日本経済

2023年1月30日

【三橋貴明】今こそ日本の宿痾である緊縮財政を終わらせよう

【今週のNewsピックアップ】
(岸田総理)国債は政府の負債であり、
国民の借金ではありませんが
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12785954599.html

「財政黒字になれば、償還する」
という償還ルール
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12786430469.html

今回の「国債60年償還ルール」
議論開始の直接的な切っ掛けは、
自民党の責任ある積極財政を
推進する議員連盟の提言でした。

日本の財政運営を国際標準に是正する提言
 令和4年10月20日
補正予算提言に併せて、
国債の60年償還ルールを見直す提言も
提出致しました。(後略)』

提言の最後に、
「財政の硬直化が顕著な
現状を適正化するために、
日本独自の60年償還ルールを見直し、
利払費だけを一般会計予算に計上することとし、
国際標準と同様の予算編成を
行うよう強く求める。
これにより財政の弾力性を確保し、
増税なき防衛費の拡大を行うべきである。」
と、あります。

ここに、
自民党の萩生田政調会長が乗っかり、
今回の議論が始まったわけです。
結果、財務省のほころびが
次々に出てきて、
実に興味深い状況になっています。

例えば、鈴木財務大臣は、
「60年償還ルールは
国債の償還財源を確保し、
償還の財政負担を平準化する
観点から決められている。
(財政的な)規律を守っている部分がある。

こうしたルールは
外国をみても形は違うがある」
と、主張していますが、
財務省自身が、日本以外の国に
「償還ルールはない」ことを
オープンにしているのです。

【諸外国の債務管理政策等について
平成27年4月17日】
http://mtdata.jp/data_79.html#saimukanri

◆償還ルール
 日本:財政赤字でも償還
(一般会計からの繰入により60年かけて
公債(建設、特例)を償還
(60年償還ルール))
 米英仏独伊:財政黒字になれば償還
(明示的なルールなし)

◆借換財源
 日本:「借換債」の発行、
一般会計からの償還費の繰り入れにより調達
 米英仏独伊:国債発行により調達
鈴木財務大臣。
確かに、外国にも国債償還ルールは
あることはある。

すなわち、
「財政黒字になれば、償還しよう」です。
ならば、日本の償還ルールも
諸外国に合わせたらいかが。
すなわち「財政黒字になれば、償還しよう」。

また、岸田総理大臣は、
れいわ新選組の大島九州男参議院議員の
質問への答弁として、
「国債は政府の負債であり、
国民の借金ではありませんが、
国債の償還や利払いに当たっては、
将来、国民の皆様に対して、
税金等でご負担頂くことなどが必要であり、
また、将来仮に、
政府の債務管理について、
市場からの資金調達が困難となれば、
経済社会や国民生活に、
甚大な影響を及ぼすことにもなります。」
と、発言してしまいました。

つまりは、岸田総理大臣は
「俺の借金はお前の借金じゃないけど、
お前が返済しろや」と、
言っていることになります。

もう無茶苦茶ですが、元々、
財務省の財政破綻論は
無茶苦茶だったのです。
それが今、衆目にさらされつつある。

今こそが好機です。
日本の宿痾とでもいうべき、
緊縮財政を終わらせよう。

◆「岸田総理の大嘘
メッキが剥がれた新しい資本主義
(経営科学出版)」が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38kisi_blog

◆「マンガ 財政破綻論の大嘘
(経営科学出版)」が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38maza_blog

◆週刊実話 連載
「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」
 第500回 国債60年償還ルールの見直し

◆メルマガ 週刊三橋貴明
Vol717 国債60年償還ルール誕生秘話
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
そもそも、国債60年償還ルールは
「いつ」できたのか?
 信じがたい真実を知ってください。

◆メディア出演

三橋TV、続々公開中です。

このままでは「税は財源だ」
という神話が日本人を消滅させるぞ!
[三橋TV第655回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/Lx6wrocernw

国債償還ルール見直し議論が始まった
財務省から主権を取り戻せ!
[三橋TV第656回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/vKXfwvy9vDc

為替レートを理由に緊縮財政を主張した
政治家は全員辞めろ!
[三橋TV第657回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/6iTCdsLTVtU

特別コンテンツ配信。

【統計トリックの見破り方入門】
金融関係者はなぜ次々と予想を外すのか?
(森永康平)
https://youtu.be/1IVOq6j6Zbg

財政破綻論・緊縮財政・グローバリズム…
なぜ令和日本に邪論が蔓延るのか?
どうすれば正論を広められるのか?
(1月29日までの限定公開)
https://youtu.be/6UaWC9UAC_k

日本は経済成長していない。
確かにその通りです。
ならば、日本経済を成長させるためには
どうしたら良いのでしょうか。

日本経済の成長に本当に必要な指標、
考え方、そして政策を、
わたし、シンガーsayaと共に学んで頂くのが
「シンガーsayaの3分間エコノミクス
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さあ、私と共に経済成長について
「ゼロ」から学んで下さい。

