コラム

2017年1月9日

【三橋貴明】天照大神に感謝する

From 三橋貴明

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伊勢神宮とデフレーション(前編)
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伊勢神宮とデフレーション(後編)
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混沌の海をグルグルとかき混ぜ、日本列島を創った
伊弉諾尊と伊弉冉尊との間に、三貴子たる天照大神、
月夜見尊、素戔嗚尊の三柱の神々が生まれました。
(日本書紀)

太陽の神である天照大神の孫にあたる邇邇藝命
(ににぎのみこと)が、葦原の中つ国を治めるため、
高天原から日向国の高千穂峰へ天降りました。
天孫降臨です。

瓊瓊杵尊を案内した国つ神である猿田彦は、
伊勢国五十鈴川のほとりに鎮座したといわれ、
今も伊勢神宮の近くに祀られています。

瓊瓊杵尊の曾孫にあたる神日本磐余彦は、

「東に美しい土地があるという、青い山が
四周にあり、その地には天から饒速日命が
下っているという。そこは六合の中なれば、
大業を広げて、天下を治めるにふさわしい
土地であろう。よって、この地を都とすべきだ」

と、東征を開始。瀬戸内海を東進し、当時は
海で会った浪速国に到達。当地の支配者で
あった長髄彦の軍と孔舎衛坂で戦い、敗北。

その後、紀伊半島をぐるりと周り、八咫烏
(天照大神の分身)の案内で大和の国に到達。
長髄彦の軍を下し、大物主の娘である
五十鈴姫を妻とし、52歳で始馭天下之天皇
(はつくにしらすすめらみこと)として即位しました。

すなわち、神武天皇です。現在の天皇陛下は、
神武天皇の血を引くお方、すなわち天照大神の
子孫ということになります。

さて、天照大神の分身たる八咫鏡は、
皇室の三種の神器の一つです。

八咫鏡は、素戔嗚尊が宮殿で様々な粗相を働き、
怒り狂い、嘆き悲しんだ天照大神が「岩戸」の
中に立てこもった際に、石凝姥命が作成したものです。

天岩戸の外で、神々が歌い、踊り狂い、興味を
持った天照大神が岩戸を細めに開けた際に、
鏡に天照大神自身を映し、驚いた隙に外に
引きずり出した。結果的に、高天原と
葦原中国に太陽が照り始めた。

という、天岩戸の伝説が起源なのです。
天孫降臨の際、天照大神から瓊瓊杵尊に
八咫鏡が授けられ、鏡を大神自身だと思って
祀るようにとの神勅(宝鏡奉斎の神勅)が
下された、とのことでございます。

その八咫鏡が、伊勢神宮(正式には「神宮」)に
祀られています。すなわち、伊勢神宮には
天照大神が祀られているのです。

神話の時代から連なる皇室(王室であっても)を
持つ国は、現代では日本国ただ一国です。

天皇陛下、皇室が日本にいらっしゃらなければ、
我が国は単なるアジアの中進国に過ぎません。

天照大神の血を引く皇室が存在しているからこそ、
我が国は「日本国」なのです。

そういう意味で、現在の陛下の譲位問題について、
一般国民が無責任に「意見」を表明するのは、
いかがなものかと思います。皇室の行く末を
決めるということは、二千年近く前から存在する
我が国の「国体」について物申すという話になるのです。

それだけ重要な判断をするための知識を、
我々日本国民は与えられていますか?

本当に「世論」「民主主義」とやらで、
皇室の行く末を決めても構わないのですか?

三橋は、そうは思いません。

というわけで、民主主義の国民であったとしても、
「意見を表明しないという意見」を持つべき時が
あるのではないかと、元旦に伊勢神宮をお参りし、
天照大神に「感謝」申し上げ
(伊勢神宮でお願いごとをしてはなりません)、
しみじみと思った次第でございます。

