政治

日本経済

2021年4月27日

【室伏謙一】国民不在の「政治ゲーム」が止まらない

From 室伏謙一@政策コンサルタント/室伏政策研究室代表

 4月25日に投開票が行われた衆参の補選・再選挙、3つとも野党系候補が勝利し、自民党は全敗となりましたね。菅政権にとっては大きな痛手のはずですが、まだ結果が出る前とは言え、菅総理は公邸でデービッド・アトキンソン氏に経済政策について「ご助言」を受けていたとか。惨敗を受けた官邸での記者会見でも、ABEMA TIMESの報道によると、

「国民の皆さんの審判を謙虚に受け止め、さらに分析をした上で正すべき点はしっかり正していきたい。その上で、7月末を念頭に、高齢者の希望する方全員にワクチン接種を終えるよう、政府として全力を挙げて取り組んでいきたい」

と述べていたとのこと。選挙結果を分析するのは当然として、ワクチンですか。そこも大事ですが、一番の問題はそこじゃなく、粗利補償や個人への再給付、コロナ対応病床数の増大といったことなんですがね。本当にお花畑にお住まいというか、全く現実、実態を理解していないのだなということがよく分かる発言です。(「マスクを配れば国民の不安はパッと消えます。」といった秘書官が前政権時代にいたようですが、それと酷似してますね。)

 さて、そうした現実離れ、実態無理解が如実に現れたのが、緊急事態宣言の発出(発令ではありません。)を巡る一連の騒動です。騒動と言っても一般国民や事業者にとってはそうでも、その「プレイヤー」である首長らにとっては「強気だぞ競争」、「弱腰じゃないぞ競争」という「政治ゲーム」。

 その「プレイヤー」と言えば、いつものお決まりの小池都知事に吉村府知事、それに引きずられる井戸知事に西脇知事、そして遅まきながら参戦してきた北海道の鈴木知事。そしてそしてさらにそうした動きに振り回され、自ら迷走する西村大臣。(また、毎日新聞の報道によると、秋田の佐竹知事は路上飲みについて、「力ずくで排除するくらいやらないとだめだ。」、「道路占有の違反行為(に当たる)」、「(路上飲みをしている人たちは)引っこ抜けば良い」と持論を述べたとのこと。法令の解釈に関する問題は当然ありうるとして、それ以前に「強気」は「強気」でも時代をお間違えになっているようですね。ご先祖の佐竹北家が秋田藩内角館を治めていた時代ではないのですがね。)

 そもそも夜8時以降の飲食店の営業自粛や夜7時以降の酒類の提供自粛でさえもその明確かつ客観的な根拠があやふやというか薄弱なところ、今回出てきたのは一切の酒類の提供の自粛という現代の「禁酒法」(酒類提供は飲食店にとって非常に重要な収入源)に、1000平方メートルを超える商業施設等の休業要請、無観客でのテーマパークの営業、そして極めつけは夜8時以降の街灯を除く照明の消灯という現代の「灯火管制」といったもの。

 いずれも何の根拠があるの、新型コロナの感染拡大との因果関係、相関関係はどうなの?と問うても明確な回答はなく、「なんとなく」、「イメージで」といった程度の根拠しかないのでしょう。(「なんとなく」や「イメージ」と言えば、そんな根拠にならない根拠を臆面もなく説明していた某環境大臣がいましたね。)

 そして肝腎要な補償はと言えば、協力金と銘打った全く現実離れしたスズメの涙にも満たない程度の額。つまりは補償をする気はないということです。

 補償なしでそんなものに振り回されては国民も事業者もたまったものではないですが、そんなことは意に介せずで、まだまだ「政治ゲーム」は続きそうです。これも大手メディアが恐怖を煽りに煽ったことで、多くの国民がゲームの結果を受け入れやすくなっていることが一つの原因となっていると思いますが、このままでは更に多くの事業者がバタバタと潰されていくことになりかねません。

 しかし、「政治ゲーム」の「プレイヤー」たちが一番恐れるのは、国民からの大きな反発です。特に事業者が連携して反発すれば、都議選や衆院選を目前に控えて、「政治ゲーム」をやっている場合ではないと気づく「プレイヤー」も出てくるでしょう。

 皆さん、是非声を上げてください。それが半ば諦めている事業者にとっても追い風になるはずです。なんといっても今回の補選・再選挙の結果は自民党にとっては逆風でも、「政治ゲーム」に振り回された者たちにとっては大きな追い風のはずですから。

