日本経済

2025年2月3日

【三橋貴明】奇想天外な展開

【今週のNewsピックアップ】
地殻変動
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12884151242.html
第217回 通常国会
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12884526694.html

最近、講演が復活したため、全国を回り、
様々な方とお話しする機会が増えています。
皆様が口をそろえて言うには、
「参議院選挙の全国比例における、
自民党の非拘束名簿の必要得票数が
上がっている」
とのことです。

どういうことか。

参議院選挙の全国比例は、非拘束名簿方式。

有権者は党名を書いても構わないし、
非拘束名簿に掲載されている候補者の名前を
書いても構わない。

参院比例は、
まずは「党名票+候補者名票」の合計で、
各党の獲得議席数がドント方式で決まる。

そして、非拘束名簿の候補者たちが、
票数が多い順に当選する。
実は、参院比例は同じ党の
「非拘束名簿の候補者たち」
同士の戦いでもあるのです。

非拘束名簿の候補には、
全国から票を入れる
(名前を書く、という意味)
ことができるため、
事実上の大選挙区制です。
となれば、ネットのパワーが
最大化されるのではないかと考え、
何年も前から準備を
進めてきたわけでございます。

上記を前提に、
「党勢が衰えているにもかかわらず、
非拘束名簿の候補者たちの数が多い」
ケースを考えてみてください。
ドント方式で決まった獲得議席数が少ない。
それにもかかわらず、
非拘束名簿の候補者が多い。

となると、候補者の当選のハードルが
上がっていくことになります。
これが、今の自民党の状況なのです。

例えば、以前の自民党は
「党名票+候補者名票」の合計により、
10の議席数を獲得したとします。

非拘束名簿の候補者たちの獲得票数が、
「1位60万」「2位40万」「3位30万」
「4位25万」「5位20万」「6位19万」
「7位18万」「8位17万」「9位16万」
「10位11万」「11位10万」以下略、
だったとしましょう。

その場合、10位までが当選となるため、
全国比例の候補者は
11万票を獲得すればいいわけです。

ところが、
自民党の支持率が下がり
(下がっています)、
7議席しか獲得できなかった。

となると、17万票を得た8位候補ですら
落選の憂き目にあいます。

落選したくないならば、
7位以下の候補者たちは死に物狂いで
「個人票」を集める必要がある。
実際に、そうなっているのです。

今や、自民党の全国比例の候補者は、
20万票を獲得しなければ当選しないのでは?
と、言われている有様です。

というわけで、自民党の、
特に参議院の議員たちは危機感を高めています。

現時点で、石破茂で参議院選挙を
戦いたいと考えている者は、
三者しかない。
すなわち、石破茂本人と、赤沢亮正と、野党です。

今国会会期末に、
野党は内閣不信任決議案を出さないのではないか、
と言われている。
理由は、可決されてしまうから。
野党は、石破で参議院選挙を戦いたいのですよ。

自民党の参議院議員たちにとっては、
石破の顔で戦うなど、
たまったものではないでしょうが、
石破おろしの方法は無い。
本人が続けると言っている場合、
引きずり降ろす手続き的手段がないのですよ。

あ、一個だけありましたね。

自民党の衆議院議員たちが
内閣不信任決議案を出せばいいのです。
そして、それが野党の反対多数で
否決されてしまったり(笑)。

などと、奇想天外な展開すらありうるのが、
現在の第217回通常国会なのですよ。

◆メルマガのFoomii配信を始めました。
「PB黒字化目標の狂気」
https://foomii.com/00305/20250131122751134423

◆経営科学出版から
「国家予算がわかれば経済がわかる、
マーケットが見える」が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38tosi_1980_yt

◆メルマガ週刊三橋貴明Vol822
「PB黒字化目標の狂気」
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
そもそも、PB黒字化は目標ではあったものの、
目的ではなかったのです。
目的は
あくまで「政府の債務対GDP比率」の引下げでした。

