コラム

2016年6月26日

【三橋実況中継】夢を持たない国は、夢を持つことが不可能な国に落ちぶれる

From 三橋貴明

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【耳寄り情報】

「第四次産業革命」と聞くと、ドイツの「インダストリー4.0」が連想されるかもしれない。

だが、日本で進んでいる「第四次産業革命」はドイツの「インダストリー4.0」とは似て非なるものである。日本の「第四次産業革命」はサービス業に携わる人々の仕事を楽にし、生産性を飛躍的に高めることが目的だ。ドイツのものは人を排除する産業革命なのに対し、日本のものは人に寄り添い、人を助ける産業革命なのである。

特に介護業界や土木・建築業界、運送業界などで、働く人々の作業を楽にするさまざまなアイテムが実用化されつつある。

この「第四次産業革命」の進展を現場取材を通して見つめてきた三橋貴明が、第四次産業革命が日本経済、世界経済に与えるインパクトについて解説する。

「そもそも産業革命とは何か」そして、
「政治目的で利用しようとする不穏な動き」とは・・・?
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_mag.php

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【近況】

新幹線で移動しながら、藤井聡先生の「「スーパー新幹線」が日本を救う 」を読みました。
https://www.amazon.co.jp/dp/4166610775/

う〜む、面白い・・・。三橋の「全国民が豊かになる 最強の地方創生」は、「マクロ」な視点から新幹線ネットワーク構築を提言した本ですが、藤井先生は専門化らしく「マクロとミクロの中間」に位置づけられる一冊になっています。

日本でなおざりになっている新幹線基本計画の整備計画化を訴えると同時に、より具体的に、「黒字路線」となることが確実な山形新幹線(のフル規格化)、羽越新幹線の「長岡−上越妙高間」、伯備新幹線(岡山−出雲間)から始めるべきと提言されているのです。

本来、新幹線を「公的インフラ」としてとらえた場合、赤字路線になろうとも「国家全体の経済成長」「国家全体の安全保障」のためには建設するべきです。といいますか、日本以外の国々は、基幹となる鉄道路線の維持費は税金で負担しています

そもそも、「黒字でないインフラは建設するな!」と言い出した日には、一般道路の舗装化すらできなくなってしまいます。防波堤建設、護岸工事等も全てアウトです。何しろ、利用料を取れません。

とはいえ、日本では新幹線について「赤字になる!」などと公共インフラの本質を理解していない「おバカさん」が少なくないため、黒字化が確実に見込まれる路線から建設するというのは合理的です(残念なことに)。

特に、羽越新幹線の「長岡−上越妙高間」は、三橋が新潟で講演する際に、いつも冗談のネタにしています。新潟と上越はこれほど距離が短いのに、新幹線で行くとなると、なぜ「高崎」経由になるのでしょうか、と。

さらに、伯備新幹線が出雲まで通れば、個人的に一番好きな観光地(出雲大社)に岡山から新幹線で行くことが可能になります。あのバカ高いJAL便を使う必要がなくなるわけです。山陽・関西方面からの出雲・松江観光が激増し、反対側から見れば、
「出雲・松江の観光サービスの市場が、山陽・関西(あるいは関東)に広がった」
という話になり、両市の人口は増加に転じるでしょう。そうなれば、新大阪から京都、舞鶴を経由した「山陰新幹線」も現実味を帯びてきます。

いずれにせよ、現在の日本には上記の類の「インフラの夢」が必要なのです。「こうなったらいいなあ」という夢こそが、社会と政治を動かします。

現在の日本国は、夢を持たない国です。夢を持つ能力はあるにも関わらず、財政破綻論だの、公共投資悪玉論だの、人口減少衰退論だの、嘘の情報が蔓延し、国民や政治家が夢を語らなくなりました。

夢を持たない国は、いずれ夢を持つことが不可能な国に落ちぶれると確信しているのでございます。

◆一般参加可能な講演会のお知らせ!
6月29日(水) 若者からはじめよう 〜主権者としてのあるべき姿を目指して!〜
https://www.nagoyajc.or.jp/66nendo/schedule/schedule09.html

