来月からの臨時国会で、岸田政権は経済対策を取りまとめるようです。これが令和4年度のように補正予算を編成するのではなく予備費の執行という形によるのか、今回ばかりは令和5年度補正予算を編成するのか、本稿執筆時点ではまだ分かりません。予備費の執行でもやらないよりはマシですが、要は令和5年度予算の範囲内、いわゆる本予算の範囲内で行うことになるので、補正を組まなかったということで、緊縮を進めたい財務省にとっては願ったり叶ったり(奴らは何を願いたいのでしょうか?)ということになり、まさに緊縮増税岸田政権の真骨頂ということになるでしょう。
ちなみに、本年度予算の予備費は、新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費の4兆円、そしてウクライナ情勢経済緊急対応予備費の1兆円、合わせて5兆円措置されています。現下のコストプッシュインフレによる倒産・廃業や、コロナ融資の返済に行き詰まった倒産の増加といった状況、物価高により国民の消費が著しく減退している状況、輸入物価の上昇が、いつ安定的に治まっていくのかが見通せない状況、我が国を取り巻く国防・安全保障環境が厳しさを増しているのみならず、世界的な安全保障環境が大きく変動しようとしている状況、大規模な自然災害がいつ襲ってくるのか分からない状況等、こうした状況を踏まえれば、予備費の残りの執行で十分なはずはありません。
これらは全て喫緊の課題であり、いずれも直ちに、出来るだけ速やかに措置すべきものです。そうであれば、消費税の減税、少なくとも5%への減税は必須であり、インボイスという増税のためかつ国民負担の増加につながる意味不明な措置の導入は中止しなければなりません。エネルギー価格の上昇を抑えるためには、ガソリン税のトリガー条項の凍結解除は臨時国会で公布即施行の法案として提出し、可決・成立させて、直ちに実施しなければいけませんし、国民負担を増やすのみならず、自然破壊や安全保障の脆弱化にもつながっているフィット制度の廃止、最低でも停止も必要不可欠です。それに加えて、当面の間、国民、事業者に対して電気代やガス代の補助を行うことも必要です。
社会保険料に係る負担軽減も必要ですし、食料の自給力の向上のために、農畜産漁業の徹底した補助に加え、国による買上げを通じた価格支持も必要です。一度失った食料生産力は一朝一夕で回復できるものではありません。
地方の公共交通に対する運行支援も必要ですね。廃線ではなく、赤字路線、そのインフラを国が引き取って、事業者は運行のみに、それもある程度補助を受けて専念することができるようにすることも必要です。そもそも公共交通に赤字・黒字の概念を入れることは馴染みません。
その他、地方交付税交付金の安定的増額や、独立行政法人、特に国立大学法人や、名実ともに調査・研究開発を行う独法に対する運営費交付金の安定的増額も必須です。
他にも色々ありますが、要は、緊縮的発想により本予算で措置されなかったものについて、補正で措置しましょうということです。
岸田政権にはあまりやる気は感じませんが、少しでもマトモな補正予算となるよう、皆さんで声を上げていきましょう。
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