—発行者より—

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【三橋貴明】天照大神に感謝するへの9件のコメント

  1. メイ より

     自分について申せば、皇室や天皇陛下のお立場について「議論する」のは畏れ多く、私などが不敬だ、と感じますし抵抗がございます。 自分なりに、一番良いと思いますのは、天皇陛下がお決めになる事ではないか、と思います。 皇室の歴史や伝統や役割、天皇というご存在の何たるかを一番ご存じで、一番お考えになり、恐らく一番悩まれた陛下がお出しになるお答えであれば、どんな内容であろうとも従おう、という考えです。 天皇陛下の政治への影響力が強まるのは良くないから、陛下のお言葉通りにできないとか、あくまでも政治が決定する事だ、という議論も判らなくはないですし、現状日本はそういう体裁を取っていますが、こう問題が起きてみると、矛盾が色々と出てくるのですね。 天皇陛下のご存在は国民の総意に基づく、となってはおりましても、国民の多くが陛下と皇室に対し、親しみはもちろん「畏れ多い」という敬意を持っていて、問題が生じた時に「自分たちが皇室に関して何かを決めるなど出過ぎた事だ」と思ってしまう。ならば、国民の立場で問題を解決する事は困難ではないだろうか。 私はそれを間違った事とは思わない。それで良いように思うのです。 陛下のお立場を国民が規定するかのような法律があっても、日本人にはそんな事は難しい。 私は、政治家は信じられなくても、陛下が国民を思って下さるお気持ちを、お信じ申し上げておりますから、陛下のご希望通りになりますように・・と考えます。 

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  2. 矢口潤二 より

    「日本人が本当は知らないお金の話」読了しました。面白い、素晴らしい!

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  3. 學天則 より

    ほぼ、全ては既に神から与えられている後は口先ではなく実践で返すだけ、それが真の祈りであり感謝の気持ちそれは文明の根管だ、捧げる事はね。祈りとは感謝とは捧げる事なのだ。捧げるべき神の祭壇で得た物を誇るのは嘲りで恐れ多い事だ。それに気付ける人は才能ある人、そうでない人は無い人それだけ。でも別に難しい話じゃない会社が一定額の給料を君に払うのは期待しての物もある。只、口先で幸せです、感謝しますだけでは困ってしまう。アベルとカイン。嘲るカインの貢物を神は受け取らない。捧げるべきは正義であるからだ。カインは神と対話していない、只自分の気持ちを押し付けるだけそれは正義ではない。幸福とは人それぞれだけれども、最低限の前提があって人の痛みが理解できる人は他者を思いやれるから和をなせると言う事。先のそうでない人は、そうやって争いや不和を招く、それでは幸福にはなれない。感謝と口に出しながら、神さえ嘲る、それが幸福と言う人は周りを不幸にしているからね。神さえ畏れず嘲る物達だから。聖徳太子様がなぜ仏教の導入に踏み切ったのかそれは神道が難解で選ばれた帝王の為の物だから皆で共有理解するのは難しかったから。でも、その仏教も中世や近世で限界が露呈した。近代の日本人の宗教観が彷徨っている。人の心の腐敗の根は驚くほど深い物だ。ピュアな子供はピュアな自然である犬猫と対話する。犬猫は返す事を知っている、ピュアだから。でも多くの人間は愚かでそうはいかない。あべこべ世界の住人は得てして犬猫と相性が良いのかもしれない。ひとたび、山を下山をすれば、奪い嘲るだけの地獄絵図。その中で奪った者は幸福だと言う。他人の不幸の上にある幸福などある物か快楽で嘲る物はいづれ嘲り返される。それを幸福と言うのか?小さな暮らしを守る為には大きな三千世界の正義を考える事しかないのだが小さな暮らしを本当は守リたくない多くの愚かな人は考えない。彼らは正義を捧げない、嘲るだけだから、いずれその小さな暮らしは嘲り返される、それが幸福だと言うのか?そう、ここは全て神の祭壇です。嘲る者達の裁きの日は近い。

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  4. 天鳥船 より

    天皇陛下の新年は、天地四方の神々に国家国民の安寧と五穀豊穣を祈る「四方拝」から始まります。四方拝は午前5時30分から始まりますが、今上天皇はそれより1時間以上も前から正装に着替えられ、じっと正座をし儀式に向かわれるための精神統一をなさいます。四方拝が無事に終わると、その後は歳旦祭、それから皇族関係者や政府関係者、宮内庁職員など数百人規模の挨拶を受け歓談をなさる新年祝賀の儀等、まさに休む暇もありません。いや、実際に陛下は正月三が日の72時間、一睡もなさらないのです。何故なのか。もし少しでも寝てしまって万が一にも悪い夢を見てしまうと、それが禍事になるからです。若い人でも三日間一睡もしなければフラフラになるでしょう。それを80歳を過ぎたご高齢の陛下が実践され、一般参賀では疲れた表情一つ見せず、笑顔で国民にお手をお振りになります。まさに自らの御身を削りながら、国平らかに民安かれと、常に願い祈り続けておられる、それが天皇陛下というご存在です。今は残念ながら、政教分離がうるさく言われすぎて、宮中祭祀や宮中行事が国民から遠いものとなってしまっています。しかし、2600年以上の歴史を誇るご皇室の第125代天皇陛下は、たかだか70年そこらの日本国憲法(という名の占領統治法)を遙かに超えた存在であり、手前の金儲けしか考えていない経団連の名誉会長ごときが場を仕切って、生前退位(この言葉も不敬極まりないですが)があーだこーだと意見して良い存在ではないことははっきりしています。

