政治

日本経済

2023年5月16日

【室伏謙一】令和臨調なる「ゾンビ団体」

 先日、スティーヴン・スピルバーグ監督の「ジョーズ」という映画を初めて観ました。(もしかしたら映画を観まくっていた高校生か大学生の時に一度観たことがあるかもしれませんが。)この映画、その特徴的な音楽とともに、サメに人が襲われる映画と認識されていることが多いかもしれません。確かに私もそうでした。

 しかし、実際に観てみると、サメは主役ではなく、アメリカ社会の劣化、恥部を、「ジョーズ」という見えない、見えにくい恐怖や危機への対応・反応という場を使って炙り出している作品に私には思えました。

 作品に出てくるアメリカ社会の劣化や恥部とは、保身しか考えない人(責任から逃れ、人に押し付ける)、独りよがりなアメリカン・ヒロイズム、目先の利益しか考えない人、短期主義(今だけ金だけ自分だけ)、専門バカ(専門絶対主義)、善良なる古き良きアメリカ人(だが結局は自分の立場優先で、ヒロイズムが嫌い)といったもの。こうしたもの、遺物は、今もアメリカに脈々と生き残り、ゾンビのように生き延びています。

 日本にもそっくりそのまま当てはまりそうですが、なんと、二十数年前に使い古された、日本の破壊や停滞を招いた新自由主義、小さな政府、緊縮財政、財政均衡論といった間違った政策をいまだに主張する団体が昨年設立されました。令和臨調なる民間団体です。事務局は生産性本部に置かれているので、後ろで蠢く勢力や推して知るべしですが、あろうことか、それに呼応する超党派の議員連盟や首長の会まで設立されています。

 その具体的な主張はその民間団体のサイトをご覧いただければと思いますが、1990年代中頃によく見られたようなものばかり。まさにマゾヒズム不況を招いた政策群です。緊縮財政や財政均衡論は小渕・麻生両内閣で事実上否定されましたし、なんと言っても財政構造改革なる超緊縮を始めようとした橋本元総理自体が消費税増税を失敗だったと認めていますし、口だけではありましたが、岸田総理は自民党総裁選において「新自由主義からの転換」を主張しています。つまり、令和臨調が主張している政策は、政治を主導する層では、少なくとも認識のレヴェルでは間違いであるとされてきていると言えるわけです。そうなると、こうした使い古されたというより事実上死んだに等しい政策を二十数年の時を経て蘇らせて、さも正しいかのように主張する令和臨調は、まるでゾンビのようです。

 日本版「ジョーズ」でも製作する時には、超党派や首長会のお歴々も含めて、令和臨調関係者に登場してもらいましょうか・・・

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【室伏謙一】令和臨調なる「ゾンビ団体」への3件のコメント

  1. 利根川 より

    「世の中には手段のためならば目的を選ばないという様などうしようもない連中も確実に存在するのだ」(漫画HELLSINGより)

    昨日、TVで「海外ではマイナンバー制度の見直しが進んでいる」という話題が報道されていました。

    >>アメリカでは最大1万3千人分の情報が漏洩し詐欺に悪用。マイナンバーの売買、年金に不正受け取り、なりすまし労働が発生

    韓国では個人情報が約1億400万件流出

    ドイツでは憲法違反の判決が出て廃案、イギリスでも2006年から運用したものの2010年には廃止

    世界で廃案になっているマイナンバーカード>>

    さて、これに対して元維新の会のさるお方が何と言ったのかというと

    さるお方「成功には失敗はつきもの。海外で失敗しているからこそ日本で成功させてもらいたい」

    皆さんはこれについてどうお考えでしょうか。
     少々大げさな言い方になりますが、全ての政策は「国民の生命と財産を守る手段として用いられるもの」です。なにせ、歴代の総理大臣もそのように発言してきましたしね。なので、まず最初に、その政策を行うことで国民の生命と財産の安全が向上することが見込めないといけないんですよ、最低限ね。
     で、維新の会や自公政権が推進してきたマイナンバーカードや水道民営化は海外では

    「国民の安全を脅かすもの」

    ということで見直しが進んでいるわけです。これを未だに推進し続けているというのは、日本国民の生命と財産の安全はどうでもいいと言っているようにも聞こえるわけですがどうなんでしょうね?

    日本国民の生命と財産を守ること(目的)なんかどうでもよくて、ただただマイナンバーや水道民営化(手段)をやりたいだけ

    私はそのように感じました。
     日本の破壊や停滞を招いた新自由主義、小さな政府、緊縮財政、財政均衡論をいまだに推進している令和臨調とやらも手段のためならば目的は問わないという類の人種なのでしょうか。おそろしい

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      1. ts より

        「手段のためならば目的は問わない」馬鹿げた話ですね
        令和臨調の顔ぶれを見るとヘドが出そうになります

        返信

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        1. 利根川 より

          「手段のためならば目的を選ばないという様などうしようもない連中」

          というのは、なにも日本にだけ存在するわけではないようです。三橋さんをはじめ、多くの方が言っているのは

          「十分な生産能力をもった自国通貨建て国債の変動為替相場制の国はデフォルト(財政破綻)しない」

          というものですが、

          ”わざと”財政破綻(自殺)させることはできる

          ということでね(苦笑い
          詳しくは、

          【アメリカ国債はデフォルトするのか】国債残高が政争の具になる愚かさ 安藤裕チャンネル

          をご覧ください。
           

          アメリカ民主党「仮に債務上限(国債を発行できる上限)を上げることができなくてデフォルトになったら、協力しなかった共和党のせいにできて民主党政権にとっていいんじゃないか」

          アメリカ共和党「共和党としてはウクライナ戦争をはやく終わらせたい。国債を発行させなければ(債務の上限引き上げをしなければ)アメリカはこれ以上はウクライナを支援できなくなるはずだ」
           

          アメリカの政治も、本来の「国民の生命と財産を守ること」そっちのけで党利党略に走っているようです。さすがは株式会社アメリカ(笑)ですね。まあ、アメリカの政治に世界中の人の命が左右されるわけで笑い事じゃ済まないんですけどね…
           貨幣に関する理解が浅くて「財政破綻する」と言っている人達はたくさん見てきましたが、さすがに自分の利益のために”わざと”財政破綻させたい人達がいる(しかも割と本気でやろうとしている)というのは想定の範囲外でした。岸田さん、アメリカを見習っちゃダメみたいですよ。

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