コラム

2016年6月19日

【三橋実況中継】「国(くに)」という言葉

From 三橋貴明

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「資本主義の死」
From 三橋貴明@ブログ

【近況】
三橋貴明は言葉の「定義」にこだわる人間です。もちろん、日常会話で「定義!定義!」とやる必要はないのですが、問題解決の際は別です。

問題を解決するためには、「問題を厳密に、正しく」認識する必要があります。
問題を正しく認識せずに、解決するなどということは、神様にも不可能でしょう。

「1+100」いう問題を解くことはできます。
それに対し、「何となく小さいのと、それより大きいのを加えた感じ」という問題を解けと言われても、
できるわけがありません。

というわけで、日本の国民経済の「問題」を語る際に、認識を正しく共通化するべく、三橋は「定義作業」に勤しんでいるわけです。要はコミュニケーションを正確にしましょ、という話ですね。

そんな三橋が最近、特に気になっているのが「国(くに)」という言葉です。国とは、日本国家のことを示すこともあれば、「日本政府」を意味するケースもあります。

「国をあげて応援しよう」
の場合の「国」は、日本国民を含む日本国家全体を指します。それに対し、例の「(いわゆる)国の借金」の「国」は、日本政府を意味しているわけです。ちなみに、法律でも「日本政府」が「国」と表現されています。

「国」という言葉が曖昧であるため、
「国の借金で破綻する!」
などと煽られた国民は、「日本国家の借金」なのか「日本政府の借金」なのか区別がつかず、多くは「自分たち(日本国家)の借金」と誤解してしまうわけです。

そもそも、「いわゆる国の借金」はGovernment Debtの翻訳であり、正しくは政府の負債です。日本銀行の統計でも、きちんと「政府の負債」となっています。政府の負債の場合、まさに「政府」の負債であるため、誤解しようがありません。

それが、マスコミでは「国の借金」と報じられ、国民は「政府の負債」を「自分たちの借金」であるかのごとく感じてしまうわけです。

果たして最初に「政府の負債」を「国の借金」と言い換えたのは、誰なのでしょうか。
ご存じの方がいらっしゃいましたら、是非、教えて下さい。

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◆週刊アサヒ芸能 連載「三橋貴明の列島丸わかり報告書」連載第七十三回「95年の武村正義の「財政危機」宣言から、「失われた20年」が始まる」
http://www.asagei.com/

◆週刊実話 連載「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 第179回「地方創生回廊」
なお、週刊実話の連載は、以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/article/category/4/

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現実に「お金」が成立するには「価値単位」「債務と債権の記録」「譲渡性」に加え、実は四つ目の条件があるというお話です。

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6月22日(水) 6時から文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
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6月22日(水) チャンネル桜「Front Japan桜」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1651

◆三橋経済塾
6月18日 三橋経済塾第五期 第六回対面講義が開催になりました。
http://members5.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?page_id=8
ゲスト講師はペジーグループ代表の齊藤元章社長でした。
インターネット受講の方は、しばらくお待ちください。

◆チャンネルAJER 今週の更新はありません。

ーーー発行者よりーーー

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【三橋実況中継】「国(くに)」という言葉への4件のコメント

  1. コメントに返信する

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  2. robin より

    輪転機をカチャカチャ回さなくとも日銀当座預金残高をピコッと上げるのが一般的かな。利息が付かない上にマイナス金利だったり貸出が増えると期待されるが実際は需要不足で財出しない限り金融経済から実体経済にお金が回ることは無いのかな。内国債と外国債の国で取れる政策も異なるだろうし、日銀は独自に利益を上げないとダメだと考えるか、日銀は政府の子会社で連結決済、利息も国庫へ帰ると考えるかで結論も変わるのだろう。実際は国債の直接買取は基本禁止だが国会の承認があれば可能だ。財出と合わせてインフレ気味になるまでやれば良いと思う。国債の償還はロールオーバーで。もしくは青木先生が「無期限・無利子」の国債を発行すれば良いと仰ってた。

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  3. robin より

    理論と現実の間にあるのが統計で数値化しないと客観視も出来ないし価値観論争になって延々問題は解決しないか。問題を解決せずに自得の足場固めための時間稼ぎ、白黒はっきりさせないことが目的かもしれないが。所謂左翼右翼も利き腕と同じで行動選択におけるバイアス、信仰のようなもので、ある特定の「差別(日本優遇)」を認める人や、あらゆる差別を許さないと信じる人もいる。無謬性や潔癖、完全無欠を求める、身から出た糞を糞と認めない、認知しない人もいる。平等を信仰の対象にすると平等=無個性でそれはあらゆる長所短所を認めないということか。一方自由=無関係で脱国家を目指すユダヤ系?の思想と親和性があるのだろうか。

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  4. 奥井英夫 より

    先生の日本の財政の破綻ないという議論は私のような技術畑の者には[目からウロコ]のなのですが、どうも理解し難いことがあります。その一つは毎年日銀が民間から買い入れるという多額の国債の購入費用はどこから調達しているのかということです。マサカ、輪転機を勝手に回してるはずはあるまいとおもいますが。二つ目は日銀が保有する国債に償還期限が到達した時に政府から支払われる多額の金はどのように処分されるのでしょうか。マサカ、株主に配当されるのでは無いでしょうね。

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