From 三橋貴明
【近況】
国家の「下部構造」といえば、
インフラストラクチャー
(交通インフラ、防災インフラなど)
でございますが、インフラとは
「形のある」国家の下部構造でございます。
それでは、「形のない」国家の
下部構造が何かといえば、
それは「建国神話」であり
「伝統」「歴史」だと思うのです。
「皇統論」のコンテンツ
(「月刊三橋」からリリース予定)
を作成して、一番驚いたのは、
実は「戦後の自虐的歴史家」
たちの間では、神武天皇は
存在しないことになっている
という点です。
厳密には、神武天皇から開化天皇までが
「空想の天皇」にされてしまっている
のです。
例えば、東京大学の歴史学者である
山本博文は、17年4月に刊行した
「天皇125代と日本の歴史」
(光文社新書)において、
いきなり冒頭で、
「初代・神武天皇から九代・開化天皇
までは、まったく神話の世界の話で、
実在を信じる説はない」
と、開化天皇までを
全否定しています。
しかも、「実在を信じる話はない」
と断定する割に、なぜ実在しないのか、
説明は一切ありません。
ちなみに、自虐的歴史学者たちが
初期の天皇の「存在」を否定する
理由は、日本書紀の記述によると、
各天皇が異様に長命だったためです。
例えば、神武天皇は127歳、
孝安天皇は137歳、
孝霊天皇は128歳で
亡くなっています。
というわけで、
自虐的歴史学者は、
開化天皇前の歴代天皇について、
「皇統を長く見せかけるために
捏造された天皇である」
と、断定するわけです。
とはいえ、本当に皇統を
長く見せるために捏造するならば、
各天皇の寿命をリアリティがある
数字にし、天皇の数を
増やしたはずです。
また、自虐歴史学者たちですら
存在を認めている仁徳天皇の寿命は
143歳でございます。
なぜ、開化天皇以前の天皇は、
「寿命が異様に長すぎる」
と、存在を否定し、143歳まで
生きたことになっている
仁徳天皇は、存在を認めるのでしょう。
(初期天皇の寿命が異様に長いのは、
当時の大和の子国が「春秋年」を
採用していたためと考えています)
あるいは、地形学の発展により、
遅くても紀元前50年頃までに
東征し、大阪「湾」に「潮流」の
勢いで攻め込んだ人物がいた
ことも証明されています。
その人物が神倭伊波礼比古命と
呼ばれていたか、
それは分かりませんが、
少なくとも神武東征の
大阪「湾」における戦いが
実際にあったことを、
地形学が証明しているのです。
何というか、
戦後の自虐的歴史学者たちは、
財政破綻論者にそっくり
でございます。
基本的には日本否定であり、
結論は変わらず、持論が打破される
決定的な証拠はスルー(無視)する。
この手の「嘘つき」たちに
日本国の歴史は壊され、
神武天皇や東征はもちろん、
建国神話も否定され、
国家の「形のない」下部構造が
壊されていっている。
アーノルド・トィンビーの
「神話を忘れた民族は百年以内に滅びる」
を現実にしないためにも、
今後は「歴史系」のコンテンツにも
力を入れていきたいと考えています。
◆三橋経済塾第七期第五回講義が配信されました。
http://members7.mitsuhashi-
ゲスト講師は青木泰樹先生(京都大学レジリエンス実践ユニット・
インターネット受講の皆さま、お待たせいたしました。
◆週刊実話 連載「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 第272回「忌まわしき税金」
なお、週刊実話の連載は、以下で(二週遅れで)
http://wjn.jp/article/
◆メルマガ 週刊三橋貴明 Vol470 与件としての労働分配率
http://www.mag2.com/m/
知れば知るほど、信用できなくなる学問。それが経済学です。
◆メディア出演
5月30日(水) チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/
5月26日(土) チャンネル桜「日本よ、今…「闘論!倒論!討論!」 」に出演しました。
http://www.ch-sakura.jp/
◆三橋経済塾
5月19日(土) 三橋経済塾第七期、第五回対面講義を開催しました。
http://members7.mitsuhashi-
ゲスト講師は青木泰樹先生(京都大学レジリエンス実践ユニット・