◆徳間書店「第4次産業革命: 日本が世界をリードする これから始まる仕事・社会・経済の大激変」販売開始になりました。
http://www.amazon.co.jp/dp/4198641536/

◆日本文芸社「全国民が豊かになる 最強の地方創生」販売開始になりました。
http://www.amazon.co.jp/dp/4537261463/

◆技術評論社「プロのグラフ仕事 ~伝えるためのExcelエッセンス~」販売開始になりました。
https://www.amazon.co.jp/dp/4774182133/

◆週刊アサヒ芸能 連載「三橋貴明の列島丸わかり報告書」連載第七十四回「今も続く「日米構造協議」が、国民を勝者と敗者に2極化させた」
http://www.asagei.com/

◆週刊実話 連載「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 第180回「新幹線ネットワーク」
なお、週刊実話の連載は、以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/article/category/4/

◆有料メルマガ 週刊三橋貴明 〜新世紀のビッグブラザーへ〜 週刊三橋貴明 Vol369 「お金」の成立条件 後編
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
福沢諭吉の肖像が印刷された紙幣を愛する皆さん。なぜ「日本銀行券(現金紙幣)」について、我々は極度な「信用」を置いているのか、知っていました?

◆メディア出演

6月29日(水) 6時から文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
http://www.joqr.co.jp/tera/

6月22日(水) チャンネル桜「Front Japan桜」に出演しました。
【【Front Japan 桜】祝!菖蒲 Green500三連覇と人類の危機 / 投資について学ぼう / ベーシックインカムは、日本では有用か否か…[桜H28/6/22] 】
https://youtu.be/rgcqo0T-Gho

◆三橋経済塾
6月18日 三橋経済塾第五期 第六回対面講義が開催になりました。
http://members5.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?page_id=8
ゲスト講師はペジーグループ代表の齊藤元章社長でした。
インターネット受講の方は、しばらくお待ちください。

◆チャンネルAJER 今週の更新はありません。

ーーー発行者よりーーー

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「第四次産業革命」と聞くと、ドイツの「インダストリー4.0」が連想されるかもしれない。

だが、日本で進んでいる「第四次産業革命」はドイツの「インダストリー4.0」とは似て非なるものである。日本の「第四次産業革命」はサービス業に携わる人々の仕事を楽にし、生産性を飛躍的に高めることが目的だ。ドイツのものは人を排除する産業革命なのに対し、日本のものは人に寄り添い、人を助ける産業革命なのである。

特に介護業界や土木・建築業界、運送業界などで、働く人々の作業を楽にするさまざまなアイテムが実用化されつつある。

この「第四次産業革命」の進展を現場取材を通して見つめてきた三橋貴明が、第四次産業革命が日本経済、世界経済に与えるインパクトについて解説する。

「そもそも産業革命とは何か」そして、
「政治目的で利用しようとする不穏な動き」とは・・・?
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_mag.php

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【三橋実況中継】夢を持たない国は、夢を持つことが不可能な国に落ちぶれるへの4件のコメント

  1. あまき より

    インフラ計画は有事の際の転用を十分に考慮して整備すべきとの學天測さんに同意します。以下にその理由を述べます。パルス・タイムテーブル・システムを採用したスイスでは、公共交通の大輸送改善政策によって国じゅう隈なく速達化の恩恵が行きわたり、特に鉄道では他の欧州諸国に類例のない大幅な乗客増を齎していますが、この計画はおそらく有事が相当意識されている。つまり如何にまとまった人員を国境地帯へ迅速配置するか、或いは国民の避難輸送を如何にしてさばくか。国防の思想が骨身に徹底している頭脳集団によって緻密に作られた計画に違いないと私は見ています。リニア新幹線のスイス・メトロ計画がなぜ立ち消えになったのか。その理由も極めて示唆に富んでいると思います。

