From 三橋貴明
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「日本国民全員は負債者ではなく債権者」
by 住友 伸一
“マスコミ、財務省が煽る日本国の財政破綻の危機が嘘であることがよく理解できました。
政治家の失政によるデフレの持続が財政破綻の元凶であることが解りました。
我々日本国民は債権者として政府や政治家に「正しい政治をしろ」ともっと要求すべきですね”
「自分は国の借金を返す必要はない!!」と思う人には必要のない話↓↓
http://www.keieikagakupub.com/sp/38DEBT/index_mag2.php
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【今週のNewsピックアップ】
封印された財政出動論
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12130374152.html
OECD、財政再建再考を提唱
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12130731397.html
安倍政権は2015年10−12月期の経済成長率がマイナスに落ち込んだことを受け、「暖冬のせい」と情けない言い訳をしていますが、データの中身を見れば嘘であることが誰にでも分かります。
内閣府の国民経済計算では、家計最終素養費支出の詳細が公表されます。各消費支出の中身を見ると(2015年10−12月期 左が対前期比、右が対前年比)、
耐久財 ▲3.1% ▲8.6%
半耐久財 ▲3.7% ▲5.1%
非耐久財 ▲0.8% ▲0.8%
サービス ▲0.1% 0.8
と、耐久財と半耐久財が消費の減少を牽引したことが分かります。半耐久財とは衣服等なので、「暖冬のせい」はあるかも知れません。とはいえ、自動車や家電といった耐久財も対前期比で3%を超す大きなマイナスになっているのです。
しかも、対前年比で見ると、耐久財の落ち込みの方が大きくなっています。日本の個人消費(民間最終消費支出)の落ち込みを牽引したのは、耐久財の消費減少なのです。
「今年の冬は暖かいから、自動車を買うのはやめよう」
などと思った国民は、一人もいないでしょう。
日本国民が自動車を買わなくなったとしたら、それは単に実質賃金が下がり、貧困化しているためです。貧困化しているが故に、消費を減らした。この単純な事実すら、安倍政権は認めることができないでいます。
ちなみに、実質賃金の下落には「消費税増税」が大きく影響しています。消費税は賃金とは無関係に、強制的に物価を引き上げるイベントであるのに加え、「実質的な需要(量)」を減らすことで、実質賃金引き上げを不可能にしてしまうのです。
この辺りの話は、月刊三橋や三橋経済塾、さらには著作で解説していくつもりです。少し細かい話なのですが、落ち着いて聞けば「誰でもわかる」と思います。
それはともかく、実質賃金を三年連続で落ち込ませ、消費の実質「量」ですら野田政権を下回らせる惨状に至ったにも関わらず、未だに政府が「財政出動」「新たな補正予算」という議論を始めていないのは、まさに「異様」です。
無論、国会で通常予算を通さなければならないというのは分かりますが、3月に通常予算を通し、それから議論を始めたのでは「遅すぎ」です。
あるいは、新たな補正予算は「アベノミクスの失敗」を認めることになるため、現実から顔を背け続ける、という可能性もあります。ちなみに、ここで言う「アベノミクスの失敗」とは、
「金融政策と財政政策を共に拡大する」
はずだったアベノミクスが、金融政策一本やりに変質してしまい、財政は緊縮財政に舵を転じ、需要を縮小させてしまったという安倍政権の失政を意味しています。別に、日銀の金融緩和を否定しているわけではありません。
いずれにせよ、「デフレは貨幣現象」という誤った認識(正しくは「デフレは総需要の不足」)に基づき、デフレ脱却を日銀に丸投げした安倍政権は、現実という巨大な怪物に追いつめられつつあります。今後の安倍政権には、
「緊縮財政路線の過ちを認め、大規模な財政出動に踏み切る」
ことで国民経済を救うか、もしくは、
「このまま緊縮財政を継続し、国民を貧困化させ、怨嗟の対象となる」
のいずれかの道しか残されていません。ちなみに、後者の道を進むと、金融市場で国債が不足するため、量的緩和が困難になり、日本銀行も追いつめられることになります。
「デフレは貨幣現象」という間違った発想に支配された結果、袋小路に追いつめられつつある。「発想」とは、ここまで大きな影響を与えるのです。
「経済学者や政治学者たちの発想というのは、それが正しい場合にも間違っている場合にも、一般に思われているよりずっと強力なものです。というか、それ以外に世界を支配するものはほとんどありません。
知的影響から自由なつもりの実務屋は、たいがいどこかの破たんした経済学者の奴隷です。虚空からお告げを聞き取るような、権力の座にいるイカレた連中は、数年前の駄文書き殴り学者からその狂信的な発想を得ているのです。(ジョン・メイナード・ケインズ「雇用、利子、お金の一般理論」より)」
ーーー発行者よりーーー
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「日本が国債破綻しない24の理由 ~国の借金問題という<嘘>はなぜ生まれたか?」
http://www.keieikagakupub.com/sp/38DEBT/index_mag2.php
p.1 日本は「国の借金」でなぜ破綻しないのか?
