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2016年7月20日

【三橋貴明】負け犬の成長否定論者たち

From 三橋貴明

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6月23日(木)にイギリスで行われたEU離脱を問う国民投票。
大多数の予測を覆し、離脱賛成派が51.9%、反対派が48.1%と離脱派が上回った。

多くのマスコミはイギリスのEU離脱の判断を
「愚かな衆愚政治」「イギリス人はこの選択を後悔することになる」などと批判した。

しかし、三橋貴明は「そうではない」と断言する。

月刊三橋最新号
「イギリス激震〜英国の没落から日本が学ぶべきこと」
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_mag3.php

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昨日の信濃毎日新聞の社説は、「露骨な嘘」がいくつも含まれていましたが、大手紙の方はもう少し「巧み」に嘘を活用し、印象操作をしてきます。だからこそ、厄介なのですが。

『政府の経済対策 公共事業をふかすのか
http://mainichi.jp/articles/20160715/ddm/005/070/061000c
 参院選勝利を受け、安倍晋三首相は経済対策の策定を指示した。補正予算案を秋の臨時国会に提出する。
 事業規模は10兆円超と大型対策にする方針だ。首相は「アベノミクスのエンジンを最大にふかす」と強調してきたが、規模優先で旧来型の公共事業が目立つ。
 まず疑問なのは対策の必要性だ。(中略)
 少子化対策が進めば、国内市場の縮小を食い止める効果も期待できる。ただ、対策の多くは公共事業だ。
 訪日客拡大へ大型船用の港湾を整備する。農産物の輸出基地を全国に設置する。国が借りた資金を民間事業などに投じる財政投融資(財投)も活用し、リニア中央新幹線の大阪延伸を前倒しする。整備新幹線建設も加速する。どこまで成長に結びつくかは、はっきりしない。
 安倍政権のこれまでの経済対策は、国土強靱(きょうじん)化をうたった公共事業や、商品券が発行できる自治体向け交付金が柱だった。だが、景気の一時的押し上げにとどまった。今回も成長戦略に名を借りたばらまきに終わる恐れがある。
 財源も乏しく、政府は国債を追加発行する方針だ。一時的な景気刺激にとどまれば、借金が積み上がるだけだ。消費増税も先送りし、新たな借金を抱える余裕はないはずだ。
 財投の活用も財源不足のためだ。だが、財投は、民間金融機関が手を出さない無駄な事業に国の資金をつぎ込んでしまう恐れがある。規模を縮小する改革が行われてきたが、拡大すれば、改革に逆行する。
 参院選で政権基盤は強化された。目先の景気てこ入れではなく、日本経済を息の長い成長に導くような政策に腰を据えて取り組む好機だ。
 少子化対策もその一つだが、公共事業に大盤振る舞いすれば中途半端になりかねない。「未来への投資」が必要なのはこの分野のはずだ。 』
 
『旧来型の公共事業』

 昨日の信濃毎日新聞もそうですが、公共事業にわざわざ「旧来型」という枕詞をつけ、
「古臭いものであるから、役に立たない」
 という印象を与えようとするわけです。日本国は旧きものを文化伝統として守ってきた国民のはずですが、「新しいものは全て良し」という妙な価値観に染まった人が増えたため、この種の枕詞はかなり有効です。

『どこまで成長に結びつくかは、はっきりしない。』

 「成長」という言葉を曖昧に捉えることで、「公共事業」と「経済成長」の関係を断ち切ろうとする印象操作です。

 そもそも、「成長」とは経済成長のことでしょうから、GDPの拡大を意味します。公共事業で(例えば)政府が10兆円を支出したとしたら、用地費等がなかった場合、間違いなくGDPが最低10兆円増えます。(実際には、乗数効果があるため、さらに増えます)
 すなわち、公共事業=経済成長なのです。厳密には、公共事業支出<経済成長なのですが、読者が「GDP」や「経済成長」の意味を知らないのをいいことに、この種の印象操作をしてくるのです。

【日本の年度別公共事業関係費の推移(兆円)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_53.html#Kokyo

 しかも、昨今の政権は「安倍政権含み」公共事業を全く増やしていません。だからこそ、経済成長率が低迷したのです。
 国土強靭化の公共事業など、やっていないのです、安倍政権は。

『財源も乏しく、政府は国債を追加発行する方針だ。一時的な景気刺激にとどまれば、借金が積み上がるだけだ。消費増税も先送りし、新たな借金を抱える余裕はないはずだ。』

 日本銀行が量的緩和政策で国債を買い取り続けている以上、政府の実質的な負債(返済が必要な負債)は、すでに130兆円も減ってしまっているというのが真実です。

【日銀保有国債等と日銀以外が保有する国債等(単位:億円)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_52.html#Nichigin

