日本経済

2022年5月30日

【三橋貴明】緊縮財政という甘えは許されない

【今週のNewsピックアップ】
コストプッシュ型インフレ、財政政策で対処を
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12744609326.html

「資源」の時代
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12744963228.html

現在の日本のインフレ率上昇は、
コストプッシュ型インフレ、
いわゆる「悪いインフレ」です。

理由は、物価の上昇が国民の所得拡大に
全く結びついていないためです。
それどころか、可処分所得を減らしている。

日本のコストプッシュ型インフレは、
「輸入」物価上昇により生じています。

輸入価格が上がり、
それが最終商品の価格に転嫁されたとしても、
日本国民の所得は一円も増えていないのです。

増えるのは、
あくまで「外国の生産者」の所得です。
とはいえ、現実に目の前で
物価が上昇していることを受け、
日本国民の多くは政府に対策を求めます。

それでは、具体的には
どのように対処したらいいのか。簡単です。

『給付金や減税によって
国民の購買力を高めると同時に、
原材料やエネルギーなどの
供給制約を緩和するために、
経営合理化や技術開発や
インフラ整備などを目的とした
財政支出を行なうことだ。(中野剛志)』
その通り。

短期的には国民の可処分所得を
引き上げるために、給付金や減税で対処する。
特に、効果抜群なのが消費税廃止です。

今回のコストプッシュ型インフレは、
消費性向が高い低所得者層が
ダメージを受ける。
可処分所得「穴埋め」の政策は必至。

消費税は、消費性向が高い
低所得者層ほど負担が重い。
消費税は廃止一択です。

さらに、中期的には「エネルギー効率」を
引き上げる財政支出が必要になります。
食料自給率引き上げのための財政支出も、
待ったなしの状況です。

また、現在、コロナ禍による
上海ロックダウンを受け、
トヨタの製造ラインが一部停止する
事態に至っています。

上海からの出荷が停まっているのは、
資本財なのでしょうが、鉱物資源を見ると、
ロシアはパラジウムの輸出で世界一位、
プラチナ二位、アルミニウム二位、
マグネシウム二位、ニッケル三位、
鉄鉱石五位、クロム鉱八位、ニッケル三位、
アンチモン二位、工業用ダイヤモンド一位、
パナジウム二位となっています。

この種の鉱物資源も、
今後は日本に入らなくなる。

コロナ禍とロシア・ウクライナ戦争が
重なったため、我々は食料、
エネルギー(鉱物性燃料)に加え、
鉱物資源や資本財も「手に入らない」時代に、
一気に叩き込まれたわけです。

「資源」が入らない状況を、
民間で解決できますか。
できるはずがありません。

政府が動かなければならないのです。
緊縮財政などという「甘え」は、
もはや許されない。

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◆週刊実話 連載
「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 
第467 PB黒字化目標により亡ぶ

◆メルマガ 週刊三橋貴明
Vol682 Tax drives money
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
我々は、なぜ日本国内で日本円を使うのか? 
貨幣が「共同体」と不可分である
という事実を知ってください。

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[三橋TV第550回]三橋貴明・高家望愛
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[三橋TV第551回] なるせゆうせい・三橋貴明・高家望愛
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◆三橋経済塾

お待たせいたしました。
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是非ご視聴下さいませ
https://members11.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=1816
インターネット受講の皆様、
お待たせいたしました。

◆チャンネルAJER 
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【三橋貴明】緊縮財政という甘えは許されないへの1件のコメント

  1. 利根川 より

     日本は、バブル発生~崩壊、続く消費税増税によって1998年を境に全く経済成長をしない国になってしまいました。言わずと知れたデフレ不況の始まりというわけです。

    一般個人「収入減ったんでお金使えません」

    一般企業「バブル崩壊で借金返済に追われてお金使えません」

    政府「構造改革です。お金”使いません”」

    そして、誰もお金を使わなくなった。

    商品が売れない

    しかたなく値下げして売る

    値下げしないといけないのでコストカットする

    人件費下げる

    賃金が減ったので無駄な買い物を減らす

    商品が売れなくなる(ループってこわい

    これがデフレ不況と呼ばれるものです。
     当時、このままだとデフレ不況に突っ込んでしまうと言われていた日本。しかし、学校教育を最も熱心に受けてきたエリート達をもってしてもどうしていいのかわからなかった。そこで彼らが行ったことは

