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2015年1月5日

【三橋貴明】三橋経済塾

From 三橋貴明

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●月刊三橋最新号のテーマは「2015年の世界と日本」。

アベノミクスは失敗し、日本は再デフレ化確定。
ユーロはボロボロ。そして、中国が、、、、

今年、あなたが時代を読み間違えたくないなら、このページが参考になるはずです。
https://www.youtube.com/watch?v=eQUSqYvie2s

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【今週のNewsピックアップ】
「言葉」の問題(前編)
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11972156755.html
「言葉」の問題(後編)
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11972462210.html

先日の月刊三橋のQ&Aで、
「消費税の軽減税率などの是正措置を講じてまで、直間比率の見直しを図ろうとする意図は、どこにあるのでしょうか?」
という、本質(色々な意味で)をついた質問を受けました。この種の言葉「直間比率」のように、分かるようで分からない用語が出てきたときは要注意です。

他にも「財政破綻」「国債の信認」「通貨の信認」「一物一価制」「稼ぐ力」「人口ボーナス」「同一労働同一賃金」などなど、「要注意な用語」は、日々、新聞紙面に踊り、我々は「分かったような分からない」用語で何となく納得し、実際には「間違った情報」を脳にインプットすることを続けています。

例えば「財政破綻」や「国債の信認」という用語の定義自体を説明する人は信用しても構いませんが、「何かを説明するために」上記の「要注意な用語」を使っている人がいた場合、絶対に信用してはいけません。本人が全く本質を理解していないか、もしくは何らかのミスリードであるかのいずれかであるためです。

直間比率に話を戻しますが、そもそも「直間比率の是正」とは何でしょうか。「直間比率」を辞書で引くと、
「税収における直接税と間接税の割合。国税の直間比率はおよそ直接税が6割、間接税が4割。地方税の場合は直接税が8割、間接税が2割の構成になっている。近年は景気の影響が少なく、安定した税収が見込める間接税の比率が高まる傾向にある」
といった説明が書いてあります。

直接税とは、所得税と法人税です。それに対し、間接税の代表株が、もちろん消費税です。直間比率の是正とは、要するに、

「法人税や所得税などの直接税を減税し、間接税である消費税を増税するべき」

という考え方になります。上記、直間比率の是正を正当化するために、頻繁に、
「ヤクザから税金を取ることは難しいが、消費税ならヤクザがベンツを買うときに税金を徴収できる」
といったレトリックが使われていました。

とはいえ、改めて考えてみると、ヤクザのベンツ購入など、「国民経済」から見れば間違いなく誤差レベル以下の金額でしょう。誤差レベル以下の金額を例に挙げ、消費税増税と法人税・所得税減税を正当化する言い訳がなされていたわけですから、実に奇妙な話です。

直間比率の是正の「正体」は、何のことはない。新古典派経済学に代表される主流派経済学が理想とする税制、すなわち、

「法人税ゼロ、所得税ゼロ、税金は消費税(あるいは人頭税)のみ」

を正当化するために編み出されたレトリックに過ぎないのです。法人税ゼロ、所得税ゼロ、税金は消費税のみであれば、各人は稼いだ所得を自分自身で使うことができ、公共サービスのコストは「平等に担う」というわけで、極めてフェアな税制になります。

とはいえ、「フェアな税制」は、国内の所得格差を間違いなく拡大することになります。「フェアな税制」とは、勝ち組に優しく、負け組に冷たい税制にならざるを得ないのです。

上記の「直間比率」の説明にもある通り、
「近年は景気の影響が少なく、安定した税収が見込める間接税の比率が高まる傾向にある」
わけですが、消費税に代表される「安定財源」とは、要するに負け組(赤字企業、失業者、低所得者)からも容赦なく税金を徴収するという話であり、社会を間違いなく不安定化させます。何しろ、消費税には、
「勝ち組から大きい比率で税金を取り、負け組の税負担を軽くすることで、所得格差を是正する」
ビルトインスタビライザー(埋め込まれた安定化装置)の機能が存在せず、消費性向が高い低所得者層の「所得に対する税率」が高くなる逆累進性を持った税制なのです。とはいえ、消費税増税に邁進する財務省も、上記「直間比率の是正」レトリックに乗っかる形で、間接税重視のキャンペーンを展開しました。

逆累進性が高い消費税を導入し、あるいは税率をアップすると、国民の反発を買います。というわけで、国民に反発心を起こさせないために、

「直間比率は是正する必要がある。当たり前でしょ?」

というレトリックが使われているに過ぎないのです。

この手の「要注意な用語」の正体を暴いていくことも、三橋経済塾第四期「経済時事」

http://www.mitsuhashi-keizaijuku.jp/guidance/

のテーマの一つというわけでございます。

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【三橋貴明】三橋経済塾への2件のコメント

  1. robin より

    「平等」って言葉は懐が広くて、多くの人の幻想を飲み込む。高所得者は低所得者は赤字でも税金を払え、低所得者は高所得者は負担を大きくしろ。真逆でも言葉は同じ。TimePlaceOccasionによって言葉の意味は変わるけど多くの人は知ったかぶりたいだけで相対的な物の見方は面倒だからやらないし、出来ない。政府の目的は財政健全化でなく社会の治安維持です。自由と平等を目的にすれば弱肉強食のサバンナにもなりかねません。

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  2. 神奈川県skatou より

    今年も三橋先生のご活躍をお祈り申し上げます。ふと立ち止まって考えればわかってないコトバ、ということはまったく多いようで、自分も分かってるつもりで妙な言葉といえば「規制緩和」です。規制というのは、なんらかの目的があって、多くは国民の弱者を守るためであることが多いように感じますが、(それは同時に国家の安定装置でしょうか)それらをただ「緩和」なり「撤廃」し続けてしまうと、究極には規制がなくなっちゃうわけで、実は「規制緩和」というスローガン、あるいは経済政策でしょうか、これは有限な手法だと思うのです。それはちょうど、農業における焼畑農法と本質的に同じ、無責任で場当たりなものではないかと最近思うので、 「景気刺激のため、規制緩和を!」と主張される方は、なんだか経済を保守する方法として、ずいぶん前近代的なんじゃないかと思えてきます。「いや、資本主義なぞもはや限界だ。時代は資本主義から次の、、、」というのと逆の考えの自分は、ふたつの恐慌の歴史を乗り越え、デフレ、インフレの対処法を知り、そろそろ人類がようやく資本主義をなんとか担える時代になったのかなぁと思うので、せめて焼畑農法は卒業してもらいたいというのが感想であります。「イノベーションが前提の資本主義は不可逆で限界」というご説もあるようですが、その点は服飾ファッションが循環しつつ終わらないことにヒントはないかなと、さいきん考えたりします。(科学の進歩と社会の溶解の問題は、、、戸田正直先生との議論で答えの出なかった話なので、楽観はしませんですが、それは科学の範疇でない、といえばそうで。)

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