日本経済

2019年11月17日

【三橋貴明】安倍政権のインバウンド観光戦略のおぞましさ

From 三橋貴明

【近況】

イギリスから帰国しました。

イギリス視察では、
マンチェスター科学産業博物館や、
ヨークのイギリス国立鉄道博物館、
リバプールの国際奴隷制博物館などを
見学したのですが、子供たちが集団で
見学に来ていたのが印象に残りました。

日本でも似たような光景を目にしますが、
歴史や社会の現実を「博物館」という形で
展示し、子供たちに学ばせるというのは、
実は「贅沢」な話でございます。
何しろ、短期的な「利益」にはなりません。

もちろん、利益が出る博物館や美術館も
あるのでしょうが、本来的にこの種の施設は、

「おカネにならないが、子供たちや国民が
 歴史や社会の現実を知るために、
 費用度外視で維持する」

という性質のものです。

そういえば、博物館などで働く学芸員の方について、

「一番のがんは学芸員。
 この連中を一掃しないと」

と語ったのは、
山本幸三地方創生担当相ですが、前提は
「外国人に媚びるインバウンド観光戦略」
があります。

とはいえ、そもそも博物館や学芸員は、
たとえ「カネ」にならなくても、国家の文化、
伝統を維持し、後世に伝えていくために
必要なのです。

安倍政権のスタイルから言えば、

「カネにもならない、博物館に
 予算を出すなど、ムダ!」

という話になってしまうのでしょうか。

ならば、最もカネにならないというか、
カネが出るばかりの日本の文化・伝統は
「皇室」ということになってしまいますね。

あるいは、伊勢神宮を二十年後に
建て替えるのは「カネのムダ」だから、
いっそ、コンクリート製にしてしまえば?

観光資源豊富なイギリス(日本もですが)を
訪れ、総てを「カネ」に結びつける
安倍政権のインバウンド観光戦略の
おぞましさが、改めて理解できたのです。

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「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」
第345回 国民を守るプロジェクト
なお、週刊実話の連載は、以下で
(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/

◆メルマガ 週刊三橋貴明 Vol547 
ビジネスの暴走と国家の規制
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
国家の際限なき統制強化はもちろん、
ビジネスの「自由」に任せ、暴走を許すこと
もまた、深刻な問題を引き起こします。
大事なのは「バランス」という話。

◆メディア出演

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三橋TV第162回
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三橋TV第163回
【指名競争入札と談合を復活させよ!】
https://youtu.be/i_qYd9Bqr1g
三橋TV第164回
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https://youtu.be/6KuApaT9YU0

◆三橋経済塾

令和元年11月16日(土)三橋経済塾
第八期 第十一回対面講義が開催されました。
https://members8.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=752
ゲスト講師は青木泰樹先生(京都大学
レジリエンス実践ユニット・特任教授)
でございます。
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しばらくお待ち下さい。

◆チャンネルAJER 
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【三橋貴明】安倍政権のインバウンド観光戦略のおぞましさへの3件のコメント

  1. 大和魂 より

    山本幸三の学芸員に対する発言の真意は、恐らく、その中には多数の反日勢力が存在するからだと考えられます。しかし、安倍政権のインバウンド政策には結果的に野党とも、その核に同調する傾向が多大のために、かなりの問題があるわけですよ。なので、気持ちでは一死を持ってでも、邦家に報いる覚悟なんですよ!

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  2. たかゆき より

    日本に おいての インバウンド とは

    安倍某の お好きなゴルフで言うなら
    アウトオブバウンズ

    いわゆる OB
    1打罰で もう一度打ち直しです

    が、、、

    彼が ルールブックの この国においては
    ノーペナルティーで 前進可能

    前のホールで どんなに大たたきしても
    次のホールで オナーになる
    安倍某のような 「お偉い」さん

    そのような クズ
    小生は 掃いて捨てるほど
    存じて おり マウス
    この国で ♪

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