日本経済

2024年3月11日

【三橋貴明】無知で間違っている働き者は度し難い

【今週のNewsピックアップ】
伊吹文明「国債発行は麻薬中毒」という妄想
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12843297820.html
本末転倒議員、古川禎久
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12843435178.html

日本の財政破綻論が厄介なのは、
ナショナリズムに訴えかけてくる点です。

多くの国民は、
自分の子供や孫、その先の世代に
「悪しき日本」を残したいとは
思っていない。

というわけで、
「クニノシャッキンのツケを、
将来世代に押し付けるんですか?」
「国債を発行すると、
将来世代が返済することになるんですよ」
といったレトリックが
パワーを発揮してしまう。

結果、自民党の「自称保守」に、
財政破綻論者が多いわけですね。

伊吹文明は、
エドマンド・バークの
「フランス革命の省察」を引き合いに出し、
「先の世代の残した有形、
無形の遺産、負の遺産の上に
私たちは今を生きており、
その中で私たちは何か良きものを加えて、
次の世代に受け渡していく。
多くの負の遺産を受け継げば、
次の世代の日々は困難の連続になります。
先の世代の遺産
に安穏と胡座をかいていても、
次の世代からは感謝されないでしょう。」
と、見事に正しい「保守観」を
語っていますが、
彼は政府の国債発行残高を
「借金としての遺産」
と認識しているわけです。

ちなみに、
バークも
「フランス革命の省察」において、
見事な「貨幣のプール論」で、
政府の負債について
「将来世代へのツケの先送り」である
と説明しています。

実際には、政府の負債
あるいは「純負債(債務超過)」の拡大は、
反対側で
国民の資産・純資産の増加になります。
政府の国債発行は、
国民の財産の増加になる。

何しろ、政府は国債を発行し、
支出するわけです。
その瞬間、政府の純負債が増え、
同時に支出された国民の純資産が
必ず増えるのです。

というわけで、伊吹や古川が
「将来世代へのツケの先送り」
と認識している国債発行は
「将来世代への純資産の相続」となります。

しかも、国債発行で
インフラが整備され、
各種の安全保障が強化されれば、
「将来世代に
多くの正の資産を受け継ぐ」
ことになります。

ところが、伊吹や古川の頭の中は
「カネ」で構成されており、
緊縮財政でインフラや安全保障が
崩壊したとしても、
国債発行残高を削減しなければならない
と考えているわけです。

無知で間違っている働き者は度し難い、
のですよ。

◆経営科学出版から
「経済大国ニッポンの不自然な没落
なぜ、「信じられない衰退」は現実化したのか」
が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38botu_teika

◆経営科学出版から
「年金倍増で日本経済は大復活する!
デフレの終わり、
第二の「高度成長」の始まり」
が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38nenk_blog

◆メルマガ週刊三橋貴明Vol775
基礎的財政収支と財政破綻
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
PB(基礎的財政収支)と「財政破綻」は、
実は何の関係もありません。
PBが黒字化しようが
「○○」の場合は財政破綻します。
逆にPBが赤字だろうが
「○○」であれば財政破綻しません。

◆メディア出演

三橋TV、続々公開中です。

なぜ2024年問題が起こったのか?
〜未だかつてない物流業界の危機を
引き起こした元凶
[三橋TV第829回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/zznoDaIWlRc

株高なのに、なぜ給料が上がらないのか?
〜国民の所得を決める4つの決定要因
[三橋TV第830回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/ZciJwhVUncY

上場企業が過去最高益!その裏事情とは?
〜配当金が20年で7倍になったカラクリ
[三橋TV第831回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/OiTgkkKnjPo

日本は経済成長していない。
確かにその通りです。
ならば、日本経済を成長させるためには
どうしたら良いのでしょうか。
日本経済の成長に
本当に必要な指標、考え方、
そして政策を、
わたし、シンガーsayaと共に
学んでいただくのが
「シンガーsayaの3分間エコノミクス
第二巻」です。
さあ、私と共に経済成長について
「ゼロ」から学んで下さい。
特別コンテンツとして、
三橋貴明&saya
「シンガーsayaが
三橋先生にひたすら聞いてみた第一回」
の全編もご視聴いただけます。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/economics/

◆三橋経済塾
3月16日
三橋経済塾第十三期第三回対面講義が
開催されます。
https://members13.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=2080
ゲスト講師は森永卓郎先生です。

◆チャンネルAJER
「物流24年問題の実態と解決策(前半)」
三橋貴明 AJER2024.3.5
https://youtu.be/L9M5bfh0UZQ

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【三橋貴明】無知で間違っている働き者は度し難いへの3件のコメント

