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2021年9月14日

【室伏謙一】自民党総裁選―大手メディアの「河野推し」に騙されないために

From 室伏謙一@政策コンサルタント/室伏政策研究室代表

 自民党総裁選、17日の告示を前に、3人の候補が出揃った、と言っていい状況ですね。それぞれがそれぞれ活動を始めており、実質的に総裁選は始まったと言ってもいいでしょう。

 それぞれ政策発表的なこともしており、総裁選に関する限りの各立候補予定者のスタンスは明らかになってきました。もっとも、岸田候補は昨年の総裁選に際して「岸田ビジョン」等という形で政策や政治に向かう哲学的なものについて発表しており、今回もその延長線上と言っていいでしょう。総論や「新自由主義からの転換」といった方向性はいいと思いますね。ただ、具体的内容に乏しく、現段階の情報を読む限りでは、「新自由主義からの転換」や脱構造改革が実現できるのか未知数です。

 高市候補については、皆さん既にご承知のとおり、三橋先生(三橋TV)や藤井先生(東京MXテレビ「東京ホンマもん教室」)との対談、更には文藝春秋の記事等によって具体的な政策の内容まで明らかです。3候補の中で、最も詳細かつ体系的であると言っていいでしょう。こうしたことから、私自身も高市候補を自民党総裁に相応しい候補として推しています。

拙稿「なぜ自民党総裁選で高市早苗候補を推すのか」
https://blogos.com/article/558733/

 しかし、河野太郎候補については、これまでの発言や発信からしても、総裁選への出馬表明に際して発表された政策からしても、自民党総裁にしてはいけない候補であることは明らかです。なんと言っても彼は、バリバリの緊縮論者、構造改革推進論者であり、菅政権のそれを受け継ぎ、それを更に進めようとしています。発表された政策では、新自由主義路線は隠しているようでしたが、機会の平等を強調し、その上で頑張る人が報われるとするところなどは、まさに菅政権の自己責任路線、自助路線をしっかり継承しようとしていますね。

 加えて、河野候補は「改革」というキーワードで評価されることが多いようで、私の周りでも「河野さんなら改革を実行してくれる!」と無邪気に好評価している人が少なくありません。加えて政策力というのもありますね。しかし、彼の言う「改革」とは、行政の機能の闇雲な縮小、組織・定員の削減、事務事業の削減、予算の削減といったもの。要は日本政府を縮小していくのみならず、日本の国民経済をも縮小していこうとしているわけです。それにもかかわらず「改革で成長」みたいなことを言っている人がいるのは、極めて滑稽です。

 もっとも、ことは国民経済のこれからに関わることなので笑ってばかりもいられません。

 政策力というものについても、彼の成果として何があったかと思い返せば、行革担当大臣としては行政手続における押印の廃止程度。これすらも、関係法令の改正という膨大な、まさに「無駄な」作業を伴うもので、彼の手柄のために各府省の役人が動員されたと言ってもいいような話。こんなものは、「当面の間は行政手続における押印については、これを要しないものとする。」といった閣議申合せでもして、地公体に通知しておけば済む話で、こちらの方がよほど効率的。

 ワクチン担当などは、ワクチンの調達から認可、接種体制の整備、接種の実施に至るまでを担当しているのは厚生労働省と現場の地公体であって、彼はあくまでもワクチン接種を円滑に推進するための行政機関の事務の調整を担当していただけ。その割に前にしゃしゃり出ていたので、彼は目立てても現場は混乱してしまっていたようですね。要するにこちらも無駄な担当業務だったということ。

 つまりは目立つこと重視の迷惑野郎、否、迷惑太郎でしかなかったということですが、なぜか大手メディアは河野太郎候補を推しまくりたいようです。そんなに日本を、彼の実績作りのための、引っ掻き回しのネタにしたいのか、緊縮・新自由主義政策の推進によって更に貧国化させたいのかと思わざるをえません。

 いかに河野太郎候補を自民党総裁に、総理にしてはいけないかの詳細につては、こちらの藤井先生との対談をご覧いただきたいと思いますが、

https://www.youtube.com/watch?v=3W5weo_UN8M&t=189s 

大手メディアのプロパガンダのような過剰な河野推しに抗うべく、こうした事実をとにかく広めて「河野ではダメだ」、「河野では危ない」、「河野では日本がおかしくなる」といった認識を形成していっていただければと思います。

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【室伏謙一】自民党総裁選―大手メディアの「河野推し」に騙されないためにへの6件のコメント

  1. この世は既にあの世 より

    アヘが一番迷惑野郎でしたね。もしかしてお宅アヘ信者?アヘの総括を出来ない輩はただの馬鹿。

    そういえば西部氏は「世界で一番乱暴な国はアメリカ」と言った。

    石破が河野につくなら河野はアリだ。

    その程度が解らないのか?お宅も大したことないただのネトウヨだな。

    靖国神社言って中韓批判してりゃホシュか?

