日本経済

2019年10月21日

【三橋貴明】主権通貨国

From 三橋貴明

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日本国民の敵
日経新聞の久保田啓介編集委員
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民主党政権よりも公共投資を
「やらなかった」安倍政権
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ランダル・レイ教授の
「MMT 現代貨幣理論入門」では、
自国通貨(あるいは独自通貨)について
「主権通貨」と表現しています。

これは、なかなかいい言葉です。

さらに、レイ教授は、為替レートが
「固定為替相場制の主権通貨」の場合は、

『(引用)政府は為替レートが
 変動しないようにするための政策を
 とらなければならない。』

それに対し、変動為替相場制の
主権通貨国は「裁量的」である、と。

『(引用)変動為替相場制の主権国家は、
 最も政策余地が大きい。
 政府は自国通貨で売られるものなら
 何でも購入できる「支出能力」がある。
 自国通貨におけるデフォルトリスクはない。
 政府支出が大き過ぎると、インフレや
 通貨安が起きる可能性がある。』

全くその通りです。

MMT的(MMTは単なる
現代の貨幣の説明ですが)な「財政拡大」を
変動為替相場制の主権通貨国が実施する場合、
「デフォルトリスク(債務不履行)」が
無かったとしても(ありませんが)、
「インフレや通貨安が起きる可能性がある」
わけです。

つまりは、生産能力が不十分で、
モノやサービスの不足になる
(=インフレ率が上昇する)可能性が高く、
さらには経常収支(あるいは貿易収支)の
赤字が大きい(=通貨安圧力が高まりやすい)
国は、「そうではない」国と比較すると、
財政拡大のペースが抑制されざるを
得ないのは確かです。

逆に言うと、

「インフレ率が異様に低く、生産能力が
 十分であることが証明されている」

「経常収支の黒字が大きく、
 通貨安圧力が起きにくい」

国こそが、MMT的な考え方
(単なる事実ですが)に基づき、
財政拡大する余地があるという話になります。

要するに、我が国です。

相も変わらずデフレが続き、
「インフレにする」ことができずに
苦しんでいる。

経常収支はひたすら黒字。
多少、貿易黒字が減り、
サービス収支が赤字になったとしても、
何しろ「世界最大の対外純資産国」であり、
所得収支の黒字が巨額
(18年は20.8兆円)であるため、
経常収支全体は黒字が続きます。

世界で最も「デフォルト(財政破綻)」
「インフレ率急騰」「為替レート暴落」
といった懸念がないのが、我が国なのです。

国民を守る、特に自然災害から
国民を守るために支出する上で、日本ほど
「容易」な国は、地球上に存在しません。

長年の公共投資削減で傷ついてしまった
土木・建設の供給能力も、政府が
「国民を災害から守るために
 防災投資を増やす」
ことを決定し、長期の計画を立て、
「複数年度予算」をコミット
(責任を伴う約束)すれば、回復します。
需要が長期で安定するならば、
土木・建設産業が本気で投資を増やし、
人材を育て、技術が開発され、供給能力は
長期的に強化されていくことになります。

それにも関わらず、
正しい政策「だけ」はやらない。
マスコミは、相変わらず出鱈目や
イデオロギー的な公共投資否定論を
垂れ流す。

挙句の果てに、
「国家の防災投資」を全否定し、
災害時の国民の生命について
「自己責任」的な論陣を張る。

狂っています。

この狂った現実を、国民が共有し、
政治を動かさなければなりません。

我が国は、世界で最も国債発行
(=政府貨幣発行)と財政出動を
推進する余力がある国なのです。
これが、真実です。

◆【歴史音声コンテンツ 経世史論】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※特別コンテンツ「MMTポリティクス
 第三回」が視聴可能となりました。
 MMT解説コンテンツは、一応、
 今回の第三回で完結となります。
※12月12-13日、邪馬台国視察ツアー
 「歴史に魅せられて、マイと辿る
 邪馬台国への道」開催決定!
 (三橋貴明、長浜浩明先生、
 高家望愛さんも同行します)
 取材の光景は、映像で記録し、
 特別コンテンツとして
 配信したいと思います。
 申込受付は、10月23日(水)です。

◆ビジネス社
「国民を豊かにする令和の政策大転換」
が刊行になりました。
https://amzn.to/2ZadNvr

◆経営科学出版
「知識ゼロから分かるMMT入門」
が刊行になりました。
https://38news.jp/38MMT/MT_TV/

◆週刊実話 連載
「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」
第341回
憲政史上、最も少子化を推進した首相
なお、週刊実話の連載は、以下で
(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/

