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2014年11月10日

【三橋貴明】これでは意味がないわけです

From 三橋貴明

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三橋貴明公式YouTubeチャンネルでは最新動画を続々公開中
https://www.youtube.com/user/mitsuhashipress/videos

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【今週のNewsピックアップ】
●恐ろしいほど分厚い面の皮
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11948353051.html

●正論
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11949197663.html

4月の消費税増税の「罪」は複数ありますが、最も数値的に明確なのは、ただでさえ落ち込んでいた実質賃金をさらに叩き落としてしまったという点です。何しろ、消費税増税により実質賃金の対前年比マイナス幅は、2%超も拡大してしまったのです。

【日本の実質賃金(決まって支給する給与)の推移(対前年比%)
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_48.html#JC9

問題は、現在の日本の実質賃金の低下を「良いこと」として受け止める「識者」が少なくないことです。例えば、内閣官房参与のお一人である浜田宏一教授は、2013年1月のインタビューで、
「期待インフレ率が上がると、実質賃金は一時的に下がり、そのため雇用が増えるのです。こうした経路を経て、緩やかな物価上昇の中で実質所得の増加へとつながっていくのです
と、語っています。

果たして、本当にそうでしょうか。

「本当にそうでしょうか」とは、グローバル化された世界において、さらに労働規制の緩和が進んでしまった現在という時代において、デフレで総需要不足に苦しんでいる国民の実質賃金を切り下げ、本当に雇用が安定的に拡大するのか、という意味での「本当にそうでしょうか」になります。

グローバル化された世界では、先進国の国民の所得は、多少、実質賃金が低下したところで、後発国に比べれば高いわけです。しかも、市場は「グローバル」という話になると、企業が「利益」を追求し、最終的に「資本の外国への移動」という選択をすることを押しとどめる術はありません。さすがに、日本人の賃金水準を中国並に引き下げるなど、不可能です。

しかも、日本やアメリカは輸出依存度が相対的に低い内需大国です。内需大国とは、つまりは国民経済に占める国内の消費、投資の割合が大きいという話になります。

すなわち、実質賃金の下落は、国民経済の主力である「内需」を抑制してしまうわけです。内需が停滞する中、企業が国内の投資を拡大し、雇用を創出するとは思えません。

といいますか、現実に97年以降の日本では、実質賃金が12%超も下落してしまいました。その間、民間企業の設備投資は増加するどころか、長期低迷しています。(代わりに、対外直接投資が2兆円から14兆円弱にまで増加しました)

無論、このまま実質賃金の下落が続けば、
「長期的には国内の民間企業設備が増える」
と、反論したくなる人は少なくないでしょう。とはいえ、ケインズではないですが、長期的に我々はみんな死んでしまいます。ひたすら国民が貧困化し、現役世代が死に絶えた後に「民間企業設備が増えた」などと言われても、意味がないわけです。

また、たとえ雇用が増えたとしても、非正規雇用や派遣社員が増え、実質賃金の低下が継続した場合(小泉政権期の日本が、まさにそうでした)、消費の安定的な拡大は見込めません。「雇用の不安定化」と「実質賃金の低下」がコンボで襲い掛かってくる場合、国内の消費が「安定的」に増えていくことなど期待できません。結果、輸出依存度が低いほど、内需大国であればあるほど、国民経済は低成長に甘んじざるを得なくなります。(実際の日本は、なっています)

と言いますか、実質賃金を切りさげれば「成長する」というならば、むしろ消費税増税に賛成しなければならないのではないですか。図の通り、実質賃金引下げに消費増税が与える影響は、まさに「効果覿面」です。

浜田教授と言えば、現在は消費税の再増税の延期を主張されています。安倍総理が消費税再増税の判断をする(と言われている)11月17日が近付いてきました。いかなる理由があろうとも、国民の実質賃金の引き下げをもたらす政策は「失政」であると、改めて繰り返しておきたいと思います。

●雇用破壊 なぜ、安倍政権の政策は国民を貧困化させるのか? その理由は、こちらで。
https://www.youtube.com/watch?v=IsJZZaD-rPQ&list=UUza7gpgd6heRb8rH4oEBZfA

【三橋実況中継】
改めて書いておきますが、本メルマガは「無料メルマガ」です。無料というのは、読者の皆様からお金を頂戴しないというのに加え、執筆者側もボランティアでお書き頂いているという意味です。