    団塊世代の受け売り、安売り、東西冷戦脳。

    良識派は岸田、石破。アヘは中国寄りになっていたとしても基本馬鹿。

    経済政策は誰も同じ。面白さ、ドンデン返しを狙うなら河野だろう。

    ネトウヨ、中韓批判ばかりして、靖国、尖閣行って商売してる輩が一番の馬鹿。

    三島由紀夫は「女に天才というものはあり得ないということがどうして解らないのか?」と言ったが、軽い御輿を担いで利用しようとする下劣な男もまた馬鹿。

    チャンネル桜の独身女、61歳の男性に一般論として話を聞くと「35歳でも40歳も過ぎてそれなりの容姿で結婚しない女は問題があるんだわ」と。その通り。

    他に共産主義批判して新自由主義という共産主義を容認出来る、団塊世代、飯盛衆のおばちゃん達もその程度の頭しかない輩。

    経済政策、経済理論だけを基準に考えることしか出来ない輩もその程度の人間。我々は機械でもなければ計算だけでの世界に生きてるわけでもない。また「誰々かああ言った」というだけで判断するガキでもない。

    あなたハッキリ言って商売立ち上げるほど大したこと言ってないよ。あなたの代わり程度ならば誰でも出来る。

    緊急時だけ財政出動?

    今を無視して未来への妄想投資?

    どこがどうマシなのか具体的且つ数値や投資先、データを含め真面目に言ってみてよ。他と比べて何%いいか?

    抽象的で願望と利権だろ?だってその程度の頭しか無いもん。

    お前には絶対喧嘩は負けないわな。屁だよ屁w

    まあ精々痩せ我慢して気張れや。ファッション保守が。喧嘩ってのはあくまで殴り合いなんだよね。タマの取り合いね。

    一発逆転は大穴で河野だな。手堅く行くなら岸田。高市は一番しょーもない馬鹿。

    言ったろ、一番ダメな輩を選ばせて、お前らみたいなくだらない輩にいつまでも商売なんかさせないよ、と。

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  2. えーっ より

    室伏先生ってもうちょっとそこらのもの書きより次元が高くて、総裁選なんか知るかアホ、んなもん勝手にやってろ、って方だと思ってたなあ。それもよりによって、前の前のアレがひり出したうんこを推すとか。ないわあ。ない。

    もはや自民党は国民と国家を切り売りする政商体に成り下がり、総裁選に期待できるほどの政党でも国民政党でもないから論評するにしくはなしとして、以降総裁選に関して沈黙を貫くことも評論家の大事な仕事というか、能弁に値するひとつだと思うんだけどなあ。違うのかな。

    濡れたうんこみたいな河野とか、踏まれてかわいたうんこみたいな岸田とか、うんこしか並んでないんだから、別に無理してきれいな指で押してみせることなんかないじゃない。

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  3. この世は既にあの世 より

    世間に出て来るなら、綺麗事ではなく、少しはまともな見識から思考を持ち、中身のあることを書けよ。

    藤田博史
    「実際芸術の堕落は、すべて女性の社会進出から起つてゐる。 女が何かつべこべいふと、土性骨のすわらぬ男性芸術家が、いつも妥協し屈服して来たのだ。 あのフェミニストらしきフランスが、女に選挙権を与へるのをいつまでも渋つてゐたのは、フランスが芸術の何たるかを知つてゐたからである」

    萩原朔太郎

    「女嫌いとは、・・・人格としてではなく、 単に肉塊として、脂肪として、劣情の 対象としてのみ、女の存在を承諾する
    こと。(婦人にたいしてこれほど・・・・・
    冒涜の思想があるだろうか)
    しかしながら、・・・多数の有りふれた
    人々が居り、同様の見解を抱いている。
    殆ど多くの、世間一般の男たちは、初め
    から異性に対してどんな精神上の要求も
    持っていない。

