From 藤井聡@京都大学大学院教授&内閣官房参与
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●月刊三橋最新号のテーマは「2015年の世界と日本」。
アベノミクスは失敗し、日本は再デフレ化確定。
ユーロはボロボロ。そして、中国が、、、、
もし、あなたが時代を読み間違えたくないなら、
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財政規律のための「ドーマー条件」の性質について
〜デフレ期にはPBよりも名目成長率に注力すべし〜
債務対GDP比(名目)を財政再建目標としたとき、それが
「増えていかない事」 (発散しないこと)
が、大切となります。
この点について、日本の政府では、数式に基づく「ドーマー条件」
そして多くのエコノミストは、その「ドーマー条件」
「だから、PBの黒字化が必要だ」
と主張しておられます。
ドーマー条件についての分析そのものは、
なぜなら、ドーマー条件に基づいて素直に解釈すれば、
そして最終的には、
──以上が、財政規律問題についての筆者の結論なのですが、
……..
まず、今年の公的債務は、次のように表現できます。
(今年の債務)(去年の債務) (金利) (プライマリーバランス)
D1= D0 + D0_r + PB
ここにPBは、今年の政府支出の赤字額(ただし利払いを除く)
つまり、今年の債務は、去年の債務に、金利払い分と、
一方、今年の名目GDPは、
(今年の名目GDP)(去年の名目GDP) (名目GDPの成長率)
Y1= Y0 _ (1+g)
となります(つまり、今年の名目GDPは、
以上のように定式化しますと、「債務対GDP比(名目)」は、
「債務対GDP比(名目)」=D1/Y1
=D0/Y0 _(1+r)/(1+g) + PB/Y1
・・・・・
さて、以上の数式がドーマー条件式と呼ばれるものなのですが、
「もしも、rとgが同じなら、つまり、
(もしも(※)が成立するなら、上記の式はD1/Y1 = D0/Y0 + PB/Y1となるので、そのように結論付けることができます)
この主張(命題)そのものは、一点の非も無く、正しいものです。
そして、竹中氏等は、この「主張」に基づいて、
「だから、PBを黒字化しないと、
と強く主張することになります。
……しかし、この主張は理性的に考えれば、
そもそも、上記のPBを黒字化すべし、という主張は、
「もしも名目GDP成長率(g)と名目金利(r)が同じなら」
という前提付きのものでしかありません。
しかし、金利(r)と成長率(g)の関係は、
さらに逆に言うなら、デフレ期には名目GDP成長率(g)
いずれにしても「債務対GDP比(名目)」
・・・・・
さて、上記の条件式を素直に解釈すれば、
(傾向1)「債務対GDP比(名目)」は、PBが小さい方が、
(傾向2)「債務対GDP比(名目)」は、金利(r)
(傾向3)「債務対GDP比(名目)」は、成長率(g)
さて、このように3つの傾向が数理的に演繹されるにも関わらず、
では実際、これらの三つの傾向は、本当に、
これらの変数の関係は、
(傾向1)についての分析
「債務対GDP比(名目)」の変化率 と 「PB」 との相関係数は…
・インフレ期はマイナス0.70 (1%有意: p =0.002)
・デフレ期はマイナス0.39 (有意で無い: p=0.13)
(傾向2)についての分析
「債務対GDP比(名目)」の変化率 と 「金利」(国債・長期金利)との相関係数は…
・インフレ期はマイナス0.24 (有意で無い: p =0.34)
・デフレ期はプラス0.31 (有意で無い: p=0.24)
(傾向3)についての分析
「債務対GDP比(名目)」の変化率 と 「成長率」 との相関係数は
・インフレ期はマイナス0.82(1%有意: p<0.001)
・デフレ期はマイナス0.57(有意傾向: p=0.02)
・・・・これらの結果が何を意味しているのかは、
(実証知見1:PBについて)
債務対GDP比(名目)は、インフレ期にはPBが増えれば(
(⇒ これは、デフレ期にPBを「改善」してしまうと、
(実証知見2:名目成長率について)
名目GDPの成長率を上げていく事は、債務対GDP比(名目)
(⇒ 分母を大きくすれば、債務対GDP比が改善していくのは、
(実証知見3:金利について)
金利の上下が、
(⇒金利は、名目GDPが上がると上がっていくものですが、
以上の数理分析、実証分析が指し示すのは、次のような結論です。
【【【 結論 】】】
「インフレ期においては、名目GDPの成長率を確保しつつ、
