日本経済

2017年9月6日

【三橋貴明】国を家計に例えるのはやめよう

From 三橋貴明@ブログ

明日は、6時から文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
http://www.joqr.co.jp/tera/

北朝鮮の核実験を受け、昨日、韓国軍が北朝鮮北東部の
豊渓里核実験場への攻撃を想定したミサイル発射訓練を行いました。

つまりは、「敵基地反撃能力」ですが、
韓国の場合は何しろソウルに北朝鮮軍の砲弾が届きます。

アメリカ軍の攻撃が始まると、
北朝鮮がソウルに砲弾を降らすのは間違いありません。

もちろん、米韓軍は国境付近の北朝鮮軍を
早期に殲滅するオプションは持っていますが、
ソウルの被害が「ゼロ」というわけにはいかないでしょう。

日本の場合は、軍事オプションを持つことで、
「国民を守る」ことはできます。

さらに、日本が軍事力を強化し、
アジアの軍事バランスが回復すれば、
むしろ戦争は回避できるでしょう。

平和!平和!と叫んでいれば、
戦争を避けられるわけではありません。

戦争回避のためには、軍事バランスの維持に
努力するしかないのですが、日本はそのための
努力を怠ってきた結果、今のアジアの緊張があるのです。

もっとも、日本が軍事力を強化しようとしても、
冗談でも何でもなく「プライマリーバランス黒字化目標」
が立ちふさがることになるでしょう。

「防衛費を増強するならば、他の予算を削るか、増税せよ」

というわけで、結局は日本のデフレと小国化は止まりません。

しかも、安倍政権は支持率が不安定化しているため、
マスコミから総攻撃を受けること間違いなしの
PB黒字化目標には踏み切れないでしょう。

財務省やマスコミの妨害を排除するためには、
国民が「財政」や「政府の負債(国の借金でも日本の借金でもありません)」
について、正しい知識を持つ必要があります。

家計簿や小遣い帳の感覚で財政を語る限り、
我が国は亡国を免れません。

『国を家計に例えるのはやめよう
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO20461110Y7A820C1EN2000/

比喩ばやりである。
先日、NHKのインパール作戦についての番組を見て
自分の職場や日本社会の理不尽さに思いをはせた人は多いだろう。(中略)
比喩は所詮比喩で、論理の代わりにはならない。
それら比喩の中で頻用され、実害が大きいのが
国の借金を家計に例えるものだ。
財務省のホームページの「日本の財政を考える」には
「日本の財政を家計に例えると、借金はいくら?」という項目がある。
平成27年度予算を基に、日本は月収50万円の家計が
80万円の支出をし、不足分30万円を借金で賄う結果、
ローン残高が8400万円に達している、といった次第だ。
端的に言ってこの比喩は間違いだ。国と家計は異なる。
家計は徴税できないが国はできる。
通貨発行権という形の徴税権もある。
財務省は借金を減らそうと増税を好むから、この間違いは議論を混乱させる。
そして比喩としても出来が悪い。
正確を期するならば、この家計には7000万円の資産があることも言うべきだ。
また家計の収入を国に例えるならば、税収ではなくて国内総生産になるはずだ。
人は類推を好むから、財務省は比喩を使うことで財政問題に
国民の関心を喚起したいと考えているのかもしれない。
しかし、誤りは誤りである。
むしろ誤った比喩に頼ると、誤った処方箋に至る危険性がある。
ここで提案したい。
国の財政を家計に例えるのはもうやめてはどうか。
日本の財政状況がどれくらい厳しいのか、
どのように財政再建を進めるべきかについては様々な議論がある。
しかし、国の財政を家計に例えるのは紛れもない間違いである。
政府が間違ったことを公にしているのは問題があるだろう。』

藤井先生が「あの日経が」とFacebookに書いていましたが、
わたくしも「あの日経が!」と思いましたとも。

中央政府には徴税権があり、通貨発行権がある。
家計にはありません。

また、「この家計には7000万円の資産があることも言うべきだ」というのも、
その通りとしか言いようがありません。

日本国家全体では、資産総額は7000兆円を超えます。

【2016年末時点 日本国家のバランスシート(億円)】

http://mtdata.jp/data_56.html#BS16

もちろん、負債も7000兆円をこします。

おカネが貸し借りで増える以上、当たり前です。

おカネとは「債務と債権の記録」なのでございます。

さらに、国家を家計に例える以上、所得の合計は税収ではなく
「GDP(国内総生産)」になるというのも正しいです。

どうしちゃったんだ、日経??? という感じですが、
この手のまともな論調を載せつつ、
裏面で伊藤元重に代表される財務省の御用学者に、
緊縮財政推進論を書かせるのが日経新聞です。

というか、日本のマスコミです。

ともあれ、日経の大機小機が書いた通り、
国の財政を家計に例えるのは、紛れもない間違いです。

日本に財政問題など、ありません。

あるのは「情報の間違いにより、国家が亡国に向かっている」という現実なのです。

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【三橋貴明】国を家計に例えるのはやめようへの2件のコメント

  1. Komiyet より

    私の想像力が及ぶ範囲の話ですが・・・

    NHKの逆をやれば労働者階級が豊になり、国が栄えると思っています。

    北朝鮮の味方になり、北朝鮮を認める。その条件として、拉致した日本人を全員日本に帰す。そして日本に謝る。

    NHKに従って、よかったことなど一度もないでしょう?

    テレビ新聞の逆が日本を豊にするってことを、テレビを見ていない人は気が付く。亡国のためのメディアがNHKですから。

    自分で作った暇と欠乏感をテレビ新聞で埋めるのをやめなさい。

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  2. robin より

    財務省官僚は本場経済学を学ぶために米国で経済学の理論をたらふく仕込んでくるのかな、ただ社会や文化と切り離した経済、その国の国土や地政から切り離した経済になんの意味があるのか、終いには机上の経済学が進歩して数学になってノーベル賞で箔を付けたがる始末、理論家は議論において勝敗優劣を決める目的で自己利益に都合よく話を進めるのに慣れてるのか、理論の前提である所与の条件は隠そうとする。

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