From 三橋貴明@ブログ
本日は北朝鮮危機を
取り上げようと思いましたが、
緊急で差し替えました。
『消費増税「凍結を」自民若手 首相に申し入れへ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30361800R10C18A5EA3000/
自民党の若手議員でつくる
日本の未来を考える勉強会
(呼びかけ人代表・安藤裕衆院議員)
は11日、2019年10月の消費増税凍結や
基礎的財政収支
(プライマリーバランス=PB)
黒字化目標の撤回を求める
提言を発表した。
近く安倍晋三首相と
二階俊博幹事長に申し入れ、
経済財政運営の基本方針
(骨太の方針)に反映する
よう要求する。
提言は当選1~3回の衆院議員と
当選1回の参院議員約30人の連名。
「当初予算を毎年3~4%
ずつ拡張すべきだ」
と明記し、積極的な
財政出動を提案した。
自民党は昨年秋の衆院選公約に
19年10月の消費増税や
PB黒字化目標の堅持を掲げた。
安藤氏は公約との整合性について
「政権の第一の目標はデフレ脱却だ」
と強調した。』
日本の未来を考える勉強会の
「提言書」は、こちら。
【デフレ不況から完全に脱却し、
日本経済を成長路線に乗せると同時に、
財政再建を果たすために必要な
財政政策に関する提言】
https://www.andouhiroshi.jp/wp/wp-content/uploads/2018/05/62e04b2beb720db169bf64ec9d395bef.pdf
提言書の要旨を以下に抜き出します。
『今や日本はアジアにおける
経済大国の座を完全に中国に奪われ、
俄には埋めがたい巨大な格差が
広がり続けている。
さらに近い将来、一人当たりGDP
は韓国にすら逆転されかねない
状況にある。
政権奪還後5年以上
経過したことを踏まえれば、
このままデフレ完全脱却を
果たすことができなければ
自民党政権の信任にも関わる
危機的状況であり、財政支出
拡大等の可及的速やかな
抜本対策が必要不可欠である。』
デフレが継続すれば、
一人当たりGDPどころか、
いずれは総額でも韓国に
抜かれかねない状況になっています。
曲がりなりにも、96年比で
韓国はGDPを2.4倍にしました。
二十年強でGDPが2.4倍
というのは、それほど
目立つ数字ではないのですが、
何しろわが国は「1倍」です。
日本は経済成長という面で、
劣等生どころか「落第生」
というのが現実なのです。
別に、「だからダメなんだ」
と自虐的になれと
言いたいわけではありません。
そうではなく、現実を見据え、
繁栄の日本のために努力しようよ、
という話です。
何しろ、日本が経済成長
していない理由は明白なのです。
理由はもちろん、「PB黒字化」
に代表される財政の「枠」が
存在し続けるために、
デフレ脱却のために必要な
財政拡大に踏み出せないためです。
ちなみに、最初の
「枠」は、97年の
財政構造改革法に明記された
「財政赤字対GDP比を
3%未満にする」
でございます。
「考える勉強会」の提言では、
もちろんPB撤回を求めています。
『「骨太の方針」では、財政規律の
第一目標が世界標準である
「債務対GDP 比の安定化」
であることを明記する一方、
日本だけが採用している
「PB黒字化目標」の撤廃を
検討すべきである。』
常日頃、
「グローバルスタンダード!
グローバル化!」
などと言っている連中が、
こと財政については
「政府の債務対GDP比の安定化」
というグローバルな定義ではなく、
PB黒字化という「日本だけ」が
採用している狂った目標に
固執するのは、実に不思議です。
といいますか、単なる
ダブルスタンダードです。
PB黒字化に固執する連中は、
二度と「グローバルでは~」
とやってはいけません。
『未来への投資である
公共事業を除外し、更に、
教育・科学技術投資や
防衛装備投資等を控除した
PB(建設国債のほかに教育投資国債、
防衛装備投資国債の創設)
の採用等を検討する。』
日本のPBの一番奇妙なのは、
経常的な支出と「投資系の支出」
をごっちゃにしている点です。
企業会計においても、
投資系と経常支出を
混同することはありません。
投資は「減価償却」される
性質の支出で、支出金額が
そのまま計上される
ことはないのです。
「勉強会」では、インフラ整備、
教育・科学技術投資、
防衛費については投資扱いとし、
PBから外すべきと提言しています。
当たり前すぎるほど、
当たり前です。
『「税収増」を達成するために、
消費税については将来的な
減税も視野に、デフレ脱却
までの間、当面「増税凍結」
することを検討すべきであり、
仮に増税するとしても、
デフレ完全脱却、実質賃金上昇を
果たした後に検討すべきである。』
消費税については、
当面は凍結。
減税も視野に入れる。
増税をするとしても、
少なくとも経済が完全に
デフレから脱却し、
実質賃金上昇が
果たされた後に検討すべき
(厳密には
「実質賃金が安定的に上昇する
のを見極めた後に」
でございますが)。
いかがですか。
現在の日本において、
「日本の未来を考える勉強会」
を超える「まともな政策提言」を
している国会議員グループは
ありません。
緊縮路線、グローバリズムの
トリニティに忠実な安倍政権を
批判するのは当然ですが、
同時に「まともな政治グループ」
を後押しすることも
極めて重要です。
もし、あなたが、
「安倍はとにかく許せない!」
「安倍総理を批判する奴は反日左翼!」
「中韓を批判しない奴は売国奴!」
「憲法九条はとにかく守れ!」
などなど、特定のイデオロギーに
洗脳されているのではなく、
本気で「日本を何とかしたい」
と考えているならば、ね。
皆様、「日本の未来を考える勉強会」
の国会議員の方々に、応援の声を
送ってくださいませ。
明日に続きます。
<(_ _)>
【三橋貴明】日本の未来を考える勉強会の提言書 前編への1件のコメント
2018年5月17日 10:35 AM
三橋貴明 様
前略 新経世済民新聞で貴重な勉強をさせていただいています。
私は現役時代、エネルギー行政に関わってきましたが、福島原発事故後の環境変化に大きな危機感を持っています。
エネルギー基本計画では、方向性を理解しつつも、具体的な政策、事業展開が実行されていません。電力需給を見ても、9割近くを化石燃料に依存し、その範囲で自由化が進められ、一方、再生可能エネルギー産業は国民の補助で守られている、原発が動かなくても電力は確保できる、こうした状況を容認する雰囲気に、亡国の危機を感じています。資源の危機が戦争を招いてきた歴史を踏まえると、安全保障の一環として、エネルギー政策について、三権がもっと議論すべきと感じています。
エネルギーコストが中小企業の経営、低所得者層の家計を圧迫しています。経済対策のひとつとして、エネルギーコストの低減方策について、新経世済民新聞で取り上げ、革新的な提言をしていただければ幸甚です。
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