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  5. 神奈川県skatou より

    三橋先生のご活躍を、今年も熱く応援しております。>それだけ重要な判断をするための知識を、>我々日本国民は与えられていますか?まったくであります。知識、あるいはもう、感性でしょうか。そういうものを感じない人々との多数決というのは、とても恐ろしいものを感じます。ただ、本当に感じられないかというと、イデオロギーだか、主義とか(頭の中のことば)が邪魔しているだけかもしれず、なんというか、もうすこし上手い合意もあるはずなのかなと思うのです。まぁしばらくは無理なのかもしれませんが。。なにかで読んだのですが、神道は「ない宗教」だそうで、教義がない、聖俗がない、救済がない、のようです。だからこそ現代にも確実に生きているかもしれません。自分は一度だけ伊勢神宮にお参りしましたが、幸運なことにお白石持行事の日でした。川曳の様子、暑い盛りに川に入って綱を曳く、奉献団の方々の顔色は、どれも花開いてました。地元の祭りを一族で誇れる人が、どんな金持ちよりも、自分には幸せに見えてしまいます。でもデフレは貨幣が至上のようで、かなり問題です。でもでも、不思議なことに、すこし前を思い出すと、バブル最盛期もやっぱりカネカネだったのかもと思うのです(だから泡?)。バブルの乱痴気騒ぎがイヤで「もっと日本は貧しくなれ」と言った年寄り風の方々は、不景気でモノが大事にされると思ったのでしょうが、実はさらに貨幣が大事になったのが現実ではないでしょうか。絶頂期に崩壊の芽が育つとしたら、筋道はつねに気を付けたいものですね。

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  6. 拓三 より

    私は宗教は大嫌いやけど神様は大好きや。天皇さんもそうやけど殆どの神様は、(男)『コラッ!下等動物の男ども!ちょっとぐらいは母性の気持ちになって物事考えろ!』って言うてはる。天皇さんの勤めは国民の幸せ、つまり子供の幸せを祈る事やろ。これは完全たる母性や。それを男系が継承すると言う事は下等動物が継承しているのと同じ意味や。母性が祈るのは当たり前、下等動物の男が母性の気持ちを持つことに意味があんねん。ならば願い事を祈るのではなく、己の心を問うことこそ意味があるんとちゃうか。私も下等動物で御座いますが、母性の心を持つのは大変苦しいもので御座います。『母強し』と言わざるを得ません。天皇さんのお勤めは大変やな〜と思う今日この頃で御座います。

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  7. 學天則 より

    伊勢神宮でお願いごとをしてはなりません。この一文が気になりましたね。ならば感謝すると言うのさえ身勝手な、お願い事で人の想いの押し付けではないですかね。神は貴方の召使ではありませんからねえ。皆さんも気付かない宗教観の退廃があるのやもしれませんぞ宗教観とは世界観。この世界は貴方方のお願い事を聞いてくれる存在ですか?むしろ逆でしょうねえ・・・。伊勢神宮でお願いごとをするなというのはその警告やもしれませんねえ。

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  8. 言起 より

    今日のこのメルマガは、流し読みせず、一字一句よみがなとその意味を調べながら読みました。ex.伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、葦原中国(あしはらのなかつくに=日本国)など三橋先生は元旦に伊勢神宮に参拝に赴かれたとのこと。私も1月中に行きます(先生のブログを読み久々に行きたくなりました)。地元の神社では「家内安全」など身内の事を祈願するのですが、不思議なことに、伊勢神宮の本殿の前では、自然に「感謝」という気持ちしか浮かばないのです。この日本国に生を受けたこと、この家族と出会えたこと、そして今ここに家族ともども生きていられること、さらにこの日本国を創ってこられたご先祖、この「感謝」の気持ちを伝えに、お伊勢さんへ行ってきます。

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  9. たかゆき より

    三貴神>伊弉諾尊と伊弉冉尊との間に、三貴子たる天照大神、 月夜見尊、素戔嗚尊の三柱の神々が生まれました。 (日本書紀)古事記の記述のほうが日本書紀よりも ぼくの 好みですけど、、>そういう意味で、現在の陛下の譲位問題について、 一般国民が無責任に「意見」を表明するのは、いかがなものかと思います三橋さまの おっしゃるとおり なのだ ♪

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