日本経済

2018年1月6日

【saya】初めましての告白

From saya@歌手/チャンネル桜キャスター

– For You And I – 初めましての告白

皆様、新年明けましておめでとうございます。
今年から『新』経世済民新聞に執筆させて頂けることに
なりました、シンガーのsayaです。三橋所長もたくさん出演されている
日本文化チャンネル桜で現在キャスターも務めさせて頂いています。

さてさて、実は本日もキャスター討論と女性討論の収録があり、
6時間ほぼぶっ通しの出演を終えて帰宅。
今最高にグッタリしているところなのです!
記念すべき最初の執筆に、このような告白からスタートするのをどうかお許し下さい。
三橋所長に執筆のお誘いを頂いた時も『sayaさんもそろそろ言いたい事がたまっているでしょう(笑)』とお声がけ頂いた事や、
私自身の今年の目標の一つが誰にも忖度することなく、自分の気持ちを吐露して
みたい(忖度の本来の意味はおいといて)、という事でもあり
早速本日のグッタリを伝えたかったのです。

グッタリの原因はというと、ひと言で言えば
『世代間の断然がこれほど進んでしまっているのか、、、』という切なさ。
討論の中でも生涯未婚率の増加やそれに伴う少子化の原因を、
若者を取り囲む雇用環境の不安定さ(非正規)や、
仕事の量が増えても実質賃金が上がらないジレンマも
相当影響しているのでは、と伝えても
団塊の世代の方々になかなか理解してもらえなかった事です。

アフリカに比べてごらんよ、若者が貧しいなんて言っても、
比較にならないよ!我々の時はもっと貧しかったんだ、、
若者がワガママになってるだけだ!
との論で一気に否定されてしまう事が多い今日此の頃。

日経平均株価がどれだけ上がろうと、給料が増えない、
消費も増えない、非正規だから銀行からの信用がない、
そのため家や車のローンが組めない、、
デフレはお金の価値を相対的に上げるから
そもそも資産がゼロの状態で社会生活をスタートする若者が
最もあおりを受けやすい。

私は80年代生まれですが、はっきり言って両親の世代の方が豊かに思えるのです。
父は造船、母は保険外交、普通に働けば何とか家も車も買えたし、
旅行にも行かれました。バブルの名残もあったせいか母は毛皮や指輪、
ブリタニカ大百科辞典をローンで買ったりして、、、笑

この世代と、今の世代と坂道に例えればわかりやすいでしょう。
戦後はずっと登り坂だったから、例え麓からスタートしても先が見えた。
先が見通せれば思い切りアクセルも踏める。
でもバブルがはじけて30年以上、下り坂。しかもかなり急な下り坂だから
先が見えない。だから進むのが怖い、躊躇する。
どうも親より豊かになれそうもない。
一生懸命働いた富がなぜか日本と日本人のためでなく
知らない国や海外で活躍する企業に流れてるようだ。
国際競争力のために単価が下がり続けるから、
前よりもっとどんどん働かなくちゃならない。
だったらもう現状維持しかない。
今の生活水準だけはなんとしてもキープしたい。
だったら結婚や子どもはあきらめよう。
そのキープしたいというだけの慎ましい願いまで『ワガママ』だと切り捨てるの
なら若者があまりに可哀想だと思います。

私個人で言えば親より自分が豊かになれないかもしれない、
と悟った時の切なさは想像以上でした。
しかも親以上に勤勉に働いても、、です。
国として下っていく坂道を共に歩き続けた我々世代は
真綿で首を絞められるような閉塞感の中、
下り続けてもうすでに膝が笑っている状態だと思います。
そこに寄り添うほんの少しの想像力と思いやりを他の世代の方が持ってくれたら
もっともっと精神的な連携は生まれるし、
具体的な対策なり政策をすれ違いなく議論できるだろうと思います。

また、この問題が一つの世代だけでなく日本全体にとって重要なのは
現在既に大論争が繰り返されているイデオロギーの左右
構造改革以降広がっている格差の上下、に
世代間の気持ちの断絶が加わってしまう危険がある事です。
相互理解を怠れば、ツーネイションどころか、戦国時代のように
あらゆる方向に国が割れてしまう事になり、
よからぬ事を企む諸外国の勢力にとって絶好のチャンス、草刈り場を
与えてしまうことにもなりかねません。

非正規雇用反対、規制緩和・構造改革反対、働き方改革反対などはもちろんの事、
それ以前に日本人が違う世代への相互理解や共感、思いやりを持った眼差しを
心がけていく事で、今の日本に本当に必要な政策は必ず見えてくるのではないでしょうか?
、、、と考えつつ、次回ライブメニューを巡らせております。
1/25(金)馬車道パラダイスカフェでのライブ、お待ちいたしております!