p.13 ”国民1人当たり817万円の借金”を広める財務省の記者クラブ
p.20 日本国民は債務者ではない、「債権者」である
p.36 かつて、本格的なインフレーションが日本を襲った時代があった
p.42 “日本は公共投資のやり過ぎで国の借金が膨らんだ”は全くの嘘
p.55 グローバリストから財務省まで、消費税増税を訴える人々の思惑
【三橋貴明】暖冬経済への3件のコメント
2016年2月23日 8:42 AM
安倍総理を支持・容認していらっしゃる方々にはご不快な意見を述べてしまうかもしれませんが、事ここに至ってはどうしても安倍晋三という人を強く批判するしかないのでは、と思ってしまいます。 安倍さんだけが問題、という訳ではないのでしょうし、これだけの支持者がいらっしゃるという事は、安倍さんに何か魅力とか良い所があるのかもしれません。あるいは何か別の理由があるのかと感じなくもないのですが・・。 しかし日本が置かれている本当の状況、または安倍さんのお人柄など、詳しい事は私には判りませんから、見えている範囲で感じた事を表現するしかないと思いました。 政治家を見る時は、「言葉」「行動」などをみて判断しますよね。政治家の本心など、実際には判らないですから・・。 一番信用できない人というのは、言葉と行動が乖離している人ではないのしょうか。国益の為の例外もありますが、安倍さんの場合は乖離というより、言葉と行動が真逆なように見えて不信を拭えません。 安倍さん以外に誰がいる?と仰る向きもあるようですから、反論するようで申しにくい事ですけれども、正直な気持ちを述べさせて頂けるならば、安倍さん以上に間違った政治をしている総理大臣はおられなかったのではないでしょうか。 日本的経済を「悪魔」と呼んだりする方を、なぜそんなに良いと思えるのか、日本が拠って立つ岩盤を自らがドリルの刃となって壊すと宣言している政治家を、なぜ支持する方がおられるのか知りたいところです。 上記のような壊国発言に関しては行動も伴っていらっしゃいますが、TPPの事、移民の事、デフレから脱する事、財政出動をして経済を安定化させる事、戦後レジームからの脱却、日本を取り戻す、等々、「良い事」については、言葉と逆の行動をとっている。思い通りにできなくて悪気は無いが失敗している、とか抵抗勢力に阻まれている、とかそういうふうには感じません。 信用のおけない人物が、憲法をいじるのは危険だとも思います。安倍さんによる新しい憲法が出来たところで、日本の形など無くなり、米国の植民地化という立場が決定的となるだけのような気がするのですが・・。天皇陛下のお立場や皇室がどうなるかも危険な感じがして心配です。
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2016年2月24日 8:20 PM
人間の思考の結果生み出された事柄は全て宗教ですからw要するにそれを信じるかどうかで、実際の所、この世界の原理を全て理解し、真に正しい答えを出せる者など人間の中には存在しない。だからまともな宗教でさえアンチテーゼが成立する。問題はまともでない宗教、新宗教とかカルトとかセクトと言われる物です。オウムと麻原を絶対だと崇める輩とデフレは貨幣現象と崇める輩は同じ穴の貉と言う事です。これと同じ構図が大阪で都構想という狂信的な信仰です。歴史上の絶対君主も己を絶対的な存在としてあがめる対象にします。この様な狂信的な人々の心理を私なりに考察すれば、それは神への憎悪と呪いでしょうね。要するに神の玉座を彼らは奪って世界を支配したい。キリスト教ではそういう輩をサタンなどといいますね。神になる事で安心したい、救われたい彼らの自覚の無い深層心理にはそれがあり、当然、己を不完全にせしめた神への憎悪からくるものでしょうし、当然、それは神の創られた全て、特に最高傑作である人に向けられますから。歴史においても資本主義だろうが社会主義だろうが制度を完璧と崇めた時点でロクな事になってないし、あえて何かを絶対化したがる輩の奥底にはすべてに対する憎悪が起点にあると思いますから、それを暴き白日にさらすしか手はないかと。まずは自覚して頂かないとwどんなうそ、詭弁をへつらおうが、結果酷い事になってる事を平気で放置できる、お前は人間のクズで悪魔だと。アイヒマンの裁判をやらないとw
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2016年2月25日 8:53 AM
財政政策の中に財政出動と緊縮財政の相反する両方の政策が含まれていたのですね。手段と目的に分けてみると金融緩和も財政出動も手段の一つで緊縮財政は目的に当たるのだろうか。国内秩序を目的とするか国際秩序を目的とするかで選択する手段は変わるでしょうね。個人主義的な世界市民は自分の子供が瀕死になっても地球の裏側に居る世界家族の一員の子供が助かるなら安心するのか?
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