日本経済

2023年1月23日

【三橋貴明】自民党の特命委員会の衝撃

【今週のNewsピックアップ】
自民党の「特命委員会」が始まった
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12785156136.html
どよめき~財務省が財政破綻論の嘘を認めた日~
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12785324669.html

凄い状況になってきました。
防衛費増額の財源について議論する、
自民党の特命委員会が始まりました。

本会に先立った役員会で、
「市場という言葉を使えば
財政出動圧力を弱められる、
という間違った話は整理したい」
という発言が出たと報じられています。

まさに財務省や財政破綻論者、
緊縮派は「信認」「信用」
といった言葉を多用し、
積極財政派を黙らせようとしてきました。

その際に、
「市場の信認って、定義は何だ?」
「国債の信用って、
金利やCDS以外に何があるんだ? 説明しろ」
といった問いかけすら
やってこなかったのが、
我が国の稚拙な財政議論だったのです。
そして、本会。

【衝撃的展開!!】
なぜニュースにならない?
防衛増税問題での党内議論の全貌!
財務省が事実上、従来説明を撤回した!
(西田昌司ビデオレター 令和5年1月20日)
https://youtu.be/ppDpmEgGKIk

これまでの財政破綻論が
決定的に引っくり返ってしまった。
財務省がこれまでの
財政破綻論の嘘を認めてしまった。
以下、特命委員会の副委員長である
西田昌司参議院議員と
財務官僚とのやり取りの要旨です。

西田
「財務省は防衛費増額について、
 増税(1兆円)に加えて
 剰余金や特別会計から
 カネをかき集めてきて、
 賄うとなっているが、違うよね。

 国債で調達したおカネが余っているから、
 それでやるということでしょ?
 要するに、国債でやるんでしょ?
 単に、新規国債発行をやりたくないから、
 意味不明な説明をしているんでしょ?」

財務官僚
「先生の仰っている通りです。
 確かに特別会計から集めるとは言っても、
 元々は国債発行でやっています」
 (剰余金をかき集めるといったところで、
 要するに国債(貨幣)を発行した
 余りをかき集めます、
 といっているだけなので、
 結局は国債なのですよ。)

西田
「国債発行が安定的にできているのは、
 民間金融資産がたくさんあるから。
 今後、高齢化等で民間預金が
 取り崩されれば国債を買い支えられなくなる。
 と、言っているが、嘘だよね。
 預金が取り崩されたところで、
 他の人に預金が移るだけで、
 預金の総額が減るわけじゃないよね。

さらに、財務省は
「預貯金があるから国債が
 安定的に消化されている」と、
 言っているけど、そうじゃないよね。
 国債1000兆円あるということは、
 その分、政府が財政支出したので、
 民間の預貯金が1000兆円増えたんだよね。

 逆に、国債残高をゼロにすると、
 民間の預貯金が1000兆円減るよね?
 事実だよね、どうなんだ?」

財務官僚
「通貨の発行の仕組み上、
 西田先生の仰る通りです。」
自民党の国会議員が、
一斉にどよめいたとのこと。
1月19日の特命委員会の本会は、
財務省に対する
クリティカルヒットにはなりました。

まだ勝ってはいない。
とはいえ、確かに前進はしているのです。

◆「岸田総理の大嘘
メッキが剥がれた新しい資本主義
(経営科学出版)」が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38kisi_blog

◆「マンガ 財政破綻論の大嘘
(経営科学出版)」が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38zase_blog

◆週刊実話 連載
「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」
 第499 真の「異次元の少子化対策」

◆メルマガ 週刊三橋貴明
Vol716 貨幣と購買力
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
貨幣の本質は何なのか?
 「大転換」において、
カール・ポランニーが
見事に定義しています。
すなわち「購買力」です。

◆メディア出演

三橋TV、続々公開中です。

高家望愛先生に学ぶ
日本の少子化の解消方法は?
[三橋TV第652回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/w-GgdP6KLKI

情けない・・。
野口悠紀雄のあまりにも幼稚な
貨幣のプール論
[三橋TV第653回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/RGcmAeJtMfA

