日本経済

2023年5月15日

【三橋貴明】定義こそが始まりであり、 同時に全てです。

【今週のNewsピックアップ】
緊縮財政は正しい政策でなく経済成長につながらない
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12802580273.html
今を生きる世代が共有しなければならない負担
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12802708386.html

経済成長のロジックは、
全く難しくありません。

何しろ、経済成長の定義は
「GDPが増えること」なのです。
となれば、GDPの統計を理解するだけで、
「どうすれば、経済成長できるのか?」
が、理解できる。

三橋は、言論活動を始めた当初から、
「GDPの定義」を説明し、
その上で「経済成長とは何なのか?」について、
理解してもらう手法を採ってきました。
何しろ、誰にでも理解できる。

【所得創出のプロセス(実体経済)】
http://mtdata.jp/data_75.html#process

三橋が作成した
上記「所得創出のプロセス」は、
人生最大ヒットのチャートでしょう。
何しろ、三橋が現れる前は、
「GDP」や「生産=支出=所得(三面等価)」
の説明に際し、分かりやすいチャートで
説明した人間はいないのです
(少なくとも「戦後」は)。

経済学の教科書には、
「生産と支出と所得はイコールになり、
これをGDP三面等価の原則と呼ぶ」
とだけ書かれている。
いや、間違ってはいないけど、
それで「GDP」について
正しく理解できる人がいたとしたら、
天才ですよ。

GDPは支出面で見ると、
◇GDP=民間最終消費支出
+政府最終消費支出+民間住宅
+民間企業設備+公的固定資本形成
+在庫変動+純輸出
になります。

純輸出とは、
=財・サービスの輸出
-財・サービスの輸入、
です。
上記は「統計」であるため、
「政府支出(消費、投資)を増やせば、
GDPは成長する」
「輸入が増えれば、GDPは減る」
これらは、どうにもこうにも、
地球上の誰にも否定できないのでございます。

デフレに苦しむ現在の日本に必要なのは、
支出、すなわち消費、投資と言った
「需要」の拡大です。
具体的には、財やサービスの購入。
誰かが財やサービスの
購入を増やす(=需要拡大)だけで、
デフレは終わります。

とはいえ、民間企業は
投資を抑制し(儲からないから)、
家計は実質賃金や可処分所得の低迷を受け、
消費を抑制している。
この状況で、需要を主体的に拡大できる存在は
「政府」しかないのです。

つまりは、財政支出です。
「財源はどうするんだ?」
そりゃあ、国債発行です。
防衛費増額も、社会保障費の拡充も、
少子化対策も(その他諸々も)、
政府が国債を発行し、支出すればいい。
確実に需要が増えます。

GDPは足し算なのですが、
この基本すら知らずに
経済成長について語る人がいる。
自分が無知であることを自慢したいのか、
あるいは何らかの邪な目的があるのか。
いずれにせよ、日本の社会問題のほとんどは
「言葉・指標の定義を明確化する」だけで
解決策が明らかになる種のものばかりです。

別に、難しくありません。
抽象的な議論をやめ、具体論を語りましょう。
そのためには、まずは言葉・指標の定義をする。
定義こそが始まりであり、
同時に全てなのですよ。

◆小学館から「日本経済 失敗の本質:
誤った貨幣観が国を滅ぼす」
が刊行になりました。
https://www.amazon.co.jp/dp/4093888973

◆経営科学出版から
「歴史教科書が教えてくれない
古代日本「帝国」の誕生」が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38nike2_980_teika

◆週刊実話 連載
「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」
第514回 移民国家化を食い止めろ

◆メルマガ 週刊三橋貴明
Vol732 社会保険料と国民負担率(前編)
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
特に低所得者層の方々にとって、
重い負担は所得税ではなく、社会保険料です。
社会保険料関連には
様々な統計マジックが使われており、
それを暴きます。

◆メディア出演

実は財務官僚は
「何もわかっていなかった」
というのが真相か!?
[三橋TV第700回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/XM3Dimvjpbc

移民政策に賛成する自民党議員は
二度と「保守」を名乗るな!
[三橋TV第701回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/XS5gI0TpbfY

希望ある日本国へ
まずは負担が重い社会保険料を無くそうぜ!
[三橋TV第702回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/CqUr5AysNGA

特別コンテンツ配信中!