 「新たな借金を抱える余裕はない」はずの国の長期金利が、▲0.225%などと異様に低迷しているはずがないでしょう・・・。

『ばらまきに終わる恐れ』

 はい、得意のレッテル「ばらまき」頂きました!
 ばらまき、とは何なのでしょう。公共事業全否定なのか、政府の支出がだめななのか、定義を説明してもらったことは一度もありません。
 GDPにならない政府の景気対策が「ばらまき」だというならば、むしろ給付金の方がよほど「ばらまき」の色が濃いと思うのですが。

『財投の活用も財源不足のためだ。』

 はい、嘘です。財投を使うのは財源不足ではなく、財務省が主導するプライマリーバランス黒字化目標というバカげた目標のために、国債の発行を抑制せざるを得ないためです。

『日本経済を息の長い成長に導くような政策』

 いや、凄い。こんな具体性皆無の文章を書き、「新聞記者」をやっていられるとは。

『公共事業に大盤振る舞い』

 大盤振る舞いって、何なのでしょう。いくらまでが「大盤振る舞い」で、幾ら以下は大盤振る舞いでなくなるのでしょうか。誰も説明しません。

 改めて突っ込んでみると、日本の新聞社がいかに「抽象的」に公共事業を批判し、否定しようとしているかが分かると思います。

 結局、日本のメディアを中心とした公共事業否定派たちは、単なる負け犬の成長否定論者たちなのです。彼らの特徴は、「決して具体的な数字で語ろうとしない」という点です。
 具体論は語らず、「旧来型」「大盤振る舞い」「ばらまき」といった抽象表現で公共事業を否定し、日本経済の成長を妨害し、悦に浸る。どうしようもない連中です。
 毎日新聞や信濃毎日新聞の記者に代表される負け犬の成長否定論者たちが「社説(新聞社の意見)」として抽象的、かつ執拗に公共事業を否定し、我が国は全く成長できない国に落ちぶれてしまいました。企業も同じですが、投資をしない国や企業が成長できるはずがありません。

 この手の負け犬の成長否定論者たちを具体論で否定し、事実を国民に知らせ、政治を動かさない限り、我が国は普通に発展途上国化することになるでしょう。

ーーー発行者よりーーー

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6月23日(木)にイギリスで行われたEU離脱を問う国民投票。
大多数の予測を覆し、離脱賛成派が51.9%、反対派が48.1%と離脱派が上回った。

多くのマスコミはイギリスのEU離脱の判断を
「愚かな衆愚政治」「イギリス人はこの選択を後悔することになる」などと批判した。

しかし、三橋貴明は「そうではない」と断言する。

月刊三橋最新号
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【三橋貴明】負け犬の成長否定論者たちへの3件のコメント

  1. たけちゃん より

    三橋先生 安倍晋三は山梨の別荘でゴルフ三昧、本来なら選挙修了後直ちに補正予算着手するのが筋なのに寿司友引き連れて夏休みとは、、、、ウソつきは何処まで行ってもウソつきですね。

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  2. robin より

    伊勢志摩サミットで「各国の状況に応じた機動的な財政出動を実施する」と宣言にあったし、ホスト国の日本も勿論財出賛成だろう、その中で財出は現在の世界的な常識だと思うが、公共事業に限り「旧来型の時代遅れ」であるらしい。社説による「世界最先端の少子化対策」の内容が知りたいが、きっと「紙面の都合」により出来ないのだろう。「ああ!もっと紙面に余裕があったらなあ!」と世界最先端の頭脳を持つ記者は嘆いているに違いない。日本の地形は急峻で可住面積も小さい、よって公共事業も平らな地形の世界各国より余計にコストがかかる。これを指してまっ平らじゃない日本はオカシイ、無駄、公共事業に適してない、と主張してるのかもしれない。国土強靱化をうたった公共事業→やってない。財源不足→家計と財政を混同、内国債と外国債の国を区別しない。脳が涅槃にある記者にとっては事実関係を調べる必要もなく国同士の違いも些細な違いなのだろう。

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  3. 吹田のおやじ より

    このメルマガの読者層はどれくらいの年齢層かは知りませんが、新聞、雑誌、テレビから一方通行情報しか取らない団塊の世代とネットは見るが政治経済に興味の無い20代30代の意識が変わらない限りは、財政出動の意味もPBの意味も知らないままだと思います。それでいくとあと20年以上はこの現状が続くかも知れない。この20代30代が意識変革をして選挙の投票行動に顕れる事になれば日本の既得権益政治を打破できるかもしれません。それをするには学校教育と家庭教育の両輪で政治が生活の密着したもので、投票しなければ何の変化もないこと教えなければならない。組織票で投票する者も誰其に投票しろと言われ自分の頭で考えず入れる事に疑問を抱くようになれば、日本は変わるでしょう。。

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