From 佐藤健志
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現在の「三橋貴明の『新』日本経済新聞」というタイトルも一新することになりました。
そこで、いつもご利用いただいているあなたに
そのタイトルを決めていただきたいと思っています。
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2016年アメリカ大統領選挙も、
いよいよ11月8日の投票日が近づいてきました。
ご存じの通り、大統領選のハイライトの
一つとなるのが候補者同士の公開討論会。
今年は9月26日(現地時間。以下同じ)に1回目、
10月9日に2回目、
そして10月19日に3回目が行われました。
このほか10月4日には、
副大統領候補同士の討論会も行われています。
大統領候補の討論会については、ネットですべて見ましたが・・・
何というか、討論ではなく非難合戦ですね、これは。
まあ、一方の候補がドナルド・トランプですから、
ある程度は予想されたことだったものの、
ヒラリー・クリントンも回を追うごとに、
相手をこきおろすようになりました。
3回目にいたっては両者そろって、
司会者クリス・ワラスが問いかける論点をほとんど無視、
ひたすら自分に都合のいい主張か、
でなければ悪口をぶちまくるありさま。
ロシアがトランプ有利になるよう、
選挙に介入しているのではないかという話題になったときなど、
「プーチンがあんたのことを評価するのは、
要するに操り人形がほしいからよ!!」(クリントン)
「何言ってやがる、操り人形はおまえだ!!」(トランプ)
と、まるで小学生レベルのやりとりが展開されています。
かと思えば、トランプがやたらに鼻をすすることをめぐり、
コカインの副作用ではないのか?
なんてウワサが立つ始末。
常用者にありがちなことなのだそうです。
断っておけば、証拠はありませんよ。
トランプ本人は、「自分は酒も飲まないし、
非合法の薬物にも手を出さない」旨を繰り返し発言しています。
けれども、みずから薬物を乱用した経験がある
女優のキャリー・フィッシャー
(「スター・ウォーズ」シリーズのレイア姫を演じた人です)は、
「コカインのエキスパートとして断言するけど、絶対に副作用よ!」
とツイート!
https://mobile.twitter.com/carrieffisher/status/785298817860198400
しかもこれを、有力政治系サイト「THE HILL」が
記事として取り上げたりするんですね。
http://thehill.com/blogs/in-the-know/in-the-know/300287-carrie-fisher-trumps-sniffles-absolutely-from-cocaine
・・・これが世界的な超大国における指導者選びの内実とは。
アメリカのメディアに登場したコメンテーターたちが
「もはやこれはシュール」
「過去に例がないほど見苦しい討論会」
などと口々に語ったのも、無理からぬことと言わねばなりません。
そんな中、本物の討論会と同じくらい話題を集めているのが、
同国のお笑いバラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ」
(略称SNL)におけるパロディコント。
SNLと言えば、オープニングのフレーズ
「ニューヨークから生放送、サタデー・ナイト!」で有名ですが、
ごていねいなことに、3回の討論会をすべてネタにしました。
1回目 https://www.youtube.com/watch?v=qO5YUQRDW2w&t=18s
2回目 https://www.youtube.com/watch?v=B7N5uGerUjQ
3回目 https://www.youtube.com/watch?v=bVLSR2-2Ipo&t=301s
女優のケイト・マッキノンがヒラリー・クリントンを、
そして男優のアレック・ボールドウィンがドナルド・トランプを、
それぞれ演じているのですが・・・
br />素晴らしい。
まさしく抱腹絶倒。
とくにボールドウィンのトランプは絶品です。
あまりに出来がいいため、CNNニュースが
「ドナルド・トランプ VS ドナルド・トランプ」と銘打ち、
実際の討論会とSNLパロディ版を比較したほど。
https://www.youtube.com/watch?v=7AKWh2jdJdo&feature=youtu.be
他のメディアでも
「100点満点」(ビジネス・インサイダー)
「完璧」(ローリング・ストーン)
「みごとにサカナにした」(USAトゥデイ)
と絶賛されました。
ヒラリー・クリントン本人まで、
1回目のパロディコントを見て以下のようにコメント!
アレック・ボールドウィンには感嘆したわ。
トランプをストーカーして、仕草をすべて
学んだんじゃないかと思った。(中略)
次の討論会で、彼とトランプのどっちが
出てくるか分からなくなるくらいね。
https://www.youtube.com/watch?v=hC0i8ZkONa0&feature=youtu.be
ヒラリーに扮したケイト・マッキノンの演技は、
「自己中心的で尊大な女」というクリントンのイメージを
戯画的に強調しているのですが、
これについても気にしていないようです。
いわく。
ケイト・マッキノンが杖をついて登場した(※)のを見たとたん、
あまり傑作なんで椅子から転げ落ちそうになったの。
彼女は、ただ私を演じているだけで、もう十分に笑えるのよ!
ホントにおかしいんだから! とはいえ今回は完全に脱帽。
(※)ヒラリーの健康不安説をネタにしたギャグです。
それどころかヒラリー・クリントン、SNLでマッキノンと共演し、
ついでにトランプの物真似まで披露したことがあるのですぞ!
