日本経済

2020年5月11日

【三橋貴明】貨幣観の間違い故に亡ぶのか?

【今週のNewsピックアップ】

100兆円の第二次補正予算実現と、その後
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12595483864.html

ほらね、国債発行したら皆さんの預金が増えたでしょ?
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12595713955.html

財務省は、未だに、

「政府は国債発行で家計の預金を借りるので、
いずれ家計の預金が尽きて破綻する」

という、率直に書けば
「頭がおかしい」レトリックを
御用学者や御用ジャーナリストに語らせ、
緊縮財政路線の堅持を狙っています。

まさに、発想が「金貨銀貨」でございます。

この世の中に「金貨・銀貨」という
貨幣しかなければ、
何しろ「他に借りる貨幣はない」
ということになり、

政府は国債発行で国民の
金貨や銀貨を借り入れることになります。

もっとも、実は金貨銀貨で考えても、
上記のレトリックは
「頭がおかしい」のでございますよ。

理由は、政府が国債発行で
家計から金貨や銀貨を借りたとして、
必ずそれを「使う」ためです。

政府が金貨や銀貨を支払いに使うと、
貨幣は国民側に戻ってきます。

おカネは、使っても消えません。
ただ、移動するだけです。

というわけで、財務省の上記のレトリックは、

「政府が金貨銀貨のように資源的な制約があり、
有限の貨幣を国民から借り入れ、
それを使うと、なぜか貨幣がこの世から消滅してしまう」

という、摩訶不思議な
異世界でなければ成立しないのです。

ところが、一般国民は、
「貨幣とは、実はモノではなく、
 貸借関係である(=債務と債権の記録)」

「貨幣は、使っても消えない
 (自分の財布から消えるだけ)」

といった真実を知らないというか、
「そもそも、そんなこと考えたこともない」
わけでございまして、
冒頭の財務省レトリックにコロリと騙されます。

というわけで、
三橋は過去の言論活動において、ひたすら、

「貨幣とは、使っても消えない。
 移動して、誰かの所得が創出されるだけ」

「政府が国債発行で借りる貨幣は
 銀行預金ではなく、日銀当座預金」

「政府が国債発行で支出をすると、
 我々の預金はむしろ増える」

と繰り返し、データを何度も提示し、
アップデートすることを続けてきました。

データを見ると、バブル崩壊、
デフレ化以降、政府の国債発行残高は
確かに増加しているのですが、
ほぼ同じペースで家計の預金残高も増えているのです。

当たり前です。

政府が国債発行で日銀当座預金を借り入れ、
政府小切手や振込指示で「支出」すると、
我々に「銀行預金が増える」
形で支払われることになります。

その際に、銀行は銀行預金という
「自らの負債」としての貨幣を
発行することになるため、
後で政府が借りた日銀当座預金を
振り替えてもらい、決済します。

つまりは、政府が銀行から
借り入れた日銀当座預金が、
マクロ的にみれば
「銀行に戻ってくる」ことになります。

というわけで、
「政府が国債発行で借りるおカネがない」
などということは、物理的にあり得ないのですが、
それでも財務省のプロパガンダに騙される国民が絶えない。

結局のところ、貨幣観を間違えているために、
全ての政策が狂い、日本は小国化し、
亡国路線を突き進んでいるわけでございます。

改めて考えてみると、恐ろしい話です。

日本国を滅ぼすのは、
敵国との戦争でも災害でも疫病でもなく、
単なる「貨幣観の間違い」なのでございます。

国民や政治家が貨幣観を間違えた結果、
二千年以上という世界最長の歴史を誇る、
日本国が亡ぶ。
洒落になりません。
何とかしましょう。

◆過去十年以上に渡る三橋の言論活動の
「集大成」とでもいうべき、
「自民党の消滅(ベストセラーズ)」が
6月26日に発売になります。
https://amzn.to/2WG8CPz

書店が閉鎖されている関係で、
書籍版の発売は6月にずれ込んでしまいましたが、
オンライン版は5月14日発売で、
5月13日に予約可能となります。

◆週刊実話 連載
「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」
 第368回 現金給付とピンハネ税

なお、週刊実話の連載は、
以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/article/category/4/

◆メルマガ 週刊三橋貴明 Vol572
財務省プロパガンダ「ワニの口」の真相
http://www.mag2.com/m/P0007991.html

財務省がいかに嘘つきか、
あるいは「統計詐欺」を駆使するか。

ワニの口のプロパガンダの真相を
知れば分かります。

なぜか、マスコミでは一切この
「真相」が報じられないのですが。

◆メディア出演

三橋TV第231回
【今、日本の政治家は国民を救える。
 必要なのは、ただ「意思」のみだ】
https://youtu.be/6uYkxuYp_uw

三橋TV第232回
【歴史に学べ! 
 国民国家を取り戻す絶好の機会が訪れた】
https://youtu.be/vCTSU5oicWk

三橋TV第233回
【将来の希望にベットしよう 
 我々こそが主権者だ】
https://youtu.be/SIo0_s9UWUg

sayaさんの
公式Youtubeチャンネルが
スタートしました。

チャンネル登録はこちらから
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https://youtu.be/Guag-GHIG1Y

特別コンテンツが続々と
配信されていっています。

【コロナ流出?生物兵器研究の隠蔽工作】
Google Earthから消えた武漢研究所の秘密
|三橋貴明×河添恵子
https://youtu.be/Cm0lZ8uDYRE

国債発行で、国民の預金が増える理由
【三橋貴明のMMT「超」入門】
https://youtu.be/jO1oOZOqdag

◆三橋経済塾

5月16日(土)開催予定の第五回ですが
(ゲスト講師は中野剛志先生)、

第四回の仙台同様に
「広めの会場で離れて座って頂く」
スタイルで開講させて頂く予定になっております。

中野剛志先生は
オンラインによる講義になります。

無論、講演後に中野先生に
質問等をして頂くことは可能です。

また、会場も変更になりましたので、
お申込頂いた方はご注意ください。

講義参加のお申し込みは、以下になります。
https://members9.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=1084

懇親会も仙台同様に、
講義後に「お弁当」をお出しする形に
させて頂く形を検討中です。

◆チャンネルAJER 

『全ての国民を救えるんだ(前半)』
三橋貴明 AJER2020.5.5
https://youtu.be/rPa2WBzlQDQ

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【三橋貴明】貨幣観の間違い故に亡ぶのか?への2件のコメント

  1. 大和魂 より

    わたくしの地元の政治家にも財務省から出ているアゴが達者で、しかも竹中平蔵と同様に、恥ずかし気もなく子分を引き連れて行動するバカが存在しております。また、それが税調でデカイ顔しているから、碌でもなく頭に来るわけです。ならば、財務省からの情報は、お手の物となり、更に幅をきかせる事となります。また、それを支持する愚民は、お花畑を未だに謳歌しており、益々亡国が現実味を帯びて来ていますが、なんとか、それに一矢を報いたいと考えているところです。

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