From 三橋貴明@ブログ
トランプ大統領がイラン核合意離脱を
表明するなど、事態が切迫化
していっています。
トランプ大統領は、要するに
イランとの核合意が「ぬるい!」
という理屈で、合意から
離脱することを決定したのです。
こうなると、米朝首脳会談が
行われたとして、アメリカ側が
北朝鮮に対しリビア方式の
核放棄を要求する可能性が濃厚です。
といいますか、ボルトン大統領補佐官は、
そう表明しています
(リビア方式の核放棄は、もともと
ボルトン補佐官の持論でした)。
北朝鮮側はリビア方式の
核放棄は飲めないでしょう。
となると、そもそも米朝首脳会談を
やる必要があるのか、という方向に
事態が動いていく可能性もあります。
当たり前ですが、
首脳会談の前の時点で、
事務方において両国間の
合意事項は決定されています。
というわけで、ポンペオ国務長官が
北朝鮮に向かっているわけです。
トランプ大統領は、
本日午前3時(日本時間)に、
「ポンペオ氏はいまちょうど
北朝鮮に向かっているところだ。
北朝鮮と合意ができるよう望んでいる」
と、ホワイトハウスで語りました。
さて、事態が切迫化しているといえば、
6月の骨太の方針2018の閣議決定。
こちらも、様々な報道が出始めています。
憶測なのかトバシなのか、
アドバルーンなのか、真実なのか、
わかりません。
少なくとも、「財政」あるいは
「財政の目標」をめぐり、様々な
「政治的衝突」が起きているのは
間違いないでしょう。
『財政健全化、21年度に中間目標
GDP比の赤字縮小
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3021159008052018EA2000/
内閣府や財務省は2025年度までの
財政健全化計画で、21年度に
中間目標を設ける方針だ。
社会保障費の伸びを抑える
目安を設けるほか、政策経費のうち
借金で賄う額を国内総生産
(GDP)比で一定の比率に
抑えることなどを目指す。
今後3年間の予算編成での
財政規律につなげる。
過去の中間目標は未達で、
達成には実効性のある
歳出抑制策が欠かせない。(後略)』
日経の記事によると、
PB黒字化目標の達成時期を
2025年まで五年間伸ばし、
「健全化の取り組みの進捗を
管理する枠組みをつくる」
(茂木敏充経済財政・再生相)
と、新たな中間目標を作る。
中間目標とは、例えば、
PB赤字対GDP比の
数値目標を設定する。
あるいは、昨日取り上げた
財政赤字対GDP比3%の
目標を定めるなどになります。
要するに、日経や昨日の
読売の記事が正しかった場合、
「毎年の予算の額に
問答無用の「枠」をはめる」
という発想は変わらない
ということになります。
せめて「投資系」の支出、
予算だけでも、PBや
財政赤字対GDP比率の
目標から外さなければなりません。
さもなければ、わが国は
インフラ整備、国土防衛、
教育、科学技術投資といった、
「将来の非常事態に備える、
あるいは将来の生産性向上を目指す投資」
の予算すら、確実に削減される
ことになってしまいます。
理由は、高齢化により
社会保障支出は増えざるを
得ないためです。
もちろん、社会保障支出の
増大自体を問題視している
わけではありません。
社会保障という「需要」が
拡大する。
大いに結構じゃないですか。
政府が拡大する社会保障の
需要に対し、適切に支出をする、
供給者側は、人手不足の中で
いかに社会保障の需要を満たすのか、
生産性向上のための
努力をする。
これが、王道です。
同時に、インフラ整備や
防衛、教育、科学技術といった
「未来への投資」分野にも
政府が支出を増やす。
すべての分野において、
確実に人手不足が深刻化するため、
「さあ、どうする?」
と、現場の経営者や
生産者が知恵を絞り、
生産性向上のための投資をしていく。
政府が長期的に
「未来への投資」分野に
予算を支出していくことが
コミットメントすれば、
民間は放っておいても
生産性向上のための投資を始めます。
なぜならば、
そうすれば儲かるためです。
ところが、安倍政権は
橋本政権以降の日本政府の
ほとんどと同様に、
「経済成長はしない。
予算枠は限られている」
という前提に立ち、
「社会保障が高齢化で増えるならば、
社会保障支出を可能な限り抑制し、
未来への投資を含めた他の
予算を削減しなければならない」
という発想で、骨太の方針を
閣議決定しようとしています。
しかも、日本銀行が国債を
買い取っているため、
財政問題など存在しない
我が国において。
このままでは、日本は
「財政健全化」という
悪魔の言葉によって
亡国に至るでしょう。
具体的には、
中国の属国と化します。
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