歴史

2019年11月18日

【三橋貴明】石の文明、木の文明

From 三橋貴明

【今週のNewsピックアップ】

侵略史の連合王国、災害史の日本国
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12544328615.html

産業革命発祥の地で日本の「投資」を考える
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12544623469.html

一週間でエジンバラからヨーク、リーズ、
マンチェスター、リバプール、ロンドンと
回る強行軍の訪英を終え、
日本に帰国しました。

三橋は、

「イギリスの語源は、ポルトガル語の
 イングランドを意味するイングレス。
 正しくは連合王国」

「アングロ・サクソンは、現ドイツの
 ザクセン人と、ユトランド半島南部の
 アングル人が先祖」

「イングランド国教会と、
 スコットランド国教会は違う宗教。
 英国国教会というのは、実は存在しない」

「現在のイギリスは、ノルマンディー公
 ギヨーム二世がイングランド王国を征服し、
 建国された」

等々、英国ネタを色々と使うのですが、
その(個人的な)聖地に行くことができて、
大変嬉しかったです。

ちなみに、ロンドンのロンドン塔は、
イングランド国王ウィリアム一世
(ギヨーム二世)が建設を命じました。

また、ヨークにもウィリアム一世が
建設させた城が残っています。
ヨークの城は、イングランド王国と
デーン人が奪い合い、建築と破壊を
繰り返すことになります。

それにしても、エジンバラ城、
ヨーク・ミンスター、マンチェスター市庁舎、
リバプールの三美神、リバプール大聖堂、
ロンドン塔、そしてイングランド銀行と、
イギリスの「石造建築」は見事なものです。

特に、リバプール大聖堂の壮麗さには、
圧倒されました。

高さ101メートルの大聖堂を、
砂岩で造るという発想は、
日本人にはありません。

もっとも、イギリスで砂岩を用いた
巨大モニュメントを建設することが
可能なのは、地震が少ないためです。

我が国であれだけ巨大な石造建築物を
造ってしまうと、大地震の際に
間違いなく倒壊します。
運悪く下にいた人は、即死でしょう。

我が国は震災大国で、石造の巨大建築物を
創ることは無理です。
代わりに「木の文明」が大いに発展しました。

我々がイギリスで「石の文明」に感動する
ように、イギリス人も日本の「木の文明」に
目を見張ると思います。

いずれにせよ、文明とは国土条件、
地政学的条件に基づく
「インフラストラクチャー(下部構造)」
に規定されます。

ユーラシア大陸から近く、外敵に侵略が
相次ぎ、地震がないブリテン島では、
石の文明が発展した。
城壁や城塞は、石づくりが最適です。

ユーラシアから遠く、敵軍の侵略がほぼ無く、
代わりに自然災害が多発する日本列島では、
木の文明が栄えた。

どちらが良い、悪いの話ではありません。
下部構造が違う以上、
日英両国は違う形の文明を進化させざるを
得なかったというだけ。

やたら外国の事例を持ち出し、

「イギリスでは~」

などと、祖国を貶め、やたら外国を礼賛し、
日本に全く合わないソリューションを提言する
「ではのかみ」が、いかに愚かしいかが
分かります。

無論、両国で共通するソリューションも
あるのでしょう。
とはいえ、ほとんどの政策、解決策は
下部構造に依存します。

イギリスで上手くいったからといって、
日本でも通用するとは限らない。
逆もまた、真なりです。

上記を理解すると、
世界に同じソリューションを適用しようと
するグローバリズムが、
そもそも無理がある上に、さらには各国の
「異なる下部構造」に基づく独自の文明を
破壊してしまう理由が分かるのです。

◆12月21日(土)に
「令和の政策ピボットは実現可能なのか?」
が開催されますが、
https://in.38news.jp/38P191221_SC_PIVOT
「反・緊縮財政」「反・グローバリズム」
「反・構造改革」という令和の政策ピボットの
スローガンにご賛同下さる多くの言論人の
皆さま(左右問わず)に、
ゲストとしてご参加頂きます。

◆【歴史音声コンテンツ 経世史論】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
11月5日から上島嘉郎先生と三橋貴明の対談
「自虐史観はなぜ始まり、深刻化したのか」
がご視聴頂けます。

◆ビジネス社
「国民を豊かにする令和の政策大転換」
が刊行になりました。
https://amzn.to/2ZadNvr

◆経営科学出版
「知識ゼロから分かるMMT入門」
が刊行になりました。
https://38news.jp/38MMT/MT_TV/

◆週刊実話 連載
「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」
第345回 国民を守るプロジェクト
なお、週刊実話の連載は、以下で
(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/

◆メルマガ 週刊三橋貴明 Vol547 
ビジネスの暴走と国家の規制
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
国家の際限なき統制強化はもちろん、
ビジネスの「自由」に任せ、暴走を許すこと
もまた、深刻な問題を引き起こします。
大事なのは「バランス」という話。

◆メディア出演

三橋TV、続々リリースされています。

三橋TV第162回
【PBある限り日本の亡国は止まらない、
 弱者救済も不可能という現実】
https://youtu.be/5IOeVceC01M
三橋TV第163回
【指名競争入札と談合を復活させよ!】
https://youtu.be/i_qYd9Bqr1g
三橋TV第164回
【国産のステルス戦闘機作ろうぜ!】
https://youtu.be/6KuApaT9YU0

◆三橋経済塾

令和元年11月16日(土)三橋経済塾
第八期 第十一回対面講義が開催されました。
https://members8.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=752
ゲスト講師は青木泰樹先生(京都大学
レジリエンス実践ユニット・特任教授)
でございます。
インターネット受講の皆様は、
しばらくお待ち下さい。

◆チャンネルAJER 
今週の更新はありません。

関連記事

【三橋貴明】石の文明、木の文明への1件のコメント

  1. 日本晴れ より

    >などと、祖国を貶め、やたら外国を礼賛し、
    日本に全く合わないソリューションを提言する
    「ではのかみ」が、いかに愚かしいかが
    分かります。

    凄く分かります。SNSとかでもそういうでわのかみが本当に多い
    うんざりするほど。日本と外国の文化が違う感性の違うのは当然じゃんと普通に感えれば分かる事ですよね。

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です

名前

メールアドレス

ウェブサイト

コメント

メルマガ会員登録はこちら

最新記事

  1. 日本経済

    【室伏謙一】「金融緩和悪玉論」を信じると自分達の首を絞...

  2. 日本経済

    【三橋貴明】聖徳太子の英雄物語

  3. 日本経済

    【三橋貴明】政府債務対GDP比率と財政破綻は関係がない

  4. アメリカ

    政治

    日本経済

    【藤井聡】『2023年度 国土強靱化定量的脆弱性評価・...

  5. アメリカ

    政治

    日本経済

    【藤井聡】【3月14日に土木学会で記者会見】首都直下地...

  6. 日本経済

    【三橋貴明】無知で間違っている働き者は度し難い

  7. 日本経済

    【三橋貴明】PBと財政破綻は何の関係もない

  8. アメリカ

    政治

    日本経済

    【藤井聡】【岸田総裁の政倫審出席はむしろ有害】岸田氏の...

  9. 未分類

    【竹村公太郎】流域共同体の誕生、崩壊そして再生 ―新...

  10. 日本経済

    【室伏謙一】財務省が金融引締め、そして緊縮増税へ向けた...

MORE

タグクラウド