異次元の少子化対策という名の
消費税増税推進路線を叩き潰せ!
[三橋TV第654回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/G6vWw_wDKUA

特別コンテンツ配信。

【年末シンポジウム特別編】
戦争難民のウクライナ人美女
ユリヤさんとポルウナカベーサを踊ってみた
https://youtu.be/v5hoA5lX0QY

日本は経済成長していない。
確かにその通りです。
ならば、日本経済を成長させるためには
どうしたら良いのでしょうか。
日本経済の成長に本当に必要な
指標、考え方、そして政策を、
わたし、シンガーsayaと共に
学んで頂くのが
「シンガーsayaの3分間エコノミクス
 第二巻」です。

さあ、私と共に経済成長について
「ゼロ」から学んで下さい。
特別コンテンツとして、
三橋貴明&saya
「シンガーsayaが三橋先生に
ひたすら聞いてみた 第一回」
の全編もご視聴頂けます。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/economics/

◆三橋経済塾

23年1月21日、
第十二期第一回講義が開催されました。
ゲスト講師は藤井聡先生でした。
https://members12.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?page_id=75
インターネット受講の皆様はしばらくお待ちください。

◆チャンネルAJER 
今週の更新はありません。

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【三橋貴明】自民党の特命委員会の衝撃への2件のコメント

  1. 利根川 より

    1月19日の特命委員会の本会にて

    西田昌司議員「国債残高をゼロにすると、
     民間の預貯金が1000兆円減るよね?
     事実だよね、どうなんだ?」

    財務官僚「通貨の発行の仕組み上、
     西田先生の仰る通りです。」

    貨幣とは特殊な形式の負債である。TVや新聞がさんざん煽ってきた「国の借金1000兆円」とは国債(国庫債券)のことだが、TV新聞の言う「国の借金(=国債)」を無くしてしまうと民間の銀行預金が消滅してしまうという(笑

    財務官僚「通貨の発行の仕組み上、
     西田先生の仰る通りです。」

     我々が税を払うための「貨幣」を何処から手に入れたのかというと、大本を辿ると「政府による貨幣発行=国債の発行」に行きつく。政府が貨幣(=国債)を発行してくれなければ我々国民は税を支払うための「貨幣」を手に入れることはできないわけだ。お分かりいただけるだろうか

    税は財源じゃない

    むしろ、政府が貨幣を発行して支出するから国民は税を支払うための貨幣を手に入れることができるわけだ。
     最近は、すでに知っているものとして書き込んでいたので詳しくは書いてませんでしたが、以前に書き込んだもののコピペでも張っておきましょうか。繰り返しが大事と三橋さんも言ってましたし。正直、三橋さんや中野剛志さん、藤井教授が出している本を読んでもらう方が手っ取り早いとは思うんですけどね。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    <建部正義さんによる政府による貨幣発行のしくみ>

    1 市中銀行が政府から国債を買い取る(=市中銀行が政府にお金を貸してあげる)
      例:三菱銀行の「日銀当座預金」1兆円が政府の口座(日銀当座預金)に振り替えられる。
      ※「市中銀行の預金」は使われていない事に注目

    2 政府は公共事業発注にあたり、請負企業に「政府小切手1兆円分」で代金を支払う

    3 企業は小切手のままだと使いにくいので、三菱銀行に1兆円の小切手を持っていく

    4 三菱銀行は請負企業の預金口座に「1兆円と書き込む」←ここで、唐突に「市中銀行の預金1兆円」が誕生、ここで国民は税を支払うための貨幣をゲット
      さらに、三菱銀行は中央銀行に政府から小切手1兆円分の「日銀当座預金」を取り立てるように依頼する

    5 中央銀行は政府の日銀口座から1兆円の「日銀当座預金」を三菱銀行の口座に振り替える

    6 三菱銀行は1で政府に貸した「日銀当座預金1兆円」が戻ってきたので、再びその1兆円で国債を購入する
      ループってコワイ

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
     先ほど「元をたどると」と書きましたが、ひとつずつ元をだどってみましょうか。

