日本経済

2017年9月7日

【島倉原】積極財政のアピールを!!

From 島倉原(しまくら はじめ)@評論家(クレディセゾン主任研究員)

9月2日放映のチャンネル桜の討論番組
「闘論!倒論!討論!」に出演しました。
「安倍内閣の経済政策は本当に大丈夫か?」
が今回のお題です。

↓番組動画(ユーチューブ)はこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=JPOJ5kAZICM

私自身は開始40分後くらいから、
景気循環論を踏まえた北朝鮮情勢の展望、
そして金融緩和主体のアベノミクスの下で
停滞する日本経済について述べています。
後者のため、以下の図表を用意しました。
(当日使わなかったものも一部あります)

【図表1:日本のマクロ経済指標の推移(1980~2016年)】

【図表2:政府部門による、GDP統計上の他部門所得へのインパクト(年度、兆円)】

【図表3:アベノミクス前後の実質GDP(季節調整値)推移(2012年第4四半期=100)】

【図表4:日本の製造業生産能力と実質賃金の推移(1997/3=100)】

【図表5:日本の延べ就業時間と労働生産性の推移(2012年=100)】

日本経済の停滞は金融緩和の不足ではなく、
長期にわたる緊縮財政こそが真の原因。
にもかかわらず、第二次安倍政権は
「金融緩和によるデフレ脱却」を掲げ、
財政政策は消費税増税でむしろ緊縮。
結果として消費を中心に内需が低迷し、
国内での企業活動意欲は引き続き低下。
失業率低下もアベノミクス効果ではなく、
団塊世代退職を反映した単なる人手不足。
以上が今回の図表から読み取れる現実です。

にもかかわらず、いわゆるリフレ派の
高橋洋一氏と田中秀臣氏。
「金融政策の方が財政政策よりも有効」
と相も変わらずまくし立ててきました。
高橋氏のツイートを読む限り、その根拠は
未だにマンデルフレミングモデルの模様。
もちろん「某経済評論家」はこの私です。

けれども、こちらで論証しているように、
同モデルを日本経済に当てはめるのが
そもそもナンセンス。
この程度でノーベル賞がもらえるとしたら、
それこそマンデル先生に失礼でしょう。
http://asread.info/archives/820
http://asread.info/archives/845
http://asread.info/archives/954

あるいは、「失業率低下の原因は人手不足」
という議論をしているにもかかわらず、
「自分達の教え子ですら就職率100%」
と意味不明のアピールをしてきたり、
「延べ就業時間」という量的指標による
問題提起をしているにもかかわらず
「質的指標よりも量的指標で見るべき」
とこれまた支離滅裂な反論をしてきたり。
どうにも議論がかみ合わない3時間でした。

今回、その場での反論が不十分だったのは、
こちらとしても大いに反省すべきところ。
かといって、このまま黙っているわけにも
まいりません。

という訳で、少しでも真実が広まるよう、
今回ご紹介した各種図表のリツイートに
ご協力いただければ幸いです。
フェイスブックをお使いの方は、
こちらをシェアいただければ幸いです。
https://www.facebook.com/shimakurahajime

また、メールマガジンでお読みの方は、
本稿が掲載されるこちらのサイトの拡散も
宜しくお願いします。
https://38news.jp/author/shimakura

〈島倉原からのお知らせ〉
1930年代の大恐慌から現代に至るまで、
財政政策こそが有効な政策であることを、
様々なデータと共に論じています。
↓『積極財政宣言:なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか』
http://amzn.to/1HF6UyO

メルマガ『島倉原の経済分析室』では、
経済や金融のタイムリーな話題について、
独自の観点から分析しています。
以下は直近記事のご紹介です。

8月29日の北朝鮮のミサイル発射以降の
日米株式市場の動きについて、
北朝鮮情勢の先行きと共に考察しています。
↓「日米株式市場に見る北朝鮮情勢」
http://foomii.com/00092/2017090300145540973

ITバブルの途上にある今注目される、
大手とは一味違う分野で高成長を続ける、
とあるアメリカのIT企業の話題です。
↓「高成長を続けるアメリカの中小型IT企業」
http://foomii.com/00092/2017082700000040825

↓その他、バックナンバーはこちらをご覧下さい。
http://foomii.com/00092/articles

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【島倉原】積極財政のアピールを!!への9件のコメント

  1. ホワホ より

    逆に、ノーベル経済学賞なんて「そもそもその程度」
    なんじゃないでしょうか?

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  2. 神奈川県skatou より

    友人の天文学者に聞かれました。
    なぜ経済学はいつも論争しているのかと。

    それは条件統制した実験により実証することが困難だからと答えました。

    経済学という学会がどういう状態にあるのか分からないのですが、もしも学者というものが過去に学生として学んだときの学説から脱却しずらい事実があるとすれば、あるいは過去の発言と現在の矛盾に強弁で誤魔化すものだとしたら、
    経済学が現実に即して修正しているという仮定において、経済学者の世代交代が喫緊の課題かもしれない、そう思いました。

    チャンネル桜には、「若手○○による討論」という企画をやってもらいたいものです。

    でなければ、学問として、計算機シュミレーションによる理論の動作確認をしては如何かと。(人間の言語による空想力は意外と静的なものでしょう)

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  3. 赤城 より

    いやあ経済学者って本当に愚かなんですね。
    この程度の現実直視すらまったく出来ない人たちとは。
    日本人の弱点には本質の直視、不都合な現実の直視ができないという性質があるように思われます。
    だからこそ科学的な観点さえ真実現実が不都合ならまったく直視できず、科学とはいえない虚構の学問学派学会が多く存在しているのでしょう。自分たちに都合がよければ現実を無視して論を作っていくというような頭の中お花畑の人間が量産されていくのがこの属国日本の現実です。