◆メディア出演
2月4日(火)20時20分頃から
ニッポン放送特別番組
「飯田浩司と峯村健司 
2025年問題 
生放送で大放談会」に出演します。
https://www.1242.com/specialweek/specialweek_blog/blog20250128-326996/

三橋TV、続々公開中です。

なぜ財務省には話が通じないのか?
“貨幣観の違い”とは何か解説します
[三橋TV第970回]三橋貴明・saya
https://youtu.be/_fHmTjmHDMo

トランプ 大統領令連発の狙いは?
日本への影響は?
[三橋TV第971回]三橋貴明・saya
https://youtu.be/MLO02L2Ohlc

なぜ財務省は達成できない
プライマリーバランス黒字化にこだわるのか?
[三橋TV第972回]三橋貴明・saya
https://youtu.be/Mbt8NMxfpxA

特別コンテンツ配信中。

トランプ大統領就任で世界がどう変わるか解説いたします
https://youtu.be/btmh6j1-8Cg

【速報】日銀が利上げをしました。
最悪の事態なので解説します。
https://youtu.be/y_oeRgAoE-8

今こそ本当のおカネの話をしよう
https://youtu.be/gE2IR3wzuu4

愚劣な日銀利上げと中央銀行の金融政策の基本
https://youtu.be/WuMsbO6QwSo

◆三橋経済塾
1月18日(土)
三橋経済塾第十四期第一回対面講義を
配信いたしました。
是非ご視聴下さいませ。
https://members14.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=2320
ゲスト講師は非公開。
インターネット受講の皆様、
お待たせいたしました。

現時点までに決定している十四期2月以降の
ゲスト講師の皆様は、以下の通りです。
https://members14.mitsuhashi-keizaijuku.jp/

 第二回 2月15日 茂木誠先生
(ノンフィクション作家、予備校講師、歴史系 YouTuber)

 第三回 3月15日 宇山卓栄先生(著作家)

 第四回 4月19日 森永康平先生
(株式会社マネネ CEO/経済アナリスト)

 第五回 5月17日 saya様
(シンガーソングキャスター)

 第六回 6月21日 中野剛志先生(評論家)

 第七回 7月19日 藤井聡先生
(京都大学大学院 教授)

 第八回 8月16日 荒川和久先生
(独身研究家)

 第九回 9月20日 吉田敏浩先生
(ジャーナリスト)

 第十一回 11月15日 大場 一央先生
(早稲田大学非常勤講師)

初登場の方は、
宇山先生、吉田先生、大場先生でございますね。
https://members14.mitsuhashi-keizaijuku.jp/
是非とも、ご入塾下さいませ。

◆チャンネルAJER 
今週の更新はありません

関連記事

日本経済

【三橋貴明】24年体制

日本経済

【小浜逸郎】少子化とコロナ

日本経済

【施 光恒】英語化と「国のかたち」

日本経済

【上島嘉郎】【安倍談話に望むこと】(番外)「有識者懇メンバー、ホントに危険すぎる?」

日本経済

【三橋貴明】経済自虐主義からの脱却を

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です

名前

メールアドレス

ウェブサイト

コメント

メルマガ会員登録はこちら

最新記事

  1. 日本経済

    【三橋貴明】奇想天外な展開

  2. 日本経済

    【三橋貴明】日銀増税

  3. アメリカ

    政治

    日本経済

    【藤井聡】少子高齢化・人口減少は自然減少ではない.政府...

  4. 日本経済

    【三橋貴明】今こそ本当のおカネの話をしよう

  5. 日本経済

    【三橋貴明】自公政権が続く限り、日本の緊縮財政は終わら...

  6. 日本経済

    【三橋貴明】財務省の事業

  7. 日本経済

    【三橋貴明】輸入デフレータ

  8. アメリカ

    政治

    日本経済

    【藤井聡】阪神淡路大震災から30年.日本国家の「復興力...

  9. 日本経済

    【三橋貴明】ユートピアニズムのトリニティ

  10. 日本経済

    【三橋貴明】「文明の生態史観」と「紛争死史観・災害死史...

MORE

タグクラウド