日本経済

2016年7月21日

【三橋貴明】北海道新幹線の開業効果

From 三橋貴明@ブログ

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6月23日(木)にイギリスで行われたEU離脱を問う国民投票。
大多数の予測を覆し、離脱賛成派が51.9%、反対派が48.1%と離脱派が上回った。

多くのマスコミはイギリスのEU離脱の判断を
「愚かな衆愚政治」「イギリス人はこの選択を後悔することになる」などと批判した。

しかし、三橋貴明は「そうではない」と断言する。

月刊三橋最新号
「イギリス激震〜英国の没落から日本が学ぶべきこと」
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_mag3.php

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 昨日、札幌を往復し、深夜に帰宅し、本日、6時から文化放送に出演したため、非常に眠いです。この後、本日は広島往復でございます。

 ところで、札幌で興味深い話を聞いたのですが、なぜ北海道新幹線の札幌延伸について「北回り(小樽経由)ルート」が優先されたのか、でございます。経済効果を考えた場合、千歳空港と札幌が結ばれる南回りルートの方を早く建設するべきだと思えます。
 実は、支笏湖の近くに「樽前山」という活火山があり、樽前山が噴火すると、火山灰で千歳空港が利用不能になる可能性があるのです。千歳空港が使えなくなっても、本州と札幌の連絡を維持するためにも、北回りが優先整備されているとのことです。

 なるほど、と思いました。

 ちなみに、わたくしは小学校の頃、千歳に住んでいたのですが、
「た〜な〜び〜く、け〜む〜り〜。た〜るま〜えの〜」
 で始まる千歳小学校の校歌を、未だに覚えています。記憶力がないので、校歌を覚えている学校は、千歳小学校、ただ一校でございますが。
 さて、北海道新幹線ですが、
「札幌まで延伸しなければ、意味がない」
 と言われつつ、意外や意外、函館近況の活況をもたらしています。

『続く新幹線開業効果 在来線の昨年6月利用実績の2倍 1日7900人
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0294889.html
 北海道新幹線新青森―新函館北斗間の6月の利用実績が1日平均約7900人に上ったことが、19日分かった。大型連休で観光客の利用が多かった5月に比べても、4%ほど伸びたもようだ。在来線の昨年6月の利用実績は同約4300人で、新幹線の利用客は2倍近くになっており、開業効果が定着しつつある。
 3月26日に開業した北海道新幹線の利用者数は、4月が約5600人、5月が約7600人。6月は本来、観光シーズンから外れているが、JR関係者によると、JR東日本が運営する50歳以上の会員組織「大人の休日倶楽部」(約200万人)向け割引切符が好調で、数字を押し上げたという。旅行会社による北海道新幹線を組み込んだ旅行商品も堅調だった。(後略)』

 北海道新幹線の新函館北斗駅は、
「函館でもなければ、北斗でもない」
 と皮肉られるほど、中途半端な位置に作られてしまいましたが、それでも函館市や北斗市の「観光サービス」は拡大しているようです。

 例えば、函館朝市「どんぶり横丁」は、以前は閑散としていた午後1時頃(何しろ「朝市」でしたので)から活況を呈するようになりました。東京駅を8時20分に出発する「はやぶさ5号」のお客さんが、新函館北斗駅から在来線に乗り換え、到着するタイミングとのことです。

 函館の観光産業の象徴である五稜郭は、新幹線開通後、4月が対前年比30%増、5月が32%増、6月が50%以上の増加と、着実に来場客が増えていっています。
 北海道新幹線の開通により、
「函館の観光サービスや飲食サービスの商圏が、東京圏に届いた」
 と考えて、間違いなさそうです。

「そんな、わざわざ5時間近くもかけて、函館に新幹線で行く東京圏の住民なんて、ごく一部だろ」
 と思われるかも知れませんが、何しろ東京圏の「市場規模」は3500万人(!)と、世界最大なのです。東京圏が世界最大のメガロポリスである以上、その一部でも市場と化すことができれば、地方の観光サービスや飲食サービスのビジネスは一気に拡大します。

 現在、函館駅周辺の主要ホテルも、予約ができない状況になっており、金沢同様に民間の建設投資ラッシュが起きる可能性があります。

 JR北海道によると、開業から5月末までの北海道新幹線の利用者数は、上下線合わせて44万9600人。前年(15年)の在来線の実績に比べ、ほぼ倍増です。
 開業直後には20%程度で、
「大丈夫かな・・・?」
 と思ってしまった乗車率も上昇傾向で、GWがあった5月は38%にまで伸びました。夏休みを迎え、更に上昇すると見て間違いないでしょう。