それにも関わらず、執筆者の皆様が本当に真剣に、かつ高度なメルマガを書き続けて下さっています。編集者というよりは、一読者として心から御礼申し上げます。

特に、ブログの方でも取り上げましたが、11月8日の経済学者、青木泰樹先生の記事は、冗談でも何でもなく現在の日本経済の諸問題に対する「最終解説」だと思います。

【【青木泰樹】黒田バズーカの功罪】
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2014/11/08/aoki-8/

結局、現在の日本が真の意味でデフレ脱却を果たす、すなわち「民間企業設備」や「民間最終消費支出」の継続的な拡大に持ち込むためには、「実質金利」や「期待」といった言葉に「期待」しても無駄という話です。
経営者は誰でも納得するでしょうが、実質金利が低くても、「儲かる需要(市場)」がなければ、企業が積極的に融資を拡大し、設備投資につぎ込むことはありません。何しろ、儲からないのです。

逆に、「確実に儲かる」となれば、企業経営者は借金をしてでも設備投資にお金を投じます。典型的な例として、青木先生が「FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)」を出されていたのは、お見事としか言いようがありません。FITについて散々に文章を書いている三橋ですが、投資の予想収益率と絡めて考えたことはありませんでした。

青木先生以外の皆様も、本当に「価値」があるメルマガを寄稿し続けて下さっています。改めて、感謝申し上げたいと思います。

◆一般参加可能な講演会のお知らせ。

2104年11月14日 東京都トラック協会 ロジスティクス研究会 三橋貴明講演会
テーマ「生産性向上のためのインフラ整備−運送サービスで考える−」
http://ws.formzu.net/fgen/S54394876/

◆KADOKAWA/中経出版「原発再稼働で日本は大復活する!」が発売開始になりました。
http://amzn.to/1qCFM9j

“経済成長”するために、日本はいま何をすべきか。脱原発派の皆様へ、エネルギーを他国に依存した国家に、「平和」と「未来」がありますか?

川内原発、LNG輸入、ロシア・ウクライナ紛争に見る日本経済とエネルギー安全保障の現実─いまこそ、感情論を排した議論をしよう。

◆「Biz JAPAN (ビズジャパン)」に渡邊哲也氏との対談「日本人はこうして豊かになればいい」が掲載され、「賃金主導型が正しい「成長モデル」」を寄稿しました。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00M9Y0U0A/

◆「経済界 2014年 11/18号」に連載「深読み経済ニュース解説 ドイツの財政均衡を読み解く」が掲載されました。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00OHZ9RVW/

◆「「集団的自衛権」でさらに強くなる日本 (MSムック) 」に「閣議決定だけでは不十分! 安全保障関連法案を整えよ」を寄稿しました。
http://www.amazon.co.jp/dp/4864256209/

◆週刊実話 連載「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 第100回「21世紀の日本のビジョン」
なお、週刊実話の連載は、以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/article/category/4/

◆Klug連載 三橋貴明の「経済ニュースにはもうだまされない」 第279回 「需要」が必要
http://www.gci-klug.jp/mitsuhashi/2014/11/04/022638.php

◆有料メルマガ 週刊三橋貴明 〜新世紀のビッグブラザーへ〜 週刊三橋貴明 Vol285 政府の純資産
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
今回が資金循環統計の資金余剰、資金不足ネタの最終回。
実は「家計」「企業」「政府」「外国」の全てが資金余剰となり、同時に「経済成長(=GDP拡大)」を実現することが可能、という話です。

◆メディア出演

11月9日(日) 読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」に出演します。
http://www.ytv.co.jp/takajin/

11月10日(月) TOKYO MX「モーニングCROSS」に出演します。
http://s.mxtv.jp/morning_cross/

11月12日(水) 文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
http://www.joqr.co.jp/tera/

◆三橋経済塾
三橋経済塾第三期「第十一回講義 経済学と政治」申込を受け付けています。
http://members.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=872
今回のゲスト講師は京都大学大学院教授、藤井聡先生!