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  2. 學天測 より

    三橋さんや藤井先生のおやりになってる事は一般の人から見れば天空の神々の戦いの様に写るのかもしれない。しかし、やはり戦いはその集団を守護する神が勝ってこそ、勝てるのであります。抽象的な言い回しですので具象的にいますと戦中もやはり飛行機に乗って戦場を支配するのはまずは選ばれたエリートだった訳です。そのエリート集団達の航空支援があって初めて地上部隊は圧倒的有利に戦える。その究極は法秩序なのでしょうけど、戦前の日本はここを見誤っていたと思いますね。やはり法は過去の実証事実という前提から乖離しては駄目です。歴史や神話は大事ですね。話はそれましたので戻りますと戦えるリソースは限られており、更にこの情勢下であります。だから、より後方からの圧力で前線を少ないリソースで維持する高次の支援を大事にする徹底した戦略的な思考が大事だと言う事です。地方を立て直すためには日本はもちろん世界を繋ぐ人間のネットワークの中で問題を共有し解決していく事が大事であり、その為の価値観の共感であり、その最たるものこそ、ドイツなどには負けない素晴らしい夢でしょう。新幹線だけでなく空港、インターネットなどのインフラはその為にあるのでしょう。まず、国だけでなく地域レベルであっても、夢を共有し、結束して、それぞれ戦略的にどこから立て直すかが大事でしょうね。当然、道路は有事には代替滑走路、列車も軍事転用される国防の要。それもきっちり、考えておかないと駄目でしょうね。量子コンピューターだのAIだのいっても、あくまで威力は有っても火計の如き支援であって、人間の営みなんて最終的には知的好奇心を満たす快楽やその為に平和と安心、安全でおいしい空気や水や食べ物を手に入れる事です。その基本を如何にサポートするかでしょう。そもそも都市と地方の関係は産業的にもそういう相互補完関係にあるのではないかと。都市で農業やってる人もいますけど(笑)。

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  3. 學天測 より

    私は正直、共産党は正しいと思います。でも世の中には必要悪があります。それは核兵器、軍隊、政治とそれが生み出す法秩序です。恐らく永遠にできもしないパーフェクトな絶対的正しさより、必要悪を少しでも無くすためには今手を付けられる事から始める事からが大事ですよ。今が上手くいかないときそれはその前工程となる前提が駄目なのです。経験を生かせない人は失敗します。大胆な前進より地道な前進が大事です。いずれ大きな花を咲かせるべき時が来るでしょう。慌てる乞食は貰いが少ないと申します。30年後を予想できる人なんていません。そういう基本をわかってない人が多いのです。まずは地方の中心都市にいかにして実情に見合った兵站線を繋ぐかも大事でしょう。それが終わる時また実情に合った事をやればいい。ガ島に将兵は取り残されています。制空権を取らねばなりません。

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  4. ひかり より

    山陰新幹線は単線でもいいじゃないかと自民党の議員たち(石破氏、谷幸一氏、谷垣氏)が言い始めたことは問題があると思いますが?谷公一議員は5月20日の自身のブログで単線の新幹線を山陰の夢といっています。「視野に入れているだけ」だと、ブログで言っているから確定ではないと擁護する人もいますが、こういった発言が出るということは、単線でも新幹線を作れば問題ないと錯覚している証拠です。また、その路線で行くと自民党が決めているということです。三橋さんは単線でも新幹線ならかまわないと考えているのでしょうか?私は、全ての在来線の複線化・高速化も絶対に必要と考えておりますし、新幹線を作るなら、山陽新幹線・東海道新幹線のように最高の技術の新幹線を作らなければいけないと考えています。整備新幹線は、ほとんどの駅が、上り1線1ホーム・くだり1線1ホームで、最速達が増えるほど、各駅停車の新幹線は運営の邪魔となって駆逐されます。山陽新幹線・東海道新幹線は登り2線2ホーム(または、各駅停車用の駅は2線・1ホーム【1線は追い抜き用】)、下り2線2ホーム(または、各駅停車用の駅は2線・1ホーム【1線は追い抜き用】)となっており、運営の邪魔にならない。鳥取県・島根県の新幹線の経済効果の試算は、単線の新幹線で試算したのでしょうか?整備新幹線でしたのでしょうか?いえ、間違いなく山陽新幹線・東海道新幹線の規格で計算しているでしょう。在来線も整えなければ、多くの地域の人々が取り残されます。特急も残さねば、多くの人々が困ることになる。三橋氏の考えは、各県の首都が発達することのみに主眼を置いているため、それ以外の地域を見捨てています。自覚をしてください。

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