  1. 頼んだものがまだ来ない人 より

    Horst Geyer ホルスト・ガイヤー博士の
    ÜBER DIE DUMMHEIT『愚鈍について』
    ですね。

    「勤勉はバカの埋め合わせにはならない。
    バカな勤勉ほど傍迷惑なものはない」

    もっとも、伊吹氏は
    秀才の誉れ高かった人ですが。

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  2. 利根川 より

     東日本大震災から13年が経ったということで犠牲者の方々のご冥福をお祈り申し上げます。
     今回の能登半島地震でも指摘されていますが、やはり住宅が全損状態でも300万円しか出ないということでは、住宅再建をあきらめて転居するしかなく、地域のコミュニティもバラバラにならざるを得ないので、そこは政府による助成が必要なところだと思います。また、地震に付随して原発施設に何らかのトラブルがあった場合、屋内退避が推奨されているようですが、屋内退避がかえって危険な場合があったり、陸の孤島と化して避難できない場合があります。そうしたケースでどうするのかの取り決めがないということで、そこらへんのことも詰めておいていただきたいところです。私は、石炭火力、原発、風力、水力、使えるものは何でも使ってしのぐべきだとは思っていますが、いい加減にやっていいと思っているわけではないので、万が一のこともきちんと詰めておいていただければと思っています。

    それと、岸田総理に置かれましては、言い訳会(政倫審)には出席させろと自ら声を上げるのに、災害復旧を話し合う会議には出席されていないというのを小耳にはさみましたが、どういうことなのでしょうか?これで自公政権の支持率が25%もあるというのが不思議でなりません。

     本日のお題「伊吹文明さん」についてですが、エドマンド・バークの時代はまだ「金本位制」の時代だったので、彼が貨幣のプール論であったのは仕方がない所もあったかと思いますが、現代(管理通貨制度)に生きる伊吹さんが未だに貨幣のプール論というのは…時代についてこれていないというよりほかないのではないでしょうか。安藤裕さんが2024年3月10日~12日にかけて「安藤裕チャンネル」にて現代における「信用創造の仕組み」について基礎から解説してくれましたので、伊吹さんもそちらをご覧になればよろしいのではないでしょうか。まさか、伊吹さんほどの方が相手の主張も聞かないで批判をするようなことはしないと思いますので、一度ご覧になっていただければと思います。
     
     ブログの方(新世紀のビッグブラザー)も読みました。半導体についての話題でしたが、最近はTV新聞でも半導体の話題でもちきりですね。
     日本の半導体産業が衰退した原因は、1990年代以降、海外ではTV、ラジオ、VTRが急速にアナログからデジタルに切り替わり、パソコンも普及していったが、日本はその波に乗れなかったことが敗因だった。つまり、会社が失敗したのであって、政策が悪かったわけではないといった論調で書かれている。しかし、なぜか日本の報道は、

    ”日米半導体協定”

    については一切話題に出さないのだ(気持ち悪い
     三橋さんの受け売りですが、日米の半導体の歴史は以下のような展開だったそうです。

    日本:
    1950年以前 電子レンジサイズの真空管ラジオ
    1950年半ば トランジスタを使った弁当箱サイズのラジオ
    1979年   ウォークマン
    1981年   DRAM分野で日本は米国を追い抜いた

    米国:
    1950年以前 真空管ミサイル
    1950年以降 トランジスタミサイル
    1958年   IC(集積回路)ミサイル
    1960年   集積回路を使ったアポロ計画
    1981年   DRAM分野で米国は日本に追い抜かれた

    米国「日本の半導体が売れているのは日本政府が不当に安売り(ダンピング)しているせい!フェアな勝負をしろ!」

    こんな感じ。
     日本政府が半導体を不当に安売りしているということで「日米半導体協定」が1986年に締結されました。内容は主に2つ。

    <1986年日米半導体協定>

    1、日本企業が半導体の値段を自由に決めてはいけない。日本企業がいくらで半導体を売るのかは米国政府が決める

    2、日本の半導体市場で海外メーカーの半導体のシェアを10%から20%に高めよ

    とくに1については致命的で、このとりきめによって、米国や韓国のメーカーは日本のものより少し安い値段を付ければ簡単にシェアを獲得できることになった。つまり、あのとき日本の半導体企業が、