    ・個人が発行できるお金である「小切手」は、その個人が「銀行預金」を持っているから発行できるお金

    ・銀行が発行できるお金である「銀行預金」は、お金を借りに来た人の「借用証書」もしくは、「現金紙幣」と引き換えに発行されるお金。銀行が「銀行預金」を発行できるのは、その銀行が中央銀行に「日銀当座預金」を持っているから。

    ・中央銀行が発行するお金である「現金紙幣」は、政府の借用証書である「国債」や「国庫短期証券」が中央銀行に持ち込まれた際に、これらと引き換えに「日銀当座預金」として発行されるお金

    ※我々国民が銀行から銀行預金を「引き出す」ことで「現金紙幣」を手に入れているように、一般銀行は中央銀行から「日銀当座預金」を引き出すことで「現金紙幣」を手に入れることができる

    ・日本政府が発行するお金である「国債」は、その国に十分な生産能力があるから発行できるお金。生産能力が十分ではない国が貨幣を発行するとインフレ率があがる。生産能力が十分ではない国が「国債」を発行するとどうなるのかは以下を参照のこと

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    <財政破綻のプロセス レバノンの例>

    1、複雑な宗教勢力による政治闘争や内戦などで治安が悪い(いつ何時、政府が消し飛ぶか分からない)

    2、そんな危ない所にわざわざ工場建てたりしないので、生産能力が低い

    3、生産能力が低いので国民が必要とする品物を国内で生産できない

    4、国内生産できないので国民が必要とする品物は海外から買う(輸入する)

    5、外国の輸出業者はレバノンに住んでいるわけではないので支払われたレバノンポンドをドルに両替する

    6、レバノンポンドがどんどん外貨に両替されていくので、レバノンポンドがケツを拭く紙の代わりに使ってもいいくらい余る

    7、余りまくってるレバノンポンドの価値が下がる

    8、最初、1ドル1500レバノンポンドで交換されていたものが、レバノンポンドの価値が下がったことで15000レバノンポンドださないと1ドルと交換してもらえなくなる

    9、昔は輸入物の1ドルチョコレートは1500レバノンポンドで買えたのに、15000レバノンポンド出さないと買えなくなる(インフレ率急騰)

    ※輸入に頼らざるを得ない国なのに輸入価格が上がる

    10、インフレを抑えるためレバノン政府は手持ちのドルを使って余りまくってるレバノンポンドを回収して1ドル1500レバノンポンドを維持する(固定為替相場制)

    11、手持ちのドルが尽きる

    12、手持ちのドルが無くなってしまったのでドル建て国債を発行する(外国からドルを借りる)

    13、レバノン政府はドルを発行することはできないので、借りたドルでレバノンポンドを回収する作業を続けると借りたドルを返せなくなって財政破綻する

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    ちなみに、ロシアの場合はドル建て国債とルーブル建て国債の両方があってルーブル建て国債の方から債務不履行になりましたが

    「ロシアは固定為替相場制だったんです。と言うことはルーブル建て国債を持ってる外国人にとってはそれはドル建て国債と同じなんです。為替レート変わらないから」

    ということで、ロシアのケースも上記のレバノンと同じプロセスで財政破綻したということです。
     日本がどうしてコストプッシュインフレに苦しんでいるのかというと、国内生産するのをやめて輸入に頼るようになったからですね。その肝心要の輸入が戦争やパンデミックの影響で滞るようになってしまって国内が品物不足に陥ってしまったわけだ。つまり、政治家や官僚は日本をわざと財政破綻しやすくなるようにしたわけだ(苦笑い
     海外では国内産業を保護するために政府による支援が手厚く存在します。詳しくは

    農業消滅 平凡社新書

    をご覧ください。
     日本は政府による通貨の発行(国債発行)を抑えるセルフ経済制裁を行ってきたのでこの政府による支援が薄く、そのため国内産業が廃れて輸入に頼るようになってしまったわけですね。

    「政府に頼るな、甘ったれるな」

    それでいいなら政府なんて要らんわ。政治家官僚は全員クビだ。
     改めてどれだけ間違ったことをやってきてしまったのか、支持して来てしまったのか、我々は思い知る必要があります。
     

