From 三橋貴明@ブログ
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深刻化する人手不足の中、鈍化する日本の成長。
しかし、この人手不足こそ次なる成長への鍵だった。
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「日本国民へ」
From 三橋貴明@ブログ
すでに、月日は2016年7月に突入していますが、5月の経済指標がとんでもない状況になっていますので、本稿で取り上げます。
『5月の消費者物価指数、3カ月連続下落 下落幅、13年4月以来の大きさ
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL01HGE_R00C16A7000000/?nf=1
総務省が1日発表した5月の全国消費者物価指数は、値動きの大きな生鮮食品を除く総合が103.0と、前年同月に比べ0.4%下落した。下落は3カ月連続で下落幅は2013年4月以来の大きさ。QUICKの市場予想(0.4%下落)と同じだった。(後略)』
というわけで、日銀のインフレ指標(コアCPI)と、マネタリーベースのグラフをアップデート致しました。
【日本のマネタリーベース(左軸)とインフレ率(右軸)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_53.html#MBCPI
日本のマネタリーベース(政府発行の硬貨、日銀発効の紙幣、日銀当座預金残高の合計)は、2016年5月時点で381兆円に達しています。黒田日銀発足時と比較すると、何と230兆円の増加です。
日本銀行は、2013年春以降、230兆円の日本円を新たに発行した。ところが、インフレ率は目標の2%に達するどころか、マイナス0.4%。コアコアCPIにしても、4月の+0.5%から、+0.4%に下がってきています。
未だに、
「デフレは貨幣現象。日銀が金融緩和を拡大すれば、インフレになる」
などと「寝言」もしくは「妄想」を信じている人が少なくないわけですから、呆れ返ってしまいます。日本銀行がお金を発行しただけで、インフレになるわけがないでしょ!?
インフレ率とは、モノやサービスという「付加価値」の価格が上昇することです。そして、モノやサービスの価格が上昇するためには、モノやサービスが沢山買われなければなりません。
日本銀行が1000兆円のお金を発行しようとも、モノやサービスの購入が減れば、物価は下がります。そんなことは、当たり前の話だと思うのですが、この程度の「常識」すら理解できない人がいるわけですから、日本の知的レベルの低下に愕然とせざるを得ません。
デフレは貨幣現象ではありません。総需要(モノやサービスの購入)の不足なのです。
この事実を認めることができない人は、今後、公の場で発言することをやめるべきです。日本社会が迷惑します。
はっきり書いておきますが、未だに、
「デフレは貨幣現象」
「日銀が金融緩和をすれば解決する」
系の発言をしている人は、「憲法9条を守れば、戦争が起きない」と妄想を主張している反日左翼と何ら変わりがありません。現実から目をそらし、懸命に過去の自分の「虚偽発言」を庇い建てしているという点で。
現実には、デフレは貨幣現象ではありませんし、憲法九条を守っていれば戦争が起きないわけではありません。
ブレグジットを受け、大幅に円高、株安、金利安が進みました。直近の長期金利は、何と▲0.253%と、背筋が凍りつく水準にまで低下しています
この状況で、
「ブレグジットの影響を緩和するべく、日本銀行が金融緩和をしろ!」
などと主張する人は、率直にいって頭が「物凄く悪い」ので、二度と口を開くべきではないと思います。何しろ、物凄く頭が悪いので。
まあ、この手の「自己保存欲」が強い人は、自分が間違っていることは理解しているわけですが、世間体を取り靴楼ために、
「消費税の増税が悪かった。消費税減税と金融緩和をするべきだ」
「金融緩和に加えて、財政出動を拡大すれば早期に回復する」
などと、今更になって「財政出動(減税含む)」を金融緩和とセットで提言することで、何とか自分の立場を守ろうとしているようですが、すごぶる醜い。
デフレは貨幣現象ではなく、総需要の不足なのです。この根底を間違えていた以上、率直に誤りを認めるか、永遠に口を閉ざすべきだと思います。何しろ、致命的な間違いを冒していたわけですから。
そもそも、この手の論者は「日銀は金融緩和を〜」などと、自分を取り繕うために懸命に主張していますが、具体的に何をやるのですか? 量的緩和の拡大?
【日本国債所有者別内訳(総額は955兆円) 】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_53.html#hoyu
2016年3月末時点で、預金取扱機関の国債保有残高は230兆円なのですが・・・。年に80兆円ペースで量的緩和の国債買取を続けた場合、三年持ちませんね。これを、拡大するの?
あるいは、マイナス金利の拡大?
【日本の銀行の貸出態度判断DI(16年3月まで)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_53.html#DI
銀行の貸出態度は、すでに中小企業に対してまで「バブル期並」に緩和されているのですが、これ以上、何をしたいのでしょう。
結局、問題は「安倍政権」が消費税を増税し、緊縮財政を強行した結果、日本の再デフレ化を引き起こしてしまっているという点に尽きるのです。悪いのは、安倍政権です
それにも関わらず、
「日本が再デフレ化しているのは、消費税を増税したせいだ!」
などと叫ぶ「デフレは貨幣現象派」が少なくないわけなので、爆笑してしまいます。デフレが「貨幣現象」なら、消費税増税は再デフレ化と無関係でしょうが。以前の山本幸三大先生は、「デフレは貨幣現象であるため、消費税増税の影響はない」と、断言していらっしゃいましたよ(今は、宗旨替えしたようですが)。
要するに、デフレは貨幣現象ではなく、日本銀行の金融緩和のみで解消できる経済現象ではなかったのです。それにも関わらず、未だに「日銀が〜」とやっている「超・頭が悪い人たち」が少なくないので、彼らには是非とも、230兆円もの日本円を新たに発行したにも関わらず、インフレ率が▲0.4%という惨状について、論理的に説明してほしいと思うわけでございます。
ーーー発行者よりーーー
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【三橋貴明】五月危機 前編への1件のコメント
2016年7月2日 3:57 AM
三橋先生 昨日の論文に続き何か危機を呼びかけている様な論調ですが、何か自民党筋からの情報でハッキリと言えないものの読者に訴える事があるようなのですが 何かあったのですか? 植草氏によれば年金郵貯毀損額が37兆円だとか、ミンスの玉木氏によれば26兆円だとか。一方で安倍がリニアに30兆円投入して大阪乗り入れ前倒しとか参院選の為の情報戦略と思われますが、政治の汚さに憤慨されているのなら是非とも心の内お聞かせ下さい。 お願い申し上げます。
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