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2016年8月12日

【上島嘉郎】再論・パクパクの自由とカエルの楽園

From 上島嘉郎@ジャーナリスト(『正論』元編集長)

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2016年7月12日、
南シナ海に対する中国の領有権主張や人工島の建設などが国際法に反するとして、
フィリピンが中国を相手に提訴した裁判で、オランダのハーグにある常設仲裁裁判所は、
中国の主張に法的根拠がないとの判断を示した。

これに対して、中国は強く反発し、強硬な姿勢を崩していない。

また、8月6日には、日本の尖閣諸島周辺に中国の漁船約230隻が侵入し、
同日、中国の爆撃機が南シナ海を飛行するなど、挑発的な行為を続けている。

この先、中国の国際的立場はどうなっていくのか。それによって、日中関係はどうなるのか。

三橋貴明が、まずは現状を冷静に分析し、日本の強みと中国の弱点を炙り出し、日本が取るべき道を探っていく。

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【再論・パクパクの自由とカエルの楽園】
From 上島嘉郎@ジャーナリスト(『正論』元編集長)

渡部昇一・上智大名誉教授ら国内外の2万5722人が朝日新聞社に慰安婦報道をめぐって謝罪広告や1人1万円の慰謝料を求めた訴訟の判決が、この7月28日に東京地裁で言い渡され、原告の請求が棄却されました。

本訴訟の対象は、慰安婦にするため女性を無理やり連行したとする故吉田清治の証言記事など1982〜94年に掲載された計13本の記事です。
脇博人裁判長は、「(朝日の)旧日本軍についての誤った報道で日本政府への批判的な評価が生まれたとしても、そのことで国民一人一人に保障されている憲法13条の人格権が侵害されたと解するには飛躍がある」と述べ、記事掲載から20年余が経過しているため提訴した2015年時点で損害賠償請求権が消滅しているとも指摘しました。

朝日新聞社広報部はしれっと、「弊社の主張が全面的に認められた、と受け止めています」との談話を出しましたが、他のマスメディアも短く判決内容を伝えただけでした。

朝日の慰安婦報道は事実上「捏造」と呼ぶべきものです。他のメディアも各紙各局によって時期こそ異なりますが、概ね朝日と同じ吉田証言や作家・千田夏光の『従軍慰安婦』などを根拠に「日本軍による強制連行」「慰安婦=性奴隷」と報じてきました。

朝日は2014年8月、不承不承吉田証言を虚偽だったと認めましたが、「従軍慰安婦の存在は消せない」「問題の本質は別だ」と言い張っています。正確に伝えるなら「当時売春は合法」で「戦地の遊郭に慰安婦がいた」ことは事実ですが、日本の軍官憲が朝鮮各地から若い女性を慰安婦として奴隷のように狩り集めた事実はありません。

もう一つの大きな問題は、朝日の捏造を「他山の石」として自戒するメディアが皆無に等しいことです。
2014年8月、朝日が記事を訂正したとき、それを受けて全国の各新聞が「社説」でどのように触れるのかを私は注視しました。吉田証言を元に各紙とも報じ続けてきたからです。
Webで各社のアーカイヴを検索してみると、社説で触れたのは、日本新聞協会加盟104紙のうち何と以下の4紙のみ。

●読売新聞 2014.08.06朝日慰安婦報道「吉田証言」ようやく取り消し
●毎日新聞 2014.08.07慰安婦報道 国際社会に通じる論で
●産経新聞 2016.0806 朝日慰安婦報道 「強制連行」の根幹崩れた
●神奈川新聞 2014.08.10慰安婦報道撤回/本質は強制連行にない

読売と産経は朝日批判、毎日と神奈川は朝日擁護の論調です。この違いはあっていいのですが、他のメディアの多くがこれを他人事のように等閑視し、報道する者としての責任感、「我が身を恥じる」感覚を持っていないことが問題です。

