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2015年5月27日

【三橋号外】目を背けてはならない危機

From 三橋貴明 http://keieikagakupub.com/38news/

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●●三橋貴明が実践する経済ニュースを読む技術とは?
http://keieikagakupub.com/lp/mitsuhashi/38NEWS_CN_mag_3m.php?ts=hp

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本日は24時からラジオ関西「なんでもカウンセリング〜You&Me〜」に出演します。
http://jocr.jp/blog/nandemo.php

改めて考えると、現在の日本が置かれた立場は、1930年代のイギリスと本当に似ています。長引く経済停滞で国民が自信を喪失する中、大陸の独裁国が経済成長を達成し、周辺諸国に対する領土的野心をむき出しにする。まるで、ネヴィル・チェンバレン時代のイギリスそのままです。
南シナ海で「安全保障上の危機」が高まっていっています。南シナ海で中華人民共和国がスプラトリー(南沙)諸島で人工島を建設。それに対し、アメリカが「中止」を要求し、偵察機を送るなど「警戒監視活動」を開始。

21日には、ラッセル米国務次官補が、
「警戒監視活動を続ける。(人工島周辺は)国際海・空域であり、航行の自由の権利を行使する」
と、発言。22日には、バイデン副大統領が、
「公平で平和的な紛争解決や航行の自由のためには、アメリカは臆することなく立ち上がる。こうした原則が今、南シナ海で中国の行動によって試されている」
と、発言。「情報戦」が、すでに始まっています。

中国側は、26日にスプラトリー諸島の二つの岩礁において、灯台建設を開始したと発表。「南シナ海を航行する各国の船舶の安全のため」と、主張しています。

更に同日、中国は国防白書を発表。

『中国、国防白書で米を批判…「域外国家が介入」
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150526-OYT1T50043.html
中国政府は26日午前、「中国の軍事戦略」と題する国防白書を発表した。
白書は日本について、「戦後体制の脱却を積極的に追求し、軍事安全政策を大幅に調整しており、国家発展の方向性をめぐり地域諸国の高い関心を呼んでいる」との表現で、安倍政権の安全保障政策に警戒感を示した。
中国が岩礁埋め立てや施設建設を進める南シナ海をめぐっては、「域外の国家が南シナ海の問題に力の限り介入し、中国に対し高い頻度で海上、空中での接近偵察を続けている」と指摘。名指しは避けながら事実上、米国を批判した。
さらに、南シナ海で中国と領有権問題を抱えるフィリピンやベトナムを念頭に、「中国の領土主権や海洋権益の問題で挑発的な行動を取り、違法に占拠した中国の島々で軍事的なプレゼンスを強化している」と非難した。
また、「予見できる未来において世界大戦は起こらないが、世界は依然として現実的・潜在的な局地戦争の脅威に直面している」との認識を示した。その上で、「戦争準備態勢」を維持し、特に「海上の軍事闘争とその準備を最優先し、領土主権を断固守り抜く」と強調。沖縄県・尖閣諸島をめぐり日本と対立する東シナ海や、フィリピンなどとの領有権問題を抱える南シナ海などを念頭に、海軍力を強化する戦略を明確に打ち出した。(後略)』

今回の白書では、名指しこそしていないものの、アメリカを激しく批判。さらに、「軍事闘争の準備」を強く打ち出し、「海上軍事闘争への準備」を初めて明記しました。明らかに、南シナ海(そして、東シナ海)を念頭に置いています。

しかも、今回の中国の国防白書は、前回(二年前)に比べ分量を大幅に減らし、さらにデータ類を一切記載しないという、不透明性があからさまになったものでした。データを載せない国防白書を公表し、
「各国の軍事透明度の向上を促し、相互理解と信頼を増進するのにプラスの意義がある」
と、国防省報道官が意味不明なことを堂々と言ってのけるのが、中国なのでございます。

また、海軍について「近海防御」型から、「近海防御と遠海防衛の結合」型に転換すると明記されました。要するに、「海洋進出」という名の他国領土・領海への侵略を拡大するという話です。

現在、国会で安全保障関連法案が審議入りしています。

安倍政権は集団的自衛権関連や、自衛隊による他国軍への後方支援の拡大を盛り込んだ法案を通そうとしているわけですが、民主党の枝野幹事長は「武力行使の新3要件」の一つ、
「我が国の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険」
について、具体的な判断基準を示すよう首相に求めるなどと、眠たいことを言っています。
すでに「目を背けることができない危機」がある状況で、「具体的な判断基準」を明確化することは、逆に危険です。そもそも、防衛面(だけではないですが)の安全保障は「想定外」の事態が頻発するのです。

想定外の事態が起き得る非常事態から「国民」を守るために、日本以外の国々の「軍隊」はネガティブリスト方式(やってはならないことのみを定める)になっているのです。それに対し、自衛隊はポジティブリストです。すなわち、やっていいことを事前に法律で定めない限り、動けないのです。

自衛隊をネガティブリスト方式にするというならばともかく、そうではない以上、「武力行使の新3要件」は、むしろ曖昧なままにしておく必要があります。判断基準を明確化すると、中国は間違いなく「穴」を突いてきます。

などと書くと、「すわ! 戦争だ!」などと大騒ぎする人が出てくるのでしょうが、戦争を起こさないために、中国と「軍事バランスを維持する」ためにどうするべきか、について、目を背けずに考えようと書いているわけです。判断基準を明確化しなければならないというならば、中国と「戦争を起こさない」ための代替案を提示して欲しいものでございます。

南シナ海で起きていることは、我が国の安全保障に直結する話です。日本国民にとって、目を背けてはいられない危機が存在するというのが「現実の世界」なのです。大変、残念なことに。

PS
「現実の危機から目を背けてはならない」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_sv.php

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【三橋号外】目を背けてはならない危機への2件のコメント

  1. 梅田民子 より

    国のトップリーダー達は、現場を理解されてないで、国会で議論されているのが、現状だと思う。

    返信

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  2. 神奈川県skatou より

    昨日の国会で海外派兵された自衛隊員の自殺者が二桁だったそうで、原因の特定は困難とのことです。これは自分のブラックサラリーマンな経験からの空想ですが、・上司、上層部が現実を理解していない・現場はごまかしのきかない物理的現実と日々格闘し逃げられない・上層部と現場の認識のギャップが埋まらない・指示も方針も対策もすべて現場に響かないその結果、現場に向き合い心身ともに使いつくし、最後はまるで吸い込まれるように最期の行動の決断に。これは水が高いところから低いところへ流れるように、ごく自然に行われます。そんなことがあったのではと邪推します。頭でっかちな理想をごり押しして現場と没交渉。これはルールで避け得ない組織の負の機能で、サガというところでしょうか。僕らより自衛官のほうが死なないと思ってましたが、むしろそうでもないようで申し訳なく思います。

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