政治

2017年7月23日

【三橋貴明】李下で冠を正した人

【近況】
安倍政権の支持率が急激に低下しました。

対面調査であるため、最も「固い」と考えられている
時事通信社の調査では、ついに30%を割り込みました。

支持率急落の最大の理由は、もちろん加計学園問題です。

加計学園の理事長である加計孝太郎氏は、
安倍総理の友人です。

さらに、国家戦略特区は、内閣総理大臣主導で
規制緩和を推進できる制度になります。

そう考えたとき、総理は加計学園の
獣医学部新設を認可するべきではありませんでした。
理由は、加計氏がまさに総理と入魂の仲であるためです。

李下に冠を正さず、の配慮が必要だったのです。

もちろん、法的には関係が深い加計氏に総理が「主導」し、
獣医学部新設を認めたところで、問題はありません。

とはいえ、デフレで貧困化している国民は、
総理の「依怙贔屓」を許さないという話です。

加計学園の獣医学部新設に、
総理の意向が働いたのか、働いていないのかは、
あまり重要ではありません。

働いていようがが、働いていまいが、
いずれにせよ合法なのです。

何しろ、国家戦略特区とは「内閣総理大臣」主導で
規制を緩和する制度なのです。

とはいえ、デフレでルサンチマンを貯めこんだ多くの国民は
「総理の依怙贔屓」あるいは「依怙贔屓に見える」事象について、
憎悪を振り向けるのです。

結果的に、法的には問題がないはずの
加計学園問題を切っ掛けに、支持率が急落。
安倍総理は、李下で冠を正してしまったわけでございます。

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◆週刊アサヒ芸能 連載 列島報告書 第126回「全体から一部へと細分化していくブレイクダウンの重要性」
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◆週刊実話 連載「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 第231回「科学技術小国化」
なお、週刊実話の連載は、以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/article/category/4/

◆有料メルマガ 週刊三橋貴明 Vol426 スパイスロードとグローバリズム(前編)
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
イギリスの金本位制採用から「前回」のグローバリズムが始まりました。が、実は「その前」のグローバリズムがポルトガルから始まったというお話です。

◆メディア出演

7月26日(水) 6時から文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
http://www.joqr.co.jp/tera/

7月28日(金) 7時からTOKYO MX「モーニングCROSS」に出演します。
http://s.mxtv.jp/morning_cross/

7月19日(水) チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演しました。
【Front Japan 桜】Democratic rebellion~日本における民衆の反乱 / 2017年後半を見る / 7.15「台湾正名」請願署名活動 in 浅草[桜H29/7/19] https://youtu.be/AoP2yZGThr0
http://www.nicovideo.jp/watch/1500443634

◆三橋経済塾
7月15日(土)三橋経済塾第六期第七回講義がアップされました。
http://members6.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=2054
ゲスト講師は鈴木宣弘先生(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)でございました。
インターネット受講の皆様、お待たせいたしました。

◆チャンネルAJER
『プライマリーバランス黒字化という毒針(前篇)①』三橋貴明 AJER2017.7.18
https://youtu.be/TrM8icaF7DU

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【三橋貴明】李下で冠を正した人への6件のコメント

  1. Komiyet より

    愚民は問題の根本から目をそむけ、テレビ新聞の撒いた餌に食いつく。

    問題の根本はあなたの無知です。

    愚民のために働く安倍さんは凄い人だと思います。

    愚民の情報源はテレビや新聞ですから、もう我が国は終わりです。

    愚民は嫉妬により自滅への道を自ら選ぶ。

    愚民の自滅という形で、私が生きているうちに日本は滅びる。

    大マスコミはそれをイノベーションを報道し、

    愚民はまた自らの過ちに気が付かない。

    そんな絶望的な未来しか想像できません。

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  2. 三橋先生の構造改革、規制改革の弊害論には賛同しているところですが、安倍総理の目指すものも、先生と同様財政出動による成長戦略と思考します。
    加計問題も、消費税凍結を懼れる財務省が自民石破一派、野党、マスコミを誑し込み、安倍政権潰しを謀ったことも考えられます。
    安倍総理は、これら緊縮財政派を抑え、デフレ脱却を目指して頑張っていると考えます。政治手法として、意にそぐわないこともやる必要があるかもしれません。加計問題のような印象操作で安倍降ろしを画策する勢力に、結果的に加担するような発言はお止めになった方がよろしいと思います。