 ちなみに、北海道新幹線の新青森−新函館北斗間には、奥津軽いまべつ駅、木古内駅と二つの停車駅があります。これまで「東京圏の住民」が訪れにくかった津軽半島にも、「乗り換えなし」で行けるわけです。

 藤井先生の「「スーパー新幹線」が日本を救う (文春新書) 」によると、この「乗り換えなし」が心理的距離に与える影響は極めて大きいそうです。金沢があれほどまでに一気に活況を呈したのは、まさに「東京駅から乗り換えなし」のおかげです。

 北海道新幹線が札幌まで開通すると、今度は函館や津軽の観光サービス、飲食サービスの市場が「200万人」超の札幌都市圏にリーチする(届く)ことになります。そうなると、函館や津軽を訪れる人はますます増えることになるでしょう。

 日本では、未だに新幹線について、数値データを無視して否定する論調が少なくありません。その手の連中を黙らせるためには、新幹線の「実績」を繰り返し、繰り返し示していく必要があります。

 新幹線は各地方の商圏を統合し、我が国の経済成長に貢献する最高のインフラなのです。
 北海道新幹線の札幌延伸は2031年の予定となっていますが、さらなる前倒しを望みます。ついでに、南回りルート、特に「千歳空港−札幌」間の新幹線の早期実現を!

ーーー発行者よりーーー

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6月23日(木)にイギリスで行われたEU離脱を問う国民投票。
大多数の予測を覆し、離脱賛成派が51.9%、反対派が48.1%と離脱派が上回った。

多くのマスコミはイギリスのEU離脱の判断を
「愚かな衆愚政治」「イギリス人はこの選択を後悔することになる」などと批判した。

しかし、三橋貴明は「そうではない」と断言する。

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【三橋貴明】北海道新幹線の開業効果への4件のコメント

  1. 札幌近郊在住 より

    私は札幌近郊在住の者です。整備新幹線の計画が昭和48年に決定されてから40年以上経過しその当時とは現在時代背景も異なることから、計画に対する見直しも必要と考えます。函館〜札幌間の早期開業は着工しておりますが、そのまま新千歳空港への延伸、乗り入れも検討されることを切に願っております。そうすることにより千歳空港〜札幌へ10分程度でアクセスできることにより、人と物の流通がスムーズになること。また札幌を経由し函館まで1時間程度で結ぶことにより札幌圏の方々が日帰りで出張できるようになり、更なるビジネスチャンスが生まれることになります。未だに札幌駅の新幹線ホームはどこに作る?ってJR北海道と行政がもめておりますが、そもそも札幌駅を建て替えるにあたり新幹線ホームを造ることを念頭に設計したはずが、なぜか今更JR北海道は現駅構内にはホームを造るスペースがないなんて言い始めている始末。現実はこんな茶番劇が展開されておりますが、夢物語を勝手に話すのも楽しいと思い投函させていただきました。

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  2. 神奈川県skatou より

    イングレスにポケモンキャラクターを乗せたら大当たり、っていうような、技術的にはなんてことない、組合せの妙、これこそイノベーション(not技術革新)だと自分は思いますが、こういう楽しいチャレンジが効率主義、成果主義だと生まれない、だからデフレは怖いというのを震撼する例ではないでしょうか。イングレスならば地方創生に、ということで東北のある地域で取り組むチャレンジもあったはずですが、もうひとひねりできた任天堂はステキだと思います。

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  3. 神奈川県skatou より

    新幹線の計画は、計画であり、人のするものですから、きっと予測外のこと、いやむしろ、計画力、予測力の不足からすぐに現実と合わない設備となる場合もあるはずです。所詮そんなものだから、建設後も調整ができる、設備の増減のことですが、それぐらい余裕のあるプランになることを期待しております。毎朝、某駅のエスカレータを登りつつ、なぜ幅広な階段から上下1本づつのエスカレータに改造してしまったのか。朝夕の芋洗い状態、人々の衝突。この惨状を設計者は知る気も振り返る気もないのか。いやそれが人の計画の、認識の限界なのだと、日々感じております。

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  4. 吹田のおやじ より

    やっぱり新幹線の効果は大きいですね、早く山陰や四国にも出来てほしいものです。これにプラスしてポケモンGOを地方活性化のツールとしてコラボすればかなりの相乗効果が期待できるのではなおかと、皮算用を弾いてます。新幹線も効果大ということは数字が示してるのでわかり易いのですが、地方の自動車専用道路を片側一車線を2車線3車線にするだけでも物流効果大になると考えます。

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