3月上旬に100%粗利保障の提言書を党本部に提出)
井原剛志さん「休業要請というのは保証もセットじゃなければ不可能だろう」
MBAな皆さん「それはおかしい」
井原「ファッ!?」
MBAな皆さん「不確実性がある世の中において何が起きても大丈夫なように資金をためておくとかっていうのが経営者の責務」
MBAな皆さん「『ちょっと危機が起きたから潰れます、お金ください』っていうのはおかしい」
一見するとMBAな皆さんの言うことはもっともなように聞こえるけれど、
”現代の産業力においては一つ一つの工場の生産力は、その国の全工業力があらゆる部門にわたって発達しているほど、またこの工場が他のあらゆる部門と密接に結合しているほど大きい”
わけで、自己責任論を振りかざして櫛の歯が欠けたようように企業が脱落していけば、工場間の密接な結合は失われます。その国の産業力がどれだけ小さくなってしまうことか。
そもそも、先進的な収穫逓増現象を利用したビジネスモデル(資本集約的産業)では「大量生産」を強みとしているわけで、常にデフレ圧力にさらされている状態。なので、政府によるテコ入れ(需要の創出)が第二次産業革命以前よりも重要になっているわけですが、それをしないで収穫逓増現象の良いところだけいただこうと言うのは無理だったのではないのでしょうか。
今回のコロナ禍をうけて、支持者から散々言われてようやく財政支出を増やす方向(需要の創出)に向いてきましたが、ここ20年、ずっと緊縮増税路線が続いてきました。
個々人の社会格差もひどくなりましたし、地方との格差も大きくなりました。ここ20年、南関東と東北以外のすべての都道府県は予算を減らされてきたそうで、地方が疲弊しているというのはまさに政府の怠慢によるものだと言えるでしょう。
地方の首長も政府にしっかり
「地方交付税交付金を減らすのはやめていただきたい。こんなことを続けていけば、東京一極集中はよけいに加速するし、地方の公共サービスも維持できなくなる」
とはっきり言えばいいものを、変に忖度をして言わない。そのくせ、大阪都構想のようなものを持ち出して下の者の生活を締め付けてくる。
大阪都構想も賛否が分かれているそうですが、 冨田宏治教授によると賛成している方はタワーマンションが立ち並ぶ北部に多く、南部は比較的反対派が多いのだそうです。
冨田宏治「タワーマンションから下を見下ろしている内に下の者を見下すようになってしまったのではないか。また、一歩間違えれば自分もまた下に落とされる恐怖があるから、下の者を敵視するようになってしまったのではないか」
とのことで、このままいくと日本も他国のように分断からの暴動内戦、そして、協働が不可能になることによる途上国化が待っているような気がして暗い気持ちにさせられます。
自分がない奴は他人のことばかり言う
こんな言葉を目にしました。私のことですね。では、自分がある方は他人のことを何も言わないのでしょうか。
資本集約的産業を主軸とする現代社会では、高度な分業と統一が求められるわけで、隣がころべば自分もまたころぶわけです。なので、簡単に他人ごとと切って捨てるわけにはいかないように思うのですが、自分がある人は違うのでしょうか。
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2020年10月24日 10:30 PM
センメルヴェイス医師「赤ちゃんの死亡率が高いのは医者が不潔な手で赤子を取り上げるから」
お偉いお医者様方「そなた、人々を救う存在である所の我々が赤子を殺していると抜かすか。お前は気違いだ」
センメルヴェイス「…」←精神病院に収容され、看守に暴行を受けて死亡。後にセンメルヴェイスの言うように赤子の死亡率の高さは医師の手の不潔さが原因であると証明される
高橋是清「不景気の時は財政出動、景気が過熱してきたら引き締め」
愛国保守将校「貴様、軍事予算を減らすとは何事か。貴様、売国奴だな」
高橋是清「…」←日本を深刻な不況から救った高橋是清は青年将校ら愛国者の手によって殺害
フリードリヒ・リスト←アメリカやドイツの資本集約的産業の元になった国民経済の基礎を提唱したが、ピストル自殺に追い込まれる
蛍どうしてすぐ死んでしまうん?なぜ人はせっかくの光明を自らの手で葬ってしまうのか、そういう趣味なんですかねえ…
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2020年10月25日 1:54 AM
>>
「高学歴エリートは、『人類』という抽象概念を愛しますが、同じ社会で『自由貿易』で苦しんでいる『低学歴の人々』には共感しないのです。彼らは『左派(リベラル)』であるはずなのに、『自分より低学歴の大衆や労働者を嫌う左派』という語義矛盾の存在になり果てています」。
>>
なにも語義矛盾なのはリベラルに限ったことではないでしょう。
小泉竹中政権の支持率の高さ(発足当初の支持率は歴代一位)、そして菅政権の当初の支持率は74%と歴代3位の高支持率となっていますが、これらを支持しているのはいわゆる保守層です。
言わずと知れたことですが、小泉竹中政権は強力にグローバル化と社会格差を進めた政権ですし、菅政権もまた「中小企業を半分に減らす」などと平気で口にするほど
日本社会を激しく改革する政策
を打ち出しています。
本来であれば保守を名乗る者こそがそういった政策に対し慎重であるべきなのですが、彼らは「愛国」を叫びながらグローバル化を推進し、日本社会を変えていきました。語義矛盾しているのはリベラルに限ったことではないようですよ。
中野剛志さんの言うように、右も左もそのほとんどが右上であり左上であるということですね。
私もまた小泉竹中政権の時にも安倍政権の時にもお祭り騒ぎに興じていた一人なので人の事は言えません。
社会を安定して存続させていくことが国家にとっての正解だとするのなら、格差を拡大し社会を崩壊に導くグローバリズムを激しく支持してきたここ20年は誰もが間違っていたということなのかもしれません。
間違えない人間なんていない
問題は、「知っててやっている人」「知ってなお改めようとしない人」なのではないでしょうか。
保守もリベラルも人々の暮らしを豊かにするためにその政策を掲げているのだと思います。であるならば、「知ればきっと」改めてくれるものと信じています。
まさか、人々の暮らしよりも自分のプライドを優先するなんてことは…いやいや、保守だの人権だのと口にする人達が自分のプライドや政治的立ち位置(いわゆる保守ビジネス)を優先するなんてことは…いやいや、まさかねえ
「社会って突然こわれるんです…せつない」
(東京ガスのCM「東京ガスが水回り」より)
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2020年10月26日 10:56 PM
犍陀多が菩薩になる道は遠く険しいように思うが・・・。果たして似非エリートさんたちは、ばいきんまんなのか、それともドーリィちゃんなのか(笑)。
さて、経済ですが、やっぱり、GAFAが無いと厳しいんじゃないでしょうか、世界と戦うのは。で、何でそれが生まれたかというと、要するに、冷戦があったから、そしてそれに、逃げずに正面から全力で取り組んだから。つまり、意外と簡単なんじゃないかな、日本人の潜在力を考えれば。攻撃的経済と守備的経済の両立も、自由経済と公的経済が実際両立してるんだから、できないわけがないし。でも、原発事故というチャンスを棒に振り、新型コロナというチャンスも逃しつつある(笑)。
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