【公開は5月16日(火)まで】
なぜ、巨大帝国は
自ら”死”を受け入れたのか?
30万人を殺戮した血塗られた”聖女”の正体
〜「アステカの予言」に残された
日本への”緊急警告”
https://youtu.be/XFMaYDn5n2U

日本は経済成長していない。
確かにその通りです。
ならば、日本経済を成長させるためには
どうしたら良いのでしょうか。
日本経済の成長に
本当に必要な指標、考え方、そして政策を、
わたし、シンガーsayaと共に
学んでいただくのが
「シンガーsayaの3分間エコノミクス
第二巻」です。
さあ、私と共に経済成長について
「ゼロ」から学んで下さい。
特別コンテンツとして、
三橋貴明&saya「シンガーsayaが三橋先生に
ひたすら聞いてみた 第一回」
の全編もご視聴いただけます。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/economics/

◆三橋経済塾

5月20日開催の
三橋経済塾第十二期第五回対面講義
お申込み受付を開始いたしました。
https://members12.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?page_id=75
ゲスト講師はsaya様です。

◆チャンネルAJER
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【三橋貴明】定義こそが始まりであり、 同時に全てです。への2件のコメント

  1. 利根川 より

     TVを見ると未だに

    コメンテーター「国の借金の返済(国債の償還)ができなくなって財政破綻(デフォルト)する~」

    と言っている人がいてゲッソリするわけですが、

    森永康平のビズアップチャンネル 第103回

    を3回くらい視聴していただければと思います。サラッと解説すれば自国通貨でのクニノシャッキンの返済=国債の償還をやっている国(一般会計に国債償還費を含めている国)なんて日本だけだということです。これを言うと

    「国の借金の返済(国債の償還)をしなくていいなんて、そんな馬鹿な!」

    という人が出てくるわけですが、実際、アメリカもイギリスもドイツも一般会計予算に国債償還費なんて含めてないんですよ。つまり、国の借金の返済なんぞやってない。気になった方は自分で調べてみればいいと思いますが、これは単なる事実です。
     
    「いやいや、国債の償還ができなくなって財政破綻した国だってあるじゃないか」

    そういう人も出てくるわけですが、外国から借りたカネ(例えばドル建て国債)が返せなくなって財政破綻した国はあります。レバノンなんかがそれですが、レバノン政府はレバノンポンドを発行することはできてもドルを発行することはできませんからね。生産能力が高い自国通貨建て国債で変動為替相場制の国がデフォルト(財政破綻)なんてしないんですよ。
     国債(その国が発行する通貨)にどうして価値があるのか。

    1、その国の政府はその国の貨幣でしか税金を受け取らないので、脱税でもするのでなければ、その国で経済活動をする者は必ずその国の通貨を手に入れなければならないから

    2、その国で生産される商品やサービスを購入するためには、その国が発行する貨幣を手に入れる必要があるから。(徴税権をもった政府がきちんと存在する国では1の理由により他国の通貨が流通することはない)

    ということで、その国が発行する通貨が紙切れ同然の価値になる場合というのは、内乱や戦争で無政府状態(徴税権の喪失)になったり、何らかの要因で国内の生産能力が失われたり(あるいは元から生産能力が小さかったり)した場合ということになります。
     最近では、「財政破綻する系の本」を出版していた人達ですら手のひらを返し始めているというのに、まだこれを言ってる人がいたんですね(苦笑い

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  2. 茶番劇 より

    なぜ税調会長が宮沢さんなのか。
    これでなぜ自民党は財務省と闘っているなどといえるのか。
    逆でしょう。自民と財務は同床異夢の二人三脚。
    カネがあるよりないふり使えないふりしていたほうがまわりを隷従させやすい。幅をきかせることができる。

    一定の客がいても営業するほど赤が出るなら撤退してリソースをほかにまわしたほうが合理的。結果、逸走だか衰退だかして需要そのものが消滅。
    消滅しても会社が存続できれば別に構わない。会社は慈善事業で経営しているわけではない。

    これに近いことがいまそっくり国政、行政で罷り通っている。
    「ない袖は振れぬ」の旅興行は、ふたりの脚絆がすり切れるまで続くだろう。

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