From saya@歌手/チャンネル桜キャスター
最近唱歌のアルバムを出しました。
そんな事もあってたまには音楽の話を書いてみたいと思います。
2011年の夏に『日本の心をうたう〜螢の光』を発表してから
実に8年ぶりの唱歌アルバム 第二弾が今回の【日本の心をうたうvol.2】です。
三橋TVさんのオープニングに採用して頂いた「魅惑のセレナーデ」を含む
オリジナル集『Miracle』を今年3月に発売、
その直後に唱歌集の制作に取りかかったのは、
昨年末から既に沢山のリクエストを頂いていたから。
チャンネル桜の「フロントジャパン桜」のCMで
「みかんの花咲く丘」や「朧月夜」のライブバージョンが流れると、
厳しい現状を伝えるニュースが多い番組の中で、
唱歌にひと時の安らぎを感じて下さる方が多かったのだと思います。
今回制作している中でも、ライブツアーで皆さまに聴いて頂いている時にも
唱歌を通して自分自身も色々な感情が湧き起こってきました。
いわゆるイデオロギー的な、ステレオタイプな感じで「日本語の美しさが〜」とか
そんな説教くさいことを言うつもりは毛頭ないのですが、
やっぱり【日本語って美しい】ってすごく感じたんです。
元々ものすごく不謹慎な人間なので、「ふるさと」は〝兎美味しい〟だし、
「七つの子」は〝かーらーす、なぜ鳴くの?からすの勝手でしょ〟だし、
「赤い靴」はいてた女の子は 〝人参さんに連れられて行っちゃった〟し、
「浜千鳥」は〝ハマチ(魚)鳥〟だと思って喜んでいる小学生みたいな人間です。
そんな私でも【紅葉】の詞に言いようもない感動を覚えました。
「紅葉(もみじ)」
詞:高野辰之作詞 曲:岡野貞一
秋の夕日に照る山紅葉(やまもみじ)、
濃(こ)いも薄いも数ある中に、
松をいろどる楓(かえで)や蔦(つた)は、
山のふもとの裾模様(すそもよう)。
渓(たに)の流(ながれ)に散り浮く紅葉、
波にゆられて離れて寄って、
赤や黄色の色様々に、
水の上にも織る錦。
ウィキペディアより
1911年(明治44年)『尋常小学唱歌(二)』にて発表された。
作詞者の高野辰之は、碓氷峠にある信越本線熊ノ平駅(現在は廃線)から紅葉を眺め、
その美しさに惹かれてこの詞を作ったという。
お気づきの方も多いと思いますが、やはり七五調なんですね。
限られた音節のなかに余すところなく散りばめられた自然の表情。
一番では紅葉としての最盛期を迎え山を彩る紅葉、
そして二番では散ってもなお川面を彩る紅葉、
子供の頃 何も意識せずに歌っていましたが、
栄枯盛衰を身を以て知りつつある大人になって初めて
この歌詞の素晴らしさが身に染みてきます。
他に収録した「さくらさくら」「浜千鳥」「みかんの花咲く丘」「我は海の子」
などはもちろんの事、唱歌には 七・五・三の組み合わせで書かれた詞が大変多いです。
江戸以前の和歌の影響を残した歌詞と、
明治から導入された西洋のメロディ・リズムとの融合をどう果たすか
という作詞者・作曲者の挑戦、または苦悩が、唱歌をおもしろくしていると感じます。
七五調のこんな美しい詞も思わず『秋の夕日に 照るハゲおやじ』と
替え歌にしたくなるのは、
元来和歌の言葉遊びを嗜んでいた日本人の性なのかもしれませんね。
こういう和歌的な言葉のリズムを破って、
独自の世界観を作った作曲家の一人が山田耕筰さんだと思います。
「赤とんぼ」「からたちの花」は代表曲ですが、どちらも七五調ではありません。
おそらく詞が先にあって、それにメロディをつけたと思われますが、
「からたちの花」は三拍子と二拍子が交互に現れたり、声域が広かったり、
譜面には書けない「間」を表現しないと良い感じに聴こえなかったりと
子どもさんが歌うには大変難しい歌だと思います。
以前 評論家の佐藤健志先生が明治の文献に
「唱歌は校門を出でず」という言葉があるとおっしゃっていました。
まさに上記のような事に原因があるのかもしれません。
庶民レベルでは江戸の文化が色濃く残る明治初期、
新しい西洋式の音楽を学んだ作曲家が書いたメロディで紡がれた唱歌は
学校で習う学問の一つであって、
まだまだ日常に口ずさむ生活に根ざした唄ではなかったのでしょうね。
今 ユーチューブで唱歌を検索すると、唱歌の多くが合唱か
クラシックの声楽家が歌っているものが多く、
いわゆる普通のポップス系の歌手によって歌われているものが
極端に少ない事に気づきます。
明治の初期のように 唱歌はある種 専門的な領域の
手の届きにくい歌に先祖帰りしているような気がします。
普段話している声に近い声で唄われる唱歌があったらいいな、
身近に、お母さんがお子さんに歌って聴かせるような、
またはお子さん自身が歌っているような そんな自然な日本の唄が
あったらいいな、、との想いも込めて今回のアルバムを作りました。
外来の音楽に自国の言葉を落とし込んでいかなくてはならなかった「日本の唄」を
香港の一国二制度のように悲しい文化的占領の歴史と捉えるか。
はたまた 大きな制約の中で先人が試行錯誤を重ね
生み出してきた作品こそが「日本の唄」なのだと誇りに思うか。
皆様はいかがでしょう?
