日本経済

2018年2月19日

【三橋貴明】民主主義国「日本」最悪の問題

From 三橋貴明

【今週のNewsピックアップ】
またもや「デフレ型」経済成長
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12352961645.html
金利ゼロ%台融資、6割超
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12353522750.html

我々は「生産者」として働き、
モノやサービスを「生産」し、
誰かがモノやサービスに対し
「支出」をすることで
「所得」が創出されます。

所得創出のプロセスにおいて、
生産、支出、所得の三つは必ず
イコールになります。

そして、所得創出プロセスの
「生産」の合計こそが
GDP(国内総生産)です。

というわけで、GDPには
「生産面」「支出面」「所得面」の三つがあり、
三つの面のGDPは総額が必ず一致します。

これを、GDP三面等価の原則と呼びます。

GDPが増えているということは、
その国の所得の総計が
増えていることを「も」意味します。

GDPが成長している国、
経済成長している国が
「豊かになっている」と考えて
構わないのは、GDPが所得の
総計であるためなのです。

ところで、GDPは「金額」で統計します。

つまりは、実際に生産されている
量が変わらなくても、物価が
上昇するだけで「名目」GDPは増えるのです。

もっとも、国民経済において
実質の生産の量を測定、統計
することは不可能です。

「モノ」の場合はともかく、
供給された「サービスの量」を
正確に測ることは、人類には
未来永劫、不可能でしょう。

というわけで、国民経済計算では
計測可能な名目GDPから、
これまた計測可能な
インフレ率(GDPデフレータ)の
影響を排除し、実質GDPを
「計算」して求めています。

無論、名目GDPという需要が拡大し、
インフレ率もプラスの
「普通の経済」の下では、
計算された実質GDP成長率を
「経済成長率」と定義し、
経済成長=国民が豊かになる、
と考えて構いません。

ところが、現在の日本はデフレです。

デフレの国では、

「名目GDPという需要が
縮小しているにも関わらず、
それ以上にインフレ率が
マイナスに落ち込み、実質GDPが
プラスに計算される」

というケースが普通にあり得るわけです。

すると、国民はデフレ経済の下で
苦しんでいるにも関わらず、
政府は「経済成長している!」と
発表することが可能になってしまいます。

実際、17年10-12月期の日本経済は、
名目GDPが▲0.0%、
GDPデフレータが▲0.1%
となった結果、実質GDPが+0.1%
で計算されてしまいました。

これを受け、新聞は
「8期連続プラス成長!」の見出しを掲げ、
閣僚(茂木敏充経済財政政策担当大臣)が、

「政府の施策と民間の活力が
8期連続のプラス成長につながった」
「民需の増加に支えられた成長となっている」

と、自画自賛かつ見当はずれなコメントを出す。

すると、国民は現状を肯定してしまい、
肝心のデフレ脱却が
いつまでたっても果たせない、
という事態に陥ってしまうわけです。

日本経済が本当に好調ならば、
銀行貸出の六割が金利0%台
などという状況にはなりません。

我が国は普通に、デフレであり、不況です。

ところが、経済指標の
「定義」「意味」「推移」「他の指標との関係」
等について理解していない場合、
政府発表「8期連続プラス成長」に
コロリと騙されてしまいます。

本来、本稿のような指摘は、
マスコミや野党がやらなければなりません。

ところが、我が国では反安倍色が強い
マスコミや野党すら、森友だ加計だと、
どうでもいいイシューばかりを延々と取り上げ、
肝心要の「経済政策の失敗」
については触れようともしません。

わが国に、健全な
「批判勢力」が存在しない。

これこそが、民主主義国であるはずの
日本が抱えている、
最悪の問題なのかも知れません。

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【三橋貴明】民主主義国「日本」最悪の問題への2件のコメント

  1. とすくん より

    いつもありがとうございます。実に解りやすい!まぁメディアというものは本当に信用出来ない、それに尽きますね。年配の知人でも朝日に洗脳された類いの人がいまして、今後の日本の展望の話になると「…これからの日本はアカンで…」という言葉が必ず口から出てきます。以前、先生が「日本は言霊の国」なんて書いてらっしゃいましたがまさしくその「現物」を見た思いです。…しかし理屈では今後の立ち振舞い(政治、世論)によっていくらでも状況が変わりうる立場でありながら、メディアの圧倒的洗脳力を見せつけられるにつけ、こちらも病気が移りそうな感覚になります。現実に、仕事環境は益々悪化していっているのを肌身で感じる昨今です。

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