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  4. あまき より

    学問訓練を受けたとの自負が強すぎるのか、自身の主張をいつでも定義化できるよう誠実に腐心するあまり記号の羅列に堕してしまう人がたまにいる。臨床医にも教師にも上司にも不向きなのではないかと思う。なにも語っていないのと同じだからだ。

    島倉さんがこのタイプでないと番組で確認できるのはまことに喜ばしい。あれは客観事実に極力即して現状を説明しようと努めている人と、とにかく相手を打ち負かして自己の優位を保ちたい人たちとのやり取りだ。

    口下手(失礼)を惜しむ声をたまに見かける。期待が小さくないことを窺わせて心強いが、物事を深く縦横に思索している人というのはそのようなものだろう。島倉さんの5つの指摘は次の首相に愚かな二番煎じを演じさせないためにも極めて重要と心得るので、ぜひ継続した出演を希望する。

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      1. 清春 より

        自己愛が強い人の特徴として、否定に弱い、人の話を聞かない、万能感、業績の誇張(自慢話)などがあるそうです。

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  5. robin より

    確か最後の方で金融政策への過剰な偏重が財出をしない理由に使われている、みたいな事を仰っていてその通りだな、と思いました。20年続いてるデフレの理由の一つでは。株主資本主義のための金融理論ばかり過剰に生産されているのだろうか、理論ばかり詰め込んでいると現実が見えなくなるのか、理論を現実に当て嵌めようと手段と目的が逆転するのか。高橋さんワードとして「簡単→(でもやらない)」とか「ロジカル→(前提は教えない)」、他に今すぐに確認出来ないような話で相手の話を遮る、おそらく事実を言っているのだろうが木を見せ森を見せずで都合よく使っているのだろうか、その場さえ凌いで盤外で言い訳するつもりなのか。金融緩和は既に十分だがそのまま継続する、その上で金融経済から実体経済へお金が回るように財政出動する、と主張してるのに上記ご両人は「金融政策の方が財政政策よりも有効」とか金融緩和の軽視(してない)が気に入らないらしく首を傾げる、株価上昇と雇用回復は共に比例関係?にあるだろうが、少子高齢化だって雇用回復の理由だろう。定性と定量はどちらも大事だろう、金融理論の前提には市場原理主義の価値観が織り込み済みなのかな?、定量的な客観的根拠を示すのは議論として大事だがそもそも何のための議論なのか、日本のため、経世済民のため、日本の未来と子孫のため、と何を守るのかみたいな価値観は定性的なものでは。私的利益以外の価値観が無いと無限にやらない言い訳理論が出来そうだ、政治家も最終的には「うるせえ!日本のために必要だからやるんだよ!」で決めるしかないのかな、もし失敗したら責任を取るのが政治家だし。

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  6. ざるそば より

    財政拡張には賛成なのですが、近年の雇用状況の変化を論じるにあたって、島倉さんは金融政策の役割を過小評価しているように感じました。以下、雇用状況の変化に関する私の意見を述べます。

    失業率(=(労働力人口-就業者数)/労働力人口)が低下した理由が生産年齢人口の減少だとしたら、労働力人口が減少しているはずですが、実際には労働力人口は2013年から増え始めています。この状況で、なぜ生産年齢人口の減少によって失業率が低下していると言えるのでしょうか。

    また、今回の討論の島倉さんの発言と本エントリーを読む限りでは、就業者数が2013年から増えている理由を説明できないように思います。民主党政権時代に企業は就業者数を減少させ、一人当たりの就業時間を延ばしていたのに、なぜ自民党政権に代わってから就業者数を増加させ、一人当たりの就業時間を短くするようになったのでしょうか。

    就業者数が増加している理由としては金融政策の転換によるところが大きいと考えます。

    内閣府が行っている「企業行動に関するアンケート調査」の中で、企業に今後の名目、実質成長率の見通しを次年度、今後3年間、今後5年間に分けて尋ねていますが、それによると、実質成長率の見通しは2013年4月の量的質的金融緩和の前後でほぼ同水準ですが、名目成長率の見通しが量的質的金融緩和の開始後に上昇しています。このような将来見通しの変化が就業者数を増加させているのではないでしょうか。

    なお、2015年から2016年にかけて名目成長率の見通しがやや低下したものの、民主党政権期よりは高い水準を保っているところを見るに、名目成長率の見通しは消費税率引き上げの影響も受けていると思いますが、金融政策の影響が大きいのではないかと思います。

    また、同アンケートの中で、過去3年間の雇用の増加率の平均値と、今後3年間の雇用の増加率の見通しの平均値を尋ねています。2013年1月の調査では、過去3年間が+0.5%、今後3年間が+1.0%であり、これらは2012年1月の調査のときとほぼ同じ数字です。よって、金融政策の転換などなくても就業者数が増加に転じていたのかもしれません。

    いずれにしても、今後3年間の雇用の増加率の見通しも量的質的金融緩和の導入後に上昇し、こちらは消費税率引き上げ後も上昇しています。金融政策の転換が雇用の見通し及び実際の雇用に影響していることは確かではないでしょうか。

    述べ就業時間が横ばいで推移している理由はよくわかりませんが、2002年から2007年にかけての景気拡大期にも横ばいで推移しているところを見るに、デフレからインフレに移行する局面で必ず上昇する指標ではないのかもしれませんし、すぐに上昇する指標ではないのかもしれません。

    安倍政権下の経済政策には不満もありますが、一応効果は出ているのではないでしょうか。

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