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  3. たかゆき より

    総理は 嘘つき ♪

    嘘つきは 泥棒の始まり

    畑で李を 盗りほうだい。。
    泥棒は 所詮 泥棒
    しかも 一生モン

    唯一の救いは
    彼が 李下で冠を正すような
    アホということ なのだ ♪

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  4. 赤城 より

    この次の選挙はまた新しい第三勢力が票を集めそうですね。
    自民と民主とが泥仕合で同時に死に体になりどこにも投票したくない人が大半になる状況。
    そこで小池や橋下のような輩が新しく装った勢力で票を集めればさらなる混乱と破壊の坩堝が生まれそうです。
    彼らのやることはすべて緊縮財政デフレ化政策でありそこに破壊的なグローバル化政策が乗っかってくる。絶望ですね。
    とは言っても公約破りで緊縮財政と規制緩和グローバル化を急速に進めた安倍政権と結果的に変わらない亡国政策に終始するだけでしょう。安倍政権にほんのわずかな価値を見出すとすればそれは藤井先生が居られることだけですね。

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  5. あまき より

    北京支局再開のずっと以前から産経紙を購読する愚民にとって、印象操作の文字は胸に深く突き刺さる。産経が加計を特集したのは7月に入ってから。しかも前川氏を「クズ官僚」呼ばわりする元経産官僚某の談話掲載はこれより前(6月13日)。

    この件に関心ある者にとって、亡国左派紙の読者と比べどちらの読者が印象操作の桟敷に置かれていたことになるか、特別上等な教育を受けていない人でもおわかりになると思う。

    産経紙も巨躯の人も伝えなかったこと。

    農水省「犬猫飼育頭数、家畜飼養頭数は低下傾向」「飼養戸数も、飼養頭数以上に大きく減少」
    (15年1月9日特区ヒアリング)

    農水省「全国的に獣医師が不足している状況にない」
    (16年6月第3週『農業共済新聞』)

    時代に合わせた新たなニーズに対応する獣医学部新設が是非とも必要、との趣旨の安倍首相発言、加戸証言があったが、その新たなニーズとして取り上げられたライフサイエンス分野は、すでに「大阪府立大学・獣医学科」で研究教育実績がある。このことは4条件の1つに合致しなかったとの前川証言とも符合する。

    20年の獣医師確保目標。愛媛県は0人。

    安倍さんに抗して出て来る懐かしい自民党のあの方この人を見ていると、三橋さんではないが、どうして特区などという大衆の猛反発を受けやすい馬鹿な真似を政権の目玉にしたのか、と思う。しかし繰り返すが、つけ入る隙を与えたのは、特区を掲げた他ならぬ安倍さんなのだ。

    失礼ながら、愛媛2区選出で今治市ご出身の自民村上誠一郎氏の政策を私はほとんど受け入れられない。けれども、今治市は加計獣医学部建設予定地の無償譲渡に加え、96億円もの補助金を支出、これで養成する獣医の数は僅か100人余り、今治市に経済効果をもたらすとは考えられないとする村上氏の主張が、いま国家戦略特区のいかさま性と比べられてしまっている。軍配が村上氏に上がるのは明らかだ。

    安倍首相を熱く支持する人たちこそ、財政均衡主義傾向や緊縮指向、構造改革指向といった、対抗連中と程度の差でしかない共通項を猛烈に叩き、安倍政権に厳しい総括を求めておかないと、わざわざ対抗連中に浮かぶ瀬、立つ瀬をつくることになりはしないかということを、深刻に懸念する。

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  6. 反孫・フォード より

    >李下に冠を正さず、の配慮が必要だったのです。

     南部竹中との壬風琳参加(昵懇)は総理になってやめていたのに(あの時期は竹中批判は在ったのに昨今では丸っと無くなってしまいました。)、

    この問題には配慮する危険性は丸っと無かったのではあるのでしょうね。

     特区議長が総理である機関に説明なんぞ聞きたくありません。

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