2015年10月に放送されたコント
「ヒラリー・クリントン、バーで大いに語る」がそれ。
a href=”https://www.youtube.com/watch?v=6Jh2n5ki0KE” target=”_blank”>https://www.youtube.com/watch?v=6Jh2n5ki0KE
ドナルド・トランプの人気が高まる中、
落ち込んだヒラリー(マッキノン)がバーでクダを巻いている。
で、「ヴァル」という名のバーテンが話し相手になるのですが、
これが本物のヒラリー・クリントン!!
br />そして、3分前後にこのギャグが来る。
ケイト・マッキノンのヒラリーがこう切り出すのです。
あたし、メチャめげてるのよね。
みんなドナルド・トランプの話ばかりしたがるんだもん。
br />するとヒラリー・クリントンのバーテンが答える。
ドナルド・トランプ?
それって、いつも人の悪口ばかり言ってるヤツでしょう?
「(声色と仕草を真似て)ケッ、おめえらみんな負け組だぜ!」
br />これがけっこう上手い!!
マッキノン、バーの椅子から転げ落ちそうになりつつ、
「そっくり! そっくり!!」と喜んでいました。
そして話はこう続く。
バーテンのヴァル(ヒラリー・クリントン):
あんなのが予備選に勝てるの?
ヒラリー(ケイト・マッキノン):
勝ってくれなきゃ困るのよ。あいつはあたしが倒したいの。
叩きのめして、戦利品がわりにあの髪の毛(※)を、
ホワイトハウスの執務室に飾ってやるーーーーーっ!!!!!
(※)あれはカツラだと聞いています。
いやはや、やるもんじゃありませんか。
他方ドナルド・トランプは、
2回目の討論会パロディが放送されたあと、
次のようにツイートしました。
SNLの中傷コントを見た。
こんな退屈で笑えない番組なんかやめちまえ。
アレック・ボールドウィンの演技は最低としか言いようがない。
オレを落選させようとするメディアの陰謀だ!
https://twitter.com/realDonaldTrump/status/787612552654155776?ref_src=twsrc%5Etfw
ボールドウィン、これをしっかりリツイートしたそうですが・・・
じつはトランプも、SNLに何度も出演しています。
あまつさえ、
「この番組に出るのは格別だよ。素晴らしい名誉だ」
と発言したことまであったりする!
で、またもや登場するのがCNNニュース。
SNLをめぐるトランプのツイートについて紹介したあと、
こんな指摘を行ったのです。
トランプは人に頭を下げることが絶対にできない男ですが、
その他にも、ほとんどできないことがあるようです。
彼が笑ったのを見たおぼえがありますか?
今回の選挙戦をめぐる映像を調べてみたものの、
笑っている様子は一つか二つしか見つけられませんでした。
https://www.youtube.com/watch?v=U8yhqE5l42k&feature=youtu.be
これは面白いポイントです。
チャップリンの名言「悲劇はクローズアップ、喜劇はロングショット」
ではありませんが、笑いとは〈距離を置いて客観的に物事を眺める〉
ところから生まれるもの。
トランプがほとんど笑わなかったり、
SNLのパロディコントにキレたりするのは、
距離を置いて客観的に物事を
眺められないことの表れではないでしょうか。
自分自身をネタにしたギャグで笑い転げたと語る
ヒラリーのほうが、やはり役者が上と評さねばなりません。
その意味ではわが国でも、
こういった鋭い時事風刺がもっとほしいところ。
政治家の度量を図る、いい尺度になると思いますよ。
ついでに言うじゃありませんか、笑う門には福来たる!
ではでは♪
<佐藤健志からのお知らせ>
1)〈距離を置いて客観的に物事を眺める〉ことができるかどうかは、
この本で論じた「キッチュ」の概念とも密接に関係しています。
それができない者は、遅かれ早かれ思考停止に陥るのです。
『戦後脱却で、日本は「右傾化」して属国化する』(徳間書店)
http://www.amazon.co.jp//dp/4198640637/(紙版)
http://qq4q.biz/uaui(電子版)
2)いわゆる保守派が、みずからを笑える度量を持っているかどうかについてはこちらを。
『愛国のパラドックス 「右か左か」の時代は終わった』(アスペクト)
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3)そもそも戦後日本が、いろいろな意味で「笑えない」歴史を重ねてきたのかも知れません。
『僕たちは戦後史を知らない 日本の「敗戦」は4回繰り返された』(祥伝社)
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4)「政治家たるもの、少々妥協してでも愛嬌を持たねばならないし、
筋を通すだけが能ではない。柔軟さも必要なのである」(308ページ)
いつもながら、エドマンド・バークの見識には深いものがあります。
『新訳 フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき』(PHP研究所)
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5)「私の楽しみを告白しよう。(中略)何も考えずに発言する連中の主張を聞く。
で、知ったかぶりのナンセンスが披露されるたび、内心ツッコミを入れるのだ」(219ページ)
SNLの原点はトマス・ペインだったりして・・・
『コモン・センス完全版 アメリカを生んだ「過激な聖書」』(PHP研究所)
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6)そして、ブログとツイッターはこちらをどうぞ。
ブログ http://kenjisato1966.com
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ーーー発行者よりーーー
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