日本経済

2017年10月27日

【三橋貴明】財務省の攻勢(後編)

From 三橋貴明@ブログ

「月刊WiLL (ウィル) 2017年 12月号 」に、連載
「反撃の経済学 移民制限に舵を切ったドイツ」が掲載されました。

さて、もはや「滅茶苦茶」としか表現のしようがないほどに、
緊縮財政が次々に押し寄せる状況になっています。

『企業に3000億円負担要請 消費税使い道拡大で不足分
http://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000113102.html

安倍総理大臣は消費税の使い道を拡大して教育無償化対策などに
年間2兆円を充てることを衆議院議員選挙の公約としましたが、
財源が3000億円分足りないため、企業が出す社会保険料を
増やして穴埋めする方向で調整が始まりました。(後略)』

ちょっと待てい!

消費税率を10%に引き上げ、
5兆円の(消費税収の)増収になり、
そのうち1兆円を社会保障に回し、
残り4兆円を借金返済に回す予定だったのを、
教育支出に2兆円充てる。

よって、政府の負債返済は2兆円分に絞る予定だったのでは・・・?

それにも関わらず、3000億円の財源が不足するから、
社会保険料の負担増って、何だそりゃ!!!???

単に、政府の負債返済分を減らせば済む話じゃないか!?

というか、教育のために社会保険料で負担するって、
「こども保険」ではないですか。

結局、財務省に膝を屈したわけですね。

『財務省、たばこ増税を検討 「加熱式たばこ」も
http://www.asahi.com/articles/ASKBS7V7CKBSULFA038.html

財務省が2018年度税制改正で、
たばこ税の増税を検討していることが分かった。
19年10月の消費増税時に導入する軽減税率で、
目減りする1兆円規模の税収の一部を穴埋めする狙いがある。(後略)』

『「出国税」、1000円軸に…政府が検討
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20171025-OYT1T50018.html

政府が導入に向けて検討を進めている新たな
観光振興財源の原案が24日、わかった。
日本を出るときに旅行者らが支払う「出国税」方式とした上で、
金額は1000円を軸とする。
出国税のかかる対象は外国人に加えて日本人の出国者も含み、
航空券を購入する際などにあわせて徴収する方式とする。(後略)』

『会社員の給与所得控除見直し議論 政府税調
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171023/k10011194771000.html

政府の税制調査会は23日に総会を開き、
会社員などの所得税を計算するとき、収入の一定額を
経費と見なして税額を少なくする「給与所得控除」について議論しました。
財務省は働き方が多様化している中で、会社員だけが
恩恵を受ける仕組みは時代に合わなくなってきているとして、
見直しを提案しました。(後略)』

次々に、次々に、増税(緊縮財政)路線が進んでいきます。

要するに、安倍政権は「移民受入政権」であり、
「緊縮財政政権」なのです。

実際、安倍政権ほどPBの赤字幅を
縮小した政権はございませんので。

安倍政権は、財務省の飼い犬と化しました。

このまま我が国は緊縮路線を邁進し、
小国化、発展途上国化し、最終的(といっても20年後くらい)には
中華人民共和国の属国と化すことになるのでしょう。

冗談でも何でもなく、中国語の勉強を始めるべきですよ、日本人は。

無論、2019年10月の消費税増税に際し、
事前に景気をかさ上げするために一時的な財政出動は
するかも知れませんが、あくまで「一時的」です。

結局のところ、プライマリーバランス黒字化目標の
「破棄」という決断を下せない限り、あらゆる政策は
PB目標の制約を受け、我が国が本格的に
デフレ脱却に向かう日は訪れないという話です。

どれだけ、日本銀行が量的緩和で
日本円(日銀当座預金)を拡大したところで、
需要(消費、投資)としての支出拡大がない限り、
我が国はデフレから脱却しない。当たり前です。

後世の日本人に、せめて、
「なぜ日本が小国化し、発展途上国化し、
中国の属国にまで落ちぶれたのか?」
について、事実を残しておきたいと考えます。

というわけで、三橋は小学館「財務省が日本を滅ぼす 」
を刊行するわけです。

これで、三橋の会社に国税がやってくることになるのでしょうが、
厳密には財務省が日本を亡ぼした(過去形)わけではありません。

http://amzn.asia/b6saqmJ

日本国民が、日本の政治家が、
ありもしない財政破綻論を妄信し、政府の財政拡大という
正しいデフレ対策に踏み出せず、小さな政府路線を驀進し、

「生産性革命です! つきましては、
政府は何もやらないので、民間が設備投資してください」

「給料の引き上げが必要です! つきましては、
政府は何もやらないので、企業経営者は給料を引き上げて下さい」

と、政府の責任を放棄し、全てを自己責任に委ねるという
「グローバリズム」の考え方により、
日本は亡びることになりました(過去形)。

議論に際し、ファクト(データ)を無視する。

抽象論、印象論、あるいは「ノリ」で適当な発言を繰り返し、
過去の自らの発言に縛られ、正しいことを言えなくなる。

この手の無責任な議論が積み重なり、
日本は亡びることになったのです。

日本を最終的に亡ぼした内閣は、安倍内閣であること、
そして正しい情報を無視し、間違った緊縮財政を支持し続けた
現代の日本国民であることを、せめて歴史書に記し、
語り継ぐことに致します。