◆メルマガ 週刊三橋貴明
Vol543 インフラ投資と国富
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
政府が財政出動、例えば防災インフラの
整備をすると、民間の銀行預金という
金融資産が増えると同時に、
「国富」が増加する。
経済の真実を知ってください。

◆メディア出演

三橋TV、続々リリースされています。

三橋TV第150回
【映画から読み取れる日本デフレの病床】
https://youtu.be/owtMRNwTueI
三橋TV第151回
【三橋と高家さんは高速道路が大好き】
https://youtu.be/D47f44eQadY
三橋TV第152回
【東京都民のための地方経済再生を!】
https://youtu.be/FDEKFE1VKZM

10月16日(水) チャンネル桜
「Front Japan 桜」に出演しました。
【Front Japan 桜】
防災と国防を妨げる敵は誰だ! /
赤ちゃんがいっぱい生まれる国を目指そう
[桜R1/10/16] https://youtu.be/Fg_zptGTkgE

◆三橋経済塾

令和元年10月19日(土)
三橋経済塾第八期、第十回対面講義を
開催しました。
https://members8.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?page_id=75
ゲスト講師は 上島 嘉郎先生
(元正論 編集長)でした。
インターネット受講の皆様は、
しばらくお待ちください。

◆チャンネルAJER 
『日本の少子化をくい止めるにはーその1ー
 (前半)』三橋貴明 AJER2019.10.15
https://youtu.be/CxtrypzzVU4

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【三橋貴明】主権通貨国への4件のコメント

  1. 赤城 より

    主権通貨
    の主権について日本の場合どこにあるでしょうか。

    建前上は民主主義から国民主権ですが、
    実質財務省ですね。
    さらにその財務省を作らせた宗主国様です。

    通貨発行権を持つ国と言っても
    それを持つ国家が日本のような見事なまでの
    奴隷属国または
    完全なる奴隷根性国家であったなら、
    その権利を自由に行使することができるわけはない。

    それでも建前上は民主主義によって政治は決まっている
    ことになっていますから、
    世論が大きく変われば主権通貨を自由に使えるようになる
    こともあるかもしれません。
    しかし、それをさせないようにあらゆる工作を陰に日向に
    やってくる、いや、ずっとやっているでしょうね。

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  2. たかゆき より

    日本国に 主権など ございません

    「自分達のツケを日本に回すな」 と
    米国債の引き受けを 拒否なさった
    当時財務相の
    中川昭一氏は どうなりました ??

    例の 酩酊会見を仕組まれましたね。。

    件の 酩酊会見のおり
    中川昭一氏のとなりで にやけていた
    財務官僚 

    以下 引用

    中川昭一の酩酊会見は財務省の策謀
     三橋貴明は、中川昭一の酩酊会見は、中川昭一が、財務大臣として財務官僚と戦っていたことから、官僚に嵌められたと指摘しています。
    「故・中川昭一財務大臣みたいに、明らかに陥れられたケースもありますよね。中川氏は麻生内閣の財務大臣として、もう無茶苦茶に財務省と喧嘩していた。結果、両脇に財務官僚がいる状態で、あの酩酊会見です。普通、大臣が会見に出られないような状況であれば、官僚が止めると思うのですが、あのときはそれがなかった。」
    「中川財務大臣は、とにかく財務省と激しく対立していたんです。あの酩酊会見は、明らかに財務省の策謀ですよ。何しろ、横に財務官僚が2人いたわけですから、普通は止めるでしょう。しかもその2人のうち1人はIMF(国際通貨基金)の副専務理事に出世しています。」

    引用終わり

    ですよ ね ♪

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      1. nomadest より

        そういえば確かに、、この件では、正義感に火がつか思いですね。しかし小生は、その昔、オームのメンバーがテレビの放映中に刺された事件に、非常な怒りを覚え、警察に何やってんだ、と怠慢だ、と、電話で怒鳴った覚えがあります。電話切ったらすぐにビーっと追跡の電話がなり、カットなり、国家権力の警察を怒鳴りつけた後の不気味な思いをしましたので、以来、慎重にことの真偽は確かめないといけない、と思うようになりました。権力に逆らうようなことを平気でした未熟な空若い頃の思い出が蘇りました。

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  3. 大和魂 より

    我が国については、私的の見解とすれば、公職に就く者が保身を犠牲にしてでも国家に抗う者の存在が乏しいからこそ、国家に光が差し込まないわけです。それは、ある意味明治期の伊藤博文までは、国家に殉じた気概が存在してましたが、その後が乏しい結果しかなく歴史が証明している通りお粗末極まりない状況でした。なので、なんだかんだあっても結局は保身との決別かと思いますよ。

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