– For You and I 私自身と誰でもなくあなたのために-

関連記事

日本経済

【藤井聡】【令和元年9月の予言】これから、多くの政治家・有識者達は令和初頭の経済低迷は消費税でなく「米中経済戦争」や「五輪終焉」等が原因だと主張し始めます。

日本経済

【藤井聡】「高潮」の恐怖―――強靱化を「急がない」政治家・公務員は、即刻辞すべきである。

日本経済

【小浜逸郎】安倍政権20の愚策(その3)

日本経済

【島倉原】宅配便値上げをもたらしたデフレ経済の限界

日本経済

【島倉原】憲法改正論議の背後にある緊縮財政

【saya】初めましての告白への15件のコメント

  1. コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

  2. とすくん より

    全く同感です!だいたいいい大人が冷戦構造終結とともにガラリと世の中変わったことに気付かないなんて鈍感も甚だしいです。「もうあらゆるモノ、サービスは出尽くした。これから衰退していくのは自然の摂理」という洗脳チャンが多過ぎて困ってしまいますよね!

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

  3. 団階の世代の人は理解がないという。待てよ、私は更にその前の世代。戦災で焼け出され、食うものも十分なく生きてきた。生きるためには何でもやった。しかし、今の世代、3kは嫌い、私の住む東大阪市などは小企業の街だが、全く働き手がない。贅沢だよ。私等は学校を出ると家から追い出された。自分で食えと。動物の世界を見ていると、皆そうだ。今の世の中、親が甘すぎる。若者よ、甘えるな! もっと人間としての誇りと、自尊心を持て。

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

      1. 赤城 より

        横から失礼します。
        あなたたちの世代が敗戦後の日本を作ったんですよね。
        そしてさらにそれを担ってきた次世代を教育した。
        私たちはその世代に教育された世代ですね。
        教育100年の計、国家民族の100年の生存と継承を全くどうにもならない状況にしたのは残念ながら敗戦後の日本人たちなのです。
        我々はこうしてきたという親世代の常套文句はどの時代どの国でも言われるもので仕方ないことでしょうが。
        その親世代のやった教育がまた社会環境が次の世代を作り前世代と違った人間が生まれてきたのですから、あなたたちのやってきたことの結果ではないですか。
        それに人手不足で若い働き手が入ってこなくなったのは現在そういう状況になっているから当然のことではないですか。
        これまで散々デフレ不況と人口構造上の就職難で若い働き手を苦しめてきた状況が完全に逆転したのです。
        そういう状況になれば自然とより良い条件の仕事から働き手は選んでいくものでしょう。

        返信

        コメントに返信する

        メールアドレスが公開されることはありません。
        * が付いている欄は必須項目です

      1. F-NAK より

        本当につらい経験をしてきた人は、他人に「同じ経験をしろ」などとは言わないでしょう。
        自分は己の力だけで生きてきた、と勘違いしている人がよく言う台詞です。

        私は開発現場で、若い人たちが、残業代も貰えない中、徹夜で仕事をしている様を何度も見てきました。
        「最近の若者は仕事をしなくなった」と思っているのは、現場を見なくなって、テレビの垂れ流す偏った情報だけを鵜呑みにする人の勘違いです。

        若者が「怠けて楽する」か「働いて稼ぐ」の2択を迫られる現実は、今も昔も変わっていませんし、
        稼ぎや雇用が安定しないと結婚も出産も難しいという現実も、今も昔も変わっていません。

        但し、今の日本では、将来の成長の素である投資が削られているという点が大きな違いのひとつです。
        戦後から現在まで、投資を削っている日本で育ってきたのは、今の若者だけでしょう。

        中高年たちが「将来の日本のために投資する」という行為を怠けているのに、
        若者に対して「怠けている」などと言い放っても、説得力のかけらもありません。

