日本経済

2018年1月29日

【三橋貴明】日本の生産性向上の試金石

From 三橋貴明

【今週のNewsピックアップ】
隊列走行の実験が始まる!
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レジロボ 対 Amazon Go
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12347523805.html

2018年1月23日、新東名高速道路で
ついに「隊列走行」の実験が始まりました。

長さ約12メートル、積載量25トンの
大型トラック3台を、隊列を組みつつ
時速75キロメートルで走行させる。

先頭のトラックには、運転手が乗り込み、
普通にトラックを走らせる。

二台目、三台目は一台目と電子的に接続され、
送られてくる情報に基づきブレーキやアクセルを踏む自動運転。

今回は「実験」なので、二台目、三台目にも
ドライバーが乗り込み、ハンドル操作は行いましたが、
2020年には二台目以降を「無人」と化し、
自動運転による隊列走行の実現を目指しています。

隊列走行は、以前は「省エネ」を目的に、
NEDO主体でテストコースで実験をしたことが
あったのですが、高速道路では初めてです。

三台のトラックを一人のドライバーが
隊列走行で運べるとなると、まさに生産性が
「三倍」ということになり、運送業界の
人手不足解消に大いに貢献することになるでしょう。

隊列走行の実験は他国でも行われていますが、
今回の日本の実験の特徴は
「異なるメーカーのトラック」によりテストが行われたことです。

メーカーが異なるトラックによる
隊列走行の行動実験は、
今回が世界で初めてとなります。

具体的には、日野自動車、いすゞ自動車、
三菱ふそうトラック・バス、UDトラックスという、
日本国内のトラックメーカー四社が共同開発した
「CACC(協調型車間距離維持支援システム)」
を利用しました。

このまま「異なるトラック」による隊列走行の実験、
改良が進み、実用化にこぎつけると、
CACCが世界のデファクトスタンダードを
採る可能性があります。

もっとも、CACCはアクセルやブレーキの制御を
自動化するのみで、ハンドル操作は入っていません。

今後、隊列走行の実験を続けると同時に、
CACCを進化させ、最終的にはハンドル操作も含めた
(二台目以降)完全自動の隊列走行の実現を目指すわけです。

さらに、隊列走行における
事故の責任をどうするのか、などなど、
交通規制上の問題も山盛りです。

三橋は、生産性向上に直結する規制緩和は、
安全性向上にも配慮しつつ、可能な限り
早期に緩和していくべきだと考えています。

ちなみに、全日本トラック協会の齋藤晃広報室長は、

「人手不足が深刻化している中、
新技術を1つの選択肢として期待している。

ただ、電子的な連結の安全性は
本当に大丈夫なのか気になる」

と、率直に懸念を表明しています。

当然だと思います。

今後、隊列走行の実験を繰り返し、
規制を変更し、現場で使用する
運送業界の方々にも「安心感」を
提供するに至るまで、技術開発が
進むことを願ってやみません。

特に、外国人ドライバーの活用が
不可能な運送業界の人手不足解消は、
「技術開発」によって成し遂げる以外に
選択肢がないのです。

運送サービスの人手不足を、
技術によって解消できるか否か。

ある意味で、日本の試金石なのでございます。

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