まあ、そのうちに言論の自由も失われ、
正しい歴史を後世の日本人(もはや日本国民ではない)に
残すこともできなくなるでしょうけれど。

といった未来が嫌ならば、正しい言説を広め、
政治を動かすしかありません。

日本には財政問題など存在せず、
財政拡大によるデフレ脱却のみが
「中国の属国」という悪夢を回避できる唯一の道であることを。

プライマリーバランス黒字化という狂った目標を破棄し、
財政出動路線に舵を切らない限り、
我が国に待ち受けているのは「悪夢」のみなのです。

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【三橋貴明】財務省の攻勢(後編)への8件のコメント

  1. ofu_1 より

    三橋貴明の勘違い。

    年金受領者が4000万人近くいるそうです。
    お金を支払ってくださる人には忖度します。
    希望や立憲民主とマスコミやネットでさわがれますが、チャリンと現ナマを送ってくれる制度は大事です。
    したがって自民と公明の大勝です。

    年金支払いを死守するつもりの政府にも、崖ゃ絶壁がちらついているようです。
    140万邦人が海外在留で85万人くらいが在外定住者のようです。

    土地付き100坪以上3LDKの別荘(固定資産税8万円位)が1000万以下で売られています。

    今年は来年よりいい年を確信した階層が住環境の変更を実施しているようです。

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  2. たかゆき より

    日本の夜明けは 近い!

    支那の属国になったなら、、

    被占領国日本にも財政出動策を採用(たぶん)

    支那と日本の富国と強兵によりアメリカを この世から駆逐可能

    ちなみに
    支那の属国を目指す方々が
    同志の安倍某を なぜ目の敵にするのか
    意味不明

    もしかして プロレスですか??

    そうそう 消費税
    支那の場合
    レシートや領収書が発行されない お買いものは ゼロでしたっけ、、、

    まさに極楽
    日本の夜明けを待ちこがれる 今日この頃でございます。。。

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  3. ヌコ より

    ミッツ先生ほどの情報通の方ならすべて御見通しの上で、事実に基づき腫物に直接触らない様に批判なさっているのかと思いましゅが、、、、

    中国共産党を大きくした勢力は、ノーパンしゃぶしゃぶ以降、日本の財務省を動かしてきたアメ1%(裏にはシティやスイスやバチカン)ですよね。

    これから、真に日本の愛国者が既存の左右を超えて「生き残る」為には、死に物狂いで、米国の反体制派(反1%左翼や、ネオコンでないオルドコン)と共闘しないといけないですよね。

    日本の保守って、なんで中国の派閥の分析はするのに、米国の派閥や企業株主の資金流れは追及しないのでしょうか?

    日本の大企業や金融機関の株主って、小泉改革以降、急激に外資が増えましたが、具体的にどうしたファンドが保有しているんでしょうか?
    派遣会社も実際は経営しているのは、どの国のどういった財閥の金融関係者なんでしょうか?

    日米庶民の怒りを統合する時期に来ていると思います。

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  4. あきすて より

    今更ですが、たった2兆円の支出を増やすのにもいちいち財源が~といって
    増税なり支出削減なりしてたらゼロサムゲームの均衡財政のままでジリ貧になっていくだけですね。
    科学技術予算、インフラ予算、国防予算、ありとあらゆる分野で支出が不十分なのに。

    そういえば「地方創生回廊」とか去年いってたのはどこいったんですかね?
    スローガンをコロコロ変え過ぎじゃないですかね。幼児教育無償化なんていつの間にやら出てきた感じ。

    あんな侵略独裁国家の属国なんて真っ平ごめんですので
    諦めずに希望をもって活動することにしてますが

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  5. embryo より

    今回の消費税増税はインボイス導入も決定のようですが、こちらも日本経済が特に中小企業が耐えうるか非常に憂慮しております。

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  6. 赤城 より

    シナの植民地になったウイグルやチベットや満州の地獄をもうすぐ日本でも存分に味わえそうですねえ。
    民族浄化に文化廃絶、日本人はアメリカの分割植民地か皇居のある都市だけで日本族とでもされて血筋のみ末裔として残るかどうか。
    今後のアメリカ意向次第で日本人の今後の運命が変わるでしょう。
    最も良くてアメリカの属領でしょうから英語は必須。
    西日本がどれくらいシナの影響下になるかでシナ語も本当に強制されそうですね。この点だけでも関東は恵まれていると感じる時代が来るかもしれません。

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  7. 紅川 より

    金融緩和政策を実施しているにも関わらず財源論を持ち出す政府。
    金融緩和政策とは、政府の政策財源を確保する為に実施する政策。
    不況で税収が確保しづらい時に国債で財源を確保し、その国債を中央銀行に買い取らせることで、国債の金利上昇を回避する政策なのです。
    それが、金融緩和政策なのです。
    にもかかわらず、財務省は、政策財源の確保の為だと主張し、消費を冷え込ませる(デフレで需要量が不足しているにも関わらず)消費税の増税をしようとしている。
    デフレは、需要量の不足によって起こる現象。
    消費を冷え込ませる消費税は需要量を増加させる為(デフレ脱却の為)にも、減税、廃止しなければならないのですが。
    況してや、金融緩和政策を実施して財源を確保する必要性がないにもかかわらず、消費を冷え込ませる消費税を増税しようとしている。
    金融緩和政策を実施している時は、財源論は生じないのです。
    財務省の嘘には、騙されないようにしなければならない。

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  8. 岩崎典子は より

    三橋先生。毎月月刊三橋を楽しみに繰り返し勉強させて、いただいてます。勇気ある財務省の失策の数々、20年デフレの根本が、わかりました。ところで、ぺジーコンピューティングの、斎藤元章氏が、逮捕された事件真相が知りたいです。日本の、今後を大きく変えるじけんですので、裏でうごめく陰謀の匂いプンプンです。相手国が悪すぎますが、めげずにがんばってほしいです。

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