インターネット受講の皆さま、お待たせいたしました。
◆チャンネルAJER 今週の更新はありません。
【三橋貴明】自虐的歴史学者への5件のコメント
2018年5月27日 12:16 PM
第9代開化天皇までは神話の世界、との記述はまだまだ穏当なほうです。津田左右吉は、第14代仲哀天皇までは架空だろうと『日本書紀及び古事記の研究』に書き、昭和15年に発禁処分、出版法違反で裁判にまでかけられています。
大事なのは『研究』が大正末の上梓であり、出版当時は何の騒ぎも起きなかったということ。つまり津田の言っているのが当たり前だと思われていたということです。これは大正末期に限らず『古事記伝』の宣長の頃からの常識で、それが常識でなくなったのは、宣長の国学思想が俄かに注目をあつめ、津田の発禁・裁判騒ぎが起こる昭和10年代に入ってからです。
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2018年5月27日 7:10 PM
動画 【大人が知るべき(日本の)歴史:奴隷文化のない日本】第0次グローバリズム
書籍 日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム
にも歴史系コンテンツが含まれていましたが、結構面白かったので、
「今後は歴史系コンテンツにも力を入れていきたい」
というコメントは私にとっては朗報です。
日本の過去500年の歴史は、各為政者達が「いかに、グローバリズムから国民を守るのか?」について苦心惨憺、試行錯誤を続けた積み重ねなのである。三橋さんのこういった歴史の見方がとても面白かったです。
以下、「日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム」の一部紹介など
>>ポルトガル人宣教師ルイス・フロイスの書き残した資料によると、1587年7月24日にイエズス会副管区長ガスパール・コエリョに対し、豊臣秀吉は奴隷として海外に売り飛ばされた日本人の返還を求める手紙を送っている。
当時、九州ではキリシタン大名によって奴隷売買が行われており、日本で「仕入れ」をしたヨーロッパ商人たちの手でマカオ、マニラ、ゴアなどのアジア地域に日本人が売られていった。(16世紀後半には日本人奴隷はポルトガル本国や南米アルゼンチンにまで送られるようになっていた)
それを知った秀吉(=国家権力)が激怒して手紙を送ったのは当然のことだと言える。
それで、奴隷売買がおさまればよかったのだが、
1603年、ポルトガル人奴隷貿易商はポルトガル国王フェリペ2世に対し、日本人奴隷貿易禁止令によって「経済的被害」がでており、禁止令を廃止(=規制緩和)するよう抗議文を出している。
…あきらめるつもりは全くないらしい。
当たり前だが、ポルトガル人奴隷商にとっては「自由」に「貿易」できたほうが自分のビジネス(=自己利益の最大化)にとって良い事なのだから、そういった要求をするのは当然でしょう。
グローバリズム、あるいはビジネスの「自由」に全てをゆだねる事の危険性は分かっていただける事と思う。
グローバリズムによって国民が「自由」に売買されていくのを「規制」するには国家権力である秀吉の力が必要不可欠であった。>>
結構重要な歴史的イベントだと思いますが、なぜ日本国民はこういった事をすぐに忘れてしまうのでしょうか。
当時、イケイケだったヨーロッパ商人(&宣教師)相手に、秀吉けっこう頑張ったと思うのですが、なぜこういった善行部分だけすっぽ抜けてしまっているのか…
そんな事だから盲目的に「自由貿易は善なのです」などと政治家が口にするようになってしまったのではないでしょうか。
若い頃、歴史の勉強には熱心ではない方でしたが、今更ですが”きちんとした”歴史を学べるのなら是非とも学んでおきたいです。
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2018年6月2日 6:21 AM
歴史学者って左翼が多いですからね
日本の神話否定もそうですが、聖徳太子も居なかったとか教科書に載りそうでしたし、慰安婦や南京大虐殺もそうですし
歴史学者はとにかく日本の歴史や文化を否定的に見たがるし
ガラパゴスだとか言いたがるんですよね。個人的にガラパゴス上等だと思いますが。
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