    「うまくパソコン半導体需要の波に乗る」

    なんてことは不可能だったのですよ。なぜなら、日本の半導体が売れなくなるような国際協定をむすんでしまったわけでね…よくこんな条件を飲んだものだと驚いてしまいますが、ルネッサンス期のフィレンツェの政治家ニコロ・マキアヴェッリは次のような言葉を残しています。

    マキアヴェッリ「金の力だけでは精兵を作り上げることはできないが、精兵をもってすれば金を手に入れることができる」

    そういうことなんでしょうね。さすがはアメリカ。二度目の覇権国になるだけのことはある。まあ、ちょっと前まで新自由主義にかぶれて劣化しつつあったようですが、最近はちょっと流れが変わってきたのかな?
     この日米半導体協定や、日米構造協議、年次要望改革書など別段、米国政府は隠しているわけではありません。陰謀でもなんでもなく、堂々と公表しているわけですが、な★ぜ★か、日本のTV新聞はまったくこの話題に触れないのですよね。

    戦略の失敗を戦術で覆すことはできない

     半導体需要に浮かれる日本社会ですが、何が悪くて何が良かったのか、もう一度しっかり見つめなおすことが必要だと思います。
     ところで、日本は基本的にアメリカ政府のムチャブリに最大限応えてきました。今回の半導体工場建設についてもアメリカの要求を呑むかたちで話が進んだものと思います。
     で、その半導体工場をどこに作ったのかというと…農地をつぶして作っちゃったんだな、これが。
     日本の食料自給率は38%。他の先進国に比べ非常に低い値になっています。現在の輸入物価高も、国内で食料を賄えないせいで海外から買うしかなく、その海外から買っている食品や肥料飼料の値段が上がってしまったせいで起きていることです。食料自給率を上げないといけない状況で、かえって下げてしまう方向に行ってしまっているわけだ。
     アメリカは東アジアの安定のために日本が重要な役割を果たしてくれると期待しているそうですが…無理ですよ。だって食うものがね、無ぇの(笑
     国際情勢が不安定な中、日本は何をやっているのかとおりを受けそうですが、これについては日本に落ち度はありませんでね…鈴木宣弘さんの「農業消滅」にも書かれていますが、日本はアメリカの要求に従ってひたすら関税を下げた結果、国内の農業が衰退したわけで、アメリカの食料関連企業が地政学的位置関係も考慮せずに欲望のままに食い荒らした結果なんですよ。アメリカのエリートの皆さんにおかれましては国際情勢が不安定な今だからこそ、少しは地政学的位置関係も考慮に入れてもらいたいところですね。
     日本の農水省も、今回の半導体含め、これまで日本はひたすらアメリカのむちゃぶりを飲んできたのだから、日本の食料自給率向上についてアメリカのエリートたちに協力させる交渉くらいするべきだと思います。

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  3. 利根川 より

     三橋TVで「国民同士をいがみ合わせて敵対心が独裁者に向かないようにする手法」についてお話がありましたので、以下の国会質疑も載せておこうかと。まあ、「れいわ」の話題を出すと自称保守に叩かれまくるわけですが、本来は保守を自認する者たちが分断工作を非難すべきなんじゃないんですかという問題提起という意味でのっけておきます。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    2024 3 15 参議院・予算委員会

