日本経済

2017年7月5日

【三橋貴明】失われた30年が確定的になった年

From 三橋貴明@ブログ

さて、日本のインフレ率です。

『5月の全国消費者物価、0.4%上昇 エネルギー高と魚介不漁で
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL30H69_Q7A630C1000000/
総務省が30日発表した5月の全国消費者物価指数(CPI、2015年=100)は、値動きの大きな生鮮食品を除く総合指数が100.3と、前年同月比0.4%上昇した。上昇は5カ月連続。QUICKがまとめた市場予想の中央値は0.4%上昇だった。ガソリンなど石油製品の価格や電気料金の上昇が押し上げた。
生鮮食品を除く総合では全体の53.7%にあたる281品目が上昇し、180品目が下落した。横ばいは62品目だった。
生鮮食品を含む総合は100.4と0.4%上昇した。イカなど一部魚介類で不漁が続き、価格が高止まりした。生鮮食品とエネルギーを除く総合は100.8と横ばいだった。』

総合消費者物価指数:対前年比0.4%
生鮮食品を除く総合:対前年比0.4%
生鮮食品及びエネルギーを除く総合:対前年比0%

いつの間にか「コアコアCPI」として掲載されていた「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」が、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」に変わっていました。(前からそうでしたっけ?)

統計局のホームページには、
「消費者物価の基調をみるために、「生鮮食品を除く総合」指数や「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」指数が用いられることがあります。「生鮮食品」は天候要因で値動きが激しいこと、「エネルギー」(ガソリン、電気代等)は海外要因で変動する原油価格の影響を直接受けることから、これらの一時的な要因や外部要因を除くことが消費者物価の基調を把握する上で有用とされています。このほか、アメリカ等諸外国で重視されている指標と同様のものとして「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」指数が用いられることがあります。」
とあるため、本ブログでは「グローバル標準」に従い、コアコアCPIは「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」を使い続けます。

というわけで、以前の「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」がどうかと言えば、対前年比マイナス0.2%と、未だマイナス状況でした。

いずれにせよ、デフレ・インフレを判断する際に、消費者物価指数では最も「固い」指標は、「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」でございます。

【日本のインフレ率の推移(対前年比%)】

図の通り、コアコアCPI(「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」)は、15年の夏から秋にかけ、0.8%超という比較的高い水準で推移していたのですが、その後は右肩下がりになり、今年の初めからマイナスに突っ込みました。

ちなみに、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」の方は、15年末には1%を上回っていたのですが、その後はやはり失速。直近では「ゼロ」に戻ってしまいました。

17年1-3月期に対前期比0.5%のマイナスとなったGDPデフレータもそうですが、現在の日本は「固い指標」で見れば見るほど、デフレ状態に逆戻りしているということになります。

怖いのは、この状況で、6月30日、麻生財務大臣が閣議後の会見で、
「デフレによる不況から少しずつ回復に向かっているのは確かだ」
と、語っていることです。
話はむしろ真逆で、16年から17年にかけ、日本経済は次第に再デフレ化していっているのです。

CPIやコアCPIが、原油価格の影響でプラス化したとしても、コストプッシュ型のインフレにな過ぎず、日本国民が豊かになることはありません。
そして、コアコアCPIや「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は、明らかに右肩下がりになっているのです。コアコアCPIは、既にマイナスの領域に突入しています。

政府は素直に「日本が再デフレ化している」という事実を認め、早急に財政拡大路線に転じなければなりません。さもなければ、2017年は普通に「日本が再デフレ化し、失われた30年が確定的になった年」として記憶されることになるでしょう。

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