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【室伏謙一】国民不在の「政治ゲーム」が止まらないへの5件のコメント

  1. この世は既にあの世 より

    三橋TVウケるw

    ほらね、財政破綻論なんかどうでもいいんやて。三橋さん、田原くんに「違う!」と否定しまくられw

    田原くんはあの人は平和主義で絶対に戦争をしてはならない、その為にはどうしたらいいか?を以前から考えてるだけであって、PBとか財政破綻とかどうでもいいんですよね。財出で戦争が避けられるならそうすれば良いと思っただけ。

    田原くんの本心、真意を見抜かないと。

    「財政破綻論を言えばマスコミは財政破綻論を売れるから、それだけ」と田原くんが言ってたけどその通りなんですよね。

    「安倍は麻生に借りがある」これもその通り。

    老人にPBや財政破綻論なんか関係無いし、財政出勤に財務省も関係無い。国民が財政破綻を信じているも間違い。

    まともな政治家にやらせればいいだけ。

    悪いのは自分さえ良ければいい日本人、政治家。自民党は大企業、富裕層の味方。

    金持ちはデフレの方が有利で良いんですよ、それだけ。経団連や金持ちの味方は?自民党ですね。結論はとっくに出てるんですよね。

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      1. うたか より

        金持ちは高度経済成長期もバブル経済も積極財政でも儲かっていたと思うぞ
        デフレでも困っていないから変えなくてもいいや程度じゃないかな
        デフレで経済が縮小して国際的に見れば
        日本という山がどんどん小さくなって小さなお山な大将になることに気がついていない
        将来日本がどうなるかをちゃんと考えていないだけでしょう
        いざとなったら日本を出ていけばいいやとか考えていても
        じゃあどんな状態になったら出ていくかまで無くて考えて無さそう
        現状の日本を政治家が危機感を感じていなそうだし、金持ちもそうだろうなあ

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  2. 大和魂 より

    この政治ゲームの背後に存在するのが、江藤淳の名著で表面化している【閉ざされた言論空間 占領軍の検閲と戦後日本】そのものですよね。

    とにかく要するに、アングロサクソンの猿マネをやる大阪の間抜け維新の会関係者とメディア関係者だけは絶対に許さないの!

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  3. この世は既にあの世 より

    私が言いたいのは国民不在の政治というのは、いつまでも政策も何も解らない高齢者有権者が、高齢者政治家をトップに据えてるからだと思います。

    その人達は早い時代の流れについて行けない人達です。政策なんか高齢者の有権者には解らないわけでして、政治家の雰囲気や顔、テレビの言うことで政治家を選んでるだけであって、そういう民主主義をやめさないといけません。

    田原君が今更転換したとしてそれが何なんでしょう?やっぱり高齢者である田原君に、日本破壊の責任の一端があることの証明にしかなりませんね。それに今時朝生なんて見てる人いるのでしょうか?私はもう何年も見ていません。

    身を切る改革の件ですが、ピポットというのでしょうか、そのラストチャンスは私的には安倍政権誕生時の2012年だったと思っています。

    現在では改革やその下地は殆ど完了したと考えるべきではないでしょうか。

    私ら世代は高齢者の後始末を気が重いながらもしなければならないので、片方で今まで通り高齢者に好き放題やられては意味がありません。高齢者には民主主義から政治家も有権者も退いてもらって、貯め込んだ資産を使ってもらいゆっくりと温泉旅行でもしてもらうのがベストです。

    いつまでも各業界のトップや名ばかり役職に高齢者を据えとくべきではないと思います。家族経営の企業などは別ですが、失敗続きの高齢者に国の行く末を決められるのは望ましくないと考えます。高齢者に引きずられている中年もいますが。

    私には子供はいませんから、それぞれの子供の親がそれでもいいと思うならばそうすれば良いと思いますが。

    まともな高齢者といえば、著名な方では佐伯先生、小野会長、菊池先生くらいじゃないでしょうか。どちらにせよ極少数だと思います。

    そうでなければ今がこんなではないはずです。

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  4. たかゆき より

    ゲーム

    政治家なんぞ 所詮は 駒

    駒風情が 勘違いして

    棋士の 意思を無視し
    暴れだしたら、、

    delete key を 押すか
    盤上から 取り去るだけ

    駒ごときが 身の程を 弁えていない

    それが 今の日本 かと。。。

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