From 室伏謙一@政策コンサルタント/室伏政策研究室代表
台風15号、記録的な大雨により静岡県内に甚大な被害をもたらしました。土砂崩れ、土砂崩れによる道路の寸断、床下・床上浸水、橋の崩落、道路の陥没、送電用の鉄塔の地盤が崩れたことによる停電、川の取水口が土砂等で塞がれしまったことによる断水等、各地で様々な被害が出ています。
私の地元である静岡市でも、こうした被害が出ており、友人たちからも深刻な被災の状況が伝わってきています。特に静岡市清水区、合併前の旧清水市側の断水は深刻のようで、給水が十分に行き渡らないのみならず、給水を受けるためのポリタンクも欠品が相次ぎ、各家庭で必要十分な水が確保出来ていないところもあるようです。
静岡県と自然災害と言うと、東海地震を想起する方が多いかと思いますが、実は静岡県、特に静岡市は豪雨と川の氾濫や土砂崩れによる被害を度々受けて来ています。かつては七夕豪雨と呼ばれた豪雨災害で巴川が氾濫したのみならず安倍川上流で土砂崩れが起きて尊い命が失われましたし、それ以降も、安倍川上流での土砂崩れで県道が寸断されるというのは毎年の年中行事のようなものでした。
私が小学校のキャンプや、中高の剣道の合宿で、毎年夏に安倍川上流の梅ヶ島に行っていましたが、必ずと言っていいほど1箇所は土砂崩れで道路が寸断されていて、仮設の迂回路を通っていました。
つまり、静岡県、静岡市は、地震とともに台風や豪雨といった自然災害に対しても国土強靭化を図らなければならない地域であるということです。
中山間地域の治山治水は、以前に比べて格段に良くなっていると思いますし、帰省して時々安倍川沿いの道路を車で走ってみると、かつてからすれば道路事情は随分と良くなっています。
しかし、今回の被害が出てしまいました。確かにこれまでに経験したことがないような雨量が短期間に降った、しかも2週連続で大雨が降ったという特殊な状況であり、「想定外」と言うこともできるでしょう。しかし、本来国土強靭化とはそうした「想定外」の事態にも備えて防災・減災を行うことであり、その観点からは本当に静岡県、静岡市の国土強靭化が十分であったのかについては、しっかりと検証する必要があるのではないかと思います。
さて、現場の被災地ではまだまだ被害が続いています。報道を見る限りでは、静岡県も静岡市も対応が少々遅いように思えてなりません。予算の確保も含めて徹底した復旧を図るのであれば、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律第2条第1項に基づき、災害対策基本法に規定する激甚災害に指定することを国に求めるべきでしょうし、静岡市清水区の断水被害については、自衛隊の災害派遣を要請することも必要でしょう。これらはすぐできることですし、後者は早ければ早いほど被害の拡大、水がないことによる健康被害や経済的被害の拡大を防ぐことができます。
静岡市内の衆院小選挙区選出の議員は岸田派の面々です。岸田総理に近いお立場なのですから早急に動かれるべきでしょう。(既に動いてくれているのであれば、御礼申し上げますが。)
ただ、自衛隊の災害派遣要請は県知事の権限です。現県知事と現静岡市長との不仲が伝えられていますが、それがために市長から知事への要請がなされなかったり、知事が要請に消極的であったりするのであれば、県民・市民の置かれた状況を無視しているに等しく、由々しき状況ということになりますね。まあ、そんなことはなく、迅速に動いてくれていると願いたいところですが・・・
(本稿執筆後、26日の県議会で静岡県知事が自衛隊の災害派遣要請を行ったことを明らかにしましたが、遅きに失した感は否めません。)
【室伏謙一】静岡の豪雨災害から考えるべきことへの1件のコメント
2022年9月27日 4:56 PM
「安倍」川 ですか
お見舞い申し上げます。
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