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      1. 利根川 より

        「正しい貨幣観」

        何をもって「正しい」とするのかというと、現場で実際に行われていることが「正しい」
        少なくとも、実際には行われてすらいないことを「行われている」と言い張るよりかは「正しい」だろうということですね。

        財政制度等審議会「高い家計貯蓄率と国内企業部門の豊富な資金余剰が国債の安定的消化に寄与してきたが、これが今後も維持されるとは限らない」
        (平成26年5月 「財政健全化に向けた基本的考え方」より)

        との事。これを意訳すると

        財政制度等審議会「銀行は一般家庭の預金や企業の預金を政府に貸し出している(一般家庭や企業から集めた金で国債を買っている)が、これが今後も維持されるとは限らない」

        このように有識者や官僚たちは言ってきたわけですが、現場の方に本当の所はどうなのか聞いてみるとどうも違いらしい。

        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

        財政金融委員会 2019 5 23

        西田昌司議員「銀行は皆さんから集めた金を他の誰かに貸し出しているわけではない。サラ金と民間銀行の違いを説明してみて」

        雨宮日銀副総裁「決済性預金口座を提供している銀行だけが、自ら貸し出しと預金を”同時に作り出すことができる”」

        雨宮「私がサラ金で金を借りる場合、サラ金は預金を創造する事は出来ないので、どこか他所から金を調達してきて、その金を私に貸すわけです」

        雨宮「ところが、銀行は私に金を貸す時、私の銀行口座に貸す金額を書き込むだけなのです。金額を書き込むと、その後、”書き込んだ金額分の預金が誕生する”という格好になります。これが信用創造」

        西田「なるほど、中央銀行に決済口座をもっていると、信用創造ができる、と。(預金を0から作り出すことが出来る)」

        西田「国債の新規発行も中央銀行を通してやってるから、同じように国債を新規発行して銀行が引き受けると(銀行が政府に金を貸すと)、その借りた金で政府が財政出動をすれば、政府の負債(=国債)は増えるけど、民間貯蓄も増えるわけですよね(誰かの赤字は誰かの黒字)」

        雨宮「国債の発行による財政支出が預金通貨の創造につながるかですが、銀行が保有している分について申せば、それは信用創造を通じて(民間の)預金が増加するという格好になります」(政府の負債は民間の資産)

        西田「財務省は政府が国債をどんどん出すと借金が増えて大変だー、と言うのですが、政府の負債は増えてるけど、民間の貯蓄も増えるわけだから財務省の説明はおかしいんですよ(政府の赤字は民間の黒字)」

        西田「全体から見て極わずかに出ている個人向け国債については『個人向け国債の発行限度額は個人の貯金の額』ということになります」

        西田「しかし、銀行が引き受けている新規国債については”民間貯蓄が発行限度額にはならない”と思うが、いかがか?」

        雨宮「ご指摘の通り、金融機関が国債を保有し”財政支出が行われれば”、財政支出した額と同額の預金通貨が事後的に発生しています」

        西田「事後的にと言いますが、政府が予算化すれば、当然消費や投資になって誰かの貯蓄が増えるわけです。だから、事後的にというのはタイムラグの話で、結果的に”政府の負債と同額の民間貯蓄が増える”という事でしょう」

        雨宮「ご指摘の通り、”投資が発生すれば、それと同額の貯蓄が発生する”わけです」
        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

        要は、有識者や官僚たちは銀行は我々が銀行に貯金している銀行預金を別の誰かに又貸ししていると言っていたわけですが、現場の銀行マンに話を聞いてみると銀行は銀行預金をゼロから発行して貸し出しているので又貸しなどしていないという。

        「又貸しをしているのはサラ金であって銀行ではない」

         学問とは現実に起こっている現象や、社会で実際に行われていることを観察してそのメカニズムを解き明かしていくもの。なので、一度も現場に行かず、現場の人の話も聞かずに論文を書く奴などいない。

        そう思っていた時期が私にもありました

        どうもこうした経緯を見る限り、主流派経済学たちは現場も見ないし現場の人の話も聞かないで論文を書いてきたらしい。そんなものが学問だと言えるのだろうか。そしてそんな有識者たちに導かれるようにして「失われた20年」をやっちまった日本は…

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