是非 聴いて 感じて 考えてみてもらえたら嬉しいです^ ^
あ、考えなくてもいいので(笑)聴いて下さいね!
saya【日本の心をうたうvol.2】ご購入はこちら↓
http://www.1002.co.jp/aquarellerecords/saya/
☆ライブのご案内☆
◆11月 15日(金)
『SAYA SHINKA !! Live at SHINKA HALL』
SO nomama・素のままの声を聴く音楽会
SHINKA HALL Presents ~ SAYA SHINKA !!Live at SHINKA HALL ~
プレイヤー:saya(vo)/塩入俊哉(pf)/MC:長谷川順持
昨年秋、大好評を博した全曲、生声による、ピアノアンサンブルライブです。
今回は更に進化したホール空間と【Saya世界】がオーディエンスを包みます。
会場となるSHINKA HALLは東京中央区新川にオープンした マイクを使わない生声と楽器の調べがほどよく響き合うアコースティックサウンドが定評のホールです。
この機会に是非!
at: SHINKA HALL/中央区新川2-19-8 B1F
日比谷線及びJR京葉線 八丁堀駅 徒歩数分 ビジネスホテルドーミイン八丁堀の正面
開場:18:30/開演:19:30
料金:¥4,000/ウェルカムドリンク、終了後のプレイヤーとのプチ懇親会 含む
参加概要
○ 参加人数:自由席/限定50名まで。 ※着席形式にて完全予約制とさせていただきます。
○ 参加のお申込み方法 :【SAYA SHINKA 参加希望】を明記し参加者・全員の氏名を記入願います。
○ 11月8日を締切りとさせていただきます。
○ 申込メールアドレス :interactive-concept@co.email.ne.jp
※予約制に付き、お申込みいただきながら連絡なき欠席の場合は後日全額お支払いいただくことになりますので、キャンセル は11月8日までにお願いします。
主催:SHINKA HAL L
後援・企画サポート:Hasegawa Design
お問合メール interactive-concept@co.email.ne.jp
Hasegawa Design/SHINKA HALL イベント宛
【saya】一国二制度の唱歌への2件のコメント
2019年10月22日 6:25 PM
一国二制度の問題は単に香港だけの問題でなく、厳密には国際的にも、ある意味あらゆる国家とも、そのような体制を堅持しておりますよ。その存在こそ考えない有権者を平気で印象操作をさせて世論による国家を落とし込む残念なマスメディア。ならば、マスメディアにて生計を立てる者は、人々の営みを軽んじるからこそ、そこには中身や重みがなく間違いなく信用に値しない人物だと明言出来るわけです。つまり一国二制度を司るマスメディアとは、いい加減な存在でしかないわけです。
コメントに返信する
メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です
2019年10月24日 1:10 PM
あ~る~日
盛りの無髪~
困ちゃんに、
出会ぁっ~~た
弁ちゃんと出会ってもう10年近くになるんかな。
フサフサな盛りっ娘が、困っちゃんヌコと出会ってから。。。
コメントに返信する
メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です
コメントを残す
メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です