特別コンテンツとして、
三橋貴明&saya
「シンガーsayaが三橋先生に
ひたすら聞いてみた 第一回」
の全編もご視聴頂けます。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/economics/

◆三橋経済塾

23年1月21日に開催された、
第十二期第一回講義が配信されました。
ゲスト講師は藤井聡先生でした。
https://members12.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=2027

インターネット受講の皆様、
お待たせいたしました。

◆チャンネルAJER 
「遂に国債60年償還ルールの見直しが始まった」
(前半)三橋貴明 AJER2023.1.24
https://youtu.be/_nCDzm0kw64

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【三橋貴明】今こそ日本の宿痾である緊縮財政を終わらせようへの3件のコメント

  1. 利根川 より

    「政府は成長分野にだけ投資をすればいい」

    「当たり馬券だけ買えばいい」

    素人にすら「これが成長分野だ」と分かるようになった時には既にその分野は枯れ始めですよ(苦笑い
     
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    1911年、オランダの物理学者ヘイケ・カメルリング・オネスが、金属を冷やすと電気抵抗がゼロになる「超電導現象」を偶然、発見

    これが今日のリニア新幹線につながった

    100年前に「超電導現象」が成長分野であることを予測できた奴がどれだけいるのか 新世紀のビッグブラザーより抜粋
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    どれが成長分野につながるのか分からないから「様々な研究開発」を行い、その中からいくつかあたりが出れば儲けものという方針で人類はやってきたわけでね。(これができるようになったのが銀行が整備され、信用創造ができるようになったから)

    「はずれの可能性のある研究にまで金出してられるか」

    まあ、個人であればそうなんでしょうけど通貨を発行できる政府はそうじゃないわけでね。現在の巨大IT企業GAFAも元はといえばアメリカ政府が軍事目的で開発していたインターネットに乗っかってのし上がってきた口です。政府はできるだけいろいろな研究に金を出した方が経済は成長するんですよ。くわしくは、

    真説・企業論 アメリカに学んではいけない 幻冬舎新書

    をご覧ください。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

     2012年以降の安倍政権期には、
    「実質賃金が下がれば、雇用が増えてデフレ脱却できる!」
     と、無茶苦茶な理屈で実質賃金下落を正当化しようとした人や、
    「就業者数が増えたのだから、実質賃金が下がって当然だ(←いや、それ、下がるのは名目賃金だろ(笑))」
     と、頭の悪いことをいう人がいましたが、最近はついぞ見かけませんね。

     ちなみに、2014年4月の消費税増税で、実質賃金は大きく落ち込みましたが、その際にわたくしが、
    「14年4月に実質賃金が大きく下がったということは、就業者数が激増したということか(笑)」
     と、皮肉を言ったのですが、スルーされてしまいました。

     要するに、彼らは安倍政権の経済政策を庇いたかっただけなのでしょう。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    先ほどの「当たり馬券だけ買えばいい」にも通じるものがありますが、真面目に考えない人の特徴には次のようなものがあるそうです。

    >>真面目に考えない人の特徴としてその場で気持ちよくなれる発言・発信をしたがるので
    政府・専門家・報道・空気などの上位的な対象へ迎合したり勝ち馬に乗る気持ちよさと、
    下位的な対象の被支援者・いじめ標的などに唾を吐く気持ちよさに支配される>>

    日本は民主制国家ですので、真面目に考えない人間が大半を占めるようでは「失われた20年」が「30年」になり「40年」になっていくだけでしょう。

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      1. 利根川 より

         自称保守界隈では

        「俺達は行動(保守活動)してる」

        「何を言っているかより何をしてるかだ!」

        というのが常識なのだそうですが、彼らが行動した結果が「失われた20年」なのだとしたら

        「お前、いままで何してたんだ」

        という話なわけでしてね。そもそも、保守が何なのかも分からずに保守活動してるって「意味が分からないよ」
         じゃあ、彼等自称保守は保守じゃないなら何なのかというと三橋さんが言うように