一方で、デフレ期においては、
なお、金利については、デフレであってもインフレであっても、
つまり、煎じ詰めて言うなら、デフレ期において債務対GDP比(
ついては今のようにデフレ状況であり、かつ、
以上のような論理的な実証分析と、
付録
【数理分析1】
「債務対GDP比(名目)」
=D1/Y1
={D0 + D0_r + PB}/{Y0(1+g)}
={D0(1+r) + PB}/{Y0(1+g)}
=D0/Y0 _(1+r)/(1+g) + PB/Y1
【数理分析2】
本文中の3つの傾向を導いたプロセスを、
D1/Y1=D0/Y0 _(1+r)/(1+g) + PB/Y1
⇒ (D1/Y1)/(D0/Y0) =(1+r)/(1+g)
+ (PB/{Y0(1+g)(D0/Y0)}
⇒ (D1/Y1)/(D0/Y0) =(1+r)/(1+g) + PB/{D0(1+g)}
ここで(D1/Y1)/(D0/Y0)というのは、
【数理分析3】
「1%(5%)有意」とは、「
PS
2015年の世界と日本を三橋貴明が解説しています。
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【藤井聡】財政規律のための「ドーマー条件」の性質についてへの6件のコメント
2014年12月30日 10:55 PM
竹下流 もとい竹中流で ございますお赦しあれかしこ
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2014年12月31日 4:09 AM
象牙の塔と家元制度竹中流の家元は黒PBを珍重なさっているようですが、、、藤井さまの 仰せのとおりただのガラクタ己の流派が紛い物と世に知れてしまうと生活の糧を絶たれてしまうでしょうし全人生を否定されてしまいます。よって彼らはデータを捏造してでも屁理屈をこねてでもけっして非を認めようとはしません。面倒なことに竹下流は総理をはじめお弟子さんが多数おられます。お弟子たちさんも ご自分が無知とは知られたくないでしょうから竹下流全員で国民を欺く行動をとるしかありません。。。まさに悲劇おなじような現象は医学界においても散見されるようでございます。センター試験も間近ですが偏差値ばかりではなくどのような師匠がおられる大学を選択なさるのかもまた大切なことかと存じます。
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2015年1月1日 7:40 PM
今の日本は「石橋を叩いて渡る」を通り越して「石橋を叩き過ぎて、石橋を破壊する」と言う暴挙に走っている状態でんな。「渡る事が目的で叩いているのか、」もしくは「破壊する事が目的で叩いているのか、」それとも、もしや「叩く事が目的で叩いているのか、」目的さえ見失なっている状態………………..。そこに現れたのがリフレ教…..失礼、リフレ政策(金融政策万能論)「石橋を渡らなくても、飛べば良いじゃないか。みんな飛ぶ事が出来るんだ、出来るんだ、出来るんだ、るんだ、んだ、んだ、だ、だ、………….。」(そら、マインドに働きかけるのは良い事やけど金融政策を過大評価し過ぎたらあかんやろ。たら、れば、の話ばっかりしくさりやがって。行き過ぎたら、それを一般的にはマインドコントロールちゅうねん。)2015年、「日本が目を覚まし、一歩踏み出す事」をお祈りしたいと思うのであります。
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2015年1月3日 5:10 PM
今回は数式も出てきて、少し趣が違い面白かったですし、良く分かりました。また、rとgが同じなら・・・のところで、大笑いしてしまいました。竹中さんは、住民票を小刻みに移して節税したりとか、狡いことを、いろいろやられている方なので、本業の方が疎かになっているのかと思います(笑)。
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2015年1月5日 12:27 AM
要するにこれは、安倍政権はもうデフレ脱却終わったと認識してる可能性が非常に高いということですよね。所詮安倍さんはデフレの怖さも消費増税の恐ろしさもさっぱり認識していなかったんでしょうね。非常に残念でなりません。
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2015年1月6日 1:57 AM
物理学と代数学をやってないと数式の持つ本質は理解し難いのかな。
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