私事ですが、朝日訴訟の一審判決が出される2日前、CS放送の「真相深入り!虎ノ門ニュース」にMC百田尚樹さんのゲストとして出演しました。
朝日の慰安婦報道の問題も語り合ったのですが、メディアの恣意性ということで比較すれば、たとえば百田さんが2015年6月に自民党本部で行った内輪の勉強会で、沖縄の二つの新聞に触れた発言に関しマスメディアはいかに論じたか。

端的にいえば、百田発言の全体ではなく片言隻句を“盗み聞き”した上で、自民党が言論弾圧をしようとしていると大騒ぎしました。当時の新聞各紙の社説(見出し)をざっと拾ってみると、

●朝日新聞 2015.06.27異常な「異論封じ」自民の傲慢は度し難い
●読売新聞 2015.06.27自民若手勉強会 看過できない「報道規制」発言
●毎日新聞 2015.06.27自民党勉強会 言論統制の危険な風潮
●産経新聞 2015.06.30 自民勉強会発言 与党議員の自覚に欠ける
●東京新聞 2015.06.27自民の報道批判 民主主義への挑戦だ
●北海道新聞 2015.06.27自民の勉強会*マスコミ批判は筋違い
●東奥日報 2015.06.27自民会合報道批判「1強」の堕落容認できず
●秋田魁新報 2015.06.29自民勉強会発言 民主主義の否定許せぬ
●河北新報 2015.06.30報道圧力発言/問題の「本質」を問い直せ
●山形新聞 2015.07.01「新聞つぶさないと」発言 自由な取材表現、今後も
●神奈川新聞 2015.06.27報道批判/加速する為政者の暴走
●新潟日報 2015.06.27百田氏の発言 言論の封殺は許されない
●北日本新聞 2015.06.27報道への圧力発言1強のおごり極まった
●信濃毎日新聞 2015.06.27安倍自民党 異論封じる暴言の体質
●京都新聞 2015.06.28自民の報道批判 民主主義脅かす暴論だ
●神戸新聞 2015.06.27自民の報道批判 言論を統制するつもりか
●中国新聞 2015.06.28自民勉強会問題 言論封じる姿勢許せぬ
●山陽新聞 2015.06.27安保報道の批判 言論封じは看過できない
●愛媛新聞 2015.06.28自民党のマスコミ批判 言論統制復活への危険な兆候だ
●高知新聞 2015.06.27報道批判 自由民主の党名が泣く
●西日本新聞 2015.06.27報道圧力発言 これが自民党の「本音」か
●熊本日日新聞 2015.06.27報道批判の暴言 自民1強“驕り”の極みだ
●南日本新聞 2015.06.28自民報道批判/おごりの体質根っこに
●琉球新報 2015.06.27百田氏発言/開いた口がふさがらない
●沖縄タイムス 2015.06.27自民勉強会 暴言/権力による言論統制だ

いやはや、朝日新聞の慰安婦捏造報道に対する等閑視との著しい差は何なのでしょう。見出しだけでなく内容も各紙ほぼ同じです。
こんなに各紙一斉かつ横並びで自民党、百田発言への“攻撃”が可能なのに、安倍政権下でメディアは萎縮しているとは、思い上がった被害者意識もいい加減にせい、と言いたくなります。本当に萎縮させられているのなら、“盗み聞き”をもとにこんな大合唱は出来ないはずです。