        三橋貴明「要するに、彼らは安倍政権の経済政策を庇いたかっただけなのでしょう。」

        これなんでしょうね。すなわち真面目に考えない人(強い方に付く)というわけです。
         国民民主の玉木代表曰く

        玉木代表「日本の実質賃金は1998年を境にひたすら下落するようになってしまいました。GDPもここを境にまるで成長しなくなってしまった」

        玉木代表「では、1998年を境に日本国民はいきなり無能になったのか。違います、今も昔も日本人は優秀です」

        玉木代表「1998年を境に日本国民はいきなり怠け者になったのか。違います、多くの国民が今も昔も懸命に働いています」

        玉木代表「では、どうして日本は成長しなくなってしまったのか。政治が悪かったのです」

        以前にも言いましたが、人間はミスをする生き物。

        優秀な人間とはミスをしない人間ではなく、己の過ちを過ちだと認め修正できる人

        なんですよ。政治の世界を見ると、どうやら優秀ではない人間の方が上の椅子に座ってらっしゃるようで…
         ただ、最近は城之内議員や落合議員、れいわ新選組など政治の過ちを正そうとする者達も出てきました。これもひとえに10年かけて「貨幣」について情報発信を続けてくれた方のおかげだと思います。
         今では多くの人が「貨幣」について情報発信をするようになりました。それがまた政治の過ちを正す力になっていくものと思います。
         統一教会による常軌を逸した搾取を止めるべく山上徹也容疑者は安倍総理襲撃事件に及びました。彼自身も

        「やるべきことをやった」

        と語っているように、まさに彼は言葉ではなく行動で示したわけですが、世間ではすっかり統一教会の話題は下火になってきています。あの襲撃事件で統一教会からの苛烈な搾取の犠牲者達が救われたのかというと

        弁護士会「これでは被害者を救うところまではいかない」

        と言っているようにどうもそうではない様子。
         日本は民主制国家なので、行動ではなく言葉で多数派をけいせいしていかないとダメなんですよ。ものすごく時間はかかりますけどね。

        「常識が変わるのには多大な時間がかかる」

        そもそも、今こんな話ができるのもここまで10年かけて「貨幣」について教えてくれた人がいたからですしね。時間がかかることに耐えて続けられる力というのは凄いと思います。

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        1. 利根川 より

          絶句!カネごときが理由で国宝を守れない国は亡びるよ![三橋TV第658回]みました

          あのアルゼンチンタンゴにあのような意味があったとは…深いな。
           前から思ってましたが、同じものを見ていても見えているものは違うんだなと改めて思い知らされました。おそらく、この違いは教養からくるものなのだろうとは思いますが、教養って「お勉強」じゃ身につかないものなんですよね。日本の官僚や政治家を見ればわかります(笑
           グローバリズムについてですが、要はグローバリズムってこういうことですよね。

          お客「塩ラーメン食べたい」

          店主「はい、塩ラーメン一丁!」

          お客「あ、甘い物もほしいな。苺アイスとか」

          店主「はい、苺アイス投入」(ボチャ

          お客「ケーキも食べたい」

          店主「了!ケーキ投入」(ボチャ

          お客「コーラも飲みたい」

          店主「はいまいど!コーラ投入!」(ドボドボ

          お客「辛い物もほしいな、キムチとか」

          店主「はい、キムチ投入」(ボチャ~

          お客「ご飯ものも食べたい、豚丼とか」

          店主「はい、豚丼投入」(ボチャボチャ

          店主「塩苺アイス・ケーキ・コーラ・キムチ豚丼ラーメン・多様性丼おまち!」

          お客「これは食い物なの?」

          レストラン(地球)の中に色々なメニューがあるのはOK。でも、ひとつの皿(一つの国)の中に色々な料理をごちゃ混ぜにするのはマズかろうと。
           世界のリーダー達の言ってきた「多様性」とか「グローバリズム」というのは正に

          「ひとつの皿の中に色々な料理をごちゃ混ぜにする」

          という乱暴なもので、そんなものがうまくいくはずがなかった。いま、あちこちで大分断が起きて民主制の維持が難しくなっているのは「ごちゃ混ぜ」にしたせいですね。
           ヨラム・ハゾニーさん曰く

          「民主制とは『みんなで話し合って決める政治』だ。」

          「『みんなで話し合って決める政治』においては『みんな』に含まれるのが誰かが決まらなければ話し合いは始まらない」

          「だが、『みんな』に誰が含まれ誰が含まれないのかを『みんな』で話し合って決めることはできない」

          「『みんな』の範囲が決まっていることは民主政治の前提なのであって、したがって民主的には決められない」

          「『みんなの範囲』は非民主的なやり方できめるしかない」

          では、ヨラムさんの言う非民主的なやり方がどんなものかというと

          「私の言うネイションとは人種や出身地といった生物学的なくくりではなく、共通の言語や信仰を持ち、防衛やその他大規模な事業のために一丸となって活動した過去を共有する多数の部族のこと」

          だから、ネイションを構成する者は互いに「同胞」だと”感じる”ことができる。民主制を維持したいのであれば「みんな」を自然に形作れるようでなければならない。
           「同胞(みんな)」あるいは「教養」を育てる上で、自分たちの文化について学ぶことは重要なことで、政府の事業としてしっかりやっていくべきことなわけだが、日本の政治家は

          「文楽?そんなのカネになるの?予算カット」

          これですからね。日本の政治家は自分達の仕事が何なのかすら把握できていないらしい。そんなのでもクビにならないのだからある意味優しい世界なのかもしれない。わたしも政治家になれば良かったよ(笑
           

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