    中略

    (「女嫌い」と呼ばれる人々は、女にたいして)単なる脂肪以上のものを、即ち精神や人格やを、真面目に求めているからである。
    ・・・・それ故に女嫌いとは?或る騎士的情熱の正直さから、あまりに高く女を評価し、女性を買いかぶりすぎてるものが、経験の幻滅によって導かれた、不幸な浪漫主義の破産である。
    然り!すべての女嫌いの本体は、馬鹿正直なロマンチストにすぎないのである。」
    「すべての家庭人は、人生の半ばをあきらめている。」

    以上のことから、高市を持ち上げる輩や女性の活用などに何の抵抗も無いものは、「女を馬鹿にしている」に過ぎないのである。

    さて、俺とお前らとどちらが女を馬鹿にしているかな?

    女を真に馬鹿にしてるのは、チャンネル桜然り、三橋藤井室伏然り、経団連然り、ネトウヨ然り、アホな戦後日本人である。

    三島由紀夫「女性は抽象精神とは無縁の徒である。音楽と建築は女の手によってろくなものはできず、透明な抽象的構造をいつもべたべたな感受性でよごしてしまう。
    構成力の欠如、感受性の過剰、瑣末主義、無意味な具体性、低次の現実主義、これらはみな女性的欠陥であり、芸術において女性的様式は問題なく「悪い」様式である。」

    1つ例をあげると、sayaなど大した歌手ではないし、リピートして聴くほどの歌声は持っていないから聴かないが、馬鹿な男がそれを持ち上げると馬鹿な女が1人出来上がるわけだが、その原因は馬鹿な男達にある。

    彼女の政治的意見なんか大抵の男は全く聞いていないし、事実中身もまるで無い。しかし利用価値はあると考えるのが男。

    水島、アヘがどうして女を持って来るか?自身の豚顔と三輪のカツラじゃ商売出来ないし、世間体の人気取りと自身への利益誘導の本性があるからである。だから彼らは簡単に女を利用し、非正規労働などで使い捨てることが出来る。

    日本でも世界でも著名人でも誰でも「これは」という女がいたか?いないだろう。思想家、哲学者にしても殆どが男だ。

    美しく、可憐であり、可愛く、愛嬌があり聡明である女はたくさんいたとしても女はそこまででしかない生き物だ。

    高市とて例外ではない。高市はアヘ、男の駒でしかない。駒を真面目に持ち上げようとする輩は、単なる馬鹿であると言わざるを得ないのである。

    俺はながらくそういった本質くらいは男達は踏まえているだろう、と思っていたが、実際心得ている男達は存在していとしても、馬鹿ばかりがメディアに出てくるのはどういうわけか?

    なんらかの意図的なものでしかないわけだ。

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  4. 赤城 より

    父親同等シナの工作員レベルの政治家であり、同じシナ派の石破氏も支援するという河野氏。しかも菅総理や維新同類の新自由主義売国奴のグローバリストの犬でもある。最も日本を破壊し日本人を殺し、日本国家を急速に衰退亡国させる政治家であるために、シナの息がかかった財務省と売国大手メディアにひたすら押し出されている分かりやすい構造となっている。
    ここで総理になったとして誰になろうが次の選挙までわずかしかない。
    そうして選挙ではどうしたところで自民が票を伸ばすとは思えない。そういう意味ではゴミクズ外道の河野氏だろうがむしろ結果的に自民党の大打撃になるという意味では日本のためにマシな結果になることも考えられる。
    維新との最悪の連立政権ということも言われているが果たして大打撃を受けた自民党の運営をそのまま続けられるのかもよく分からない。
    結果を考えても先のことは分からないなら、普通によりゴミクズ外道売国奴の総理が連続で生まれることを阻止するべきであるわけだが、どうなることだろうか…

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  5. オレーヌ より

    室伏さんや藤井さんのような言論人がもっともっと出て来て欲しいですね。
    周りをキョロキョロ伺ってばかりのビビりや、高みの見物で保身ばかりしているような言論人は必要ありません。
    室伏さんや藤井さんがいなければ反緊縮界隈はコロナ脳だらけで終わってましたよ。
    ビビりの言論人は本当に見ていてダサいし情けないです。

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      1. めるど より

        ビビリとかコロナ脳とか、端々からバカがにじみ出るようなクズ。藤井ヨイショの連中ってこんなバカばっか。

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