日本経済

2024年5月12日

【三橋貴明】政府債務と実質GDP成長率は正の相関関係になる

【近況】

例の財務省の
「国家的詐欺グラフ」の問題について、
中野剛志先生が記事にして下さいました。
また、森永康平先生も動画を
アップして下さいました。
https://toyokeizai.net/articles/-/751311?display=b
https://www.youtube.com/watch?v=8j0V7EuCzlI

中野先生が書かれている通り、
実は経済成長率
(実質GDPの成長率)と
直接的に関係がある
財政関連の指標は、
「政府債務」ではなく
「財政支出」です。

財政支出は、
主に二つに分かれます。

1. 政府最終消費支出
公的固定資本形成という、
政府の支出額が直接GDPになる支出

2. 所得移転系
(年金、生活保護、給付金など)

1の場合、
例えば政府が
1兆円の公的固定資本形成を増やせば、
そのまま
(少なくとも)1兆円、GDPが増えます。
公務員給与関連支出の増加も
同じです。
加えて、
公的固定資本形成
(分かりやすいのは公共事業)
として支出を受けた建設会社が、
給与を支払う。
給与を受け取った従業員が
消費を増やせば、
またまたGDPが増える。
これを乗数効果と呼びます。

2は、所得が政府から
国民に移転されるだけで、
財やサービスの生産が
行われているわけではないため、
支出金額分、GDPが
増えるとは限りません。
もっとも、所得移転を受け、
誰も全く使わないなど、
考えられません。
移転された所得が消費として
支出されれば、
その分、GDPは増えます。

1にせよ、2にせよ、
政府は国債発行により支出します。
その分、GDPは
(多少の増減はあれど)増えます。
つまりは、実質GDPが成長する。

もっとも、
政府が国債で支出した「後」に、
税金で回収すると、
その分、政府債務は増えません。

それにもかかわらず、わたくしが
中野先生が記事中で
引用して下さった
「続 財務省の国家的詐欺」のグラフ、

【OECD諸国の政府債務残高(倍)と
実質GDP成長率(%)】

http://mtdata.jp/data_89.html#vs6p

を作成したのは、
もちろん財務省が
「OECD各国の政府債務残高と
実質GDP成長率」
というタイトルのグラフを作成し、
なぜかX軸(横軸)が
「政府債務対GDP比率」に
なっていたためです。

財政支出ほどではないですが、
政府債務も実質GDP成長率と
正の相関関係があります。

それにもかかわらず、
財務省は「負の相関関係」に
見せかけるため、
X軸を
「政府債務対GDP比率」とした。

これほどまでの国家的詐欺が
見逃されるのでは、
日本に繁栄の未来はありません。
間違いなく。

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三橋TV、続々公開中です。

【全編公開】
日本が円安になった本当の理由
〜グラフから読み解く緊縮財政の真実
[三橋TV第856回]三橋貴明・saya
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【全編公開】
自民党惨敗!
衆議院補欠選挙の結果を受けて、
岸田政権の今後の舵取りはどうなる?
[三橋TV第857回]三橋貴明・saya
https://youtu.be/Cea7KKaR00g

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ヤバすぎる日本の食糧安全保障の実態
[三橋TV第858回]三橋貴明・saya
https://youtu.be/l6oncsHyDzY

日本は経済成長していない。
確かにその通りです。
ならば、日本経済を成長させるためには
どうしたら良いのでしょうか。
日本経済の成長に
本当に必要な指標、考え方、
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わたし、シンガーsayaと共に
学んでいただくのが
「シンガーsayaの3分間エコノミクス
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【三橋貴明】政府債務と実質GDP成長率は正の相関関係になるへの1件のコメント

  1. 利根川 より

     2024年5月12日の読売編集手帳に次のような記事が載っていました。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    作家の吉村昭さんはしばしば<人間は神様ではないから>とエッセーに書いた。

    (中略)

    誰もがミスや過ちを犯す。その事実をありのままに受け入れていたといえるだろう。寛容になれた理由かもしれない。
    客が店員らの手違いに怒り、土下座で謝罪させる。多額の賠償を求める。東京都が、そんな悪質なカスタマー・ハラスメントを規制するための条約を議論している。頭に浮かんでくるのは<お客様は神様です>の方だ。
    三波春夫さんのセリフとして知られるが、実は言い方も、趣旨も違っている。
    「神前で祈るようにまっさらな心でなければ、完璧な芸はできない。お客様を神様とみて歌う」
    客の側がその気になるのは滑稽だ。間違える生き物にも、許されない勘違いがある。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