    山本太郎議員「今、社会には高齢者の集団自決、集団切腹すべきという言説があります」

    山本議員「選民意識・優生思想の塊。あまりにも酷い言動で私には許せません」

    山本議員「総理、少子化問題解決のためには高齢者は集団自決、集団切腹すべきとお考えになりますか?」

    岸田総理「まず、まったくそんなことは考えるべきではないと思います」

    岸田総理「私の常識からは外れたご指摘がありましたので解釈に苦しみましたが、全くそんなことはないと思います」

    山本議員「ありがとうございます。その言葉を聞いて安心しました」

    山本議員「まあ、そのような言葉が社会の中で踊っている。特にネットの中で。なので、総理にそのようなことを聞いてみました」

    山本議員「高齢者は集団自決すべきという言葉は全く持って不適切だと、どうか総理から国民に対して宣言していただけないでしょうか」

    岸田総理「どなたがおっしゃっていたのか、背景など分かりませんが、委員からお聞きする中にあっては極めて不適切であると思います」

    山本議員「若者の負担を増やさないために年寄りは死ね。こんな言説が社会で支持されるというのは異常です」

    山本議員「高齢者が切り捨てられる社会では障害者も切り捨てられる。次に切り捨てられるのはあなたかもしれない」

    山本議員「その先は、生産性が低い、役に立たないと、権力を持つ者たちが勝手な物差しで決めることになる」

    山本議員「だからこそ人間を切り捨てるような社会を許してはならない。誰もが年を取ります」

    山本議員「穏やかで充実した人生。全ての世代がおくれるように努力をするのが政治の務めです」

    山本議員「高齢者は集団自決、集団切腹。この言葉の生みの親は経済学者を名乗る成田悠輔氏」

    山本議員「成田氏を広告に起用していた大手飲料メーカーは取りやめたそうです。そりゃそうですよね」

    山本議員「不買運動が広がったりだとか株価にだって影響する可能性があります」

    山本議員「個人としてこのような考えを持つものが居たとしても、何かしかの迷惑行為が伴わず、かってに自分の頭の中で考えている範囲なら、究極、内心の自由ということになるかもしれません」

    山本議員「他にも芸能の世界では過激な発言をすることで世間の注目を集めて仕事を増やすということもあるということです」

    山本議員「それに伸るか反るか、仕事を増やすか否かはそれぞれのメディアの判断、そこに政治が介入する話ではありません」

    山本議員「問題は民間ではない政府が、このような考えを持つ者をありがたがって仕事を与え、飯のタネを提供すること。政府と仕事をする、取引をする実績を作っていることが問題です」

    山本議員「農水省は昨年末、成田氏を広報番組に起用すると発表」

    山本議員「数日後、成田氏を大臣に見立てた『疑似大臣会見』なる番組をネット配信」

    山本議員「ここで忘れてならないのが、(基幹的)農業従事者の7割超が65歳以上の高齢者です」

    山本議員「この7割の方を切り捨てたとしたら日本の農業終わりです。農水省の人選、これ大丈夫ですか?」

    山本議員「財務省の広報誌ファイナンス、財務省、この広報誌を発行する目的って何ですか?」

    財務省「お答えします。財務省の広報誌ファイナンスですが、これは国民の皆様を対象に財政や税の役割など、財務省の政策内容をわかりやすく広報することを目的に発行しているものでございます」

    山本議員「昨年の7月号では成田氏が5ページの記事、ここにゲストとして登場しました」

    山本議員「主計局と主税局の課長がいっしょに対談」

    山本議員「これらの事例、彼が発言する前ではないんですよ」

    山本議員「高齢者は集団自決、この発言の後に(財務省に)起用されているんですね」

    山本議員「総理、これらの起用は適切ではなかったとお認めいただきたいんです」

    岸田総理「ご指摘の発言をこの方がされたかどうかということや農水省が起用した経緯など承知しておりません」

    岸田総理「しかし、いずれにせよ先ほどの発言は不適切であるということは強く感じます」

    山本議員「この後、(高齢者は集団自決発言が))本人が発言したものであり、この発言の後に農水省や財務省が仕事を振っていたということが確認されれば、この起用が不適切だったと認めていただけるということですよね?」