◆チャンネルAJER 今週の更新はありません

PS
福島原発事故、誰も言わない本当の大問題とは?
この無料音声の完全版が聞けるのは、11/10まで
https://www.youtube.com/watch?v=EJJGonW__l4&list=UUza7gpgd6heRb8rH4oEBZfA

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【三橋貴明】原発再稼働で日本経済は大復活する

【三橋貴明】これでは意味がないわけですへの6件のコメント

  1. 後藤田 より

    今度の解散はどう考えても反対派つぶし野党が固まっていない&ダークホースがいない段階で仕掛けて党内の反対派もろともつぶすつもりだろうコレで与党が勝てば選挙結果を背景に増税という戦術逆にいえば三橋先生が指摘しているとおり弁明できないほど結果がひどかったことの証左仮に反対派がカウンターに成功すれば(与党の増税派)を減らせればこちらが優勢になる最後の分水嶺

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  2. 三須雅彦 より

    ボランティアで書いておられる皆様には感謝しております。我儘なことをお願いいたしますが、東田剛様に、以前のようにとは申しません。何か月かに一度でもいいので現状の政治、経済、世界情勢をどう考えておられるのか書いて頂けませんでしょうか。安倍政権があとどれくらい続くのかわかりませんが、ピークを過ぎ、終局に向かいつつある気がいたします。結局、戦後レジームを強化して終わりそうです。消費税増税にしても、延期しようが予定通り実施しようが、どちらにしても政治的行き詰まりや政治的誤りを認めざるを得ない状況になる気がします。勝手なお願いをして申し訳ありませんがお許しください。

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  3. ぬこ より

    FIT⇒必ず儲かるにワロス。外資や外国人労働者を入れない形で、極端な株主資本主義に傾倒しない形で、内需を創り出して戴きたいものどす。ユダの犬の反日禿に金をばら撒くのが、今の与党さまの保守政策らしいとは、何たる皮肉をや。

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  4. 藤田昭仁 より

    「風が吹けば桶屋が儲かる」より酷いんじゃないですか? むしろ統合失調症( 精神医学でいう病症ではなく巷で使用する支離滅裂の意味ですが)。 言ってることが矛盾を含んでいる、あるいはまったく論理的一貫性が欠如しているのに自分で気付かず周囲のものには理解不可能。「風が吹けば埃がたつ」: これは 確率的にかなり高い確率であり得ることです。「埃がたつと目を患う人が増える」: これも確率的にあり得ることです。「目を患らった結果 盲人が増える」: 埃が原因で目を患って盲人になるかは あまり確率は高くないにしても 角膜を傷つけ炎症をおこすなどしてあり得る話です。「盲人が増えると 三味線弾きが増える」:これもあり得る話です。同様に按摩になる人も増える可能性がありますから、按摩に必要な道具屋が儲かる可能性もある。以降 「三味線弾きが増えるとネコが大量に殺される、 ネズミが増えて、 桶がかじられ 桶屋が儲かる」: どの段階でもすべて確率的にあり得る話。 ただすべての段階の確率の積をもとめれば非常に小さい確率の話が すべての段階が確率100%でなのでそれら段階の確率の積が100%に仕立て上げられたところが奇想天外なのです。盲の評者は 100%起こらない、根拠のない仮定事象をコラ−ジュして話を作り上げるから奇想天外どころか荒唐無稽になってしまいます。さらに悪いことには社会には荒唐無稽な話を荒唐無稽と気付かない人が多数です。だから荒唐無稽な話が通ってしまう。 あげくのはてに 荒唐無稽な話で飯を食ってる人が大多数だと酷い場合は真っ当なこと話す人は社会から排除されます。これは文明が始まって以来ですねー。 ソクラテスもイエス キリストも死刑になった。 地動説を唱えたガリレオは死刑になりそうになって自説を一応引っ込めた。 いやはや。

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  5. この記事とは関係ありませんが・・・ より

    三橋さん、後悔なさっているそうですが絶対に短髪のほうがいいと思いますよ(笑)

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  6. たかゆき より

    群盲 象を評す♪「識者」といわれる「盲」が経済を評すとこのザマということでございますね。そして長期的には「象」は死んでしまう。。。とか寓話がひとつ出来つつあるのでせうか。「盲」だけに「風が吹けば桶屋が儲かる」のような奇想天外な理論(ものがたり)がお好きなのも頷けました。これから風の強い日が多くなりますね、、「盲」にならぬように気をつけたいものでございます。

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