戦後日本のメディアの構造、言論空間の歪みは、現実にメディアによる黙殺状態が続く百田さんの『カエルの楽園』に描かれたデイブレイクとその仲間たちが象徴しています。

言論や報道の自由とはそもそも何なのか。以前にも触れましたが、かつて山本夏彦翁がこう述べたことを思い出します。

〈新聞はひとたび「言論の自由」がおかされたと聞くとたちまちいきりたつが、私はあれは皆が皆同じことを言う自由だと思っている。「キャンペーン」と言うくらいで、私たちの口は隣人と同じことを言うためにある。したがって私は言論の自由すなわち「パクパク」の自由と言っている。(中略)
 朝鮮人慰安婦のことを思えば夜もねられぬというたぐいの記事が、ある時毎日のように出た。ことに朝日新聞に出た。四十なん年枕を高くして寝ていたのに急に眠れなくなったのである。新聞はその声を集めてずいぶん嬉しそうである。
 新聞は好んで正直者はバカを見ると書く。読者の多くが富めるものでないのは、清く正しいからだと言わんばかりである。読者は儲けようとして儲けそこなったか、うまく立回ろうとしてし損じた者かもしれないのにみな正直のせいにすれば、タダで喜ばすことができる。百万読者を一人でも手放すまいとすればこうなる。〉
(『「豆朝日新聞」始末』あとがきより)

パクパクの自由に騙されないようにしたいものです。

〈上島嘉郎からのお知らせ〉
●「真相深入り!虎ノ門ニュース」に出演しました(7月26日)
https://www.youtube.com/watch?v=vjyHtJkt1UA

●慰安婦問題、徴用工問題、日韓併合、竹島…日本人としてこれだけは知っておきたい

『韓国には言うべきことをキッチリ言おう!』
(ワニブックスPLUS新書)
http://www.amazon.co.jp/dp/484706092X

●大東亜戦争は無謀な戦争だったのか。定説や既成概念とは異なる発想、視点から再考する

『優位戦思考に学ぶ―大東亜戦争「失敗の本質」』
(PHP研究所)
http://www.amazon.co.jp/dp/4569827268

ーーー発行者よりーーー

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2016年7月12日、
南シナ海に対する中国の領有権主張や人工島の建設などが国際法に反するとして、
フィリピンが中国を相手に提訴した裁判で、オランダのハーグにある常設仲裁裁判所は、
中国の主張に法的根拠がないとの判断を示した。

これに対して、中国は強く反発し、強硬な姿勢を崩していない。

また、8月6日には、日本の尖閣諸島周辺に中国の漁船約230隻が侵入し、
同日、中国の爆撃機が南シナ海を飛行するなど、挑発的な行為を続けている。

この先、中国の国際的立場はどうなっていくのか。それによって、日中関係はどうなるのか。

三橋貴明が、まずは現状を冷静に分析し、日本の強みと中国の弱点を炙り出し、日本が取るべき道を探っていく。

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【上島嘉郎】再論・パクパクの自由とカエルの楽園への4件のコメント

  1. 學天測 より

    敵が守りを固めている城を責めればどうなるだろうw朝日がどうこういう前に9条改正だと言うなら、戦に勝たんと説得力が無いw

    返信

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  2. kanata より

    反日の旗の下、マスメディアや裁判官、政治家、官僚…etc.が手を組んでいるのだからどうしようもありません。専門家が決めた原発再稼働を、素人の反日裁判官が平然と否定します。反日勢力の大掃除が必要ですが、民主的にそれを実行することは、なかなか大変です。

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  3. たかゆき より

    表現の自由 ♪新聞も他のマスメディアも真実を報道している あるいは報道しようとしている などとはこれっぽっちも 思ってはおりません憲法に保障されている思想信条と表現の自由を行使して「物語」を 垂れ流しているだけ。。垂れ流した「物語」で他人様が どんなに傷つこうともシランプリ、、憲法に保障されている 権利を行使しただけでそれの どこが 悪いのだ我が輩は 社会の公器である エヘンってことですね、、、マスメディアと バカにつける薬などないのだ(きっと) ♪ 

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  4. アンジェラマオ より

    まあまあ、そんな事今更いっても肝心の現役原総理が慰安婦を性奴隷だと世界に対して日韓合意で認めちゃったんだから。いまさら朝日新聞せめてなんになんの?安倍と朝日はこの件に関しては志をおなじくしてるじゃないの。今の日本に阿部という大売国奴がいて安倍を支持する小売国奴がいるって話だろ。あなたもその一人だけど。

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