     人は誰しも間違えるもの。

    「一度注意されたら次からは二度とやらない」

    そんなことができるのは極一部の天才鬼才だけで、普通は何度も同じ失敗を繰り返しながら矯正されていくものです。不慣れな人の失敗などいちいち指摘するようなことではないし、アドバイスをするとしても、それがどれだけ役に立つものなのか…ぶっちゃけ慣れてもらうしかない。
     お客様が言葉の通り神様だとするのであれば、それは慣れるまで付き合って成長させてくれるからなのではないでしょうか。
     さて、昨今の日本は、

    ”親兄弟の葬式代すら払えない貧困層が増えている”

    わけです。貧困状況がえげつないことになっていますね。⇓

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    <横須賀市で引き取り手のない遺骨数の推移>

    出典:全国市町村国際文化研修所「国際文化研修2019年春」

    ・身元が判明している引き取り手のない遺骨

    1997年度まで10柱より少ない水準で推移

    1999年度、10柱を超える

    2017年度、50柱

    身元不明の無縁仏は減っている。主たる理由が火葬や葬儀のお金が払えないというもの。この内、親兄弟と仲が悪いというケースは極わずか。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    お骨にしてあげたくても金がない。そんな困窮状況にあっても人は食べねば生きていけない。なけなしの金で食品を買い求めて、それが店側の手違いで台無しにされたとき、人は心穏やかでいられるものなのでしょうか。ルーキーが習熟するまで心穏やかに付き合って差し上げられる者がどれだけいるのでしょうか。

    衣食足りて礼節を知る

    やはり、根本的な原因は「失われた30年」にあるものと思います。対症療法としてのカスハラ規制法案は必要なのかもしれませんが、それはあくまで一時的に症状を見えなくするだけのもので、何か別の形で症状が出てくるというオチになりそうな気がしますね。
     この「失われた30年」ですが、原因は財務省による緊縮増税にあります。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    森永卓郎さんのザイム真理より

    ★消費税導入前1988年度と現在2022年度の国民負担率の比較

    1税金 1988年/2022年

    ・消費税 0/10%
    ・復興特別所得税 0/所得税の2.1%
    ・給与所得控除 上限なし最低保証65万円/年収850万円で上限の195万円 最低保証55万円
    ・生命保険控除 上限10万円/上限5万円
    ・配偶者控除 所得制限なし/合計所得1000万円以上は適用なし
    ・専業主婦特別控除 配偶者控除に38万円加算/廃止
    ・老年者控除 50万円/廃止
    ・公的年金控除 120万円/110万円
    ・相続税基礎控除 5000万円/3000万円

    2医療

    ・健康保険料 8.30%/10.00%
    ・サラリーマン窓口負担 1割/3割
    ・国民健康保険賦課上限(年額) 40万円/102万円
    ・後期高齢者医療保険料 なし/6472円
    ・後期高齢者の窓口負担 800円/医療費の1割~3割

    3年金

    ・厚生年金保険料 12.4%/18.3%
    ・国民年金保険料 7700円/16610円
    ・厚生年金支給開始年齢 60歳/65歳
    ・国民年金満額給付(月額) 52208円/64816円
    ・国民年金満額給付(現在価値) 61711円/64816円

    4福祉

    ・介護保険料(現役) 0%/1.64%
    ・介護保険料(高齢者) なし/5869円
    ・障碍者福祉の自己負担 応能負担(9割は無償)/1割負担

    ★消費税導入前(1988年度)と現在(2022年度)の家計の比較

    1988年/2021年

    ・世帯主収入 474万円/533万円 12.5%アップ
    ・直接税 53万円/57万円 7.1%アップ
    ・社会保険料 37万円/78万円 111.3%アップ
    ・税社会保険 90万円/135万円 50.1%アップ
    ・手取り収入 384万円/398万円 3.8%アップ
    ・消費税後手取り 384万円/366万円 4.6%ダウン

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    「他人を変えるより己を変える方が早い」

    こんなセリフを吐いている若い子を見かけましたが、そのセリフ、30年前に君らの親父やお袋も同じことを言っていましたよ。結果が「失われた30年」です(苦笑い
     上のデータを見てもわかるように財務省が緊縮増税を続けるかぎり、民間個人の努力は水の泡と化します。努力ということであれば、まずは財務省を何とかする努力をする必要があるということです。まあ、選挙に行きましょうねということです。
     ところで、本日の編集手帳の趣旨は

    「人はだれしも間違えるものなのだから、もっと寛容になって」

    というものだったと思います。間違えるのは仕方がないし責めるようなことではない。その通り。わたしも100%同意します。しかし、”わざと”やっているのであれば、それは怒らないとダメなんじゃないでしょうか。
     
    財務省の
    「国家的詐欺グラフ」

    について中野剛志さんと森永康平さんが解説してくれていますが、財務省はこれが初犯ではありませんからね。
     詐欺グラフを用いて国民を欺き、国家を超長期停滞に陥れる。これって何ハラっていうんでしょうね?

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