    1980年代初頭のイギリスやアメリカを参考にする

    といったことでした。
     ところで、1980年代初頭のイギリスやアメリカは何に悩まされていたのかというと「インフレに悩まされていた」わけです。つまり、イギリスやアメリカは

    わざとデフレになるような政策をやって過熱気味の経済(インフレ)を冷ましていた

    わけです。
     日本の場合、「デフレに悩まされていた」わけで、そんな日本がアメリカやイギリスの真似をして

    わざとデフレになるような政策(構造改革)

    をやったらどうなるのか。はい、答えは簡単、デフレ不況から抜け出せなくなってしまったわけですね。
     自分と相手では解いている問題が違うのに、答えだけ丸写ししようとするからこんなことになるわけですよ。これがホントの猿真似ってやつなんじゃないでしょうか。
     さて、時代は進んで現代の日本。
     日本がコロナ禍からの回復で後れを取る中、トランプ政権バイデン政権とコロナ対策についてはしっかりと取り組んできたアメリカ経済はV字回復を果たしていました。
     国民の購買意欲に商品の流通が追い付かない状況もあって、V字回復を果たした後もインフレ気味だったわけですが、そこにガソリン不足やウクライナ戦争勃発によるモノ不足まで加わってインフレが過熱ぎみになってしまったわけです。だから、

    利上げをして銀行からお金を借りにくくした

    わけですよ。国民の購買意欲が旺盛な状況で銀行からお金が借りやすかったら、当然、企業はお金を借りて使う(投資をする)わけです。すると、さらにインフレが過熱する。だから、これ以上お金が使われないように、利上げして銀行からお金を借りにくくしたわけですよ。
     日本の場合、消費者物価指数(生鮮食品・エネルギー除く)は

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    総務省統計局 消費者物価指数(生鮮食品・エネルギー除く)

    対前年同月比(%)

    2022年1月 マイナス1.1

    2022年2月 マイナス1.0

    2022年3月 マイナス0.7

    2022年4月 プラス0.8

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    となっています。因みに、アメリカはこう↓

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    アメリカ・消費者物価指数(生鮮食品・エネルギー除く)

    出典:CPIナウ

    対前年同月比(%)

    2022年1月 プラス6.0

    2022年2月 プラス6.4

    2022年3月 プラス6.5

    2022年4月 プラス6.2

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    生鮮食品とエネルギーの値段を除いているとはいえ、ガソリン価格の上昇は間接的に色々なところに影響を及ぼすので、日本の消費者物価指数(生鮮食品・エネルギー除く)も、ここにきてプラス0.8になりましたが、コロナ禍から経済がV字回復を果たしたアメリカと違い、日本は

    国民の購買意欲が盛んで困ってる

    という状況ではないわけですよ。日本は3月までマイナス入ってましたしね。にもかかわらず、

    「アメリカの真似をして日本も利上げせよ」

    なんて言っている人が居ましてね。アメリカと日本では解いている問題が違うというのに、相変わらず答えだけ丸写しして爆死しようとしているという…まるで成長していない。
     「甘えを取り払え」ということであれば、とりあえず、隣の奴の回答を丸写しするのはやめましょうよ。隣の奴の回答丸写しとか、それこそ「甘え」ってもんでしょう(苦笑い)
     まあ、参考に出来そうなものを取り入れるというのはアリだとおもいますが、利上げについてはアメリカと日本では状況が違うのだから真似したらダメなヤツでしょう。
     成長しないことに定評のある日本ですが、成長しないのはGDPに限った話じゃなかったようです。

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