        返信

        コメントに返信する

        メールアドレスが公開されることはありません。
        * が付いている欄は必須項目です

        1. 赤城 より

          >但し、今の日本では、将来の成長の素である投資が削られているという点が大きな違いのひとつです。
          戦後から現在まで、投資を削っている日本で育ってきたのは、今の若者だけでしょう。

          中高年たちが「将来の日本のために投資する」という行為を怠けているのに、
          >若者に対して「怠けている」などと言い放っても、説得力のかけらもありません。

          私の思いも全く同感です。
          ただ彼らの多くは投資を散々削り続けていることを、次の世代のためにより良い財政状態の日本を残してやっているんだと正反対の愚かな間違いを完全に信じ込んで梃子でも動かない頑固馬鹿の一つ覚えで次世代を苦しめ貧困化し続けているのです。本当に最悪の状態であり、隣国工作マスコミ政府財務省の愚民化洗脳の最高の成果でしょう。ある意味、世代間の断絶があったからこそ生まれた事態でもあるかもしれませんね。

          返信

          コメントに返信する

          メールアドレスが公開されることはありません。
          * が付いている欄は必須項目です

      1. たけくらべ より

        人間としての誇りと、自尊心を奪う教育を施されてきて、
        持て!と息巻いても無理でしょう?
        そんな教育を許していたのはあんたたちの責任でしょう。

        小企業では働き手が無い?小企業の労働条件が上がらない仕組みすら理解せずに、
        甘え、贅沢で済ますその傲慢さが、
        経団連や国際金融資本に付け込まれていると、もうそろそろ気づけませんか?
        その小企業群の経営者にも大抵子供はいるでしょうが、継ぐ継がないの条件以前に、
        真っ先に親が継がせたくないと発想してしまう状況をなぜ異常だと考えられないのだろうか。

        なぜトラック運転手の報酬は半分になったのですか?
        なぜタクシー運転手の収入が半分以下になったのですか?
        なぜトヨタの下請けは、勉強会と称した会合で帳簿を持参させられ、トヨタ御用コンサルタントにコストカットを強制されなければいけないのですか?
        浮いた経費分は単価を下げられてしまうのですよ?
        その儲けはトヨタの株式配当と役員報酬にしかなりません。
        己が苦労したから貴様らも地べたを這いずりまわるのだ!
        これは、意見ではなく思考停止。そして社会への復讐心でしかないでしょう。
        考える事や、事実を探求する作業を回避するには、
        奴らを怠け者にしてしまうと、結論が最短距離で出てくるので楽ですからね。

        実に卑怯だ。

        返信

        コメントに返信する

        メールアドレスが公開されることはありません。
        * が付いている欄は必須項目です

  4. 拓三 より

    物作りを軽視した国家が女性に「子供をつくれ ! 」って…..

    一、男として深く御詫び申し上げます。

    こら !  若者も含め全世代の男ども !
    男は、女、子供に尽くして尽くして死んでいくもんや !
    それが生き甲斐や ! 何で戦後、出産率が増えたかわかるか ?
    死を直面した男、己の惨めな姿をさらけ出した男は女の温もりが異常なまで尊いものに感じるねん。
    そこで初めて男の生き方が見えてくるんや !

    女性が子供を生めないのは男に覚悟が無いからやろ !
    その男の覚悟を腑抜けにしたのは団塊世代やろ !

    団塊世代のインテリは箸にも掛からんポンコツやけど現場で汗水たらし日本の未来の為に頑張って頂いた人達に言いたいのは、自分達がやって来た事に誇りを持っていただきたく思います。あなた達が保守なんです。それを継ぎの世代に継続し、そして置いてこざるえなかった国家にとって大切な物を全世代で取りに行く事で初めて日本の未来が見えてくるのではないでしょうか。

    あっ、それと被り物被った色尽き目がねのガラガラ声のオッサン、保守ちゃうで。水島はんは保守や。思想の是非や信者に逃げるとこはあるけど、保守の辛さがありありと出てるやろ。男にとって保守とは迷路みたいなもんやからw

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

  5. 赤星快人 より

    国防をアメリカに依存する形で過ごしてきた戦後日本を散々批判する割に、経済でも依存していたことを全く理解せず、自力で経済大国になったかのような思い込みから抜け切れていない事を、佐藤先生や中野先生が再三指摘していても、右の耳から左の耳へと抜けて行ってしまう人達ですからね。虚しい限りです。