    岸田総理「あ~、あの~、発言が不適切であるというのはあらためて強く感じますが」

    岸田総理「事実関係において仮定に基ずいてお答えするというのは今は控えます。(事実関係を)確認します」

    山本議員「もちろん、本人は弁明してるんですね」

    山本議員「問題発言後、批判を受けて『あれは単なるメタファー、比喩。問題提起のために強すぎる表現を使った』と(ニューヨークタイムズ紙で)言い訳をしています」

    山本議員「しかし、ネット番組などでの発言を確認してみると高齢者・集団自決の必要性がメタファー・比喩ではないことを本人が認めているんですね」

    山本議員「問題発言の2週間後、これはもう削除されていますが、ネット上では様々な方が保管されているんですね」

    山本議員「ネット番組で本人曰く…」

    成田悠輔氏「まったくメタファーではなくて、三島由紀夫とかリアルのそういうことをやって、しかも、それが日本人の死にざまの一つの象徴みたいになって~中略」

    成田悠輔氏「普通にファッションとして『ハラキリ』は成立するんじゃないかと思っているんですよね」

    山本議員「問題発言があった当日のネット番組をみると…」

    成田悠輔氏「唯一の解決策ははっきりしていると思っていて、結局、高齢者の集団自決、集団腹切みたいなことしかない~中略」

    成田悠輔氏「別に物理的な切腹だけでなくてもよくて」

    山本議員「と、はっきり発言されているんです」

    山本議員「物理的な切腹も一部含む、高齢者の社会的退出を要請している」

    山本議員「発言へのごまかしはあっても謝罪撤回はありません」

    山本議員「場所や場面によって言い訳を書いたりするポジショントークの芸人、そう考えれば政策側の判断で使う分にはいいかもしれません」

    山本議員「一方、一時であっても政府の側、省庁の側で使っても良いのか、これ流石にまずいんですね」

    山本議員「財務省の機関誌で彼の弁明の機会を与えている場合じゃないんですよ」

    山本議員「不適切と認めないならば、これ、農水省や財務省が成田氏が言うような人減らしをしようとしていると勘違いを与えかねません」

    山本議員「総理には事実関係を確認の上、こうした起用は不適切であったと認めていただかなければならない事案だと思っています」

    岸田総理「いずれにしろ(事実関係を)確認の上で判断すべきことだと思います」

    山本議員「ありがとうございます。確認してからということで結構でございます」

    山本議員「その回答に関しまして委員長、引き取っていただけますでしょうか」

    委員長「後日理事会で審議いたします」

    山本議員「今後、このような人選がないように総理には省庁にご指導いただきたい」

    岸田総理「いうまでもなく広報などにおける人選においては、より慎重でなければならない」

    岸田総理「今後とも、より慎重に行うべき課題であると考えます」

    山本議員「財務省、彼(成田悠輔)の起用理由はなんですか?」

    財務省「お答え申し上げます」

    財務省「10人を超える様々な分野の有識者をお招きして職員との対話を通じて財政や税の役割などを深めていただくことを目的に広報活動の一環として行っているものでございますが、」

    財務省「選考理由といたしましては、一つは成田悠輔氏について経済学者として様々な発信力を有しているということ」

    財務省「第二の理由として東京大学・マサチューセッツ工科大学で経済学を研究され、現在もイエール大学でアシスタントプロフェッサーを務めておられまして」

    財務省「業績としても、例えばAIの社会実装に関する研究で多数の受賞歴を有しておられたり、自治体と連携したデータ、駆動型事業連携を進めておられるなど、経済に関する実績と見識をお持ちであるとこを踏まえて」

    財務省「対談の相手の一人として選定したものでございます」

    財務省「なお、選定にあたって今のようなことを踏まえて選定したものでございますけども、委員ご指摘の発言に賛同したものではございません」

    財務省「実際の対談においても、冒頭、財務省職員からその発言はまずいものであると指摘をされ、成田氏からもそれはよくなかった、やめたという発言があり、」

    財務省「このように発言に賛同していないことを明確にした上で、財政と民主主義や受益と負担に関する社会的な議論の必要性について議論が行われております」

    山本議員「影響力のある人間が高齢者の人減らしということを、実際にハラキリということをもってお話しされたわけですよね」

    山本議員「それが問題を呼んで、企業は降りたわけですよ。広告に使うのを」

    山本議員「その事象をわかっていながら財務省は起用して冒頭で言い訳をさせたと、そういう話ですよ」

    山本議員「メタファーでも比喩でもないって本人は開き直って言ってるんですよ。ネット番組で」

    山本議員「それをわかった上で起用したとなったら普通はすまないで済む話じゃないじゃないですか。言ってること分かってますか?」

    山本議員「内閣府、消費の内、高齢者が占める割合を教えてください」

    内閣府・はやしともこ統括官「総務省・家計調査を用いまして計算しましたところ、」

    はやし統括官「世帯主が65歳以上の世帯の消費の支出が全世帯の消費に占める割合は、直近2023年で39%となります」

    山本議員「はい、消費の約4割が高齢者であると」

    山本議員「消費の専門家として高齢者をとらえた場合、それを抹殺したらどうなるのか。日本経済崩壊ですよ」

    山本議員「『経済に関する深いご見識をお持ちである』って、さっきの財務省の答弁、ブラックジョークにしかなってませんよ」

    山本議員「基本も分かってないのかってことになります」

    山本議員「一方で、高齢者は金を持っている、そういうイメージがありますけど幻想です」

    山本議員「厚労省の調べでは(2022 国民生活調査)高齢者の貧困率は20%。5人に1人が貧困」

    山本議員「生活が苦しいと感じている世帯は48.3%。2世帯に1世帯は苦しいのが高齢者」

    山本議員「不況が30年続いて、世代間の分断を煽る発言があふれてる」

    山本議員「でも、高齢者の負担を増やしたところで若者は楽にはなりません」

    山本議員「高齢者負担が上がっても『若者の社会保険料をどれだけ安くできるか』って議論、聞いたことないですよ」

    山本議員「消費税を社会保障に(使う)と言いますが、消費税10%にまであげても保険料は上がり続けてる。どうしてですか?」

    山本議員「政治のデタラメさがよくわかる」

    山本議員「何が言いたいか、不毛な世代間対立を煽るなということ」

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

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