From 佐藤健志
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「震災と戦後脱却」
From 佐藤健志
東日本大震災の発生から、早いもので5年が経ちました。
5年というと、何か節目というか、一つの区切りがついたような感じがしますが、決してそうではないようです。
たとえば時事通信ニュースは、3月10日にこう報じました。
東日本大震災から間もなく5年となる。避難者は、震災直後の47万人から約6割減少したものの、今も17万4471人(2月12日現在)おり、うち5万8948人(2万8685戸、1月末現在)はプレハブ仮設住宅で暮らす。阪神大震災では仮設住宅は5年で姿を消したが、被災3県では受け皿となる災害公営住宅の整備の遅れや、東京電力福島第1原発事故による避難などで、解消の見通しが立っていない。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2016031000192
仮設住宅の入居者数は、宮城県の2万3763人をトップに、福島県の1万8602人、岩手県の1万6583人と続きます。
入居者数が最も少ない岩手県の達増拓也知事も、フォーリン・プレスセンターのインタビューで、このように語りました。
5年たつとはいえ、まだまだ課題は多く、私たちの復興は今も“ピーク”にある状況です。
復興の重点は、まず住宅の再建です。災害公営住宅は2017年3月末までに約9割が完成する予定です。一方で、持ち家再建のための土地の造成は、あと3年はかかる見込みです。そこから家を建てるとなるとさらに時間がかかりますから、一番被害が大きい陸前高田市も視野に入れると、10年くらいかかってしまいます。
http://fpcj.jp/useful/chief/p=41237/
新たな住まいが確保されれば、復興が終わるわけではありません。
しかるに「住まいの確保」を達成するだけで、最長10年かかるのですから、震災5周年などはまったく道半ばと言うべきでしょう。
藤井聡さんの「『ゼロ金利』活用戦略」ではありませんが、せっかく金利がこれだけ低いのですから、復興の加速と充実に向けて、政府が思い切った投資を行うべきところ。
ただでさえ、来年は消費税率引き上げが予定されています。
何らかの対策を講じないかぎり、復興の進展にも悪影響が出るのは確実。
被災地が復興、いや「超復興」(=震災前を上回る繁栄を実現すること)をなしとげるまで、きっちりサポートする姿勢を打ち出すのが、健全なナショナリズム、あるいは「絆」というものではないでしょうか?
・・・それはそうと。
今回の震災については、発生当時、とんでもない主張をした方がいました。
政治学者の御厨貴(みくりや・たかし)さん。
この大災害によって「戦後」は終わり、「災後」という新しい時代が始まるのではないかとのこと。
なんと、戦後脱却に必要なものは、憲法改正でもなければ、アメリカとの関係の見直しでもなく、地震と津波だったようなのです。
なぜか?
「中央公論」2011年5月号に発表された評論「『戦後』が終わり、『災後』が始まる」に基づいて、主張の内容を整理すれば以下のようになります。
戦後日本、いや近代日本が行き詰まっていることは、今までも繰り返し指摘されてきたが、日本人は「新しい社会像への自己変革」を実現できずにいた。
というのも、当の変革を実行するには、(戦後の始まりである)敗戦に匹敵するインパクトを持った国民的共通体験が必要だったからだ。
だがそれだけのインパクトを持った出来事は、巨大な破壊も伴うので、日本人は新たな共通体験の必要性を感じつつ、その到来を恐れてもいた。しかるに東日本大震災は、否応なしに巨大な破壊をもたらした。
よって今やわれわれは、「外圧」や「内圧」ならぬ「自然災害圧」によって、時代を転換し、新しい社会像への変革を達成する条件を手に入れた。
何がとんでもないかはお分かりですね。
これが正しければ、東日本大震災が起きたのは喜ぶべきことになってしまうのです!
いいですか、日本は変革を迫られていたんですよ。
そしてそのためには、巨大な破壊を伴う共通体験が必要だったんですよ。
だったら震災が発生したのは「良いこと」じゃないですか。
震災の犠牲者、あるいは被災者の苦しみなど、「時代の転換」というメリットに比べれば取るに足らないことになるのでしょう。
問題の評論を書いたのと相前後して、御厨さんは政府(菅直人内閣)が設置した「復興構想会議」の議長代理に就任しました。
震災の発生を喜んだ人物が、復興構想のとりまとめに当たったのです。
ちなみに同会議は、提言こそ一度出したものの、さしたる成果を挙げないまま解散・廃止となりました。
しかし。
5年後の今、振り返ってみると、御厨さんの主張は、ご本人にその自覚があったかどうかはともかく、戦後日本に関する重要な問題提起を含んでいたことに気づかされます。
列記すれば、次のようになるでしょう。
1)(戦後)日本人には、自国のあり方を進んで変えるだけの主体性がない。
2)ゆえに戦後脱却が達成されるとすれば、何らかの圧力に屈した結果である。
3)この圧力によって、国民(の一部)に多大な犠牲や被害が生じたとしても、それは〈社会変革のために必要なコスト〉のごとく見なされ、正当化される。
どこかで聞いたような話だ、そう思われた方も多いのではないでしょうか?
そうです。
「震災による自然災害圧」を「アメリカからの構造改革圧」に置き換えれば、これは1990年代後半いらい、わが国で続いている事態そのものではありませんか!
戦後からの脱却がなされるとしても、それは真の自主独立を達成するという主体的な形ではなく、アメリカへの全面的な従属という「屈服」の形を取るのではないか。
同時にその欺瞞性を隠蔽すべく、ナショナリズムを強調した全体主義化が生じるのではないか。
これが『戦後脱却で、日本は「右傾化」して属国化する』の重要な論点です。
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御厨さんの主張は、私の論点の妥当性を、みごとに裏付けていたと言えるでしょう。
ただし東日本大震災の発生を、喜ぶべき出来事のごとく位置づけた姿勢には、まったく賛同できないことを、ここで明記しておきます。
ではでは♪
<佐藤健志からのお知らせ>
1)日本人はなぜ、自国のあり方を主体的に変えてゆくことができないのか?詳細はこちらを。
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2)「災後」をめぐる御厨さんの主張の問題点については、この本でさらに詳しく分析・批判しました。
『震災ゴジラ! 戦後は破局へと回帰する』(VNC)
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3)戦後を本当に終わらせたいのであれば、まずは戦後の経緯について真相を知らねばなりません。それにはこちらを。
『僕たちは戦後史を知らない 日本の「敗戦」は4回繰り返された』(祥伝社)
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4)思えば近代日本そのものが、黒船来航という外圧によって始まったのです。これが生み出したジレンマについてはこちらを。
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5)「民衆にたいして『国家が窮乏に陥ったおかげで、諸君の負担は軽減された』(=革命によって歳入は激減したが、それは納税額が少なくなったことを意味するのだから、国民は税負担の軽減を喜ぶべきだ)などと告げるのは、あつかましく冷酷なペテンである」(304ページ)
もしエドマンド・バークが、「国家が大災害に襲われたおかげで、ついに時代の転換が達成された」という議論を聞いたら、どうコメントしたでしょう?
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6)「われわれ一人ひとりが、隣人にたいし、心からなる友愛の手をさしのべる時が来た」(237ページ)
これぞ健全なナショナリズム、あるいは「絆」というものです。
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