    あらゆる点で前提が変わってきていることを読み取れない人たちと、世界の歴史や政治経済の話をするのは実に虚しい。

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

  6. たけちゃん より

    SAYAさん いつも綺麗ですね 大好きです。
    貴方の様な憂国の美女がいる限り日本国の精神は不滅です。
    売国奴安倍晋三自民党に国家が解体されるのは慚愧の極みですが、民族の誇り 精神は生き続けます。 日本人を信じましょう。

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

  7. 内容には異論はありません。
    ただし「戦後はずっと登り坂だったから、例え麓からスタートしても先が見えた」の中の「例え」は「仮令」もしくは「たとえ」とすべきであります。ケアレスミステイクだとは思いますが、折角のご主張も色が褪せると思い、敢えて指摘させていただきました。

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

  8. Komiyet より

    いいコラムですね。感動しました。

    私は50才の屑男です。

    団塊の世代は過去しか見ないので、当然そうなります。

    私の意見ですが、弱肉強食、格差拡大、強者の暴力が正義。
    全て受け入れて、挑戦するしかないんじゃないの。

    普通に真面目に働いたら貧困化するのがこれからの日本なのさ。

    団塊の世代は、自分たちが先進国の産業をボロボロにした自覚などない。自分たちが頑張っていい製品を作り、外国が怠けたから自滅したんだと思っている。

    いろんな偶然が重なりたまたまそうなっただけなのにな。

    景気が良かったときは、円安を武器に散々食い散らかした。日本が強者の時は、富を外国から奪っている感覚などなかっただろ?

    今は弱者側に回ったんだよ。強兵無き富国なんて、長く続かないさ。

    そのことを余裕のある世代が把握して、手の届く範囲の若者を金銭的に支えろよって思うね。

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

  9. Josefine より

    世代間の理解、これは重要ですね。

    「戦後はずっと登り坂だったから、例え麓からスタートしても先が見えた」というのはまさにその通りと思いますが、その「麓」の辛い経験が年配者には強烈に記憶に残っているでしょう。モノも金もない時代に自分たちがどれほど苦労してきたか、それを話しても今の若者には通じない空しさ。その空しさが「今の若者は恵まれている」という無理解な憎まれ口にもなる。

    私の考えでは、若い時は金もモノもなくていい、でも「希望」は絶対必要です。しかし日本は豊かになるにつれて若者に金やモノも与える代わりに肝腎の「希望」を奪ってきた。未来の希望がないのになんで子供なんか作るものですか。自分を守ることで精一杯。

    今社会の中枢にいる人たちにはそこをまじめに考えてほしい。所得をもっと若者に移転すればいいとか、そういう問題じゃないんですよね。

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

  10. 五右衛門 より

    分かります。(現在25歳男)
    周りの執筆者の方々がすごい肩書は持ち主ですが、気にせずルールが許す限り書き続けてください。この記事の内容にはとても共感しました。

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

  11. コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です

名前

メールアドレス

ウェブサイト

コメント

メルマガ会員登録はこちら

最新記事

  1. 日本経済

    【室伏謙一】「金融緩和悪玉論」を信じると自分達の首を絞...

  2. 日本経済

    【三橋貴明】聖徳太子の英雄物語

  3. 日本経済

    【三橋貴明】政府債務対GDP比率と財政破綻は関係がない

  4. アメリカ

    政治

    日本経済

    【藤井聡】『2023年度 国土強靱化定量的脆弱性評価・...

  5. アメリカ

    政治

    日本経済

    【藤井聡】【3月14日に土木学会で記者会見】首都直下地...

  6. 日本経済

    【三橋貴明】無知で間違っている働き者は度し難い

  7. 日本経済

    【三橋貴明】PBと財政破綻は何の関係もない

  8. アメリカ

    政治

    日本経済

    【藤井聡】【岸田総裁の政倫審出席はむしろ有害】岸田氏の...

  9. 未分類

    【竹村公太郎】流域共同体の誕生、崩壊そして再生 ―新...

  10. 日本経済

    【室伏謙一】財務省が金融引締め、そして緊縮増税へ向けた...

MORE

タグクラウド